2002年
今日から診療(外)日誌と題して日記をつけます。
くだらん内容ですが、読んでやってください。
9月8日(日)
時は過ぎ、かさかさになって庭の片隅にころがっている蝉の抜け殻が土の色に同化してゆくように暑かった夏も忘れ去られてゆきます。
私個人は夏生まれのせいもあってか、昔からことのほか夏が好きで、冬の嫌いな人ではあります。
で、初夏の夏が来る気配の時期が最もすきで、去りゆく夏を感じる今の時期が最もやるせない時です。年を取ると年月が早く過ぎてゆくというのは 本当の話で、子供の頃に比べるとびゅんびゅん時間が過ぎて行きます。
一日があっという間に過ぎ、一週間があっという間に過ぎ、一ヶ月が、一年が過ぎてゆきます。気がつくともうこれを47回も繰り返していました。
お盆の間、サーバーがダウンし、その後1週間ほど世界に不通(インターネット不通)になってしまいました。当然HPも更新できず、大変不自由な生活でした。 今はMacのOSもジャガーに入れ替え、快適に運用しています。でも不安に対処するため、ノートの方でエアエッジを使える環境にしました。 少し、スピードは遅いですが、こちらも快適に運用出来ています。また、この二つの環境をシンクロさせるため、blue toothを導入してみました。 設定も簡単でファイルのやりとりがワイアレスなのはうれしいです。
9月9日(月)
クリニックの近くに「いとうづの森公園」という動物園兼自然公園があります。ここは私が幼稚園のころから遠足の定番スポットで、何度も訪れていました。
数年前北九州市に買い上げられ全面リニューアルされて、動物の飼育環境や公園の整備が進み、大変気持ちの良い公園に生まれ変わりました。 昔は、今にも脱線しそうなジェットコースターがやかましい音を立て、スピーカーからは大きな音でいらぬ音楽が流れていました。 今は大きな音のでる遊具は取り外され、静かな環境で動物を見たり、お弁当を食べたりすることが出来ます。 獣医さんや飼育係さんによるツアーや、ふれあい広場などがあって楽しいと思います。お近くにお越しの際は一度入園してみてはいかがでしょうか。
9月9日は救急の日です。今日も保育園のクマ組さんのお友達がまぶたを切って来院されました。たいしたことがなく良かったです。
このように形成外科もどんどん一般の学校や病院で認知され急患で来られる方が増えてきました。 救急の正しい知識、対処法を身につけるように致しましょう
9月12日(木)
昨日は水曜でクリニックは休診でした。
昨日は高気圧に覆われ一日中晴れの良い天気でしたが、多少暑さが戻ったような一日でした。
先日テレビでも報道されていましたが、小中学生の二重手術が流行っているようです。お母様と一緒に来院され、 軽い気持ちで手術を受けているようです。このことの是非はともかく、当院でもこのようなご相談が増えているのも事実です。 成長途中のまぶたに傷を付けることが良いことかどうか、またそれを考慮してもメリットがあるのかどうかは慎重に考える必要がありそうです。
9月13日(金)!
昨日は近くで開業している、O先生、S先生と会合でした。両先生ともに形成外科専門医で、しっかりとした 治療をされている先生方です。北九州は美容外科も多いのですが、このように専門医を持たれた先生方の含有率が 博多より高く、良質の医療を提供できる場所だと考えています。
昨日は飲みながらも話しはつい、手術法のことや医療のことなどに及んでしまいます。 北九州から本当に良質で信頼できる美容外科を発信してゆきたいと話し合いました。
9月14日(土)
来月は京都で日本美容外科学会の総会が開催されます。
日本形成外科学会は再建や皮弁、再生医療の話題が多いですが、美容外科学会の方は、どちらかというと実用的な知識を吸収できます。 また、10月12日には学会に先立ち公開市民講座も開かれます。無料ですので、お近くの方はご参加されてはいかがでしょうか。
9月16日(月)
振り替え休日です。 北九州地方ではお昼までは曇りのお天気でしたので、例のごとく、娘達を連れ(せがまれ)いとうづの森公園に行きました。 動物に餌をあげたりしているうちに雲行きが怪しくなってきたので、帰宅しましたが、その直後から大雨となりました。 まさに「バケツをひっくり返した」というような雨で、間一髪のところでした。被害などありませんでしたか? でも、この水不足の折り、ダムは多少潤ったかも知れませんね。
9月18日(水)
クリニックは休診でした。
昨日の日朝会談での拉致問題の結末には愕然といたしました。25年もの間、肉親と生き別れた気持ちというのは察してあまりあるものですが、 その上、今回のような結果を聞かされた方々の思いは如何ばかりかとお察しいたします。
ただ、長い、日朝間の不幸な歴史の中でこのような話し合いが持たれ、一定の進展が見られたことは評価すべきことかも知れません。
9月19日(木)
死亡日時の情報公開の遅れは何を意味しているのでしょうか。
原発の事故隠しは、どう解釈したらよいのでしょうか。
いろいろな政治的配慮もあるのでしょうが、後手後手に回るのではなく国民一人一人が納得するような方法で説明を頂きたいものです。 その国々の事情、政治判断など、その瞬間の判断は大事であったでしょう。でも本当のことを言えないことは、何としてもいけないのではないでしょうか。
嘘をつくことが最もいけないはわかりきったことです。みんな本当のことを知る権利があり、それがわれわれの一般常識でもあるでしょう。 少なくとも私を含めた形成外科、美容外科医が患者さんの幸福だけを考えて何も隠さず誠実に、自分の 知識、技術を高め、純粋に結果に向かって行く姿勢を真摯に貫くことが、私達のできる唯一の仕事かも知れません。
入れ墨や、いわゆる「根性焼き」と呼ばれるやけど跡を取りたいという若者が増えています。この風潮はどのように考えたら良いのでしょうか。 かつては親からもらった体に傷を入れるということに対する心理的抵抗というものが強かったのでしょうが、 今は若い人を中心にその意識は相当に希薄になっているようです。 入れ墨については本文に詳しく書きましたが、ファッションで楽しむ分には問題ありませんが、入れ墨は消えないという事を 必ず肝に銘じてもらいたいと思います。
9月23日(火)
秋分の日に相応しい秋晴れの行楽日和でした。
日に日に秋が深まって、夏の面影が薄れて行きます。ついこの前まで、やかましく鳴いていた蝉はどこに行ったのか すっかり姿を消し、そのかわりに「いとうづの森」ではドングリや橙色の落ち葉が目につきます。
9月26日(木)
北九州ワインクラブというグループがあります。
いろいろな職種の方々が集まってワインを楽しむ会です。酒を飲むのが好きな連中ばかりですが、 私を含め皆ワインは素人ですので、毎回博多からソムリエをお呼びして いろいろと教えて頂きます。各会ごとにテーマを決めてワインに合う食事も一緒に楽しんでいます。 秋の秋刀魚がおいしい時期には秋刀魚とボジョレーを同じ旬の素材ということで飲み合わせたり、 掟破り、日常性からの脱却をモットーとしています。参加されてみたい方は私宛メール下さい。
9月30日(月)
早いもので今日で9月もおしまいです。暑い夏と思っていたのに、もう10月の声を聞くようになってしまいました。
10月はいろいろな催しがあってクリニックのお休みが多かったり、私が不在の日があったりしますのでご注意下さい。
11日(金)から13日(日)までは京都で美容外科学会、15日(火)は形成外科同門会の幹事会で博多です。 22日(火)から24日(木)はスタッフの研修会で休診となります。
このほかにもプライベートで結婚式、同級生の教授昇進祝賀会、高校の同窓会などが目白押しです。
10月1日(火)
秋、まっただ中の季節になりました。基本的には夏が好き、ビールが好きな私としては寂しい季節なのですが、 それはそれで食べ物もおいしく、減量中の身としてはややつらくもあります。
朝早く起きると少しひんやりとした空気の中、色づき始めた柿の木に鳥のさえずりが聞こえ、今日一日がさわやかに始まる予感を感じます。
昔、東海林さだおの漫画か何か見た気がするのですが、秋の季節を一番に感じるのはトイレで便座がヒヤッとする時というのは 秀逸な表現のような気がします。
仕事で写真を撮る機会は当然多いのですが、この作業は記録そのものが目的ですので、最も機能的なデジカメを用いています(Nikon CP5000)。 患者さんに対する説明、記録や学会発表などの資料に使うことがありますが、即座にモニターで確認できたり画像処理が簡単なのは 大いに助かります。昔は銀塩カメラで記録していたのですが、膨大なスライドフィルムの山に埋もれていました。
このように普段仕事で使用したり、子供の成長を記録したりするのはデジカメが一番ですが、趣味の撮影となると話しが180度変わってきます。
私が数年来愛用しているのが大昔のライカです。大昔と言っても私の機種は1955年(私と同じ生まれ年)の製品ですが、今なお、その 物としての魅力にあふれたプロダクトです。デジカメや最新のAFのカメラと違ってカメラはな~んにもしてくれませんが、ピントを合わせたり、 絞りやシャッター速度を考えながら写真を撮る楽しみは格別です。
10月4日(金)
いやー、驚きました。KDDIのサーバーの切り替えに思ったより苦労してしまいました。数日間まったくアクセスできなかったのですが、 ぜんぜん更新しないというのも不安なものです。
また、いろいろな話題を書いてゆきます。
10月5日(土)
日本晴れとか秋晴れという見本のような日よりです。寒いのが元来苦手です。こんな気候が一年中続けば良いですね。
毎日の診療で、つくづく美容外科の治療の難しさを感じます。星の数ほどの美容外科クリニックがあり、先生方がいらっしゃる 訳ですが、それぞれの先生方が皆違った術式(もちろん基本術式はあるのしても)を持っています。また、「こつ」のようなものも 持っていらっしゃるでしょう。手術をすればするほど、手術の奥の深さを感じます。たとえば二重の手術をとっても、手術自体の手技は それほど難しくはないのですが、ちょっとした工夫や「こつ」ですばらしい出来の手術が可能です。完成した手術はないというのが 実感です。
10月7日(月)
新しい一週間が始まりました。今日もフォトフェイシャルからスタートです。 今週は週末には京都で、日本美容外科学会の総会 です。まぶた、乳房、アンチエイジングなどを中心に勉強してきます。あまり時間はないかもしれませんが、秋の京都も多少は楽しみにしています。
10月10日(木)
旧体育の日です。年間でも最も晴れの確率の高い日と言うにふさわしく、今日も朝からさわやかに晴れ上がっています。 1964年の今日、東京オリンピックが開会式を迎え、これを記念して10月10日が体育に日と定められました。
戦後20年足らずの日本は今日の不況にあえぐ日本とは違い、高度成長のまっただ中ではありました。アジアで初めてのオリンピックを 開催するという戦後の国力を世界に示す絶好の機会だったと言えましょう。
この時代にオリンピックに間に合わせるためを含め数多くの高速道路や公共施設が猛スピードで建設されました。 この建設ラッシュが現在の東京の無秩序な街並みに影響を与えたとも言われています。
小学生の少年M(私ですが)は学校から帰ると白黒テレビに向かい、神永の敗北や裸足のアベベに心動かされたものでした。 オリンピックにまつわる話題は数多くありますが、セコムの前身の警備会社がオリンピックを機に躍進したことや選手村での 料理人たちの苦労はプロジェクトXで初めて知りました。
「今日~は何の日♪」 みたいになってしまいました。
10月11日(金)
ノーベル化学賞受賞の田中さん、立派ですね。一般的には大学の研究室で研究を続け、博士号も当然のように 持った先生が受賞するという感覚だったのですが、見事に覆してくれました。
彼がこの研究で特許申請をしたのは若干25歳だったというのだから驚きます。大学を卒業して何年もたってないですよねえ。
われわれがノーベル賞を受賞できるはずもないのですが、そうでなくても、われわれが 日頃行っている治療や医療の中にも世界に通用する何かがある可能性も示唆してくれました。
研究というものの考え方、取り組み方というものをもう一度考え直してみたいと思います。
10月15日(火)
12日(土)から京都で日本美容外科学会総会が開催され、私も参加してきました。
総会に先だって開かれた市民公開講座や生涯教育講座にも出席してみました。 公開講座では美容外科の選び方や目に関する 有意義な講義を一般にもわかりやすいように解説され、私自身も参考になりました。また、それにも増して、スタジオ「KAZKI」の主宰、かずきれいこさんの 講演もなかなか興味深いものがありました。私も以前から美容外科・形成外科と エステやメークアップとの融合や協力を推進してきましたが、今回の講演でもメークアップの重要性について再認識しました。
さて、学会の本会合では、 主に目と輪郭形成を中心に聞きました。以前から言っているように二重の手術一つとっても いろいろな術式や考え方があり、奥の深さを再認識しました。
また、おもしろかったのは手術をしないで胸を大きくする方法で、これも1年まえから話しだけは聞いていたのですが、 日本人でのデータが示され、効果もそこそこにありそうだという感触を得ました。器具を寝ている間装着するのですが、 かなり長時間(1日10時間程度)、長期間(10週間程度)が必要であるのが難点です。しかし、まったくメスを使うことなく 100cc前後の増加(1カップ程度の増量)が見込めるのは福音かもしれません。
今日は九州ではにわか雨が激しく降りましたが、京都は連日快晴で、土曜の午前中2時間ほど京都駅周辺のお寺や庭をカメラを持って ぶらぶら散歩してきました。 秋の京都は紅葉には早かったですが、暑からず寒からず、最も良い季節の京情緒を訪ねました。もっと時間があれば久々の 京都を堪能できたのでしょうが、あまりクリニックをお休みにするとご飯を食べられませんので、泣く泣く帰ってきました。

東本願寺土塀

紫式部
10月17日(木)
京都の学会、結婚式、同門会の幹事会と立て続けに外出して少し疲れたのか、風邪をひいてしまいました。
発熱や倦怠感はないのですが、鼻水、鼻づまりにも増して左の耳管の機能が低下し、内耳の気圧調節がうまくいかず 耳の聞こえが悪いのがいけません。(飛行機に乗って耳がつーんとする感じです)
3745会という会があります。小倉北を中心とする医師、薬剤師などで構成されています。3745とは「みなしご」と読むのですが、 先生方の大部分がご両親を亡くされたということに由来しています。数ヶ月に一度集まっていろいろな話しをしながらテキーラ を飲むという会なのですが、お酒も好きだが車が死ぬほど好きという先生方が多いのには驚かされます。
人知れずロータスエスプリを隠し持っている小児科医やおなかの大きいのにセナを追っかけてドイツだかフランスだかにF1の観戦に行った 産婦人科の女医さん、BMWのバイクをこよなく愛する整形外科医など、想像を絶するエンスーの集団です。
私も古い英国の二輪をいじっては喜んでいる人ですので、会合を楽しみにしています。
10月18日(金)
北朝鮮から拉致被害者の5人が帰国して来ました。20年以上も彼の地で過ごした歴史は簡単には払拭できるものではないでしょう。 しかし、ふるさとの両親や級友の歓迎を受け、徐々に帰国当日の堅い表情は和らいできたような印象を受けました。 人格は環境によって作られます。北朝鮮の長い生活の中で家庭を築き日常を送っていた人が急に祖国だからといって日本にとけ込める 訳もありません。まして、北朝鮮にいるお子さんやご家族にとっては日本は見知らぬ地です。拉致問題をうやむやにしてはなりませんが、 このような問題もしっかり踏まえた上で暖かく接したいものです。
10月21日(月)
土曜は同級生が教授に就任したお祝いでしたが、期せずして同窓会の様相となり卒業以来の友人などとも会い、楽しい時間を過ごしました。
新教授は大学医学部の環境医学講座の主任教授となりました。
大学に入学すると各人教授を一人選んで自分の保証人になって頂きます。保証人の教授は自分のグループの学生たちと 積極的に交流を持ち、時には保証人会と称して飲み会をしたり、学生の成績が悪ければ発破をかけたりもします。
私が入学したときに保証人になって頂いた教授はT先生という環境衛生学講座の主任教授でした。時は巡ってT教授の後任の 後任となったのが、同級生のI先生という事になります。亡きT先生の娘さんは私の後輩医師となっています。私も歳を取るはずですね。
形成外科の現主任教授は、その昔慶應義塾大学から赴任されたときは 教授室もろくになかった状態だったと聞いています。その教授も退官まであと約500日で後任の教授の選挙がやってきます。
世代はどんどん変わっているということでしょう。
明日22日から24日まではスタッフ研修のため全面休診となります。メールでのお問い合わせに対する返信も25日以降になると思いますが、 ご了承下さい。
10月25日(金)
22日から24日まで 研修のため休診とさせて頂きました。メール等のお返事が遅れ誠に申し訳ございませんでした。
お詫び申し上げます。
10月26日(土)
早いもので、10月も最後の週を残すのみになりました。あっという間に今年も終わろうとしています。
暑い暑いと言っていたのに、もう冬支度です。朝の犬の散歩もつらくなる時期となりました。
10月28日(月)
急に寒くなりました。朝晩は相当に冷え込みますので、風邪にもご注意下さい。
10月、11月はピークの8月に比較して紫外線量は少ないのですが、それでも半分量程度の紫外線は降り注いでいる と言われています。また、曇りの日でも晴れの日の70%、雨の日でも30%の紫外線が地表に届きます。
紫外線のうちでも皮膚の老化の原因となる波長の長いUVAは雲などは通過しますので、曇りの日でもあまり変わらない 量が地上に届いていると言われています。
紫外線対策は、この時期でも入念に行いましょう。
10月31日(木)
本当に寒くなってきましたね。朝晩はストーブが恋しくなってきました。
現在、当院ではニキビの治療器のクリアタッチを試用しています。ニキビ菌を消滅させる作用によって 赤ニキビに特に効果があると言われています。この機会にお試しになってはいかがでしょうか。
先日高校の同窓会に行って来ました。
総会に続いて同級生で飲みに行きましたが、みなさん、おじさん(私も含む)、おばさんになっていて壮観でした。 それぞれ進んだ道は違っても、それぞれの道で頑張っている人たちばかりです。銀行家、魚屋、家具屋、教師、 医師など普段まったく関わりにない人がこの日ばかりは呼び捨てで呼び合い、30年の月日をあっという間に飛び越えて 昔に帰ります。
24年間北朝鮮に拉致され、帰国した方々も一番気を許して懐かしく思うのは昔の同級生だったろうと察します。
11月1日(金)
いよいよ11月に突入です。あと2ヶ月で新年が来るなんて信じられませんね。
この時期になると思い出すのは開業の年の暮れのことです。開業前に勤務していた国立病院の形成外科部長の ポストの後任が大学の人事の都合でなかなか決まらず、内科は12月に開業したにもかかわらず形成外科は2月まで事実上休業していました (私自身は国立病院に勤務していた訳ですが)。 これにはかなりへこみました。
さて、博多と北九州を行ったり来たりして無理をしたせいもあるのでしょうが、 数年来ひいてなかった風邪をひいて年末は寝込んでしまいました。40度の高熱に食事も喉を通らず年末から新年まで寝て暮らしました。 おまけに正月休みの間の国立病院の当直まで回ってきて、交代の先生を見つけるのにも大変苦労しました。 まあ、正月で患者さんも少なかったのが幸いでしたが、つらかった思い出です。
11月2日(土)
大学の医局の後輩と飲みました。(と言っても彼はまったく飲めないので私だけが飲んだのですが)
彼は私の後任の後任として1年ほど前から国立病院の形成外科部長をしています。大学時代や国立病院に在籍していた ころの私は「がん」の手術後の再建手術を数多く手がけていました。口腔がんや食道がん患者さんのがん摘出術後、 舌や食道を作る仕事です。舌のがんの場合は胸やおなかの筋肉を使って、食道の場合は腸管を使って再建するのですが、 このような手術は1ミリ~2ミリ程度の血管を顕微鏡を見ながらつないでゆく繊細かつ大胆な手術です。手術時間もがんの 摘出手術を加えると10時間を超えることも珍しくありません。
開業してからはさすがにこういった手術をすることはありませんが、後輩の話しを聞いていると、昨日のように患者さんの顔が目に浮かびます。
開業後は、まぶたの手術や胸の手術も多いですが、これはまた別の繊細なテクニックとセンスが 要求されます。
人の生死を扱う手術もあれば、精神的な苦痛の緩和を支援する治療もあります。自分の仕事の難しさ、厳しさ、 喜びといったものをあらためて再認識した飲み会でした。
11月7日(木)
ずーっとADSLを我慢してISDNで過ごしてきましたが、ようやく光が開通し、Bフレッツでのインターネット環境が 整いました。100Mbpsは出ないと思いますが、それでもISDNよりは格段に早く、画像や動画のダウンロードには ストレスがありません。いやあ、待った甲斐がありました。
これからもHP、まめに更新して行こうと思います。
今日は東京から外科の先生がクリニックの見学に来られました。以前から懇意の先生ですが、形成外科の手法やテクニックを少しでも 拾得したいと見学に見えたものです。もちろん、形成外科の手技を一朝一夕に拾得することは出来ませんが、自らの勉強のために時間を取って 来られるというのは頭が下がります。私も年3回といわずもっと多くの機会を作って勉強に行きたいと思っています。
11月9日(土)
毎月1回、当院ではスタッフミーティングを行っています。
医師、看護士、事務、エステティシャンなど、診療に関わるすべてにスタッフが集まって、このクリニックに お越しになる患者さんのアメニティー、どうしたらもっと良い治療ができるかなどを話し合います。 今回の議題の一つは「なみの会」という当院の糖尿病の患者さんを中心とした会の会合の件です。
毎月糖尿病やダイエットを目指す方々を中心に講義や料理教室を開いていますが、12月はその決算のパーティーです。
12月15日(日)の開催が決定しました。スタッフ一同で、楽しく、ためになる会にしようと張り切っています。
11月9日は救急の日です。(119だから)
救急車のサイレンはいつ聞いても気持ちの良いものではありません。かつて救急病院で当直しているときは救急車のサイレンに 飛び起きていましたが、そんな夜は幻聴のようにサイレンの音が耳について離れず眠れぬ夜を過ごしたものです。
11月11日(月)
日曜、海響館(下関の水族館)に行って来ました。子供の頃行った水族館はなんだか魚くさく、多少陰気な雰囲気の 場所が多かったように思いますが、今はこの海響館にしても博多のマリンワールドにしても、たいていは小じゃれて清潔な テーマパークのような作りになっていますね。
海響館の「ふぐ」族の種類の多いのには驚きました。さすがに下関ですね。
旧下関水族館の大きな鯨の作り物は今でもあるんですねえ。久しぶりに見ました。
中は確かはいることが出来て鯨関係の展示物があったように記憶しているのですが。懐かしく思い出しました。
11月14日(火)
昨日は3745会でした。北九州の車好き、バイク好きの集まる会です。メカの事など肴にテキーラを痛飲します。
昨日は記念病院の整形外科の先生が何名か来ておられました。記念病院は京都大学系の先生が多く、 みなさん関西弁です。その中でトミー先生という整形外科の若い先生も見えていましたが、顔は端正なドイツ系 なのですが流ちょうな大阪弁をお話になるのがとってもアンバランスでおもしろかったです。
11月15日(金)
風邪が喉に来ました。3745会ではテキーラで十分消毒したと思ったのですが、喉を痛めたのか声が出にくく困っています。 カウンセリングの時も他人の声のようで変です。みなさんも風邪、インフルエンザには十分注意してください。
11月18日(月)
今週の木曜はボジョレーヌーボーの解禁日です。
毎年11月の第三木曜の午前0時をもって解禁とされています。若々しい、まだ絞り立てのジュースのようなワインですが、 これも作柄などによって微妙に味わいが変わってきます。さて、今年はどんなワインなのでしょうか。
わが北九州ワインクラブもこの日は年に一度のお祭り気分で試飲会を開きます。試飲といっても安いワインなのでたくさん 用意できることもあり、メンバーは皆1~2本も空けてしまいます。
11月21日(木)
a votre sante というフランス語、直訳すれば「あなたの健康」となりますが、一般に「乾杯」 の意味で用います。
今日の午前0時、フランス本国より8時間早くボジョレーヌーボーが日本で解禁となりました。 現時点では私はまだ飲んでいないのですが、夜はワインクラブでの試飲があります。「私の健康」のため飲み過ぎには注意します。
11月22日(金)
昨日は北九州ワインクラブのボジョレーヌーボーの試飲会でした。
何種類かの作り手のワインを飲みましたが、今年のヌーボーは軽やかな中にも熟成感のある、ワインとしてしっかりした ものもありました。いつものようにフルーティーな味わいは変わりませんが、香り立つ良い出来だったと思います。
ボジョレーヌーボーは今年の9月に収穫されたブドウを高圧の元に発酵させたものですので、やはり、今が飲み頃です。 今年中か遅くとも半年くらいの間に飲んだ方が良いようです。
11月25日(月)
おもしろい本に出会いました。「喪失の国、日本」(M.Kシャルマ)という本です。文藝春秋からの出版です。 AMAZON.co.jpで購入しましたが、届いたその日の夜一気に読了してしました。320ページの堂々たる本ですが、内容がすごく引きつけられるものがあり 久しぶりに眠れませんでした。内容はインドのエリートビジネスマンの日本滞在記、比較文化論なのですが、我々の知らない カースト制度のまだ生きているインドと、それに対比される日本を第三者の目で見ることが出来る本当におもしろい本でした。 一度お読みになるのをお勧めします。
仕事柄いろいろなデジカメを使用しています。マジカメ(銀塩カメラのことですね)については10月1日に書きましたので、また機会があれば書きますが、 今回、ようやくという感じで入手したデジカメがありますので、紹介してみたいと思います。
昔から記録用のカメラとしてはリバーサルフィルムを使用して症例を記録するのが一般的でしたし、現在も主流かとも思います。 しかし、デジカメが世に出た頃より非常に興味があり、将来を嘱望していました。
1988年民生用の電子スチルカメラ「ソニーマビカ MVC-C1」が発売されると安月給を工面して買い求めました。 フロッピーに記録するタイプでしたが、当時は受け入れるパソコン側の体制も不備で結局は使い物になりませんでした。
世に普及型の名機QV-10が出現するはるか7年も前の話しです。その1995年を境にデジカメは急速に進歩しました。その一つの要因はパソコンの大幅な普及が追い風になったのは 言うまでもないでしょう。
われわれも学会のスライドなどを作成する時は、まずスライドを専用にスキャナーで読みとり、加工し、再度スライドに焼き付けて作成していましたが、 デジタルの画像があると1行程減らせるため格段に作業効率は上がりました。また、膨大な数のスライドを保管するにはそれなりの環境が必要ですし、画像の劣化、分類など、 きわめて煩わしい問題が山積していました。
そんなときレンズ交換式一眼レフデジカメ「ミノルタ RD-175」が発売されました。当時のプロ用デジカメは100万円~1000万円というとてつもなく高価な代物でしたので、 RD-175の60万円は破格の価格に思えました。また、開業も控えていましたので、設備投資の一環として先行投資をしても良いかと考え購入しました。

当時一眼レフでは世界最小であったが、
今見ると恐ろしくでかい。
(175万画素)
この機種はもちろんマクロレンズの使用が可能で、画角が狭いなどの欠点はありましたが、医療センター時代の学会発表などには大活躍してくれました。 しかし、悲しいかなデジカメの進化はそれ以降目を見張るものがあり、愛しのRD-175はあっという間に時代遅れの代物になってしまいました。
民生用デジカメが35万画素程度から100万画素になったと思ったら200万画素に、300万画素にとあれよあれよという間にパワーアップし、それまでのプロ用機器を 凌駕し始めました。もちろんプロ用器も進化しなかったわけではなく、ご存じニコンD-1などが出た時にはほぞをかみました。
結局、今現在仕事で使用している機種はニコンCP-5000です。殆どが接写なので2センチまで寄れる機能は重宝しています。
でも一点、一般使用で物足りない部分がありました。それは望遠レンズと交換できないことです。遠くにあるものを写すのではなく、きれいなボケ味がほしい時は結局は 大きなレンズを付けたアナログカメラを抱えて撮影という事になっていました。
今回発売になったPanasonicのDMC-FZ1は200万画素ではありますが、光学12倍(35ミリ相当で35~420mmですからタムロンのズームと同じくらい)で、シャッターのラグも 少なく、小型軽量で、久しぶりに購買欲をそそられた品でした。レンズにLEIKAのELMARITを使用している点も見逃せません。
なんだかんだ言いながらいろいろなデジカメを使用しましたが、結局は時代の流れの中に消えてゆく運命の子らで、古いアナログカメラのように何十年も現役で生き残ることは あり得ない消耗品というところが悲しいですね。(合掌)
11月28日(木)
韓国は美容外科の先進国で、市民の美容外科に対するイメージや認識も日本とはだいぶ違います。
私が初めてBOTOXを習ったのも韓国でした。この12月も韓国の先生のクリニックにお伺いしてBOTOXによる脚やせのお勉強をしてきます。 BOTOXというのはボツリヌス菌という細菌が出す毒素のことですが、この毒素が神経末端に作用し、筋肉の収縮を押さえます。 これによって顔面けいれんなどの治療をしてきましたが、転じて顔面のしわの治療や顔やせ、脚やせの治療にまで応用されるようになってきました。 私自身、脚やせに対するBOTOXの治療経験がありませんので、今回は韓国の先生に教えていただきに行って来ます。
11月30日(土)
15年も前の話しになりますが、アフリカを40日ほど、うろついたことがあります。 ケニア、タンザニア、ザンビア、ジンバブエをバックパック1つ背負って廻ってきました。
ケニアにいるとき最も長期間滞在したのがモンバサという海辺の都市でした。その前日観光しているときに知り合った お兄さんに(今考えると危ないことしてますよね)、良い所があるといって高級なリゾートホテルに案内されました。確かにヨーロッパの金持ちがたくさん 滞在する高級ホテルで、私もビジターながらひとときの優雅な休日を過ごしました。
「モンバサパラダイスホテル」、その名の通り、実にパラダイスなホテルでした。
昨日、自爆テロのニュースが流れました。15年来久々に聞いたその名前は「モンバサパラダイスホテル」。 見覚えのある、ゆっくりとした時間の流れる場所は木っ端みじんに砕け飛んでいました。
タンザニアからタンザン鉄道(中国の資本で作られた鉄道)で2日間寒さで死にそうになりながらザンビアの首都ルサカに着きました。
ザンビアとジンバブエの国境には世界3大瀑布に数えられるビクトリアフォールズが威容を誇っています。 大きなカバの行き交うザンベジ河の夕日は今も鮮やかに心に残っています。
28日にはこのザンビアでもカフエ国立公園で日本人観光客が何者かに狙撃され亡くなっています。 雄大なアフリカの大地にもテロの嵐が吹き荒れているようです。
12月2日(月)
いよいよ師走に入りました。師走と言えども仕事はゆっくり、丁寧にを目標にしていますので、決して 走り回ることはありません。
今年は年末年始がうまく休日を取れるようなカレンダーになっており、当院でもまるまる1週間のお休みを 取ることにしました。この間はスタッフも当然お休みですので、処置などが出来ません。
従って、術後緊急に処置が必要な可能性のある手術はこの1週間前から停止いたします。
年末年始のお休みを利用して手術をお受けになることをお考えの方は、術後のことも良くお考えになって 手術する施設をお選び下さい。何かあってもほったらかし、術者はいない、では手術をする資格はありません。 手術というのはそのときの手作業と言うだけでなく、術後の責任もしっかり持つのが原則です。
あ~また年賀状の季節です。データベースがあるとは言え数百通の賀状を書くのは大変です。
12月6日(金)
小学生のころ、最も尊敬する人物はトーマス・エルバ・エジソンでした。たしか卒業文集か何かにも書いた記憶がありますが、 小学生の少年 M(私ですが)はメカにやたら興味を持っている子供でした。6年生の時にはアマチュア無線の免許も取り、 技術者になることを夢見ていました。何の因果か今ではまったく違う仕事をしていますが、今でも時々は半田ごてを握ったりも しています。1877年の今日、12月6日はエジソンが蓄音機の試作に初めて成功し録音再生した、まさにその日だそうです。
「手術の失敗」。ぞ~っとする言葉ですが、少し考えてみます。
そもそも手術を失敗するとは何でしょう。
たとえば手術する人を間違った、おなかの中にガーゼを置き忘れた、右左を間違えて手術した、薬の量を間違えて患者が死に至った、 聞きたくはないけれど時々聞く文章ですねえ。これは誰が見ても医師またはシステムの基本的なミスでしょう。言い訳のしようもありません。
手術中に患者の状態が急変して死に至った、術後何らかの原因で傷が化膿し、それがもとで患者が死に至った。 このようなケースは先ほどの人為的な明らかなミスがあったかなかったかが問題になるでしょう。 急変の原因疾患の精査がなされていたか、そのとき適切な救命措置を講じたか、術後の処置が適切であったかなどを検証しなければなりません。 手術自体侵襲の強いものですから、何もミスがなく、精一杯治療していても絶対にないとは言えないものですが、医師や医療に何らかの原因があったなら、それは 訴追されてしかるべきのもでしょう。
もう一つのケースが美容外科に最もかかわるものです。上記のような手術ミスは美容外科では一般には皆無です。
よく報道されるので、多いような印象もありますが、実際には局所麻酔の簡単な手術が90%以上ですので(局所麻酔だから安心という訳でもありませんが) 医療機関全体から見ると安全性ではトップクラスでしょう。 もちろん、全身麻酔や大きな手術をする場合には当然ありうるケースではありますが、美容外科全体のミスと言われるものの中ではたぶん 1%以下の割合でしょう。
さて、美容外科に一番多い医療ミス(と言われるもの)は殆どは満足度の不足です。手術前には患者さんは一様に興奮状態です。 興奮状態でないとしても、まったく平静ではないでしょう。このような状態で聞いた手術の説明は殆ど頭に入ってないのが実情です。 保険診療の場合は満足を求めて医療機関に行くことはありません。ないとは言えませんが、むしろ、おなかが痛いのでお薬をもらいたいとか 熱があるので、注射してもらおうという感覚の患者さんが多いのではないでしょうか。
美容外科、特に自費診療の場合、ある程度のお金を払って、それにみあうだけの満足を購入しようとします。 ですから手術をしても思ったようにならなければ「手術の失敗」ということになる訳です。
私は、このような満足の不足はあえて「手術の失敗」と呼ぼうと思っています。
手術自体うまく行っても患者さんの何足が得られなければ「失敗」であることには間違いないと思うからです。
では、どうやっってこのような失敗を回避できるでしょうか。それは医師の側からすると、1.無理な手術をしない 2.術前のカウンセリングで しっかりとした人間関係を築く 3.当日の手術は極力回避する 4.他院でのカウンセリングも受けていただく などです。
また患者さんの側からすると、1.カウンセリングをよく聞いて疑問点については徹底的に質問する 2.出来る手術か出来ない手術か、はっきり聞く 3.カウンセリングの後は十分考える時間を持つ 4.他院でも同じカウンセリングを受ける 5.迷ったら手術はやめる などでしょう。
後悔は先に立ちません。十分お考えになって信頼の置ける医師のもとで満足を買いましょう。
12月9日(月)
明日より韓国に研修に行って来ます。
10日、11日に頂いたご質問メールに対する回答は12日になると思います。悪しからずご了承下さい。
研修の結果はまた報告します。
12月12日(木)
10日から1泊で韓国ソウルに行って来ました。
ソウルはこの冬一番の冷え込みで零下6度!、寒かったです。
大統領選挙の時期だったり、ホテル(私の宿泊したホテルではありませんが)で大火事があったり、やや騒然としていましたが、 雲一つない快晴で、身の締まるような寒さを感じてきました。相変わらずカルビはおいしく、人は親切でした。
さて、今回の訪韓はBOTOXの新しい使い方を勉強してきました。数年前と今では使用法、適応など 日々進歩し、次々と新しい使用法が開発研究されています。韓国は日本より、この分野の研究は進んでおり、頻繁に研究会なども催されています。
現時点ではまだ発表出来ないものもありますが、今回は日本でも一般的になりつつある咬筋の縮小に関しても勉強してきました。 咬筋は頬にある強大な筋肉です。いわゆる「えらが張っている」というのは下顎角という骨が張っている方と、この咬筋 が発達している場合とがありますが、後者の場合は注射のみでこの部分の顔やせを期待することが可能です。
咬筋は大きな筋肉なので、数十%の減量が可能なら、かなり顔の輪郭が細くなることは明らかです。 また最近の研究では効果の持続も半永久的とされているようです。
12月13日(金)!
この時期、街はクリスマスムード一色です。当院でも12月になると電飾やツリーを飾り付けムードを楽しみますが、 開業して早5年、ツリーも痛んできましたので新しいのと買い換えました。
少しにぎやかになった待合室を見ると心なしか浮き浮きした気分になるものですね。
12月16日(月)
年も押し迫ってきました。昔ほど押し迫り感が少ないのは年を取ったせいでしょうか。
この時期、忘年会などアルコールを摂取する機会が多く、肝臓に負担がかかります。 また、ダイエットをされている方には最悪の条件の時期です。ご自愛下さい。
土曜日にPJワインセラーというところでワイン会を開催しました。
PJワインセラーは2500種類、20万本のワインを所蔵する日本でも有数のセラーです。 行けども行けどもワインの山で何時間居ても楽しいものです。
12月20日(木)
街は忘年会シーズンたけなわ。当院でも院内の忘年会は終わりました。
でも院長として、あと二回ほど出席しなければならない会が残っています。
一昨日ようやく私自身もインフルエンザの予防注射をうちました。この時期、内科は風邪引き、熱、腹痛で満員です。
皆様も体調を整えて年末を迎えましょう。
愛用のiMacを下取りしてもよいという人があらわれました。それで意を決して17インチのiMacを購入しました。
やはり並べてみると画面は非常に広く思えます。ただ、しばらくはデータの入れ替え、バックアップで大変です。
12月24日(火)
クリスマスイブです。
慌ただしく過ぎてゆく日々の中で診療をして、結婚退職の事務の子の代わりの面接をして、年賀状を書いて、ナースの教育をして、 子供のクリスマスプレゼントを選んで、書類を整理して、忘年会に行って、マックのデータを入れ替えて、・・・・・・
12月30日(月)
いよいよ本日で内科部門も診療納めとなりました。
本年も事故もなく、患者さんの皆様に喜んでいただける治療ができたことに感謝いたします。
来年も、より一層努力し本当に満足の行く医療、安心できる医療を目指します。
なにとぞよろしくお願い申し上げます。
新年は7日(火)よりの診療となります。
本年は誠にありがとうございました。重ねて御礼申し上げます。
12月31日(火)
いよいよ2002年も最後の日となってしまいました。
今更ながら今日も年賀状の残りと格闘しています。
来年こそは日本中が良い年になりますよう。
どうか良いお年をお取りください。
2003年1月
1月2日(火)
あけましておめでとうございます。
昨年はホームページにご訪問、ありがとうございました。
今年も診療の質を少しでも上げ、皆様のお役に立つよう努力することを年頭に誓います。
本年もよろしくお願い申し上げます。
さて、年明けは少々 寒いながらも北九州地方は穏やかな天気です。
ここ数日は形成部門は多少ゆっくりしていますが、内科部門は保険請求の提出でおおわらわです。
私ごとですが、娘の受験もあり正月もそんなにゆっくりはできない気分ではありますが、英気を養って今年の診療に備えます。
本年も当クリニックやこのページをご利用いただき、形成外科の正しい知識を身につけ、治療に臨んでいただきたいと思います。
このホームページが少しでも皆様のお役に立てばこんな幸せなことはありません。
1月5日(日)
幕の内もあけ、おせちにも飽きてきたこの頃です。
朝起きると一面の雪景色です。今シーズン初の積雪です。
最高気温もひと桁前半の寒い一日でした。
朝のサンデープロジェクトで元気のある中小零細企業の特集があっていましたが、その中で私にもすばらしいヒントを与えてくれる言葉がありました。
企業にとって行っても良い競争は
1.品質 2.技術 3.財務内容 で
行ってはいけない競争は
1.価格 2.規模 3.品揃え だと言うことです。
全く同感です。
当クリニックも規模を大きくし、何でもかんでも手術をするというような姿勢を厳に慎み、技術を磨いて行きたいと思います。
1月7日(火)
今日から診療開始です。
相変わらずのフォトフェイシャル人気で新年の最初の患者さんもフォトフェイシャルでした。
さて今年の目標を立てなければなりませんが、まだ頭は正月気分も十分抜けず廻っていません。 まず事故のないように、自分の専門分野を極め、得意でないものはお断りするというような基本姿勢は貫きたいと思っています。
1月11日(土)
新年最初の連休になります。
今年になって急にBRAVAのお問い合わせが増えてきました。
体に負担をかけずバストを確実にサイズアップするこの方法は手術に抵抗のある方でも手軽に出来る方法で 私としてはなかなか良いと思っています。 やや高価(39万円)ですが、メスを入れないメリットは大きいと思います。
以前も書きましたが、韓国の美容外科事情は日本とかなり異なり意識的には先進国と言って良いと思います。 費用も日本より安価で、信頼の置けるクリニックであれば旅費を差し引いてもメリットがあると思います。
ただ、もっとも問題となるのは遠く離れているだけに後々のフォローやいざというときの対応が出来ないという点です。 今韓国で話題となっていて日本ではそれほど普及していない治療に脚やせ(BOTOXによる)があります。 4月にはまた韓国にこの勉強に行く予定ですが、もし、この治療を受けたいと思われる方がいましたら同行していただき 韓国で治療を格安に受けることも可能です。問題になるフォローの件は私のクリニックで責任を持って行います。 2泊ほどの余裕があればお買い物や観光のついでに治療を受けられます。
1月14日(火)
昨日おとといは比較的良いお天気で成人式も穏やかな気候に恵まれたようです。
昨日は近くの神社にお正月の飾り物を持って行きました。暖かな風に境内の紅梅がもう、ちらほら花を咲かせています。 馥郁とした春の香りが満ち、一時幸せな気分になりました。
キューブリックの2001年宇宙の旅という映画が公開された1968年、私はまだ物心もよくつかない中学生坊主でした。
この映画に先立つこと2年、1966年には「ミクロの決死圏」という映画が公開されており、SF映画にはすごく興味を持っていました。 映画の題名にはっきりと2001年など近未来の年代が明記されていることも珍しく、30年も未来のことなのに妙な現実感、あこがれを 持った記憶があります。内容は中学生には難しすぎたと思いますが、遠い未来、軌道上にヒルトンホテルが出来、木星探査機が行き交う 世界には心底わくわくしたものです。
2001年という数字そのものが未来を象徴した年号であったといっても過言ではありませんでした。 振り返ってみると2001年はもう過去となってしまいました。
2003年現在HALもいませんしヒルトンホテルもありませんが、こうしてインターネットで私信を配信できるとも思ってもいませんでした。
あの夢見た中学生もあれから35回も春を迎えたということですね。


1月17日(金)
早いもので1月も中旬を過ぎてしまいました。
今日は春めいた陽気で庭の梅の花も一気にほころんできました。
写真は今日の午後写したものです。

もうすぐ春がやってきますね。
1月20日(月)
土曜は博多で久留米大学形成外科の同門会がありました。
現職の教授が久留米大学に赴任して20年になりますが、ゼロからのスタートで教室員も最初は少なく、 私も大変苦労しました。同門会はやっと3回目という若い会ではあります。
年に1回、久しぶりの同門の顔を見て飲むのは楽しいものです。
現教授も今年いっぱいで退官となります。教授には叱られたことも多かったですが、教えていただいたこと、今役立っていることは 無数にあります。今でも教授とお話するのは緊張しますが、それもあと1年ほどで退官になるというのは感慨深いものがあります。
次期教授候補の現助教授とは本当によく一緒に仕事をしました。論文、業績も十分にあり、人望も厚く教授候補としては言うことはないのですが、 教授戦は全国公募ですので、どのような対抗馬が出てくるかで勝敗の行方はわかりません。
1月25日(土)
朝から少し寒いですが、日差しだけは暖かな日になりました。 昨日は高校の同窓生の新年会に行って来ました。巷ではインフルエンザが猛威をふるい欠席者もいましたが、いつも通りの 肩の凝らない会で楽しく過ごしました。
BSテレビで某美容クリニックの院長が最先端の治療として中国に行ってハイドロジェルの注入術を紹介していましたが、安全性は大丈夫なのでしょうか。 かつての美容外科の最大の汚点、シリコン注入などと同じとは言いませんが、短期で吸収されないような物質を大量に直接体内に注入 するのはやはりかなり危険なのではないでしょうか。
このハイドロジェルという物質は安全性をうたってはいますがヨーロッパ諸国では使用が停止されており販売も止められています。 慎重に考えるべきだと思います。

一週間で梅の花も相当咲きそろいました。今日の午後の梅です。
1月27日(月)
早くも1月最後の週になってしまいました。
朝から冷たい雨が降っていますが、午後になってもぐずついたままの天気です。
今日も色々な患者さんが訪れますが、やはりどの患者さんも手術を軽く見ている傾向にあります。
昨今のテレビなどの影響も大きいのでしょうが、われわれのしっかりした啓蒙というものの大切さを身にしみて感じます。
北九州はしっかりした形成外科、美容外科が多くその点は安心ですが、私たちがどんなにカウンセリングしても 頭の中での先入観というものはそう簡単に変わりません。
特に美容外科手術を受けようとお考えの方は面倒でも是非複数の医師の意見を聞き、よく理解して判断することをお勧めします。
1月28日(火)
今日は朝から雪になりました。 細かな粉雪が降っています。
粉雪は雪の結晶がくっつきあうことなく降ってくるもので、寒いときに降ります。それに対し綿雪は比較的温度が高いとき、 結晶同士がくっついて大きな形で降ってくるものです。綿雪が降る場合は地表の温度も比較的高いので積もらずに溶けてしまう場合が多いようです。
知ってました?
1月30日(木)
昨日は休診でした。
実家の若松に所用で行きましたが途中から吹雪きになり、ようやくたどり着きました。
帰りもひどくならないうちに帰ったのですが、運転には相当気を遣いました。帰りに、たまらずタイやチェーンを 購入しましたが、今日は雪も降らず、チェーンはまた来年までガレージで眠ることになりそうです。
1月31日(金)
このところ寒いですねえ。
雪こそ降りませんが朝晩の冷え込みは厳しくファンヒーターをだっこしたくなります。


つくばいには氷が張っています。 紅梅もほころび始めました。
2003年2月
2月1日(土)
新しい月が始まりました。
クリニックに訪れる患者さんには色々なタイプがあります。
1.他院からのご紹介
2.治療をしたいけど、迷って迷って1年
3.迷ったけど堅い決心あり
4.とりあえず話だけ聞きに
5.他院ですでに経験
6.美容外科大好き、イケイケ
このいずれのタイプも時間をかけた慎重なカウンセリングが必要です。
私もボランティアで仕事をしているわけではないので、それなりのお足をいただかなければ妻子を養っていけませんが、 そうかと言って、しなくてもよい治療をしてお金をいただいてはいけません。ただ、美容外科の治療というのは 病気という物差しで測れば基本的にはしなくても良い治療なので、ジレンマが生じます。
どこからどう見ても、異常がなく、専門家の立場から見ても治療を要しないと思われる方がいます。
でも本人は悩み、コンプレックスを抱いているケースはよくあります。
たとえば小さなほくろがあって気になって気になってしようがないというケースがあります。このような場合、悪性の可能性のある場合を除いて 患者さんの言うとおり取るのを基本としています。私が取らなくても間違いなく他のクリニックに取りにいくでしょう。
このケースの場合、私の主観的な考えや好みなどは差し挟む余地など存在しません。ただ、ほくろを取った後の傷跡や再発、悪性の可能性などについては 淡々とご説明いたします。
ほんの小さなシミやふくらみへこみ、しわなどについては治療のメリット、デメリットを良く理解いただけなければ治療はできません。
患者さんというのはいつもご自分の欠点(客観的にはそうでないとしても)を過大に気にしますが、治療前は治療のメリットにとらわれデメリット にまで気が廻りません。そこに気づいていただくように時間をかけてカウンセリングようにしています。
私のクリニックでお断りした患者さんの多くは他のクリニックで治療をお受けになっているのかも知れません。
しかし、治療のデメリットがメリットを上回る可能性が少しでもあるならば決して治療は行わない方針としています。
もちろん、これはスタンダードではなく、私個人の問題です。私はそうでも他のクリニックでは同じ治療でも腕の差でメリットのほうが上回る こともあると思います。そんな場合は私のクリニックで治療するより他のクリニックに行かれた方が結果患者さんにとっては良かった訳ですので 医師としての自分の判断は正しかったことになります。
2月3日(月)
今年は今日2月3日が節分です。節分というのは立春・立夏・立秋・立冬の前日のことをいうのですが、 特に立春が1年の初めと考えられることから春の節分が最も重視されており、一般には単に「節分」といえば春の節分を指すものとなっています。 これは立春を新年と考えれば大晦日に相当する訳で、そのため前年の邪気を全て祓ってしまうための追儺(ついな)の行事が行われます。 その代表が「豆まき」です。

寒い間、少しご無沙汰していた「いとうづの森公園」に出かけました。といってもクリニックからは徒歩2分ですのでちょっと散歩といった 感じです。昨日は日中は晴れ間もあり、暖かい日よりのため人出もそこそこでした。
子供達が一番喜ぶのはバックヤードツアーです。日頃見られない動物舎の裏側に回ってキーパーの方々のお話を直接聞けます。 ライオンやトラに近くでえさを与えることもでき、迫力も満点です。
機会がありましたら新生「いとうづの森公園」にお越しください。
昔の到津動物園と違ってやかましい乗り物などもなくゆったりしていて良いですよ。
2月4日(火)
巷にはいろいろな脱毛法があります。
針脱毛、レーザー脱毛の両者が効果を認められていますが、レーザーに限ると 現時点で学会でもその有効性を認められているのはロングパルスアレキサンドライトレーザーとダイオードレーザーの2機種 だと思います。 もちろん、その他の機種も効果がない訳ではなくこの2機種ほど、良く検証されていないと言うことかも知れません。
ただ、私のクリニックにもいろいろなレーザー脱毛装置の売り込みがくるのですが、一般のエステサロンに納入している機種 は学会での認知もない(認知されていなければ効かないということではありませんが)機種が多いのが現状です。 また、営業担当者に基礎的な質問をしてもとんちんかんな答えしか返ってこずがっかりさせられることもしばしばです。
厚生労働省はエステサロンでのレーザー脱毛とケミカルピーリングを規制しましたが、これは多くのトラブルがあったからに 他なりません。
もともと脱毛というものは専売特許のように昔からエステ業界で行われてきたもので後から美容外科業界がレーザーという画期的な 装置を持って参入し、相当シェアを広げていったため医師の免許を必要としないレーザーの機種で対抗しようとしたのがトラブルのもと となったのかも知れません。数十年の間培われてきた針脱毛という技術はすばらしいもので、熟練の達人ともなると痛みも少なく、 スピードも速いものです。
しかし、どんな達人の針脱毛士でもレーザーの早さにはかないません。また、この5年の研究で永久脱毛は可能であり、副作用も少ないことが 実践されてきました。
結論的には(私の考えですが)、上記の信頼出来る機種を使用している限り美容脱毛に関してはもはや針脱毛は不要であると思っています。

生えてないでしょ(右側部分)
2月6日(木)
今日朝起きてみると一面の雪景色でした。昨日の夜は冷たい雨が降っていましたが、まさか雪に変わっているとは 思っていなかったので驚きました。暖かな日差しですっかり溶けていっています。またしてもタイヤチェーンの出番は廻ってきませんでした。


寒いけれど椿は満開です。 軒先から雪解け
2月10日(月)
このところ二重の手術が多いです。春はいつも多いのですが、2月から多いのはなぜでしょう。
プチ整形(あまり言葉が好きでないですが)という言葉が流行っているのか若い方が多いです。
一般に二重の手術には埋没法と切開法がありますが、それぞれに利点欠点があります。また、両方とも手術であることには変わりなく、 術後の腫れもない訳ではありません。
事前によく主治医と話し合って決めましょう。
power book 12インチを入手しました。i-bookともう少し差別化してほしかったですが、G4、スーパードライブも搭載で快調です。
ただ、PCカードスロットがないのが玉に瑕です。
2月13日(木)
明日はバレンタインデーですね。私の娘(今度小学1年生)でさえチョコを作ると言って張り切っていました(誰にじゃ)。
兵士の自由結婚に反対したバレンタイン司教がローマ皇帝の怒りに触れて処刑されたこの日をキリスト教でバレンタインの記念日としました。 チョコレートを贈る習慣はメリーという会社が昭和33年に行ったセールが始まりだそうです。
私クラスになると来るチョコは飲み屋のお姉さんからばかりです。(泣)
2月14日(金)
医師として人として誠実に、そして基礎的な技術の更なる研鑽と最新の技術に対するどん欲な追求心を持って患者さんに接することこそが全てだと理解しています。 医は仁術と言いますが、この古い言葉にこそ真実があります。もちろん赤ひげ先生ではないですので治療費も取らないというわけには行きませんが、 患者さんの訴え、苦痛、悩みをどれだけ自分のものとして感じ、悩みを共有して治療にあたれるかが大事です。
「人ごとと思って」治療をしてはなりませんし、いつも自分の妻子を治療すると思って治療をしてゆくつもりです。 私にも未熟な点は多く、出来ない手術、自信のない治療など山ほどあります。むしろ出来ない、自信がない治療の方が遙かに多いのが事実です。
形成外科の専門医はそれなりの修行を積み学会から一人前と一応は認められてはいますが、本当に治療を行えるのは一人前の医師ではなく 3人前くらいの実力がいるものだとつくづく思います。
毎日毎日の治療が真剣勝負です。手術の前の日には眠れぬこともあります。私の大学の師匠がかつて私に言いました。 「治療以前に十分検討し、そして一旦治療(手術)に着手したらに自分が満足ゆく結果が出るまで決して妥協してはならない。」
かつて研修医の時代に頂いた言葉ですが、今も毎日手術のたびに反芻し、また反省しています。 いつでも100点の治療を目指して頑張ってゆきたいと思います。
2月20日(木)
寒かったり暖かかったりの日が繰り返します。今日は霙が降っていましたが、その後は晴れてきています。
このところ杉花粉の飛散が最高潮のようですが、鼻の具合はいかがですか?
私自身は花粉症はありませんが、昨日はくしゃみが連発し、花粉症になったかと思いました。
この時期患者さんでも花粉症が多く、気の毒です。
自然に治る率は数パーセントと言いますので、可能性はきわめて低いということですね。
早めの抗ヒスタミンによる初期治療が重要とされています。
2月24日(月)
2月も下旬になってくると、あまり寒くて起きられないなどと言うことはないですね。 夜出るときもダウンジャケットは使わなくなりました。 一雨ごとに暖かくなってきます。
昨日は久しぶりに家内も子供達もいない日曜日でした。天気は昼を過ぎて回復してきましたが、 お昼前からたまっていたDVDを観て過ごしました。
サムオブオールフィアーズ(邦題トータルフィアーズ)とブラックホークダウンを続けて観ました。
核兵器によるテロで米ロが全面戦争に突入する直前回避出来ましたという映画とソマリアの紛争で米軍が行った 作戦を描いた映画です。
どちらも息もつかせずに見せるアクション映画で、あっという間に数時間が経ちました。
映画の出来不出来はともかく、うがった見方をすればアメリカ(の人民の団結や民衆意見)におけるハリウッドの存在の大きさ は大きいのだろうなあという気がしました。
本当のところはわかりませんが、9.11以来アメリカ国民の一致団結した気持ちというのはすさまじいと思います。
ブラックホークダウンは最後のテロップでアメリカ特殊部隊の死者は19人(正確には18人?)で、この兵士たちは仲間を助けるために勇敢 に戦った兵士であるというコメントが流れます。
しかしこのとき死亡したソマリア人の数は500人とも1000人とも言われています。 アメリカのソマリア内戦の介入の是非など議論するつもりもありませんが、ついついイラク問題についても考えてしまいました。
2月27日(木)
十数年前アフリカを旅した時、ふとした拍子に入った店で出会った彫刻がありました。
その店はギャラリーのようになっていて、その種の彫刻が数多く並んでいました。物珍しさもあって一つ一つを見てゆきました。 彫刻は漆黒の黒檀を一刀彫にした、タンザニアの高地のマコンデ族の彫刻だということでした。
その中でも最も目を引いた高さ60センチほどの作品がありましたが 何万円かの値段がついていて(ナイロビだったので現地以上に高かったのだとおもいます)、私には高価なおみやげでしたし、もって帰るのもすごく大変そうでしたので購入は悩みました。結局、3日間店に通って 値切りに値切って、ついに手に入れたのが下の写真の作品です。
たしかspirit of woman という題が付いていた(作者がつけたかどうかは不明)と記憶していますが、よく見ると乳房の一部や女を感じさせる部分もあり、なかなか味わい深い逸品です。 木製とはいえ黒檀で出来ていますのでものすごく重たく、これを手荷物にして肌身離さずの南回りの帰路はさすがにつらかったです。
今は遠いアフリカの大地を夢見てクリニックのカウンセリングルームに静かに鎮座ましましています。

昨日は休診でしたので、またまたDVD鑑賞しました。
Hart's war(だったっけ、邦題はジャスティス)、第二次大戦中のアメリカ軍捕虜の脱走のお話です。脱走というとスティーブマックイーンの 大脱走を思い浮かべますが、この映画は脱走そのものよりキャンプでの人種差別と殺人事件に絡む法廷物(と言ってしまうと中途半端かもしれませんが) または正義とかプライドとかを描いた映画です。
途中多少冗長なところはありましたが、堪能しました。先日から戦争物ばっかり観ていますが、私がそのような見方をするからかも知れませんが、 やはり、アメリカの若者はこのような映画に相当感化される部分はあるのではないでしょうか。
2003年3月
3月3日(月)
桃の節句です。
陰暦の正月7日、3月3日、5月5日、7月7日、9月9日は季節の節目の節句と言われる行事がありました。 3月3日は上巳(じょうし)の節句と言って薬草を摘み汚れを祓い健康を願う行事でしたが、後に災厄を人形に引き受けさせる 流し雛に発展し、さらに室町時代になると紙の流し雛は豪華なお雛様 に変化しました。 宮中から武家、商家へと広がり現在の形に近づいたと言われています。
3月6日(木)
先日は一雨ごとに暖かくなってきたと書きましたが、今日の雨は格別に冷たいですね。
最高気温も一桁台で寒い一日になりそうです。またファンヒーターの灯油を満タンにしてしまいました。
パニックルーム観ました。設定そのものが現実離れしていますが、ねちっこいカメラワークは、さすがフィンチャーです。 まずタイトルに驚かされます。凝ってますねえ。中身は観てのお楽しみですが、一番最後のジョディーの表情の意味は 何でしょう?注射はインスリン?病気は何?よくわかりません。
3月7日(金)
ようやく雨もあがりましたが、昨日は啓蟄だったんですね。
難しい言葉ですが、中学校の頃教わった記憶があります。啓は「ひらく」、蟄は「むし」を表します。 春になって地面の中で眠っていた虫たちが地上に出てくる季節という意味です。
昨日は大変寒く雨も降っていたので虫たちはもう一度2度寝したかも知れませんが、春は確実に近づいています。
3月13日(木)
小倉医師会には隣組という制度があります。私の所属している11組は到津を中心とした地域で開業している先生方で構成されています。
昨日はその隣組会がありました。地域による組織ですので色々な科の先生方が参加されます。地域医療を行う上で近くの先生方と連携して 診療が行えるのは大変有意義なことです。
近くにはたくさんのクリニックがありますが、中にはご高齢でもバリバリ現役で診療をされている先生方もいらっしゃいます。M医院のM先生は75歳くらいになられるでしょうか。頭はつるっとしておられますが年寄り(失礼)ということなど微塵も感じさせない気力にあふれています。 もう40年も前から開業されていて隣組会には必ずお顔を出される大先輩です。
私もいつも先生とお会いするのを楽しみに会合に出かけます。
先生のすばらしいところは、本当によく勉強されているということです。ランセットという有名な医学雑誌がありますが、毎回英語の論文に目を通されて 最新の知識をよくご存じです。また年期の入った豊富な知識と話術でいつも関心させられます。
私も医師である前に人間として尊敬できる人格となるよう努力したいと思っています。
3月14日(金)
3月7日、厚生労働省から「コウジ酸」の発ガン性が示唆されました。
コウジ酸は古く1900年初頭に米麹の中から発見された物質で、その後その抗菌作用、 メラニン色素形成の抑制作用、食品の劣化を招く酵素を阻害する作用などが知られています。 メラニン形成抑制効果を用いて美白化粧品などには多く含まれている成分です。 厚生労働省のホームページでコウジ酸を含有する医薬部外品の一覧が 公開されています。ご参考にされてはいかがでしょうか。
これら化粧品の在庫については販売続行のようですし、現時点では皮膚に少量使用しても直ちにガンになるというものではなさそうです。 でもまあ、出来るなら使用しないに越したことはないでしょうね。
ちなみに当院ではコウジ酸は使用しておりません。
あちゃあ! ホワイトデイってこと忘れてました。
(コウジ酸で思い出してどうする!)
3月15日(土)
時々私のクリニック(美容外科)にお越しになるのが恥ずかしくて。。。。という方がおられます。
二重にしたことが、しわを取ったことが、豊胸したことが恥ずかしいことなのでしょうか?
私は恥ずかしい仕事をしているんだろうかと考えてしまうことがあります。悩みというものは百人百葉のものです。 形而上的な悩みは別としても白内障の悩みと二重の悩みの本質がそれほどかけ離れているようには思えません。
容姿の悩みであろうが機能的な悩みであろうが、悩みには違いなく、それをどのように解決出来るかと言うところにこそ本質があります。
美容外科という一見怪しげな医師集団が大金を取って人の顔をいじくっている場所と考えている古い頭がそのような偏見を生むのでしょうか。
3月18日(火)
原因不明の急性の肺炎がアジアを中心に流行しているようです。
原因となる菌やウイルスは未だ不明ということですが、1918年のインフルエンザの大流行のような 危機を招く恐れもあるとされています。
ベトナム方面へ旅行される方は十分お気をつけください。
3月20日(木)
モンチッチ(私の友人が言いました。悪しからず)、とうとうおっぱじめましたねえ。
私自身は右も左も宗教的にも色はありませんが、素人目に見てもアメリカが喧嘩をふっかけた感は何だか 否めませんよねえ。
国連の決定なし、先制攻撃を受けたという決定的なエビデンスもなしですので、これがアメリカ以外の小国であれば 相当な制裁措置を受けることは確かでしょう。
日本政府の対応も多少疑問です。もちろん安保条約下の同盟国ですし、北の脅威もひしひしと迫っている現時点では このような決定もやむを得ないのかも知れませんが、一方自国の危険や利害を顧みることなく戦争の是非を 議論する態度というものがあっても潔いのかも知れません。
3月24日(月)
巡航ミサイルがバグダッドを攻撃しています。
フセイン包囲網は徐々に狭まり陸上部隊はバグダッドに向かって侵攻しつつあります。 精密誘導兵器を使用しての戦況はアメリカにはるかに有利ですが、一対一の市街戦となった場合はいかがでしょうか。
先に観たブラックホークダウンの映画のように民兵と民間人の区別もつきにくく死角の多い市街地では両軍の犠牲者が 多数でるのは確実でしょう。たぶんアメリカはそれを見越して市街戦に持ち込まず包囲網を狭めることで圧力をかけ降伏させることを考えているの ないでしょうか。
フセイン大統領には影武者がいるという噂です。美容外科手術で偽物をつくるのは可能でしょうか。
先日某美容外科の先生がテレビで解説をしていましたが、全くの別の顔の人物をそっくりに似せて作り替えるということは不可能でしょう。 ただ、中東の方の顔立ちというのは我々からみると良く似ていますので、特徴のあるひげや眉毛を似せて特殊メークをすれば外科手術をしなくても 結構似た顔に出来るような気もします。 ただ、ちょっと前に話題になりましたが顔をそっくり移植する技術というのは開発されつつあるようです。昔、フェイスオフという映画がありましたが、 もし、フセイン大統領が亡くなって顔のみを移植すれば結構そっくりさんになるでしょう。免疫抑制剤なども大量に必要でしょうし、すぐには瘢痕も硬く、 表情がスムースに出るかどうかはわかりません。また、好きこのんでフセイン大統領の後釜になる人がいるかどうかもわかりませんが。。。 この場合は影武者じゃなくなりますけど。

3月27日(木)
昨日今日と暖かい日が続き、桜の花が一気に開花しています。
お隣のうちのしだれ桜も毎年のようにみごとな花を咲かせます。かなりピンク色の強い、それは美しいものです。
我が家からもすぐに見え、借景を楽しんでいます。


今朝の桜です。
3月28日(金)
4000年前、二つの大河の挟まれた肥沃な三角地帯には高度な文化や芸術が花開きました。 メソポタミヤ文明です。
ご存じハンムラビ法典と言われる最古の文字の一つである楔形文字の文書を残した文明です。
ハンムラビ法典の内容の一つ、「目には目を歯には歯を」という同態復讐法はモーゼの十戒やイスラム教のコーランにも 流れを汲むことが出来ると言われています。
このところ、中学時代以来チグリス川やユーフラテス川という名前を久々に頻繁に耳にします。
平和や秩序のための宗教や法律というものが過去にいろいろな戦争を引き起こし文明を破壊してきました。 人類はいつまでこのような内輪もめを続けるのでしょうか。
3月31日(月)
この前正月だと思っていたら、もう4月になります。すでに今年の4分の1が過ぎてしまいました。
麗らかな日差しに梅の木にかわいらしい小さな実がつき始めました。
水仙も満開です。


来週は形成外科の総会(学会の全国大会)です。今年は神戸での開催です。
今回行くかどうか少し迷ったのですが、やっぱり行って来ます。今回は私自身の発表の演題がなく、 と言うことは学会に出席しても第三者的な観る学会となり、緊張感がないと言うか、多少つまらん訳です。
でもまあ、久しぶりに色々なところの先生方にお会い出来ますし、新しいものがあれば吸収してこようと思っています。
4月9日から11日まで行って来ますので、その間に抜糸などの予定が入らないように1週間前から手術予定を控えさせていただきます。
特に7日からの週は手術後のフォローが出来ないため手術は全面的に中止いたしますが、悪しからずご了承ください。
美容外科の広告を見ていると手術に際して「腫れや痛みはありません」と平然と書いてあるところがあります。
これってどうなんでしょうか。二重の手術をして腫れなかった人というのを見たことがありません。もちろん、 腫れが少ない人や術式というものはありますが、 泣いたり酒を飲んだりしただけでも腫れるのに針や糸を通して腫れないというのが信じられません。 なるべく腫れないような術式や局所麻酔の量の調整、皮下の毛細血管の走行などにまで気を遣いますが、二重の場合はラインの幅が広く見えるという 形での腫れが残ります。またアイプチなどを永く使用されていた方は特に皮下出血が起こりやすく多少青みがでることもあります。
2003年4月
4月1日(火)
いよいよ今日から4月です。
新学期も間近で、ようやく二重手術ラッシュが一段落つきました。
せっかく咲いた桜も今日の雨で少し散ってしまいました。散った花びらもまた風流ではあります。
4月5日(土)
昨日の雨で桜もすっかり葉っぱが目立ってきました。
本当に桜の見頃は一瞬ですね。
4月8日(火)
明日より11日(金)まで神戸での学会に出席してきます。
この間はメールでのお問い合わせに対しての回答が出来ません (というかパソコン持って行くのが重いのと解放されたいのが本音)。
12日(土)には必ず回答いたしますので、ご了承ください。
では、行ってきまーす。
4月12日(土)
昨日の夕方神戸から帰ってきました。
メールによる回答が遅れましたことをお詫びいたします。
ここ数年の学会の傾向として美容に関するセッションが多くなり、またそのセッションの出席者が多くなっているのが 目立ちます。私も医局時代などには再建外科やマイクロサージャリーのセッションに入り浸っていましたが、 最近は あまり興味を引かれる話題もなく、今の仕事に密着したものを選んで聞くようになってきました。
若い先生方も美容外科などの手術に興味を示し始めたと言うことでしょう。
今回は眼瞼(まぶた)の演題が多く、いろいろと勉強してきました。S先生(最近まぶた一筋に凝っている)などは眼瞼のセッションのみ 聞いてさっさと日帰りで帰っていきました。なかなかの潔さです。
学会中にイラク情勢が急展開し、バグダッドがついに陥落しました。
私の予想と多少違って、市街戦でソマリアほどに被害者を出すことなく占領が行われたようです。 この戦争の解釈は歴史が行うことではありますが、最も重要な事項、戦後の復興にはイラク国民の民意を反映した政府の樹立が第一となるのでしょう。
4月17日(木)
暖かくなりましたとか呑気なことを言っているうちになんだか暑くなってきました。
このところ初夏のような陽気で洗濯物の乾きは早いは半袖は着るはとすっかり季節が変わってきました。
昨日はようやく自宅のインターネット環境をADSLに変え、モデムも入れ替えてエアマックで無線環境も整えました。 これで家内と(エアエッジで)共用していたパワーブックとおさらばし、私の12インチパワーブックが活躍出来るように なりました。
4月18日(金)
今日も朝から良い天気で暖かく、犬の散歩も気持ちの良い日よりです。
庭の花たちも一斉に優雅さをアピールしてきます。このところの陽気で藤の花が開花してきました。蜂もせっせと蜜を集めています。 この間まで見事に咲いていた隣家のしだれ桜の木の上空には、こいのぼりが優雅に泳いでいます。


4月22日(火)
少し風が強かったですね。 隣家の鯉のぼりも元気いっぱいでした。
米中朝3カ国での会談だそうです。韓国も日本もはずした会談の意味は何でしょうか。
日本の取るべき態度、きちんとした外交方針、このようなものの欠如を感じざるを得ません。 私も含めてではありますが、総じて日本人は態度をうやむやにするのが良いとは言いませんが、普通に思っていますよねえ。 あんまり強く出たり、強硬な意見は煙たがられどっちつかずの態度でのらりくらりとかわすというのが得意です。
でも今回の戦争やアジアの状況はこのような歴史的な日本人の感覚というものがいかに世界に通じないかということを 如実に露呈したことにはならないでしょうか。
4月25日(金)
昨日、今日とお湿りです。庭のアヤメが雨に濡れてきれいです。
美容外科って一体なんでしょうか。先日ある人に「先生はお金儲けするために美容外科医になったんですか?」と聞かれました。 またあるサイトには「形成外科から美容外科になる人間はアウトローだ。」とも書いてありました。医師ではないとさえ書いています。
大変心外です。
私自身は美容外科というものに誇りを持っていますし、悩みを持つ患者さんのために働くという意味では一般の医師と何ら 変わることはないと思っていますが、世間一般はそうは思っていないのが現実なのでしょうか。
自費診療のため目の前で高額の現金が動くのがいけないのかも知れません。 美容外科医という職業がアウトローであるとか医師ではないと断言する神経は一体どういうものでしょうか。
世の中には政治家は汚職をするとか警官は何とかとか一律に論じて平気な方もおりますので気にすることもないのでしょうが、 やはりあまり良い気持ちはしないですね。
考えただけでも気が遠くなりますが、このような意識を少づつ少しづつ変えていただくような努力を未だしないといけないくらい 悪徳美容外科医という人たちがいっぱいいたと言うことなんでしょうか。

2003年05月
5月8日(木)
連休も終わり、気ぜわしく仕事に戻ってきました。
といっても連休中は子供相手に公園に行ったり健康的に過ごしました。おかげで真っ黒く日焼けしてしまいました。
このさわやかな5月の時期を過ぎるともう梅雨の季節がやってきます。こうして徐々に地球は公転してゆくわけです。
最近「水」に関して興味を持っています。 H2Oという簡単な構造をしている物質ではありますが、まだいろいろな面で 解明されていない性質も持っているようです。水の特徴、0度で凍り100度で沸騰するという常識も、この分子量の物質としては 異常な性質だそうです。また、地球上にある水の97.5%は海水で真水はほんの2.5%に過ぎないこと。さらにその大部分は南極の 氷として存在しているため我々が使っている真水は地球上にある水の何百分の一でしかないと言うことです。
ネット上でおもしろいページを見つけました。「水商売ワッチング」 というサイトですが、いわゆる水商売のことではなく「水」を売る商売(浄水器など)の変な理論につっこみを入れているサイトです。
管理人は水の専門家で、細かい内容は難解なところもありますが、科学者として公正な目で理論的な誤りなどを指摘しています。
私もそれまで浄水器の説明書などに書かれている「水のクラスター」というモデルをまったく疑うことなく看過してきましたが、考え直しました。
膨大な内容ですが、おもしろくて一気に読んでしまいました。一度ご訪問されては如何でしょう。
5月12日(月)
今日も五月晴れの良い天気になりました。風の薫りもさわやかで仕事などしている場合ではありません。
土曜は恒例ワイン会がありました。今回は参加の友人の一人が誕生日であったので、華やかにシャンパンを中心の会としました。 フランスのシャンパーニュ地方で作られたシャンパンとその他の地方で作られたヴァンムース(スパークリングワイン)とは、その 薫りや舌触り、泡のきめなどに明らかな差があります。いわゆるシャンパンよりヴァンムースの方が一般に柔らかく女性には 人気が高いそうです。
5月15日(木)
沖縄はもう梅雨入りだそうです。当地も前線の影響で鬱陶しい雨が降っています。
そろそろ梅雨入りでしょうか。梅の実が熟す頃の雨だから梅雨というらしいです。 5000ないし10000メートルの上空を東に向かって流れるジェット気流がヒマラヤ山脈で二手に分断され、 南に向かうものは太平洋高気圧に、北に向かうものはオホーツク高気圧を発生させ、その二つの間に梅雨前線が形成されます。
ジェット気流は北上しますので、いつかは南に向かう気流がなくなり北側のみになって前線は消滅し、梅雨が明けるという仕掛けです。
はやく北上してよ、ジェット気流。
5月17日(土)
昨日の手術(豊胸術)の患者さんの経過も順調で少し幸せ気分です。
手術の大小にかかわらず、手術前後は緊張します。場合によっては夢に見ることさえあります。 私の気が小さいのかわかりませんが、少なくとも毎回慣れてしまう事だけはないように気をつけています。
手術をする事に対する恐怖心を制御するための緊張感がなくなった時、あるいは恐怖心を感じなくなったときは メスを置くときだと思います。
5月19日(月)
昨日は娘の運動会でした。曇りの予報だったのですが、良く晴れ暑い日になりました。
私の娘は私の年齢にしては小さいので私の同級生などのお子さんは上級生になります。 昨日もあたかも私の同窓会のように日頃お会いしてない同窓生などに会いました。
みなさん、良いお父さんお母さんをしていますね。私などは娘が紅組か白組かもわからずしばらくは見つけることさえ出来ませんでした。 あまり疲れたのでビデオも5分くらいしか撮りませんでした。帰ってみると見事に日焼けしています。 日頃皆様に日焼けに注意と言っていますが、私がこんな事ではいけません。
5月22日(木)
おととい、同業のS先生と飲みに行きました。とても楽しいお酒です。
S先生とは開業以来おつきあいさせていただいていますが、仕事に関しては実に誠実で真摯な姿勢を堅持されています。 私と同様、自分自身が納得のいかない治療は全く行いませんし、それどころか同業者の私のクリニックに患者さんを紹介してくることさえ あります。通常は考えられないことですが、S先生の性格を良く表していると思います。
先生との共通の趣味は言うまでもなく酒なのですが、そのほかにも共通するライフスタイルがあり、お知り合いになれたことを感謝しています。
5月23日(金)
今日も短かった一日が暮れてゆきます。
手術が多いとそれだけ時間も早く経ってゆくようです。 今日は腋臭症(わきが)の手術がありましたが、この手術は丁寧にやると1時間から1時間半はゆうにかかってしまいます。 もちろん2人の医師が左右同時に行えば半分の時間ですみますが零細企業の私のクリニックではそうも行きません。 手術の間、一体何を考えていたのだろうと今思い起こしても、全く思い浮かびません。私にそんな余裕がないからなのかも知れませんが、 ある程度夢中になって手術をしているのだろうし、必要以上に疲れます。本来はもう少し力を抜いて余裕で手術出来れば良いのでしょうが つい力がはいってしまう手術の一つです。
5月26日(月)
5月も最後の週に入りました。
土曜は友人の誕生会で博多に行って来ました。親富孝通り(十年ぶりくらいです。漢字が不孝→富孝に変わっていました。)のブラジル料理の店に行きました。 料理はおいしくボサノバのライブも良かったのですが椅子が硬く(あまりにも長い時間居たわれわれが悪い)、お尻が 痛くなりました。この店ももうすぐ西通りに移転するようですので、その点は変わるかも知れません。
日糧は帰宅すると同時に手ぐすね引いて待っていた「ならずもの」たちに拉致され遊園地に連行されました。
日曜日なんてないのと同じです。
5月31日(土)
台風4号が通り過ぎてゆきました。
5月に台風が上陸するのは観測史上3回目だそうです。当地ではあまり目立った被害はないようですが、被災された地域の方々には お見舞い申し上げます。台風一過という言葉のように明日からは晴れるようです。
2003年6月
6月3日(火)
6月に入ってからは良い天気が続いています。本当にさわやかな季節ですね。
先日携帯電話を機種変更しました。最近の携帯にはカメラやらなにやらくっついている折り畳み式のものだらけです。 携帯電話でメールをすることもあまりないし(あのちまちましたボタンを操作不能)、ましてやカメラはデジカメ も持っています。前の機種の調子が悪くなり交換せざるを得なかった(修理はもっとお金がかかる)のですが、 これといった機種がありません。 結局少し型落ちのシンプルなものにしました。3000円でした。
しかし、何が嬉しくて、大きな音で着メロを鳴らすのでしょうか。 若い子ならともかく、いい年をしたオヤジやオバサン(失礼は重々承知です)のバッグの中から突如として 和音いっぱいのテーマ曲風のメロディーが流れてくると100メートルほど引いてしまいます。
私みたいな中年のおじさんが少年少女と同じような携帯を持つのには抵抗を感じます。 もっと中年用の渋い機種がないものかと常々感じています。
携帯電話も所有する年齢も低下し、この層を狙うのは企業としては得策でしょうが、道具として所有することの 喜びを感じるようなモノを欲する人たちも多いのではないでしょうか。
そろそろ電子音や恥ずかしいメロディーではなく もう少しセンスの良い(あるいは聞いていて耳障りでない)着信音にも配慮していただきたいものです。
6月6日(金)
水曜に宮崎からN先生という皮膚科のドクターがみえ、ご一緒しました。
大学で講義をした後、当地に立ち寄ったというわけです。 先生は私が大学の医局時代に形成外科の勉強をするために皮膚科からしばらく来られ一緒に仕事をした仲です。 その後宮崎に帰られ、父上のクリニックを継いで開業されています。宮崎のN皮膚科は大変はやっている クリニックで一日に数百人の患者さんが見えるそうです。
N先生はレーザーの使い手でクリニックには各種のレーザー機器が14台も稼働しています。 今度購入を考えているレーザーのお話も聞きました。リフティング効果(しわ取り)の高いレーザーです。 皆様、興味ありますか?
6月7日(土)
グリシン(Glycin)という時計を入手しました。アミノ酸ではなく時計のメーカーです。
スイスのメーカーですが、日本ではあまり知られていません。 ムーブメントは手巻きのユニタス6498を搭載しています。 このムーブメントはもともと懐中時計用なので大きいのですが、その分耐久性には優れています。 クオーツの時計や電波時計が全盛ですが、時計はやはり機械式だと思っています。
地味派手系の時計が欲しかったので探していました。 インターネット上で見たときはもう少し地味な感じの色合いだったのですが、届いてみると赤色が(下の写真よりも)鮮やかで、大きさとも 相まって派手な感じです。文字盤に合わせてベルトをHIRSCHに交換しました。
白衣にはコントラストが強すぎますかねえ。


色、派手かなあ。 裏スケ格好良いでしょ。
6月9日(月)
気象庁は今日九州北部の梅雨入りを宣言しました。いよいよじめじめが始まります。
土壌にはなくてはならない雨なのですが、鬱陶しいのも確かです。 昨日はまたまた子供にせがまれて「いとうづの森」公園に行って来ましたが夏そのものの暑さで紫外線をたっぷり 吸収してきました。老人性のシミができそうです。でもレーザーも痛いのでしたくないし(聞かなかったことにしてください) 、困りものです。
来週は東京にレーザーを見に行ってきます。顔のリフティング効果のあるレーザーですが、なかなか良さそうです。 ポルシェやフェラーリには興味はありませんが、同じ値段ならレーザーが欲しくなるのは悪い癖です。
6月13日(金)!
梅雨入りしましたがまとまった雨、降りませんねえ。
今日も二重の手術からスタートです。きれいな二重ができ(目の個性によっては私自身が気に入らないこともあり、やり直す 事もあります)、気分が良いです。
気がついてみると2003年も半分が過ぎてしまいました。あと半分、しっかり頑張りましょう
6月14日(土)
今日は土曜には珍しく予約が少なく、我が社も今日限りかと思っておりましたが、その後予約外の患者さんがみえ、 結構忙しい日となりました。
下まぶたのたるみやシワを気にされている70歳の患者さんが見えました。年以上に老けて見えるので何とかしたい とのことでしたので、たるみ取りの手術の説明を致しました。
よく話を聞くと、この方は今までに腸、甲状腺、胆嚢の3つの「がん」の手術をされ、すべてを克服されてきた方だとわかりました。 さぞかし苦しく痛く長い闘病生活だったことでしょう。
でも今からは失った時間を取り戻すために前向きに 美容外科手術を受けられます。いくつになってもきれいな「女」でいてほしいと感じました。
6月17日(火)
明日から東京に出張に行ってきます。
例のタルミに効果的な装置の見学です。もし画期的なものなら購入して皆様に提供したいと思っています。 木曜の夜帰宅しますが、その間メールによるお問い合わせの返事が遅れることがありますが悪しからずご了承ください。
6月20日(金)
出張から帰ってきました。
ちょうど台風が来ていたのですが18日、19日は東京は影響がなく、帰りの飛行機も無事飛びました。
サーマクールという装置を直に触れ私自身で試してみました。アメリカのレーザー医学界では著名な大学の研究者が 名を連ねて発表し、効果のほどを絶賛しています。またABCニュースでも取り上げられ全米で大きな話題となっている 治療法です。レーザーとは異なり、肌のもっと深い部分で作用し、コラーゲンの一部を収縮させます。 これにより顔のリフトアップが可能になる訳です。
九州の第一号機を導入するように決定しました。実際の治療は7月中旬ごろから開始の予定です。
6月21日(土)
昨日は台風一過の晴れ間でしたが、今日は少しどんより曇っています。
仕事以外ばかりで忙しいのですが、今日は終わったら、すぐ出かけます。大学時代の友人と会う用件があり、 久しぶりに第二の故郷、久留米に行って来ます。
ここからは高速を通って約1時間半程度かかります。 この友人は眼科の医者(女医)なのですが、私のクリニックでフォトフェイシャルのシミ取りをして すごく良い結果が出ています。今度はタルミ取りを宣伝してきます。
6月23日(月)
久留米で気のおけない仲間と会ってきました。同級生に関するいろりな情報がありましたが、やはり、 病気になったり離婚したりという話が結構あって悲しいですね。
なかでも友人で食道がんをわずらった人間がいて手術後復帰したと言うことでした。複雑な心境です。
昨日昼頃帰ってくると少しだるい感じがして「二日酔いかなあ」くらいに思っていました。
だんだんふしぶしも痛くなり熱を計ってみると38度もありました。久しぶりの発熱です。持病の扁桃腺 が腫れたようです。切らないかんかなあ。
で、一日寝て今日はやや状態は良いようです。
6月24日(火)
ようやく梅雨らしい雨が降りました。びしょびしょ降ってうっとおしいです。
友人の医局秘書だった女性がめでたく結婚する事になりました。9月の結婚式の招待が来ました。
藤原紀香似の彼女の結婚相手はなんとお寺の住職さん。どんな出会いがあったのでしょうか。
6月26日(木)
悪いことは出来ません。 火曜日、S先生、G先生とビアホールに行きました。喉の調子も良くなりかけ、アルコールで十分消毒したのですが、 水曜の昼頃からまた扁桃腺が再発してきました。今度は喉が強烈に痛く、飲み物さえ、喉を通らないほどです。
医者の不養生と言いますが、何回か抗生剤を飲んだだけでお茶を濁したのが間違えでした。 今日は熱も引き、喉もまあまあですが、もう少し、用心します。
またまたS先生と話をしたのですが、この仕事も専門職で、本当に得意分野、やりたい分野というのがおのずと決まってきます。 それ以外もやらない訳ではありませんが、私で言うと下眼瞼のシワ取りや二重、レーザーによるアンチアイジングなどがライフワークとなるのでしょうか。
まあ、それよりも早くリタイヤして山小屋でも建て酒でも飲んでいるのが一番のシアワセかも。
6月28日(土)
お利口に内服続けています。
発熱したとき血液検査しましたが白血球数が上昇しているのは良いとしてγGTPが少々上がっているのが ショックでした。まあ、あれだけ酒を飲めば上昇もするでしょうが、今まで異常なしでしたので多少肝臓も弱っているのかな という感じです。まあ、80台ですし、GOT,GTPは正常範囲ですので、どうと言うこともないとは思いますが。。
同級生が次々に病気になっています。そんな年になったということでしょうか。
最近プラモデル作りに凝っています。プラモデルというと子供のおもちゃのようなチープな印象を受けますがネット上でいろいろなモデラーが すばらしい作品を作っているのに触発されてしまいました。
やせても枯れても(あまり痩せてはいないが)形成外科医ですので、手先の小器用さとセンスは若干持ち合わせているつもりです。 老眼が障害なら手術用の顕微鏡もあります。 また昔から乗り回していたバイクの造形なら結構いけそうです。
最初は習作のつもりでプロモデラーの作品を見よう見まねで作っていますがタイヤのスポークにニップルを付けて張るだけでも何時間もかかってしまいました。 そのうち発表できるようなものが出来ましたら載せます。
6月30日(月)
6月も最最終日となりました。
沖縄あたりは梅雨明けだそうですが、当地はまだ少しぐずついた天気が続いてますね。
昨日の日曜は子供達はジャガイモ掘りに、家内は仕事で出張と一人の時間ができたので一日中モデルに取り組んでいました。 仕事で細かい事をし、さらに趣味でも細かい作業をするなんてバカみたいですが、 趣味の場合には全く肩も凝りませんし疲れません。一体どうしたことでしょうか。
仕事、いやいややってるのかなあ。皮膚を縫ったりする場合は、どうも瞬間息を止めたりしますので、つもり積もると呼吸器系統には 相当負担がかかります。 それに引き替えモデルの方はやり直しは利くし、血も出ませんので気楽なところが良いのでしょう。
2003年7月
7月1日(火)
朝から大変な天気になりました。バケツをひっくり返したというのはこんな雨のことでしょうか。
ひまわりから見ると九州はすっかり雨雲に覆われています。雲の帯は西に幅広く広がっており しばらくはぐずついた天気が続くでしょう。(気象予報医)

7月4日(金)
メールでご質問を頂いていますが、最近特に宛先不明で返送されてくるのが目立ちます。
まず24時間以内に回答を差し上げるようにしておりますので、もし、回答がない場合には再度メーラーの設定等をチェックした上で、 再度ご質問をお寄せください。返事しないでほったらかしみたいで気持ち悪いです。
7月5日(土)
今日不思議な封書が届きました。
中には1枚のCD ROMと便箋2枚。差出人は静岡の印刷会社(全く知らない)です。 タイトルは製品納入のお知らせとなっています。税込み12380円、冊子デザイン料ということですが、内容は次のようなモノです。
「この製品は、海外の有料サイトから購入したものと、無料になっている優良画像で構成されております。中略 30000円以上の価値があります。」 だそうです。
最後に御注意として
「入金が遅れますと、通販店から、大型家具が数個おくられてきます。買い取るか、返品するかしてください。 誠意が感じられない場合、公衆FAXから、貴方の名前と発信番号で公共機関に、一部の画像が誤信されることがあります。」
大型の家具、何が届くのでしょうか。少し楽しみです。
私はどうやってこの人に誠意を示せばよいのでしょうか。(笑)お金かなあ。
7月7日(月)
七夕です。
織姫星は琴座のベガで彦星は鷲座のアルタイルです。二つの星は天の川をはさんで輝いていますが実際の距離は約15光年離れています。 光の速度を超えられないとすると川の中州で会う約束をしてもお互い7年半前に家を出ないと間に合いません。(約束するための 電話もかかるまで15年かかり、OKの返事が着くまでにさらに15年かかりますけど)
デートのあと帰るのにも7年半かかりますので帰ってからすぐにまた家を出ても次に会えるのは15年後です。
15年前の話です。
彦星:
「織りちゃん、今度2003年7月7日なんだけど、デートしない~?」
都合も聞かずに15年分の食料等持って直ちに出発。返事は途中、携帯で受けることにする
リ~~ン、リ~~ン(という音もレトロで良い)
織姫:
「いいわよ。2003年7月7日ね。わっ、今日じゃん。」
ピンポ~ン
織姫:
「あらっ、もう来たの?お化粧もしてないのにぃ。。。」
彦星:
「しんどっ。橋が渋滞してたんで15年もかかっちゃった。」
(・・・何かいやに老けたなあ。化粧のせいだけかあ?)
電話を切ると同時に出発したので電話が届くのと同じ15年かかって今日到着しました。
彦星:
「次は織りちゃんが来てね。疲れるし。何ならこの足でアルタイル行く?」
会いたい気持ちが光速に近づけば近づくほどウラシマ効果は大きくなってゆきます。 光速の99%くらいのスピードで会いに行ったとすると二人の年齢が変なことになってしまいます。 彦星は15光年を移動するのに宇宙船内部の時計は2年程度しか動かない(食料も少なくてすむ)のに対し、織姫ちゃんは15歳きっちり 年を取りますので、当時同い年であったとしても13歳年上の姉さん女房になります(結婚したとすると)。 次回はやっぱり織姫様に来てもらわなければどんどん釣り合わなくなってきます。
まあ、結婚したとすると単身赴任でもない限りそんなには離れてなくて良いか。
いや、彦星くんも一旦アルタイルに帰るから年は変わらないか?
訳がわからなくなってきそうなのでやめます。
7月10日(木)
梅雨明けはまだでしょうか。蝉の声もちらほら聞こえ、昨日は盛大に雷など鳴って夏の到来近しという感じを醸し出しておりました。
蒸し暑いですねえ。夜などは窓を開けても湿度が高く暑さは逃れられません。
長崎の4歳児殺人の容疑者は12歳でした。
3ヶ月前までは小学生だったわけです。犯罪の低年齢化が顕著になっています。6年間のサカキバラ事件以降少年法も改正されましたが 結局は犯罪の抑止力にはなってなかったと言うことでしょうか。 確かに中学生ともなれば力もつき思春期前夜のもやもやもあってもおかしくない年齢です。つい20年前までは中学生の殺人なんて 考えられない事だったのですが、社会の状況、教育の状況、モラルの問題、このようなことがどんどん悪い方に向かって 進んでいるような気がしてなりません。
中学生、高校生でも入れ墨をしている子を見かけます。 就職に先立って消してくれと親に連れられて来るのですが、親子とも簡単に考えすぎています。 犯罪と結びつくかどうかは別にしても私の中学生のころには、そのような家庭環境は皆無でした。親の子に対する監督責任や 教育は一体どのようになっているのでしょうか。
7月11日(金)
7月の28日に待望のサーマクールが来ることになりました。
現在アメリカから輸送中です。実際にクリニックで稼働させるのは8月からになりそうですが、設置場所や設置に伴う 周辺機器の整備などでおおわらです。新しいレーザー機器を導入するのは1年ぶりになりますので、何だかわくわくします。 車とか興味のある方は新車を購入するときと同じような気持ちなんでしょうね。
7月12日(土)
ようやく土曜日です。
昨日は久しぶりに皮膚移植の手術をしました。皮膚移植は開業前は熱傷その他でごく一般的に行ってきた 治療ではありましたが、開業してからはそれほど多い手術ではありません。
昨日のは入れ墨消しです(出た)。通常はレーザー治療を優先するのですが、深い入れ墨は何度も照射が必要で 治療期間が年単位になるのが普通です。昨日の患者さんは傷が残っても直ちに消したい、と言う希望がありましたので セカンドチョイスのこの術式を選択しました。(いろいろな方法がありますが)
しばらく行ってなかった皮膚採取もフリーハンドナイフを使って満足の行く厚さで取ることが出来ました。 自転車の運転には例えられないかも知れませんが、一度こつをつかんだ操作というのは何年たっても体で覚えている ものですね。
今日は実は博多で形成外科学会の地方会がある日なんですが、2週間前くらいにホテルを予約しようとしました (普通はこのくらいで楽々可能です)が、全くホテルが取れません。よく考えると「山笠」です。よく調べると、それに加えて SMAPのコンサートがあってます。これではホテルあるわけないですよね。
7月15日(火)
年を取ってくるとタルミなどで目の表情が変わってきます。
年を取らなくてもコンタクトレンズ歴が長い方や、白内障の手術後などは上まぶたのタルミが出てきます。 まぶたがたるんでくると上方の物が見えにくく、無意識に眉毛を挙げて目を見開くような表情となってきます。 またあごを突き出して目の下側で物を見る姿勢になってきます。(想像してください。あまり上品な格好ではないですよねえ)
さて、わたしたちは眼科では通常はあまり取り合ってくれない(もう年ですからいいでしょ、って言われる)、このような 眼瞼下垂に対し積極的に手術を行います。まぶたを挙げる筋肉や余った皮膚を処理しますが、今までの表情が一変して 優しいお顔になる方が多いようです。
梅雨の中休みと言いましょうか、今日は本当にさわやかな日よりです。
早朝は少し肌寒いくらいで、小雨など降っていましたが、昼には夏本番の日差しながら湿度の低いさわやかな日になりました。
7月17日(木)
私の家はクリニックの隣にありますが(便利ですが帰りに一杯飲めないのが大欠点)、裏山は「いとうづの森公園」 になります。従って自然がいっぱい残っており時にはムカデや蛇、タヌキやモグラまで登場しますが、いやな奴 ばかりではありません。
昨日の夕方少し涼しくなって風呂上がりに冷えたビールを飲んでいると庭から「カナカナ」 という鳴き声が聞こえます。よく軽井沢などの風景が出るときBGM的に流れる音がありますよねえ。 ひぐらしです。漢字では蜩と書きます。蝉なんですが、非常にさわやかで涼しげな声です。
うちのまわりも捨てたものではありません。
7月18日(金)
夏休みになりますね。
渋谷では小学生が監禁されました。犯罪の低年齢化と言われますが、犯罪のターゲットも低年齢化しているようです。 小学生も体は十分発育してきますが、まだまだ精神の発達はついていけず、いろいろな歪みが生じてくるのでしょう。 そのような世代につけ込んでお金儲けをしようとする大人がいることが許せません。
小学生のこどもを持つ親として子供を犯罪から守ることと同時に犯罪者にならないような教育も必要となったということでしょうか。
さて、今日は例のS先生と眼科のH先生と飲み会です。お二人ともJR駅の付近で開業されています。最近偶然H先生が私の大学時代のクラブの後輩ということが判明しました。眼科と形成外科は距離があるような気がしますが、実は まぶたという共通項を持っています。今日は後輩の眼科医とまぶた論争を展開する予定です。
7月24日(木)
21日から2泊3日、開業して初めて私用で休みを取って旅行に出かけました。
私の家族と両親と家内の両親、合計8名での旅行です。旅行と言っても私がレンタカーを運転して高速で3時間程度の湯布院 という温泉町に行ったので小旅行と言ったほうが良いでしょうか。
九州は折しも梅雨前線が活発に活動し、長崎、熊本方面は土砂崩れ、鉄砲水などの大きな被害が出ていましたので、 今回の旅行も雨にたたられるのを覚悟していました。私の家族には雨女がおり、社員旅行などは必ずと言っても良いくらい 雨なので、小雨ならラッキーという気持ちです。
出発の日の未明、北九州は猛烈な雨に見舞われ、小雨どころか出発も出来ないのではないかと思っていました。 明けてみると雨はやんで薄日が差しています。早速レンタカーを借りに行って出発しました。
アフリカンサファリを経由し、湯布院へ。翌日も九重花園など廻って久住泊。3日ともに珍しく雨にも遭わず、 露天風呂につかってゆっくり過ごすことが出来ました。と言っても運転手の私は少々きつかったですが。。。
7月25日(金)
掲示板を設置しました。
さっそく「あやさん」からのご質問が届きました。最初の一人、記念すべき女性(たぶん)です。
ホームページを自分で作成してからずいぶん経ちます。内科系のコンテンツが充実していないのが大変申し訳ないの ですが、形成外科の部分は徐々に充実させて行っているつもりです。 メールでのお問い合わせも増え、嬉しく思っていますが、ホームページをどれだけ見て頂いて利用されているかが 今ひとつ掴めません。
掲示板の書き込みというのはインターラクティブで大変よろしいですね。
ご質問でも世間話でも結構です。自由に書き込んでください。
梅雨、明けませんねえ。
例年に比べてアイスの売り上げが落ち込んでいるそうです。それに対し、おでんや鯛焼きの売り上げが伸びているということです。 来週くらいには梅雨明けし、8月は例年通り暑い夏がやってきそうです。
夏は暑くないとダメです。思いっきり暑い夏にビールを飲むのを無上の楽しみにしています。(ささやかだねえ)
7月26日(土)
朝からすっきり晴れました。
猫の額の庭でも低い木の枝で地中からはい上がったばかりの蝉が殻を脱いで羽を乾かしています。
そろそろ梅雨は明けてくれるのでしょうか。予報では来週は晴れの日が多いようで月曜から「いとうづの森公園」 で始まる林間学園行く娘は喜んでいます。
7月28日(月)
ようやく梅雨が明けたようです。
北の高気圧がかかっていますのですっきりとした夏日はまだのようですが一応じとじとは終わりです。
夏になると思い出す話です。
まだ学生の頃、大学5年生の時の話です。5年生は臨床実習といって1班5~7人に班分けされ臨床各科を2週間づつ 廻り、実際の患者さんと接しながら医療の実践を学んでゆく学年です。当時部活の先輩に精神科医が多かったこともあって、 ばくぜんと精神科を志望していました。 それもあって、その週の精神科臨床実習は多少気合いが入っていました。
その日は朝から教授の回診です。われわれ学生もノート片手に回診の列のしっぽにくっついて行きます。
一行が共同の浴場のそばを通りかかった時、一人の患者さんが風呂に釣り糸を垂らして釣りをしているという風変わりな光景に出会いました。 教授は慣れたもので優しく声をかけます。
「釣れますか?」
振り向いた患者さんは精神統一を乱され少しむっとした顔で即座に答えました。
「お風呂で魚が釣れるわけないでしょうが。」
教授はふむふむと頷きながらその場を去りました。
(おお、なかなか味わい深い会話ではあるなあ)と言う思いで顔を見合わせつつ後に続きます。
と、そのとき先ほどの患者さんが教授に聞こえないように小さな声で独り言を言っているのを確かに耳にしました
「こんな良いポイント、そう簡単に教えられんなあ。」
逆転に次ぐ逆転の味わいの深さに精神科医療の奥の深さをかいま見ました。
追加。
以上の話は精神科医療をお受けになっている患者さんや疾患そのものに対し、いささかたりとも 差別や中傷の意はございません。
後に形成外科と出会い、人生が大きく変わって行きますが、当時精神科の医師を目指していた私の中で印象の深かった一場面を描写したに過ぎません。 もし、ご不快に感じた方がいらっしゃいましたら深くお詫び申し上げます。
7月29日(火)
昨日待望のサーマクール九州1号機が当院にやってきました。
夕方診療終了後にセッティングを行い、いつでも使用できる状態になっています。 私自身、スタッフの肌で安全性や効果を再検討した上で患者さんに治療を提供したいと考えています。
両ほほのタルミ取りでも施行に1時間以上かかります。また費用も決して安い訳ではありませんが、 non-abretiveな(手術を要しない)治療であるメリットは大きいでしょう。
確かに直後から引き上げ効果や張りが実感できます。パラメーターのセッティングを細かく詰めてゆきたいと思います。
このところレーザー脱毛の患者さんが増えていることは書きましたが、いまだにエステの針脱毛やレーザー脱毛(?)に通っている方が多いのはなぜでしょうか。 私たちは5年前から東洋人に対するレーザー脱毛器の効果や永続性、安全性について研究してきました。最初の数年は安全性と脱毛の効果を、最近は 脱毛効果の永続性について確信を深めています。
この時期、はっきり申しまして針脱毛は必要ありません。レーザー脱毛は針脱毛と比較して全ての面で勝っています。ましてや数年前と違い レーザー脱毛の費用も相当安くなっており、今針脱毛に通うメリットはないと断言します。
今日の雨は一体何でしょうか。梅雨、明けたんじゃないの?
ひゃー、北海道を除いて日本列島はすっぽり雲の中でした。

7月29日 16時現在 ひまわり画像
7月31日(木)
早いものでもう7月も終わりです。8月からは暑くなると思いますが、7月は冷夏でしたねえ。
ビヤガーデン、アイス、ウナギの売り上げは軒並み落ち込み、代わりに傘、ゲームセンター、などは150%ほどに売り上げを 伸ばしているそうです。
我が社は?・・・・なーんにも変わりません。(大雨が降った日はキャンセル続出でしたが)
2003年8月
8月1日(金)
さあ、いよいよ8月です。
ホント、ビールのおいしい季節となって参りました。きんきんに冷やしたジョッキで飲む風呂上がりに一杯は 何物にも代え難いシヤワセのひとときですなあ。(ちょっとオヤジ入ってますか?)
で、少しおなかの出具合も心配になってきましたので、またダイエットしなければと思っています。
昔リンゴダイエットというやつが流行りましたね。
私の後輩でHという女医がいました。大学の形成外科に入局し、 私が指導の一部を受け持った(全部とは言いたくない)のですが、お医者さん度という指標があるとすると25点くらい (100点満点で)の点数の医者です。この女はお医者さん度は低いが肥満度は高く、物理的には存在感は抜群でした。
手を広げた時、手の甲に4個くぼみができるのは、この女と赤ちゃんくらいのものです。
このH女史、ある日何を思ったのかリンゴダイエットをおっぱじめました。後に聞いたところによると人並みに 恋の悩みがあったそうです。(合掌)
さて、リンゴダイエットとはリンゴのみを摂取しカロリーダウンを計るという無謀な計略なのですが、 このH女史、一日になんとリンゴ13個を平らげたそうです。
いくら何でも1食平均4.3個。中くらいのリンゴでもカロリーは120Kcal程度、13個なら約1500Kcal。
確かに女性の1日平均摂取カロリーよりは低いですが、栄養は偏るは、体は冷えるは、良いことはありません。 普段の食事をすこ~し減らせばよいのです。
追加。
以上の文章は驚愕の事実をそのまま記載したものであり、女医Hやリンゴ、手のくぼみなどに対し、いささかも誹謗中傷の意図は ございません。本当です。
8月2日(土)
まだ医者になって2年目のころ医局から一般外科の修行のため、東京のある病院への出向を命じられました。
形成外科は少なくとも最初の6年間は外科系や麻酔科、救命センターなどいろいろな科を廻って修行することが義務づけられています。 この経歴がないと日本形成外科学会の専門医試験を受ける資格さえもらえません。
さて、その病院は東京の下町にあって、今で言うならERのように急患の多い病院でした。私がお世話になる外科には学生時代の同級生 もおりましたが、外科医としては先輩にあたるわけですので基本的な輸液などを教えてもらいながら勉強に明け暮れました。
(その当時の記録を見ると1年間で自分が執刀した手術400例、助手についた手術も400例を数えています。まだ2年目なのに)
数ヶ月も経つと病院の外科系当直を任されるようになります。とは言ってもどんな急患が運び込まれてくるのかもわからなければ、 病棟の患者さんが急変する場合もあるかも知れません。とても外科経験数ヶ月のわれわれに当直が務まるとも思えません。
で、話のわかる先輩などに、「今日だけは飲みになど行かず、家に居てくださいね。」と泣きつき電話番号の控えを握りしめて 当直室に入るわけです。と言うわけでたった一人の夜、頼りになる物と言えば、
1.先輩の電話番号
2.「今日の治療指針」(という治療のマニュアル本)
3.その日の当直看護婦
4.自分のすくな~い経験
というとびきりの頼りなさです。
現在の救急医療の体制は少しはマシになっているかも知れませんが、ほとんどの病院では、このように救急医療の最前線を若く経験も少ない 医師が守っているのは事実でしょう。
以前お祭りの綿飴のお箸が喉に刺さって救急病院で「たいしたことはない」と帰され、その夜、ご自宅で お亡くなりになったという痛ましい事件がありました。このケースが上記の状況に当てはまるかどうかは知りませんが、もし、当時の私がその立場であったら、 と考えると、その当直医と同じ過ちを犯さなかっただろうかとぞっとします。医療は慎重の上にも慎重に。日本中の研修医達が自らを 省みて考えさせられたであろう事件ではありました。
ご冥福をお祈りいたします
8月4日(月)
昨日の朝、犬の散歩に出かけようと庭にでると、なにやら黒いものがごそごそ地面を這っています。
オスのカブトムシです。さっそく捕まえて子供に見せると喜んでミカンを与えていました。 よっぽどおなかがへっているのか、このような習性なのかはわかりませんが、一日中ミカンにかじりついて 汁を吸っていました。
その後「いとうづの森公園」に行きカブトムシ展を見ました。コーカサスオオカブトという 成虫は10センチ以上もの巨大なカブトムシ幼虫がいました。こいつがまた巨大で手のひら一杯くらいのずっしりした白い巨体です。 顔は黒いカブトムシの顔そのもので(角は極小ですが)、元気に動き回ります。飼育員の方が手に乗せると暴れて 噛みつこうとしていました。
日本の自然の生態系とは全く違う生き物なんですね。
夕方、捕まえたカブト虫は木に帰してやりました。
私の家の玄関口から隣のうちまでずーっと蟻の行列が続いています。
たどってゆくと行列は我が家の庭から隣家の壁を上って見えなくなるまで約10メートルほどです。 3~4列の幅ですので見えるだけでも膨大な数が移動しています。 よく観察するとうちから隣家へ向かう人と隣家からうちに向かう人がいます。
何しているんでしょう。
その行列はもう2週間も続いています。あの豪雨の際も雨水をよけて続いていましたし、 かんかん照りの日も向かってくる人にゴツゴツ頭突きを食らわせながら歩きます。 しかも駆け足です(いいのかな、この表現で)。
いったい何してるんでしょう。
見たところ手ぶらだし、ただの引っ越しなら一方方向でしょうから、たまたま上層部で交渉が まとまって住処を交換と言うことになったのかも知れません。
今まで建設してきた自分たちの巣の設備や何かはすべて居抜きで譲るということでしょうか。 不思議でなりません。私の家の地下では何事か大変な事態が勃発しているのでしょうか。
毎日見ているとおもしろいことに気がつきました。 ありんこは平面でも垂直面でも平気で歩きますが、やはり平地を歩くほうが楽なんだろうということです。
天気の良い日は平地を歩いていますが、雨で平地が水浸しになると側面の壁づたいにトラバースしてゆきます。 立体的には壁づたいの方が直線となり近いのでそうした方が楽に思えますが、晴れの日には律儀に平地を壁に沿って歩いてゆきます。
はたらきありの体重は0.004グラムくらいだそうです。こんなにも軽いものが壁につかまって歩く時、重力の影響をいやがるとも思えません。 と、なると蟻でも頭が大地にまっすぐに向いている方が気持ち楽なのでしょうか(まあ、これも重力の影響ではある)。
8月5日(火)
久しぶりにビヤガーデンに行きました。
ビールを飲む機会は多いですが、ビヤガーデンはもう何年もご無沙汰です。たぶん天気に左右されたり、 結構暑いかも知れんという先入観などで結局ビアホールに行ってしまっっているんですね。
昨日行ったところは駅ビルにあるホテルの屋上テラスでした。初めて行ったのですが、以前近くのビルから 見て目星を付けていました。
月曜と言うこともあって混んでなく、吹く風は涼しく飲み放題、食べ放題3900円。 ホテルだけあって清潔なのがまたよろしい感じでした。
惜しむらくはメンバーがおじさん3人ということ。そう、S先生、G先生、私です。
それはそれで良いのですが、やはり、このようなシテュエーションでは女性の一人もいませんと 盛り上がりには欠きますねえ。周りは家族連れやグループが多い中、客観的に見るとどうなんでしょうか。 おじさん3人がぼそぼそ話しながらビールをどんどんおかわりしている様子はあまり楽しくはなさそうですね。
たぶん、会社帰りのサラリーマンが上司の悪口でも言いながら飲んだくれているように見えたことでしょう。
(話の内容は結構シビアに治療の事とかだったんですよ、本当は。)
8月7日(木)
いやー。甘く見ていました。紫外線。あれだけ患者さんには口を酸っぱくして紫外線対策するように 言っているのに、このていたらくです。
昨日、快晴、気温30度、紫外線100%の中、流れるプールで何時間も流れていました。
芋の子を洗うように人は多いのですが、流れに乗っているとお互いそれほど干渉しませんので、水の中の 快適さと相まって、ことのほか快適です。
これが間違いでした。家族はしっかり日焼け止めで防御を固めていたのですが、しがない父親は あまりかまってもらえず無防備で紫外線シャワーを浴び続けていたという訳です。ひりひりするほど日焼けしたなんて一体何十年ぶりでしょうか。忘れかけていたひりひり度です。
昨日、ありんこの大移動が突然終了しました。最後の一日はみなさん手に手に卵をを持参しています。
見ると隣家から当家へのメンバーのみが卵を持っています。と言うことは引っ越しは当家に向かって行われていた ことになりますね。最初の2週間のお互いの行き来が何であったのかは未だ不明ですが、最終的には 我が家の地下に大量のありんこが移動してきた模様です。
8月8日(金)
今日は何の日でしょうか?
ちょっと調べてもたくさんあります。こんな物までってものもあります。
ヒゲの日(八)、そろばんの日(パチパチ)、ひょうたんの日、たこの日、笑いの日(ははは)、 白玉の日、デブの日(?)、パチンコ供養の日、プチプチの日(気泡シートのメーカーが決めた)、 親孝行の日、パパイヤの日・・・・・
まあ、何でもありですね。
大型の台風が接近しています。
何やら異常気象ですね。この夏。雨の被害があまりなければ良いのですが、800ミリくらいの集中豪雨も懸念 されているようです。いつも大雨でけがをされる方は、心配で屋根に上がって落ちたとか増水した川を見に行って はまったとかです。見に行っても何もなりませんので家の中でじっとしてなさい。
赤くなっていた背中、イオン導入しました。痛みが取れてずいぶん楽になりました。
8月9日(土)
昔大学に勤務のころ、すごい台風が来て家内が博多から帰宅できなくなったことがありました。
かといって泊まるところもなく、私が久留米から博多まで車で迎えに行きました。高速道路はもちろん不通ですので 地道を通って5時間程度かかって救出しました。道は通れましたが至る所で水浸し、電柱の電線が垂れ下がって火花を 散らしている所さえあります。大型トラックが横転している現場もありました。 時にはトタンなどがすごい勢いで飛んできて生身であれば命の危険さえあったと思います。
ウインドサーフィンをしていた頃、風速10メートルでも当たる砂は頬に痛かったような記憶があります。 瞬間最大風速何十メートルという暴風は立っておれないどころか、この飛来物が危険です。
イマダッタラムカエニイッタダロウカ。
8月11日(月)
土曜は高校の同窓会でした。
幹事会のような小さな会は時々あっているのですが、昨日は何となく20人以上集まりちょっと大きな会になりました。
やっぱり呼び捨てで呼び合って飲む酒はうまいですね。集まった中にこのHPに来てくれた友人がいたり、 お子さんがけがをしたとき私が縫ったなどという人などいてちょっと意外でした。狭いのね、この地域。
最近この同窓会にメーリングリストを作ったところ、全国各地から同級生のアクセスが増えてきました。 今回も電話なんかで伝えていた時と違ってML経由で集まっています。インターネットに威力はすごいですね。 ただ、オジサン、オバサンばかりなのでコンピュータ扱えない人も多く、半分はアナログで連絡です。
プラナリアじゃなかった、プエラリアって知ってますか?
(プラナリアはむかし生物で習った系統的に脳を持つ最初の動物のことですね、ちなみに)
正式にはプエラリア・ミリフィカと言って何かタイの山奥(か?)で取れる芋の一種だそうです。 なんでもイソフラボンという女性ホルモンの活性に似た働きを持つ成分を多く含み、食するとその働きで胸が大きくなったり するそうです。
googleで検索しても1万件も出てきますのでそうとうブームなんでしょう。周りを見回すとこれを 通販などで買って飲んでいる人が密かに結構います。しかし最近周りの人の胸が急に大きくなったような気配もないし、 患者さんのなかには全身に発疹ができたという人までいます。
まあ、藁にもすがりたい気持ちもわからんではありませんが、そもそも個人差なく誰にでも効く薬があったら 常識的に考えると数十万の値段をつけるでしょうね。
だから効くと思って買っている人って少ないんでしょうね。ダメもとですね。安いから。
そもそも市販の(一般に簡単に手に入る)モノは効果はともかく一番大事なのは副作用がないということです。
万が一そのようなことがあった場合、製造者はPL法で責任を取らなければならなくなりますがインターネット上などで売られている 製品はこのような規制がさらに緩く何かあってもだれも責任を取ってもらえないと言うことの方が多いでしょう。
口に入れるモノです。効果も大事ですが、どうか副作用などもよく確かめて安全にお使いください。
8月12日(火)
遅ればせながら、暑中お見舞い申し上げます。
まったくすっきりしない天候ですっかり季節の挨拶を忘れていました。 7月までは涼しくて8月からは暑い夏を期待していたのですが、既に秋雨前線がかかってきて 天気図は秋の様相です。
さて、明日13日(水)から15日(金)まではクリニックは盆休みとなります。
この間、電話でのご予約が取れにくくなると思います。またメールでのご相談に対するお返事も遅れると思います。 悪しからずご了承ください。 16日(土)は通常通り診療いたしますので、土曜にお電話いただけますと助かります。
8月16日(土)
お盆も明けてしまいました。しかし、今年は寒い夏ですねえ。
昨日もプールに行きましたが水の冷たさに入るのをためらいました。こんな夏はいやです。 お盆だと言って何をするわけでもありませんが、強いて言えばお墓参りと家族サービスくらいです。
スペースワールド(近いのに行ったことはない)のすぐ隣に「いのちの旅博物館」という施設があります。 ここは昨年の冬に開館した大規模な博物館ですが、一度行ってみる価値があります。
まず入って驚くのは広大な屋内展示場に巨大は恐竜の骨格化石などがたくさん展示されていることです。 そして半日くらいでは見きれない展示の多さです。
普通博物館と聞くと、何かホコリにまみれた骨とか土器とかが薄暗い展示場に飾ってある場所を想像しますが( まさに大昔、上野の国立博物館に行ったとき、そのように感じた思い出がある)、最新鋭の博物館は一種の巨大 アミューズメント施設になっていると言っても良いでしょう。(また行こ)
お盆の間、ご予約のお電話、メールでのお問い合わせをいただいた方、お返事が遅れて申し訳ございませんでした。
休みの間は私自身が電話も対応するため、プールなんかで泳いでいると電話がつながらなかったりしたと思います。 普段は、特に手術の後などお風呂でも電話を持って入って待機しているのですが、お盆休みは少し気を抜かせてもらいました。
時間外の電話でのお問い合わせやご予約などは事務が不在のため、十分に対応出来ません。なるべく時間内にお願いいたします。
8月18日(月)
宣伝広告(ホームページを含む)について考えます。
タウン誌などの宣伝広告費はバカにならない費用がかかります。市内版でも1ページ30万、全国版では200万くらいが相場でしょう。 (1ヶ月1回分ですよっ!!)ホームページはそれほど費用はかかりませんが、維持に多少の労力がいりますね。
(隠れた広告費高額チャンピオンはNTT電話帳ですが)
さて、月に何十万円も何百万円も出して宣伝広告するのですから当然その分患者さんに来て頂いて治療しないと 大変です。逆に言うと何百万円も宣伝広告費をかけているクリニックはそれに見合う売り上げがあると言うことでしょう。
本来、宣伝広告などしなくても患者さんに知って頂き、来て頂くのがよいのですが、この業界はなかなかそうもいきません。 口コミというのが存在しにくい性質の業種だからです。
では、雑誌などに書いてある宣伝文句の何を基準に患者さん達はクリニック選びをしている のでしょうか。
術前術後の写真?有名なクリニック?腫れない?安い?
賢い貴方はあまり信用してないですよねえ。本当は。
信用出来ない理由は、美容外科というモノが同じ雑誌の近くのページに載っている、怪しげな占いや健康食品などと同列に見られているからではないでしょうか。 どうせ、一番良い写真使ってるんでしょ。コンピュータグラフィックかも知れないし。でもちょっとだけ興味はある。といった所でしょう。
情報公開ということが、つとに言われてきましたが、通常クリニックが宣伝広告できるのは、クリニック名、住所、標榜科、院長名程度でした。 最近になってようやく院長の経歴、専門医であること、玄関の写真(!?)などが規制緩和されてきたくらいです。
でも雑誌にはそれ以外の情報もたくさん載っていますよねえ。基本的には全部違反です。情報公開という観点から見ると必ずしもこの違反が悪い とばかりは言えないと思いますが、それ以上に過大広告という大きな違反が隠れていることには注意しなければいけません。
うちに来れば、こんなにお安く見違えるようにきれいになります。という広告はずーっと見てて、飽き飽きしました。これだけは品がないので したくないと思っています。
日本中の人の目に触れる私のHPは少なくとも嘘の無いように、正しい情報公開の場としたいと思っています。
8月21日(木)
遅い夏休みを取りました。と言っても火、水の2日間ですが。
夏休みとは言っても今年は冷夏でちっとも夏らしくなく残念でしたが、この2日間は夏が力をためて戻ってきたような 強烈な猛暑でした。動物好きの子供を連れて長崎バイオパークに行って来ました。
本当にアンデスかアマゾンにでもいるような(アンデスもアマゾンも気候は知りませんが)猛暑の中、半日動物を追っかけ回しました。 家族サービスとは言え、一種の修行のようでした。実に夏らしく、夏休みというにはこれ以上ない天気でした。
夜はハウステンボスに泊まって、翌日は朝から5時くらいまで、またまた猛暑の中、荒修行に励みました。
倒産したとは言え、変実にもかかわらず入場者も結構おり、盛況のようでした。
さあ、今日もサーマクール治療や手術が入っています。頑張って治療しましょう。
8月22日(金)
サーマクール、順調に滑り出しました。
出力の設定などにまだ多少の不安があり、少し控えめに設定し照射していますが、直後よりリフト効果を実感する患者さんも おられ、嬉しいです。
麻酔の塗り薬でかぶれた患者さん以外は特に副作用もなく(当然ですが)、症例を増やしています。 痛みも心配したほどはなく、今までの患者さんで強い痛みを訴えた方はいません。
直後の効果が実感出来ない方もいますが、今後3ヶ月が楽しみです。
ただ、治療費が高額なので、気軽にはお勧めできないのが残念ですが、フォトフェイシャル数回分と割り切っていただけるなら 十分よろしいと思います。
今日午前中施術された患者さんも右ほほをした時点で鏡で確認して頂きましたが、明らかに左右差が出て施術側は鼻唇溝(豊齢線) が浅くなり、リフトアップ効果を認めました。
近くVISIAという装置を導入します。この装置は肌を気にされている方々にはイヤ~な装置です。
顔の肌診断装置なのですが、装置に顔を入れ3方向の写真を撮ります。この一つはUVカメラになっています。 さて、ここまでは従来のものとあまり変わりませんが、この後この結果をコンピュータで分析し、肌の診断が行われます。 シミやシワ、将来出来るであろうシミなどのデータを1人1人にお渡しできるようになると思います。
8月23日(土)
夏休みが終わりに近づくと私の誕生日が来ます。
誕生会などは小さいときからあまり記憶はないのですが、夏休み中と言うことで何だか少し損をしたような 気分になったものです。
今日は友人の結婚の前祝いと私の誕生日を兼ね(まあ、口実ですが)、博多で飲み会です。 地元小倉では繁華街で物騒な事件などもあり、ちょっと怖いのですが、中洲の夜はいかがなものでしょうか。
8月25日(月)
夏休み最後の週です。
われわれ自身は関係ないのですが、お子さまのいる家庭では少しほっとしているかも知れませんね。 あまり夏らしくない夏だったので、子供達は少し不満かも知れません。
夏と言えば紫外線ですが、南極上空のオゾンホールは今年、史上最大の大きさに拡大しているようです。 酸素は紫外線が当たるとオゾン(O3)になります。オゾンは不安定な分子ですので、再び紫外線が当たると 光化学反応で酸素に戻ります。オゾンは生物にとっては有害な物質ですが、普通は地表に近い所ではほとんど存在しません。 成層圏では紫外線が強く、このような環境ではオゾンが普通に存在しています。またオゾンは紫外線を通しにくく、太陽から放射される 紫外線はこのオゾン層で吸収され地表には届きにくくなっています。
大昔地表に酸素が希薄だった頃は太陽の紫外線が直接地表に降り注ぎ生命は海の中に閉じこめられていました。
近年フロンや地球温暖化の影響でオゾンが破壊され地表には強い紫外線が直接放射されてくるようになってきています。
紫外線が当たると皮膚癌などの原因になりますので人類にとっては非常に危険な状態と言えます。
自由に外を歩けなかったり、大昔のように海の中に安住の地を求めなければならない日がくるのかも知れません。
今日、お電話でちょっと不思議なお問い合わせがありました。
サーマクールの件なのですが、値段を教えて欲しいと言うことでした。ここまでは普通なのですが、値段というのが サーマクールの治療費用のことではなく装置自体の値段の事でした。買うのかしら。
サーマクールについてお調べと言うことでしたが、
メーカーはThermage(http://www.thermage.com/)、
日本の代理店はJMEC(http://www.jmec.co.jp/) です。
機械そのものについても私のわかる範囲ではお答え出来ますが、直接お問い合わせ頂いた方が正確だと思います。
8月26日(火)
昨日の夜から雨が降って患者さんの出足も鈍い朝です。
先日おじさん(私)、少し恥ずかしい目に遭いました。 この前熱闘を終了した夏の甲子園大会の事です。 東北のダルビッシュ有選手というエースがいましたよね。相当にイケメン(この言葉もわりと最近知った)できゃーきゃー言われていたらしい のですが、当然おじさん(私)には何のことかわかりません。
この記事を読んだとき、まさか高校野球にダルビッシュなにがしという名前の選手がいるなどとは考えも及びませんでした。
ダルビッシュ有・・・ダルビッシュ有りと読んでも不思議ではありませんよね(おかしい?)。
ダルビッシュというナニモノカが有るのと無いので何が違うのか?ちょっとわからなかったのですが、後に指摘され やや恥ずかしい思いを致しました。
やはりオジサン、オバサンという生き物は思考の柔軟性が枯渇しているのである。悪いか。
先日送りつけられてきたディスク、覚えてますか?(7月5日の日記を参照)
もう2ヶ月近くなるのに大型家具は送られてきません。で、少し興味をそそられディスクを開封してみました。
確かに女性ばかりの無修正画像がぎっしりと詰まっています。書いてあった優良画像というのには 嘘は無かったようですが、みんな同じような局所の写真で見飽きてしまいます。
この話をクリニックの看護婦さんにしたところ多少興味を持ったのかディスクを見てみたいということでした。 あまり期待しないほうが良いよ、と言って貸したのですが、すぐに明るく戻ってきました。
「導尿思い出すだけでしたっ。」
まあ、職業とは言え、若いナースの何とも色気のないことで。。。。
8月28日(木)
昨日はクリニックが休診だったので、もう一度行ってみたかった「いのちのたび博物館」に足を運びました。
やはり「セイスモサウルス」の巨大さには驚かされます。 いとうづの森公園で以前飼育されていたキリンの「さくら」の剥製もここにあります。
いとうづの森公園の飼育係の方とお話したとき、以前飼育していた動物の剥製などは見るのがつらいとおっしゃっていました。 あの模様、あの傷跡に昔のことが思い出され、とても悲しいということです。
生きた動物を展示する動物園も大変興味ある場所ですが、生きた歴史を展示する博物館もなかなかに興味深い所ではあります。
大学卒業後20年も経ってくると同級生の開業が増えてきます。
大学や関連病院で一生懸命修行し、治療にあたってきたわけですが、自分自身も年を取り始め、自分の医療というものを 考え始めます。大学病院などではいろいろな制限があって出来なかったことなど理想を持って開業するわけです。 私の友人も何人も私のクリニックを見学に来ました。みんな学生時代とは違い、立派な顔をしています。
昔のエピソードを思い出しました。
大学の3年生には解剖実習という関門があります。 これは医師の卵として初めてご遺体に接する機会です。これに先だって解剖学という講義があり、当然試験が待っています。 ある期の解剖学の試験終了直後のことです。試験会場では緊張から解き放され今の試験の出来不出来をめぐっての話があちこちで 聞こえてきます。
A:「前立腺の前にある臓器って何だっけ?」
確かにそんな問題が出題されていました。
B:「子宮だろ。」
申し訳有りません。これでも医者の卵です。
A:「おまえ、本当にバカだなあ。子宮はうしろだろっ。」
大変申し訳ございません。これも医者の卵です。
今ではみなさん立派な医師として活躍されています。
弱冠20歳、医師の卵の、そのまた胚くらいだった頃のお話です。
8月29日(金)
テネシーウイスキーやワインも飲むのですが、最近はブランデーを飲む機会も多いです。
ブランデーと言えばフランスのコニャックやアルマニャックが有名ですが、そのほかにもフランスのA.O.Cワイン を産出する地方のフィーヌというブランデーがあります。
フィーヌはそれぞれの地方のブドウで作ったワインをさらに蒸留して作られるもので、元はと言えばワインが 主ですので、できの悪かったワインなどを蒸留してブランデーにし内輪で楽しんだのが始まりです。 ですからコニャックなどと比較しても何とも言えぬ個性が感じられます。
もちろん元はA.O.Cワインですので、中にはロマネコンティーのフィーヌなどというとてつもないシロモノもあります。
昔々医局時代に一緒に働かせて頂いたK先生(現、九大耳鼻科)は私の酒の師匠なのですが、この人は今思えば むかしからこのような変なブランデーとか、もっと変な(失礼)グラッパ(イタリアワインの絞りかすから蒸留されるブランデー) やマール(フランスのカス取りブランデー)のようなモノを愛飲していました。
恐るべしK先生。
8月30日(土)
サーマクールという機械を導入し、まだ1ヶ月。実際に使用しはじめてからまだ半月です。
自分自身でも(こう言っては何ですが)多少半信半疑で始めました。第一例目は以前よりオファーのあった患者さんでした。 一例目ということでスタッフの動きも悪く段取りがうまくいかないのを見越し、事前に十分なシミュレーション を行ってから始めました。
ところが1例目に限って問題が発生です。非常に希な前処置(表面麻酔など)による 皮膚炎を起こしてしまいました。サーマクールとは全く関係なく生じたのですが、申し訳ない事を致しました。 お詫び申し上げます。現在当院でフォローアップ治療中です。
さて、この患者さんには大変申し訳ないのですが、他のサーマクールの患者さんの結果はすこぶるよろしいです。
言われているよりちょっと良すぎるんじゃないかとも思いますが、直後からリフト効果を感じる方が半分以上いらっしゃいます。 また数日後からお友達に顔が違ってきたと言われたりと満足度は上々です。
3ヶ月は徐々に効果が上がってくるはずですので今後が楽しみです。
2003年9月
9月1日(月)
新しい月が始まりました。月曜からスタートというのもキリが良くて良いですね。
小学校時代には新学期の始まりは嬉し悲し、と言った感じでしたよね。 長いこと会ってなかった友達と会う、ちょっと晴れがましいような気恥ずかしいような。
思えば久しぶりの同窓会のような気分ですね。若いうちは時間が早く過ぎますので、小学生の夏休みの40日間というのは 今の何年か分に相当するのかも知れません。
子供の頃は大人になるとか年寄りになるとか思っても見なかった(楽観的なのかなあ)のに、こうして年を取ってみると、 本当に時間を無駄遣いしていたんだなあと思います。もちろんその無駄遣いも人生の味付けの一つではあります。
今まで性格的に後悔すると言うことの少なかった私ですが、 あーすれば良かった、こうすれば良かったと考え始めると老人の兆候ですね。
9月2日(火)
火星が接近しています。
「すいきんちかもくどてんかいめい」、って覚えましたね。 火星は地球のすぐ外側の軌道を太陽に対し公転しています。公転周期は687日と遅いため 2年2ヶ月ごとに地球は火星を追い越してゆきます(会合周期と言います)。そのとき火星が最接近する訳です。
地球の軌道がほぼ円形なのに対し、火星の公転軌道は楕円形になっているため、周期によっては距離が近かったり遠かったりします。
通常大接近は15年から17年ごとに起きているのですが、計算上これ以上近づけないくらい近い所に接近しているのが 今年の超大接近です。実際には太陽地球間の距離の約3分の1の距離(55758000キロ)にまで接近しているようです。 (今日現在は56150000キロだそうです)
今日は天気が良いので観察してみましょう。火星の出は7時前くらいですが、夜の10時ごろになると30度ほど上昇してきますので 見やすいと思います。 福岡からだと南東の空、ひときわ赤く輝く火星が見えるはずです。
9月4日(木)
昨日は私がもと勤務していた大学の医局秘書さんの結婚式に出席してきました。
171センチの大柄の彼女ですが、初めてみた新郎はなんと191センチ。超大型夫婦のできあがりです。 しかも新郎の職業はお坊さんです。
お坊さんとだけは聞いていたのですが、191センチの現代っ子風 (言い回しは古いが)のお坊さんを見たこと自体、希有な体験でしたが、 さらに会場には新郎と同世代のお坊さん友達が含有率80%くらいいるわけです。
医者の後輩の結婚式に出ると、出席者の多くはお医者で、またたいてい何らかのつながりがあって お顔を見知っている場合も多いのですが、今回ばかりは一緒に招かれた私の知り合い3人以外は100%知らんお坊さん(しかも私服)です。
「祝い芽出た」もお坊さんなら二次会でノリノリでお経じゃない、カラオケを歌っているのもお坊さんです。
長く人生を生きてきましたが、こんなにたくさんのお坊さんに包囲されたのは京都の本願寺でたまたま何かの法要があっている所 に迷い込んだ時くらいです。
合掌。
9月5日(金)
9月に入って連日猛烈な残暑が続いています。
夏の涼しさが嘘のようですねえ。これに伴って紫外線も大量に降り注いでいます。 紫外線情報によると昼の1時くらいが連日もっとも強く、暴露するとわずかに15分でも肌にダメージが生じます。
今年はオゾンホールも南極大陸の2倍くらいの大きさにまでなっており、地球滅亡の日も近しといった状況です。

今日のオゾンホールです。
9月6日(土)
南極の件を書いていたら「妖星ゴラス」のことを思い出しました。
1970年代後半、質量が地球の6100倍の天体が地球に向かっていることが判明します。 いろいろ調査の結果、この天体を破壊したり、軌道を変えたりすることが不可能であるということになり、 地球そのものを移動させる計画が立てられました。
重水素とか三重水素とかを燃料にした総推力660億メガトンのロケットをたくさん南極に垂直に建設し、100日間で地球を40万キロ 移動させます。
今まで色々な衝突型パニック映画がありましたが、地球を動かすという大胆不敵な方法を取ったのは、この映画が最初で最後でしょう。 40万キロと言えば月の軌道より遠いのですが (ん?月はどうなる?月は公転の中心の地球がスタコラどっかへ行っちゃうとぐれますよ)、こんなに移動して果たして地球に天変地異が起こらないのでしょうか(起こらない訳ないって)。
というようなつっこみは野暮としても豪快な話ではあります。オゾンホールどころか地球上の空気とか大丈夫かなあ。
まあ、めでたし、妖星は通過してゆくのですが、その後、今度は北極に同じ施設を建設して地球を元の位置に戻すという計画になっていたようです。南極と違って北極には大陸はないのでなおさら大変です。
もし、地球の移動で天変地異が起こらないと仮定しても、100日後40万キロの彼方で地球は停止することはなく噴射をやめても一定のスピードで宇宙の彼方に飛び去ってしまいます。 大急ぎで北極に同じ施設を建設して戻ってこないと大変です。もっともその計画通りに進んでも元いた場所にぴったりもどるのは相当難しいでしょう。 当然南極の既存の施設は停止する際のブレーキとして維持しておかなければなりません。

問題です。
地球上のある地点から真北に100キロ進み、そこからさらに真東に100キロ進み、さらに真南に100キロ進むと出発点と同じ所に帰ってくるには出発点を何処に設定したらよいでしょう?
9月8日(月)
南極つながりです。
地球の温暖化が進行していますが、この40年間に平均気温は0.5度も上昇しているようです。 南極や北極では上昇率はさらに大きく2度以上上昇していると言います。 北極の氷は海水に浮かんでいるため、全部溶けても海水面が上昇する事はありませんが南極は大陸の上に数千メートルの 氷が乗っているのですから、全部溶けると世界中の海面が70メートルも上昇すると計算されています。
地元なのに初めてスペースワールドに行って来ました。
入園者にとってはアトラクションに並ばなくても良いので助かりますが日曜というにはあまりにも寂しい入りでした。
TDLなどには比ぶべくもないのですが、一つ一つのお金のかけ方がまるで違うように思えます。お金をかければよい ということでもないのでしょうが、メンテとかサービスなどに現れてくるものなのでしょう。
TDLというのはたかが子供の遊園地みたいですが、リピーターも多く(リピーターの方が多いかも)、収益率も 抜群だそうです。近くの企業では自社の新入社員をTDLの、あの、 お掃除のお兄ちゃんのサービス精神に学ばせるところも多いと聞いています。
九州のある企業でも会社の社長(良いお年の)が既に何十回も行って勉強するところがあるというのを聞いたことがあります。 TDLでペンキのはげた所、雑草の生えた芝生、吸い殻の散らかった場所など見たことがないと思います。 スペースワールドもなかなか面白い所ではありますが、そう何回も行こうと思わないのは、そういった隅々まで行き届いた 神経で「お待ちしておりますっ。」っていうところが見えないからでしょうか。
前にも書いたような気がするのですが、ホテルに宿泊してトイレに行ったとき、もしトイレットペーパーがだらっと垂れ下がって いたらイヤじゃないですか?三角に折ってあったりすると(しょうもないことですが)、いかにも掃除したてのようで気持ちの良いものです。
ほんのちょっとした気遣いって大切ですね。
9月11日(木)
2年前9月11日、大変なことが起きました。
テレビで見たときにはてっきり映画のワンシーンと思った方も多かったでしょう。 その後事件に連動してアメリカはいろいろなアクションを起こしました。その行動の是非はともかく、 多くの命が無駄に散っていったことは事実です。
謹んで哀悼の意を表します。
昨日、水曜は休診日でした。休診日にクリニックにかかってくる電話は私の携帯で受けているのですが、いろいろな 方から電話があります。
一番多いのはご予約のお電話ですが、出先などで受けた場合、予定がわかりませんので、結局お掛け直ししていただくことに なります。
日曜、水曜は毎週休診ですので、なるべくならそれ以外の曜日におかけください。
さて、次に多いのはご相談です。
まあ、お電話でカウンセリングしているようなものですが、電話ではシミやシワにしても見えませんので正確な 回答が出来ないのが現状です。詳しくカウンセリングをお受けになりたい方は是非クリニックに足をお運びください。
昨日は若い、男性から電話がありました。
「もしもし、鼻の手術したいんやけど。そこでしてんの?」
この時点で少し引きます。「はい、行っておりますが。」
「なんぼするん?」
相当高く言います。
「たけーなあ。」ガチャン
だって高く言ったもん。来なくて結構です。
普通の教育を受け、普通に生活していれば敬語の使い方は自然と身に付きます。
正しい敬語とか、正しい使い方とかやかましく言うつもりもありませんが、せめて見知らぬ人と話す場合はもう少し言い方があると思います。 私もクリニックの医師というサービス業をしていますので、多少の言葉遣いの荒さは平気ですが、 感情というものもあります。偉そうにするつもりは毛頭有りませんが、お互い礼儀というものはわきまえ、心地よい会話をしたいものです。
むしろ自分自身が日頃いろいろな所で損をしているだろうなあという気がしてなりません(感じてはいないんでしょうけど)。
9月12日(金)
蜘蛛が巣をかけるのをじっくり見たことがありますか?
蜘蛛嫌いで通っている私ですが、小学校の時、夏休みの自由研究に「蜘蛛の巣の張り方」をテーマに観察した記憶があります。 今も庭には至る所で蜘蛛が巣をかけて獲物を待っているのを見かけます。一度じっくり観察してみると面白いですよ。
今日は台風が近づき風が強まってきています。このような日、蜘蛛たちは大忙しです。飛んできて引っかかった葉っぱやゴミを せっせと掃除しています。じっと見ていると巣の中央に陣取った蜘蛛はなーんにもしてないように見えて実は神経を張りつめて 風による揺れの影響を排除しつつ網の微震動を関知しています。小さな虫などがかかってちょっとでも網が震動すると電光石火そこめがけて飛んでゆき、 糸でぐるぐる巻きにしてしまいます。 ゴミとわかると丁寧に取り除きおもむろに別の糸をつたって中央の定位置に戻り逆立ちの姿勢で待機します。
日がな一日巣の真ん中でじっとしているように思われがちですが、実は結構緊張して過ごしているのではないかという思いがします。
9月13日(土)
大型の台風は九州北部をかすめて通り過ぎて行きました。
北九州地方にはさして影響は無かったようです。
小学生の頃、日記をつけていました。というか、つけたことがあります。
というか3ヶ月くらいです。その日記を見ると最初はその日の出来事などを書いていますが、最後のほうになると 明らかに飽きて「今日の新聞では、ついにタイムマシンが発明されたそうだ。」とか訳のわからんことがいっぱい書かれています。
この雑感もすでに1年になりますが、私の人生のなかで日記としては最長記録になります(2位は3ヶ月ですが、泣)。
9月16日(火)
昔々、銀河の果て、阪神タイガースと言う球団が優勝したとこがあるらしいですが、ようやく今シーズン長い沈黙を破ってリーグ優勝を果たしました。
医療センター時代、自動車事故の顔面骨折を私が手術したピッチャー(当時はダイエーでタイガースに移籍)が優勝の輪に加わっていたのも 嬉しく拝見しました。
さて、ダイエーホークスとの対決なるのでしょうか。
前々回ホークスが優勝したとき。ちょうど教室の講師が助教授に昇格しました。優勝の日、東京で学会があってみんなで参加していたのですが、 当の助教授にいろいろな先生が「おめでとう」と言ってきます。助教授は自分の助教授昇進の事を祝って言ってくれていると勘違いし、 「いやー、おかげさまで・・・・。」などと言っていましたが、ほとんどの先生方はわれわれが福岡の人間と知っていてホークスの優勝を 祝って声をかけてきていたのでした。
世界柔道も良い結果でしたね。
男子団体戦、ちょっと残念でしたが柔道日本の面目躍如たる良い試合でした。 世界の柔道が力中心になる中、切れ味鋭い一本勝ちは見ていて実に気持ちよいですね。 私の父親は実は柔道家で実家は柔道の道場をしています。父は既に75歳にもなりますが毎年のように講道館に出かけ、高段者大会に参加しています。
かく言う私も4歳のころより大学まで柔道を致しておりまして、いまだに試合などを観ると力が入ってしまいます。
おおごとしました。
初めて携帯電話を紛失してしまいました。携帯電話歴はもう10年以上ですが、初めてです。 何が困るって・・・・・ん?待てよ、何にも困りません。
時間外の電話を受けるのは出来ませんが、これは携帯のめんどくさい側の効用ですので、よしと。
困ると言えば待ち合わせの場所に遅れる時とか、緊急の連絡の時ですが、そんなにあることではありません。
まあ、一番困ることと言えば登録してあった電話番号にすぐにかけられないことくらいです。 患者さんからの連絡などもあるかも知れませんので、持たない訳にはいかないでしょうが、ないならないで、かえって開放感があります。
本当のエグゼクティブは携帯なんて持ってないですもんね(その代わり秘書がいます)。
9月18日(木)
昨日もDVD観ました。
2002年公開のレッドドラゴンです。伝説の「羊たちの沈黙」の続編ですが、ハンニバル・レクター博士を演じるのは もちろん名優アンソニーホプキンスです。「羊・・」が相当にすばらしかったので、どうかなと思っていたのですが、 期待以上の名作でした。脇を固めるのはエドワード・ノートン、レイフ・ファインズという豪華さです。 もちろん、アンソニーホプキンスの存在感を考えればどのような配役でも陰は薄れますけど。
映画の内容については書きませんが、「ラッシュアワー」(!?)の監督ブレット・ラトナーの手法で最後まで目の離せない ノンストップサイコサスペンスとなっています。怖いよー。最後まで。
夜は北九州の中小企業の経営者達の集まる会に出席しました。
私も医師であり、経営者であるわけですので、このような会に出て知識を得たり、横のつながりを増やす努力をしているという訳です。
北九州を活性化し、企業に元気を取り戻そうと皆さん熱心にお勉強されています。 最近特にこのような会でもグループ討論があり、自分の意見などをきちんとした言葉で表明できる力が必要になってきます。 日頃から理念とか信念とか言ったものをしっかり持っていたいものです。
9月19日(金)
昨年の今日の日記を見ると北朝鮮からの拉致被害者帰国の話題です。
もう1年経つんですね。ピョンヤン宣言から1年経ち、拉致問題、核問題、進展はいかがなものでしょうか。 水面下ではいろいろな工作、交渉行われていることでしょうが国民には今ひとつ見えてきません。 近い将来突然急展開して良い結果が出るのを期待しています。
何だか急に秋らしくなってきましたねえ。
蝉の声も弱々しくなり、それに代わって夜は虫たちの鳴き声がにぎやかです。 秋は学会のシーズンでもあります。来月は美容外科学会、形成外科基礎学術学会など目白押しです。 また勉強してきます。
今日フォトフェイシャルをされている患者さんから「娘にシミが薄くなったねって言われましたが夫は気がつきません。」 と言われました。術前の写真を見ると明らかにシミは薄くなっています。
確かに結婚して10年以上も経つと家内のシミが少々薄くなろうが濃くなろうが気はつきません。 娘の顔を思い出すと二重の特徴とかすぐに思い出せるのですが、家内の場合は鮮明にという訳には行きません。
同様に妻も夫の些細な事には気づかないものでしょうか。
そろそろ背筋が何やらレッドドラゴンより寒い感じがしてきたので今日はおしまいにします。
9月20日(土)
3745(みなしご)会、行きました。
以前にも書いたことが有るかも知れませんが。この会はモータースポーツ好き、お酒好きの会です。 メンバーはいろいろですが、車、バイク、F1好きには毎回驚かされます。
トライアンフ、GT-R、カジバ、エスプリ、R100RS・・わかる人にしかわかりませんが、車やバイクの名前です。 中には破水状態のおなかでモナコまでF1観に行ったと言う強者もいます。 皆さん、それぞれに楽しんでいて心地よい飲み会でした。
9月22日(月)
掲示板でなぜこのサイトに治療の費用がのってないのでしょうか?というご質問がありました。
だいたいの考えは書きましたが、もう少し詳しく述べたいと思います。
いろいろな美容外科のクリニックのサイトを見ていますと、どこもかしこも「さあ、いらっしゃい、うちではこんなにキレイになりますよー。しかも安いよー。」って書いて ありますよねえ。病院のあり方としては少しはずれているような気がしませんか?
もちろん、現代は情報公開の時代ですし、費用くらい書いたほうが良いのかも知れません。(実際、当サイトはクリニックの情報公開の場と明言しています)
ただ、何か引っかかるんですよね。商売っぽくて。 だから考え方を変えて当サイトは私のクリニックの宣伝ではなく、ほかのクリニックを受診するときの参考にしていただく所と考えてくださって結構です。
もちろん、私のクリニックにぜんぜん患者さんが見えないと食べていけませんので、もし、本気で当院をと考えるならメールでも電話でも結構ですので お問い合わせいただければ当然かかる費用は全てお伝えしております。
費用を曖昧にし、来て頂いた患者さんから法外の治療費や追加料金を取るなどというのは 医師ではなく違う種類のナニモノカです。 結局、「料金を明示していることが良いクリニックの条件」というような話が出るくらい美容外科の信頼度や質が低下していると言うことなのでしょう。
当クリニックのケミカルピーリングの費用はたぶん北九州では最も高額だろうと思います。 ただ、治療には十分すぎる時間をかけ、濃厚な治療をしているつもりです。一方一般的な相場よりかなりお安く設定している治療もあります。それはその程度の費用が 適当と考えたのでそうしている訳です。
さて、書きましたように費用を載せる載せないでは多少迷いました。 料金のみをクリニック選びの基準にして欲しくないというキレイゴトは言っていますが、裏を返せば料金で選ぶ患者さんはうちのケミカルピーリングは選択しないと言うことになります。 つまり患者さんが減ると言うことになります。私の中での葛藤のホンネは実はそれであったのかも知れません。
治療内容とか腕とかセンスとか、その治療に対する自信とか治療機器とかの細かい内訳というのは料金表には反映されませんし、また患者さんもそこまでは考えないでしょう。 ただ、費用を安くするなら安い材料を使うとか、短時間ですませるとか、いろいろ方法もあるでしょう。しかし、私は高い(品質の良い)材料をふんだんに使用し、 時間もかけて治療するのが方針ですので多少コスト高にはなるかも知れません。
大手チェーン店などはスケールメリットで大量の良い材料を安く仕入れることができ、また若手の医師(腕が悪いと言っている訳ではありませんよ)を雇うことによって、ひいては治療の単価を下げることが出来ます。
当クリニックのような弱小企業では その点太刀打ちできませんから、じっくり時間をかけたオーダーメードの手作り感を売り物にしている訳です。
当クリニックの治療費用は私が考える適切な額であると思っていますが、カウンセリングをお受けになって対効果費用が高いと感じればどうぞ他のクリニックに行かれてください。 その場合でもカウンセリングには手を抜きませんし、ご紹介できるクリニックがあれば喜んでご紹介いたします。
良いクリニックの条件とは料金が明示されているかどうかではなく、良い医療を行っているかどうかです。
ぼったくりのスナックと高級料亭の比喩(どちらも料金が明示されていないし高い)がここで適切かどうかは別として、この両者を同じ次元で論じるのは多少無理があると思います。
詰まるところ私の出来る医療というのは医療の方針にも書きましたが、結局自分が最も 安心して行える治療を責任を持って行い、後々も誠意を持ってフォローしてゆくということくらいです。
掲示板にご質問を頂いた方はたぶん「おまえのクリニックは料金を明示していないので悪いクリニックだ。」と言っている訳ではなく、「インターネットでいろいろ比較している のに料金も書いてないとは少々不親切じゃないの?」と言いたかったのだろうと思います。
ご意見は謙虚に受けとめ今後の参考にさせて頂きたいと思っています。
9月25日(木)
私の愛車(ワゴン R )は夜間はクリニックの駐車場に置いています。おとといの朝車に乗ろうとすると ドアのそばに変なものが落ちていました。直径3センチほどの円筒形の金属で何かのシリンダーのような 形です。
はっと気がついて車のドアを見ると見事、鍵のシリンダーごと引っこ抜かれぽっかり穴があいています。 中を見ると悲惨な状況でナビ一式あらっぽく引きちぎられていました。
昨日は午前中ずーっと穴のあいた部分にパテを埋め研ぎ出して修理していました。
我が家にはこの車しかないので穴があいたままだと何処にも行けません。窓を割られなかっただけでも良かったかも知れませんが。 修理代としてはドアの方が高くつくでしょうか。
安全と水はただで手に入る日本だったはずですが、最近は犯罪検挙率も低下し、ましてや車上荒らしくらいでは犯人は検挙されないでしょう。 泣き寝入りとはこのことです。
9月26日(金)
てな訳でセキュリティー付けました。もう遅いけど。
変な振動などを感じると火炎放射器が作動するという装置がありましたが、これだと絶対犯人を撃退(というか死にますけど) できます。本当、物騒な世の中になったのもです。まあ、物品の損害だけだったので良かったとしなければなりませんが いつ何時危険が身に降りかかるかも知れません。
日頃からのリスクマネージメントが大切です。一つ勉強になりました。
9月27日(土)
カウンセリングには十分な時間を取ってください。
特に大きな手術や治療では即決はいけません。少なくとも、ひと晩冷静になって考えてから決めましょう。 美容外科の治療というのは、極論すればしなくてもすむ治療です。一時を争う治療でもありませんし、ずーっと悩んでいたのなら もうひと晩くらい悩んでもバチは当たりません。
治療を受ける側が病院を選べるというのが、緊急治療ではない、このような治療での強みです。 医者を選ぶのも患者さんの権利ですし、良い治療を受けるのも、十分なカウンセリングを受けるのも患者さんの権利です。
その大事な権利を放棄して後々後悔しても後も祭りです。
往々にして患者さんは性急です。それ故医師が説明しても聞いてないことも多く、後で言った言わないという話にならないように 気を付けてください。
医師の側は通常必要十分な説明はしているのですが、患者さんにしてみるとあれも聞いてない、これも聞いてないと言うことに なりがちです。
たとえば手術の場合だと、血腫、化膿、再手術などの可能性も含め副作用、術後の日常生活、安静、痛み、腫れなど細かいことまで 聞いてみるべきでしょう。中には医師が言い漏らしていることもあるかも知れません。
治療にはメリット、デメリットが必ずあります。その両者を秤にかけて自分がどちらを選択するかというだけの話しです。 メリットのみに気を取られデメリットを忘れているとか、話してもらえなかったとかではいけません。
医者がイヤになるくらい説明を求めて良いと思います。「先生にお任せします。」という方が一番困ります。
慈恵医大の分院で死亡事故がありました。
前立腺癌の腹腔鏡手術で大量出血による死亡でした。医師は30代後半、10年選手というところです。私の経験から言っても 最も手術が面白くなってきて技術的にも自信があふれている時期です。(このころが最もアブナイと言われています)
内視鏡による手術は危険なのでしょうか。先ほどの話と重なりますが、内視鏡の場合小さな切開から手術可能ですので、傷跡も小さく、 術後の負担も少ないことから患者さんにとってもベターな方法ではあります。反面、大きく切開して直接患部を見るのではないため 技術的には難しく、今回のように出血も止めにくいという欠点もあります。
10年目の医師が鏡視下手術をしてはいけない訳はありませんし、私であっても希望したかも知れません。助手として見ているのと実際に執刀 するのでは100倍も得るものが違います。
私も大学で後輩にはいろいろな手術をさせましたが、一番大切なのはきちんとバックアップが出来ているかと言うことです。 手術をさせるなら執刀医ではなく指導者が全責任を取らなければなりません。少しでも手術に不安を感じるようなら直ちにメスを 取り上げ自分で執刀すべきなのです。大学病院の使命は治療、研究、教育ですが、最も重いものは患者さんの命です。
9月29日(月)
9月も残すところ2日となりました。
このところ大変秋らしいさわやかな天気となっています。昨日の日曜は糖尿病ウオークラリーに参加してきました。 毎年行われている企画で北九州中の糖尿病専門クリニックから糖尿病と闘ってい患者さんたちが集まってラリーをするというものです。 糖尿病患者さんにはいろいろの年齢の方がいますし、そんなに過酷なラリーではないのですが、日頃歩いてないだけに結構疲れました。 色々のコースに分かれてスタートします。私のグループは約7キロのコースです。患者さんたちとお話をしながらのんびりと散歩を楽しみました。 当クリニックからは3チームが参加しましたが、そのうち1チームが3位入賞しました。
庭の柿の木に柿が一杯です。
ほとんどは渋柿なのですが、一カ所接ぎ木をしているところは甘柿がなります。
熟し過ぎて落ちない内に収穫するのですが、カラスやら何やらが来て実を落としていきます。
晩秋には小鳥たちが残った実をついばみ、風流なのですが、大量に実を付けるため、この時期、塀の外の道路まで柿が落ちて汚いです。
毎年毎年、柿の木は根から養分を吸い上げ、大量の実を結実します。自然の営みはすごいですねえ。土のどこから あんな甘みの元を調達して来るのでしょう?

9月30日(火)
地球の地軸は黄道面に対して23.5度傾いているのですが、このことによって季節の移り変わりが起こります。 夏至の時、北半球での太陽の南中高度は最も高くなり、冬至の時最低となります。
夏至の日、真上近くから太陽の熱が照射され(かつ昼間が一番長い)気温は上昇しますが大気は熱伝導率が低い(暖まりにくく さめにくい)ため、2ヶ月ほど遅れて気温のピークがやってきます。
夏至以降は太陽がどんどん高度を下げて行きますがその後2ヶ月くらいは大気中のさめにくさで暑かったのが、ここに来て 大気中の熱エネルギーも底をつき寒くなって行きます。
2003年10月
10月2日(木)
今年もあと3ヶ月です。9月までは夏の続きという感じでしたが、10月の声を聞くと急に秋になった気がしますね。
先日車上荒らしの被害に遭ったので駐車場に門扉とセンサーライトを取り付けました。 そのくらいで効果があるかどうかわかりませんが、多少の予防策にはなるのではないでしょうか。 本当、腹が立つのですが、今の時代、自己防衛しか手がないのでしょうね。前に書きましたように火炎放射器を 備える訳にもいきませんが、せめて一撃くらいは浴びせたいものです。
ついにダイエーホークス、リーグ優勝しましたねえ。
王手をかけてから長かったですが、まあ、優勝です。さて、日本シリーズ、ダイエー対阪神なんて銀河の果てのお話 のようです。
福岡ドーム近くの国立病院で形成外科医長をしていたころ、野球選手やお相撲さんがよく診察に来ました。 中でも当時ダイエーのS選手(ピッチャー)は印象深い選手です。交通事故で下顎骨を骨折し手術をしました。 運動選手にとって噛み合わせや顎の力というのは意外と大切です。かみしめる力が瞬発力に反映するので、マウスピース が良く売れているようです。
さて、S選手は顎の骨がまっぷたつに折れていて噛むことはおろか口を閉じることもままならない状態でした。 全身麻酔下に折れた箇所を戻しチタンのプレートで固定します。さらにギプス代わりに上の歯と下の歯を針金で固定(顎間固定といいます) し、口を開けられなくします。
手術後は口が開けられないので流動食などになります。体の大きなS選手にはつらい1ヶ月だったでしょう。 その後完治してからは一緒に飲みに行ったりして楽しく遊びました。
さて、かのS選手はハムを経てタイガースに移籍しました。今シーズンは伊良部と並んでチームの優勝に貢献したようです。 日本シリーズでは古巣ホークスと闘うことになります。噛み合わせ今でも大丈夫かなあ・・なんて考えます。
10月3日(金)
昨日、メールで「わきが」のお問い合わせがありました。
私のクリニック以外に2カ所で電話相談をされたようです。一つは保険診療の範囲で行うAクリニック、もう一つは 自費診療で行うBクリニックということです。
Aクリニックでは費用は2万円以下、Bクリニックでは「保険診療では50%の効果しか期待できない。自費ですれば1時間半くらいかけて完全に 手術する。」と言われたそうです。
さて、皆さんはA、Bどちらが良いクリニックだと思いますか?
まずBクリニック疑問点が多いように思います。保険治療でも自費でも完全を目指さなければならないのは当たり前の話で、保険だから 効果が少ないというのは自費診療の言い訳に過ぎません。「1時間半くらいかけて完全に手術する」というのは普通のことで特別のことではありません。 もし、自分のクリニックがきちんとした治療を自費で行っているのなら、そういう言葉のトリックを使うのではなく堂々と自分の治療の違いをアピールすべきです。 保険治療のようなお金にならない治療は50%くらいの効果で良いと言っているように聞こえます。
電話で執刀医がこのような発言をしたとすれば医師のモラルを疑いますし、電話に出た受付事務が言ったのならクリニックの教育方針を疑います。 何かの聞き違いだったことを祈ります。
ではAクリニックはどうでしょう。保険なら安心。良心的という感じがしますよねえ。でもいくつかの見方があります。
保険診療でも熟練した医師がきちんとした術式で行っているのなら(それを見分けるのが難しいのですが)良心的なクリニックと言えるでしょう。 剪除法(せんじょほう)という術式は1人ですれば両側で少なくとも1時間半はかかります。なおかつ術後の安静も緩くはなく(大学病院なら入院です)、 また抜糸までの1週間に数回とアフターケアに1年に何回かは通院が必要です。
保険診療という美名の元に30分くらいでさっさとすませてしまうクリニックも存在します。 剪除法であっても狭い範囲をちょこちょこっとすれば時間もかからないし、安静もきつくはありません。抜糸まで来なくて良いとか、運動もして良いと言われます。 患者さんにとっては手術時間は短いし、安静も少ないので、上手なクリニックと思いがちですが再発(というより最初から取ってない) が多く、後始末の患者さんがほかのクリニックに殺到することになります。
剪除法ではなく別の術式を選択している場合もあります。
吸引法、超音波法などいろいろな術式が編み出されています。今のところ最も信頼できる方法は剪除法であると思っていますが、私自身他の術式の経験が少ないため、 これについてはコメントを控えます。
(自分にとって)良いクリニックを選ぶのは大変だと思います。どこのホームページを見ても医師の得意な分野と不得意な分野が書いてあるわけではありませんし、 費用で選ぶにしても上記のようなことが起こってきます。まずクリニックに足を運んでカウンセリングを受けてみてください。
保険の場合、自己負担は17000円程度ですが、自費の場合20万~30万円もします。 Aクリニックに行くかBクリニックに行くかは、やはりご自分で決定するしかありません。
10月4日(土)
前に携帯を落として無くしてしまいましたが2世代前使っていた携帯を引き出しの奥から探し出し、 持って行って復活させてもらいました。
その電話機は気に入っていたんですが、電池の持ちが悪くなって電池だけ替えるのも高いしと思って変えた機種です。 折り畳みでもないし、カメラもついていませんが薄くて良いです。電池だけ新しいのを取り寄せてもらいました。 リサイクルを考えると前の機種は引き取ってもらった方が良いのでしょうが、こんな効用があるとは思ってもみませんでした。
来週末から四国は愛媛で学会です。去年は京都の秋を楽しんできましたが、今年は道後温泉と言うことになります。
今年は去年はなかったサーマクールの演題などもあり期待しています。学会というのはもちろん勉強の場なのですが、ご無沙汰 している先生方にお会いするのも楽しみの一つです。アフター5の飲み会が楽しみなことは言うまでもありません。
10月6日(月)
Blue Toothで接続するワイヤレスキーボードとマウスを衝動的に注文してしまいました。
家で使用しているノートパソコンはトラックパッドなので、マウスを接続して使用するのですが、いちいち接続するのが 面倒で困っていました。ノートはBlue Tooth内蔵なので何か良い製品はないかと探していたところアップルストアで 発売になりました。確かにワイヤレスは電池も切れるし多少大柄になり取り回しも良くないのですが、ワイヤレス環境には 代え難い魅力があります。
医師の間ではMacを使用している人が多いですが、私も最初は初期のカラーのノートパソコン(百科事典パソコンと言った方が・・)から始めました。 使い始めたのは先輩などが使っていたので、教えてもらえるからです・ また、先輩諸氏がMacを使用していたのは、その先輩もMacを使用していたからにすぎません。 昔々は学会用のスライド作成などはMacの方が使いよかったからだろうと思います。
なにしろ、そんな訳でマイナーなMacを使い続けて十数年です。良いか悪いかはわからないけど、Winにスイッチするのも 大変だし、たぶんずーっと使い続けるだろうと思います。
話は変わります。
「水からの伝言」という本が売れているそうです。この本は水に「ありがとう」という声をかけるときれいな結晶ができ、「ばかやろう」など汚い 言葉をかけると、その結晶は崩れたものになる・・・人間は70%は水で出来ているので、このような優しい心や言葉が大切ですというような趣旨です。
さて、どう思いますか?確かに優しい心や言葉は大切です。しかし、水の結晶という視点からこれを説くのはいかがなものでしょうか。
水の結晶(正しくは過飽和水蒸気の結晶)には不純物は含まれず、元の水がどんなにキレイでも汚くても結晶化します。 また結晶の形は飽和水蒸気圧と温度によって決定され、ましてや水には記憶はありません。
なぜこのような話題を持ち出したかと言うと、先日、娘の学校の父兄会であるご父兄がこの本のことに言及し、だから言葉は大切だと発言されていたからです。
水の記憶などの実体のないモノから道徳教育をしてゆく姿勢には大きな疑問を感じました。
10月7日(火)
朝、犬を散歩に連れてゆくといろいろな秋に出会います。
今朝はデジカメを持ってちょっと目についた秋の色を切り取ってみました。 Photo-cinemaにしてみましたので見てやってください。shock waveが必要ですがお持ちでない方は以下でダウンロードできます。
2003年秋(行く夏を惜しんで)・・・・
10月9日(木)
火曜日、お二人の建築家と飲む機会を得ました。
お一人は私のクリニックを設計して頂いた大石建築アトリエの大石先生、 お一人は先日お目にかかったばかりのArchi Alliance加藤設計事務所の加藤先生です。
門外漢の私ですが、お二人の建築、デザイン談義を非常に興味深く聞きました。 建築とかデザインという分野には私自身小さいときから興味があり、専門誌をめくって見たり当時の私にとっては難しすぎる専門書を買って1人悦に入っていた 記憶があります。
医師を志す前はエンジニアやデザイナーになりたいと思っていました。考えてみると今の仕事は身体のデザイナーである訳ですが、完全に無から有を生み出す デザイナーという仕事にはあこがれ以上に畏敬念を禁じ得ません。
ひょんな事から車を買う事になりました。
今乗っているワゴンRはクリニックの往診用の兼用(法人名義)で、私と家内が奪い合い不便なこと、この上もありませんでした。 先日車上荒らしにあったばかりですので今度の車には車両保険を掛けようと思い、見積もってもらいました。
びっくりするくらい高いです(泣)。
なぜか・・・今までまったく気づかなかったのですが、私の長い運転歴の中で私名義の車を持ったことがなく、保険も新規となり、割引率が0だったからです。
学生時代に乗っていた軽はたしか親の名義でしたし、軽トラは友人との共同購入。家内とつきあっていた頃は家内の車ばかり乗っていました(私は持っていなかった)。
結婚してからも家内の車に乗り続け(紐か?)、開業してからはクリニック名義です。
まあ、この年になって初めて自分の車を持つので、めでたいのですが、またまたその費用を負担するのは家内です。(ああ)
10月10日(金)
明日から愛媛での美容外科学会に出席してきます。13日(月)の夜には帰宅予定ですが、それまでメールでのご質問の回答が遅れると思います。 悪しからずご了承ください。
1964年、日本で初めてオリンピックが開催され、10月10日、その開会式が行われました。10月10日は日本の気象観測史上もっとも晴れる確立の高い日 と言われ、その通り今日も晴れています。2000年からは10月の第二月曜が体育の日に定まりましたが、それ以前は10月10日が体育の日でした。
今日、ワイヤレスキーボードが届きました。簡単設定で今も使用していますが、ことのほかデスクの上がすっきりして良い感じです。 ただ、 USキーボードなのでreturnのキーの大きさが若干違うためブラインドではミスタッチをすることがあるのが玉に瑕です。
10月14日(火)
学会行って来ました。
まだ少ないもののサーマクールの演題などもあり、ためになりました。
もっともそれ以上にためになったのはアフター5で先生方とご一緒し、ご発表以上の内容まで深くお聞きすることが出来たことです。
さて、天候にも恵まれ(というか暑かった)、道後の秋を満喫してきました。 なにしろ時間もなかったので道後温泉こそ入りませんでしたが、夏目漱石ゆかりの地、正岡子規ゆかりの地なども観光し、有意義でした。
今日、VISIAという機械が来ました。肌診断装置です。顔のシミ、シワ、将来出来るシミなどを解析し、表示出来る機械です。怖いですよー。
10月16日(木)
昨日、柿の実を収穫しました。
高枝切りハサミ(数年前に購入)の年に一回のお出ましです。 高枝切りハサミなんてテレビショッピングなどで見る だけで、まさか自分で購入するとは思ってもみなかったのですが、柿の実の収穫には実に便利です。
熟れた柿の実は地面に落ちるとぐちゃっとつぶれてしまいますが、この装置を使用すると枝を切りつつ実を保持してくれる ので大変合理的です。また柿の木は折れやすく登るのは危険ですので良いと思います。
10月17日(金)
博多のある有名な美容外科クリニックのホームページを見て驚愕しました。
実は先日の学会で福岡大学の先生のご発表で知って見てみたのですが、
「シリコンは危ない」なんて、実は迷信!!
というタイトルで記事があります。 引用してみましょう
「シリコンと言うと、かつて一部で安全性が取り沙汰された事があるためか、使用に二の足を踏む人も多いようですが、 実はこれほど安全な素材は無いと言っても良いほどです。例えば豊胸術の人工乳腺、鼻やアゴの形成に使用する プロテーゼなど、シリコンはあらゆる医療材料に使用されています。これはシリコンの安全性とアレルギーを起こさない 特性が、医学的に認められているからに他なりません。云々。」
欺瞞にもほどがあります。確かに医療用の材料として用いられ体内に埋入される材料にシリコン(正確にはシリコーン、最後にeが付きます)があります。 それ自体安全性も高く、それ故医療用に使用されている訳ですが、これはあくまで固体の形をしたシリコンの話です。
このクリニックはシワなどの治療にシリコンジェルを使用し、残留性が高い(長く保つ)のを売り物にしている訳です。 数十年前、美容外科が犯した最大の汚点、シリコンジェル注射治療に舞い戻っている訳です。
体内に注射して形を整えるフィラーと呼ばれる物質は現在全て吸収性の物です。そのような物質でも厳密に安全性をチェックされ 検討を加えられています。ましてや非吸収性のシリコンジェルはそれ自体発ガン性などはないのですが、流動物質であるがゆえに 注射した部位周辺の組織に食い込み、何かあったとしても容易には摘出出来ない物質です。
(固体のシリコンは、つるんと取れます)
数十年前シリコンジェルの注射が流行りました。その患者さん方が今になって不都合を訴え切除を希望されます。胸に注射された 場合は切除は容易ではなく、ほとんど乳ガンの摘出と同じくらいの大きな負担を掛けることになります。
ここ数年、そのような不幸な患者さんは減ってきたのですが、今になって歴史が繰り返されている訳です。
先日もBSテレビで某有名美容外科医(YES!)が中国でハイドロジェルを胸に注入する手術というのを紹介していました。 手技が簡単で傷も残らないため、一般の人が見ると飛びつく可能性は大きいと思います。
一般の患者さんに大きな影響を与える、このような大病院が安全性の証明されていない、あるいは否定されている物質を 安易に体内に注入するというのは言わば犯罪ではないでしょうか。
長く保つという言葉にだまされてはいけません。裏を返せば取ろうと思っても取れないと言うことです。 患者さんは注入物に対しては十分医師の話を聞き、考えてください。半年しか保たない、というのは 半年後にもう一度考えるチャンスが来ると言うことであると認識してください。
10月18日(土)
昨日の夕方から少し風邪気味です。
熱はないようですが、体がだるく関節痛があります。 今日は久しぶりに同級生が集まる会があるのですが、夕方まで様子を見て出欠を決めます。
強いアルコールで喉とか消毒すれば治るような気もするんですが。。。
まだ研修医で大学にいたころ、初めて全麻の執刀を任される手術は小児の副耳とかの簡単な症例です。
それでも手術前には教授の前で手術のプレゼンをしたりと綿密に手術計画を立てます。初めての執刀は 不安半分ですが、うれしさの方が勝ります(指導医がついていますので心配はありませんよ)。
こんな医師に手術の直接介助でついてくれるのはベテランナースです。
ドラマのように「メスッ!」とか「汗っ」なんて言えません、ベテランナースって言うのはそこら辺の教授でも「・・ちゃん」って呼べるほどのキャリアがあります。 左手で私の右手を持って右手でメスをするりと持たせてくれます。
次に何をしようか迷っていると、するりとハサミが手に入ってきます。研修医ごときより手術の手順は頭に入っていて、止血の操作、 ドレインの入れ方まで、何もかもおんぶにだっこです。
年数が経って昔の研修医も一人前になるとベテランナースはきちんとたててくれます。
裏方に徹したナースのプロの仕事というやつをそのとき垣間見たものです。
副耳の手術の経過ですが、今、私がやれば数分で出来る手術を研修医は1時間もかかって丁寧に丁寧に手術します。 おまけに指導医がそれもダメあれもダメと言って来ますので、結果は研修医にしては良いものです。 麻酔科医、ナース、指導医、そして患者さんとご家族、手術遅くてごめんなさい。
熱が昼から上がって39度台。点滴2本しました。手術も2件お断りしました。点滴のおかげで多少は楽になりましたが ちょっと無理かなあ、飲み会。明日は日曜ですので、倒れても大丈夫といえば大丈夫なのですが、熱ごときで飲み会を欠席するという ことが許せません。(憤)
10月20日(月)
結局、飲み会、家族や看護師さん、みんなからバカ扱いされて欠席にしました。(泣)
私くらいの年になるといつ死ぬかも知れないので昔の友人には会っておきたいのよ。わからんかなあ。 もっとも出席していたらその場が今生の別れになったかも知れませんが。
結局日曜も昼間は良かったのですが夜は高熱が再発し、日本シリーズを聞きながら(ラジオ!で) 寝てました。
今、テレビで山崎豊子の「白い巨塔」のリメークあってますね。もちろん原作も読みましたし、むかしあっていた田宮二郎の テレビドラマも映画も観ました。
田宮二郎の演技は山崎豊子の原作のイメージとぴったりで(最初に観たのでそう感じるのかも知れません)、何度観ても 面白い映画です。
さて、今回は唐沢寿明が財前五郎役です。壮絶な自殺で亡くなった田宮二郎に比べると天才外科医としての孤高さとか、渋みがやや足りないように 感じるのですが如何ですか?
さて、財前五郎は食道外科の専門医です。
物語とは関係ないですが、食道癌の手術で食道を切除した場合、その不足部分は胃管と言って胃をつり上げて補うのが一般的な術式です。 しかし、補いきれない場合や少し無理な縫合をすると吻合部が血行不全となり消化液が漏れて大変な事になります。
そこで形成外科では腸管の一部を切り取って不足部分に移植し、顕微鏡下に微小血管吻合を行って腸管を生きさせ、食道の代用をつとめさせます。
現在の食道外科ではこのように外科医、形成外科医がチームで1人の患者の治療を分担し、最良の結果を出すような医療体制となっています。 昔は医局間の壁が高く、このようなチーム医療は難しかったのですが、やはり患者さんのことを考えると最も優れたものが出せる医師が 分担して医療を行う方が合理的であると思います。
大学時代はこうした食道の手術をたくさんしていました。血管一本詰まってしまえば、移植した腸管は完全に壊死してしまい、 ほぼ患者さんは亡くなってしまいますので、それはそれはプレッシャーのかかる仕事です。
食道癌の摘出が終わった後の出番なりますので、たいてい夜の仕事です。大学人として最も手術が楽しく、自信を持っていた頃のお話です。
10月23日(木)
寄る年波には勝てません。
どうも風邪が抜け切りません。先日の飲み会は出なくてもよい会だったのですが、今晩は出なければいけません。
2社のみ雑誌の広告を載せているのですが、珍しいと思いますが、12月は私の企画で商売がたきの「Sクリニック」のS先生と 対談です。
何度も書いていますが先生とは開業以来おつきあい願っており、学会や勉強会などもご一緒していただく事も多い先生です。 美容外科や医療に対する考え方などの基本的な路線が私と近く、話が合います。
で、今回は美容外科として広告抜きで対談してきます。
前にも書きましたが、広告というのもあまり好きではなく、出来るなら最小限にしたいと思っていますが、少なくともあまり品のない 広告のようなものにはしないように勤めています。
こじゃれたバーでの美容対談、どうです?(あんまり信用おけない先生みたいって言う意見もあり)
10月24日(金)
昨日は行きつけのバー「STAY」でS先生と対談でした。
内容は特に決めずに行ったのですが、結局、医者選びとかの美容外科の総論のような話になってしまいました。
ご飯も食べずに対談しましたので、バーの後(変な順番だが)、小料理屋で食事しました。その店の大将が阪神ファン で、日本シリーズ観ながら虎のついた酒を飲んでいました。昨日も良い試合でしたがホームの強さを生かし切って 阪神勝ちましたね。大将は大喜びで、その酒を振る舞ってくれました。
アルコール消毒によって風邪は抜けたようですが、まだ多少咳が残っています。
咳のしすぎで肋骨まで痛い状態です。
10月25日(土)
●今週の「白い巨塔」
財前先生の講義風景があります。たくさんの白衣を着た学生(?)、医師(?)に手術の講義をしています。 通常大学のあのような臨床講義は5年生か6年生で行われると考えられますが、一般にはクラスの学生のみが対象で、 ほかの科の医師などは普通入れません。教授が退官する時の最終講義はまさにあのような雰囲気ですが、ちょっと 違和感ありましたね。
白衣は診療の時に着るもので授業の時には着ません。すごくシワが寄りますし、ばい菌が付いているかも知れないので汚いです。
財前先生は東教授に対し、やはり態度が大きいと思います。教授というのは退官近い場合、年齢は60代半ばです。 それに対し財前先生は40歳(医師歴15年程度)と非常に若く、いくら手術が出来るとは言え、根性あると言わざるを得ません。 中曽根さんと小泉さんみたいなものです。
教授の権威とは何でしょうか。医学部の教授は国立の場合は国家公務員であり、給与もその基準に準じて支払われます。
従って給料がものすごく良い訳ではなくお金に執着するのなら、ほかの部署の方が良いでしょう。 では何が権威なのか?それは医局の人事権などを一手に掌握し、医局員の生活の全てを握っているということに 他なりません。また、学会などでも名前が売れれば学会の会長や座長を務め、さらに研究費などを国から引き出す ことも容易になってきます。さらにそうなると医局の業績も上がり、権威ある医局として認められることになるでしょう。
よく言われることに教授などに手術をしてもらうと百万単位の謝礼がいるという伝説があります。
事実謝礼という習慣もあったとは思いますが、あまり考えなくて良いと思います。謝礼をもらおうがもらうまいが 手術を全力で行うことには変わりありません。
昔、私が研修医のころ、主治医(執刀医ではない)をしていて患者さんのおばあちゃんにそっと白衣のポケットに 包みをもらったことがあります。研修医はアルバイトなしではやっていけないくらい貧乏なので、一応お断りしつつも 内心は少し嬉しく、小走りに医局に帰って開けてみたところ「おまんじゅう1個」だったという事もありましたねえ。
かわいいでしょ。患者さんも、若い医者も。
10月27日(月)
もう一つ「白い巨塔」の話です。
財前助教授は相当立派なおうちに住んでますし、黒木瞳みたいな美しい女性ともおつきあいしているようです。
国立病院の助教授の給料というのは考えているよりずっと安いです。もちろん、財前マタニティー クリニックがバックについていますので、生活に困ることはないでしょうし、お家の心配もないでしょうが、 新地のトップクラスの女性を自由に出来るほどのお小遣いはどうやって捻出しているのでしょうか。 昔の「白い巨塔」では花森ケイ子は安アパートに住んでいて、それなりにリアリティーがありましたが、黒木瞳嬢は高級マンション 住まいのようです、ママクラスになると助教授ごときからお金とかもらわなくても良いのかも。
同期の里見先生は3LDKくらいのアパート住まいですね(官舎かも知れません)。
子供も大きくなってくると環境とかも考えて、もう少し無理をしてもこぎれいなマンションくらい買った方が良いかとも思いますが、 それはまあ個人的な問題です。
国立病院の医師は国家公務員ですので、アルバイトは出来ません。従ってどこかの病院に手術に行ってアルバイト料をもらう訳にもいかず、 結局は自分の給料はほとんど家に入れることなく自分で使っていることになるのでしょう。公務員医療職で一番等級が高くても 60万円くらいが限度ですので、助教授クラスだと40ないし50万円の給料と考えて良いでしょう。
財前先生がひと月に自由に使えるお金は給料と税金のかからない謝礼(不定期)くらいと言うことになります。 ただ、財前先生は財前家の養子で、発展家の西田お父ちゃんにもかわいがられているようですので、お小遣いくらいもらっているかも知れませんね。
前に「振り返れば奴がいる」という織田裕二主演の医学ドラマがありましたが、手術室なんかのリアリティーでは「白い..」がずっと上です。
切り取った組織を出す時の仕草や疲れた医師が屈伸運動をするところとかもリアルです。 感心したのは、手術中に財前先生が何気なく言った「エアコンちょっと下げて」というせりふです。普通演出では考えつかないと思いますが、手術中には よく使う言葉の一つです。
10月28日(火)
ダイエー、日本一になりましたねえ。
1999年以来ではありますが、本拠地博多での優勝は初めてです。 それにしてもホームの力というのは恐ろしい物があります。甲子園では阪神の底力が十分発揮されましたし、逆も真です。
星野監督の最後の試合でしたので、花を持たせたい気持ちもありましたが、ホームの力にはかないませんでした。甲子園から始まっていたら きっと結果は逆だったでしょうね。
ただ、王監督の優勝インタビューに一言、敗軍の将星野監督をねぎらう言葉があれば、もっと男が上がっていたような気がします。
10月30日(木)
11月も近くなってくると忘年会の計画を立てねばなりません。
クリニックでは毎年秋に社員旅行をしているのですが、今年はタイミングがあわず中止となりました。 で、忘年会くらいは少しだけ豪勢にしてスタッフの労をねぎらいたいと思っています。
12月になると医師会やら友人やらの忘年会が目白押しとなり、毎週のように出かけることになるでしょう。
ダイエットはこの時期から始めようとすると必ず失敗しますので用心してください。
10月31日(金)
昨日テレビ局から電話があり、(生電話での)出演の依頼がありました。
「最近マシュマロを日に10個づつ食べるとシワが消えると話題になっています。マシュマロはゼラチン で出来ており、そのほとんどはコラーゲンなので、効くと言われていますが本当でしょうか。ご意見を。」 という電話でした。
口から摂取したタンパク質はコラーゲンであろうと何であろうと消化液で一旦分子量の小さなアミノ酸にまで分解されて 体内に吸収されます。その後、体の各部で必要なタンパク質に再合成される訳です。従ってコラーゲンを食べたから と言って必ずしもコラーゲンになるとは限りません。肉を食べても筋肉にはならないのと一緒です。 マシュマロのすべすべ感とかとイメージが重なってシワが消えるという話になったのでしょうか。
コラーゲンを経口摂取したラットで皮膚の表皮細胞増殖促進活性、コラーゲン合成促進活性を示す ヒドロキシプロリン量を液体クロマオグラフィーで測定したところコラゲナーゼ分解群で優位な増加を認めたが 未分解ゼラチン群およびペプシン分解群では増加傾向は認めたが有意差は認められなかったという日大獣医学科の論文を見つけました。 この論文の結論はコラーゲン合成が活性化していない状態では、コラーゲンを構成する材料を供給しただけでは合成は促進されないということが確認され たと言う話です。
わかりやすく言うと、ゼラチン(マシュマロ)が胃液で分解されただけのものが吸収されても皮膚のコラーゲン量は有意には増加しないと言うことになります。
ただ、コラゲナーゼ酵素処理したマシュマロ(どんなマシュマロやねん)を食べたり、 皮膚の繊維芽細胞がコラーゲンを造るぞって気分の時は食べても効果があるってことなのかも知れません。
(って、ちょっと当たり前っぽいですよねえ。もっともコラーゲンが増殖しただけでシワが消えるかどうかは別問題です。)
皮膚の生化学については専門家ではありませんし、あんまりいい加減なことを書いてもおしかりを受けますので、この辺で。
治療中だったので出演はお断りしましたが、後で聞くとエステのお姉さんが代わりに出演していて完全には消えないが 効果はあるだろうとコメントしていたようです。
マシュマロ業界には良いうわさだとは思いますが、この話に限りませんが科学的根拠に乏しい、あるいは医学的に裏付けも再現性もない 話がどんどんメディアを通じて流れてゆくのはいかがなものでしょうか。
●今週の「白い巨塔」
財前先生、食道がんの手術中、助手が血管を損傷して冷や汗をかきます。
助手のミスで患者が死にかけたのですから普通なら激怒するところですが「みんな、よく頑張ってくれた」と逆にねぎらいます。 財前先生なかなか人間が出来ていて、この助教授ならついて行こうという教室員も多いことでしょう。
教授選でお金が舞い散るかどうかは知らないとして、手術中の描写はなかなかに良く出来ています。糸結びの手元などは、もし俳優さんが行ったとすれば 相当練習したに違いありません。
胸腔穿刺するときクーパーでシーツを切りますが、その下の皮膚もちゃんとイソジン消毒していたこと、穿刺した動脈血もサチュレーションが 低下しているため、どす黒い静脈血色をしているのもなかなかに芸の細かさが出ています。
今回はほんの小さなことしか気が付きませんでした。
まず、財前先生が手術室に入ってくると看護師が手袋をしてくれます。手袋は自分ではめることが多いですが、施設によっては看護師さんがやってくれますので、 良しです。その後感染防止用の眼鏡まで掛けさせてもらってましたが、なぜ自分で掛けなかったのでしょうか。眼鏡は不潔(外科用語で滅菌してないこと) なので、手洗いする前に掛ければよいし、助手たちはみんな自分で掛けています。その証拠に助手たちは眼鏡が汗でずり下がらないようにテープで眼鏡を 止めています。まさかここまでは看護師さんもやってくれません。怒られます。
眼鏡ってちょっとでも変なかけ方をすると気持ち悪いですよねえ。人に掛けてもらうと、つるの先をだいたい耳の穴に入れられます。耳も痛いし。
術中かなり出血したようです。それにしては術衣に血があまり飛んでいないですね。映像のリアルさよりグロさを抑えたのだろうと思いますが、 手袋も術衣も結構きれいでしたね。
今週もなかなか良く出来た映像でした。昔は医学ドラマには結構笑ったものでしたが、最近は侮れません。
2003年11月
11月1日(土)
いよいよ11月です。
先日、S先生との対談記事の取材がありましたが、その色校正が上がってきました。 写真が何点か載っているのですが、私はと言えば全部のカットでお酒のグラスを持っています。 品の良いS先生と比べると何となく単なる酒好きのあやしいオヤジ(いや実際その通りなのですが)に見えます。 ちょっと写真だけは差し替えてもらいましょう。
母校の教授が来年退官となります。
ちょうど「白い巨塔」と同じ状況です。時期教授候補はわが医局の助教授K先生ですが、医学部長に絵を贈ったりしているのでしょうか。
黒木瞳のような彼女は居ないようですが、ちゃんと賄賂を使っているかちょっぴり心配になります。 ただ、状況が少し違うのは、現教授もK助教授を推していると言うことです。
ただ、教授選は全国公募ですので、必ずしも現助教授が当選するとは限りません。
教授会では論文の数などの業績、病院への貢献度、患者さんを集める力(手術がうまいなどの人気)などいろいろな角度から選考されるようです。
まあ、古い医局員としては現助教授に教授になって頂いた方が何かと好都合ではありますが。
11月4日(火)
連休でしたね。如何お過ごしでしたか?
土曜は少しだけ早く仕事を切り上げ、博多に行きました。教授退官の行事についての同門会の話し合いがあったためです。
日曜は昼前に帰宅し、義父の誕生会をしました。81歳ですが、いまだ矍鑠として、車も毎日運転します。
バースデーケーキを買いに行きましたが、ろうそくの数を言ったとき、ちょっと聞き直されました
11月6日(木)
「柿は赤くなると医者が青くなる」という諺があります。
柿の葉にはビタミンCなどが豊富に含まれ、また実にも豊富な栄養分が含まれているため、 柿を食べると病気にならないと言われ、柿の熟す秋になると病気になる者が少なく医者はあがったりで青くなると言うことわざです。
もう一つには秋と言えばちょうど農繁期で医者に行く暇などなかったので医者は青くなったということもあるようです。
現在は10月くらいがなぜか(季候も良く風邪引きさんも少ない?)患者さんが減って病院の経営も大変だという意味で使います。
先日、海響館という下関の水族館に行きました。
ここはさすがに下関だけあって「ふぐ」の展示が多いです。 動物園とか水族館は好きでよく行くのですが、動物とかの写真は普通撮りません。 しかし、あんまりキレイだったので少し写真を撮りました。
ほとんどの人は携帯電話でジコジコ撮ってました。


その昔、デジタルカメラが出始めのころ、スティルカメラと呼ばれていたモノを買いました。
以来年月が経ち、デジタルカメラの世界も爆発的に進歩してきました。何かしら需要があり、流行があるとモノの進化は著しくなるものです。 近年、ハイエンドのデジカメとして一眼レフのものが価格を下げて登場してきました。そしてついに、庶民派一眼レフの代表EOS Kissまでもがデジタル化して 登場しました。
こうなると一眼レフが良いのか、ハイエンドデジカメと呼ばれるレンズ非交換式が良いのか迷ってしまいます。雑誌にうまいことが書いてありました。
EOS Kiss digitalのような一眼レフはデジタル化されたカメラでその他のはデジカメだそうです。つまり、デジカメはデジカメという新しい分野の器械であって、 従来のカメラを単にデジタル化したモノではないという考えです。
本来使用目的によって機種を選ぶべきなのですが、本当は一番の選定基準は、その製品を欲しいと思うかどうかだと思います。
(談:新しいモノ好きの医者)
11月7日(金)
昨日も書きましたが、はやり、流行というのはすごい力を持っています。
デジカメしかり、携帯電話しかり、数年前までは影も形もなかったモノでも一気に爆発的に進歩します。
さて、今度は何が来るのでしょうか?これがわかれば苦労はいりません。
SF小説などで書かれていたものはどのくらい実現したのでしょうか?
携帯電話(○)、テレビ電話(△)、個人用コンピュータ(○)、空飛ぶ自家用車(×)、ロボット(アトムレベルなら×)、壁掛けテレビ(○)、 宇宙旅行(個人レベルでは△)、人工臓器(実用レベルでは△)、レーザーガン(医療用なら○)、 タイムマシン(××)、ナビ(○)、がんの特効薬(×)、立体テレビ(×)、クローン人間(?)・・・。
こうして見ると、やはり庶民が本当に欲しいと願ったモノ、実用性があって急激に値段がこなれて普及可能なモノが現実化しているようにも見えます。
もちろん後付の理論ですので、信憑性はありませんが。AIBOはなくても良いけれど携帯はないと不便なこともありますから。
●今週の「白塔」
さて、今週は手術シーンがなく、つっこみにくいのですが、一つ二つ。
教授の奥様方がお集まりになって、「ざーますわ」なんて言うのはちと時代錯誤的ではありますが、それはそれとして。
まず、里見先生、病理に抗癌剤の感受性試験を頼みに行ったのですが、まず病理学教室に直接行ってはいけません。 伝票ださないと、伝票。
えらく遅くまで教授の大河内先生が居残って実験しているのも変です。だいたい、里見先生にしても大河内先生にしても正義の味方の教授、助教授は実務の仕事しすぎです。
このクラスになると、患者を直接受け持つことはなく、若い医師が担当します。夜、急患で運ばれた東教授夫人の診察までしていますが、浪速大学は人手不足なんでしょうか。
里見先生、何を血迷ったか患者に独断で癌の告知までします。担当医をないがしろにするのもいい加減にしてください。一生懸命現場で患者に向き合っているのは 若い医員なのに、頭の上を飛び越して告知なんぞされたら、明日から担当医の立場がありませんし、患者からの信頼も失ってしまいます。
良い格好もしたいでしょうが、事前にひとこと言ってくださいよ。ひとことぉ。担当医にぃ。髪の毛も切りなさい。(す、すみません、何か昔を思い出してつい興奮しました)
実験にしても患者の治療にしても若い者にもうちょっと仕事を譲らなければ、いつまで経っても若手は育ちません。その点、財前先生は未熟は承知で若手に第一助手 をさせたり、また不始末があってもきちんと術者の責任で対処します。
ただ、VIPの患者さん、退院の時財前先生に執刀してもらったことをすごく喜んでいましたが、術中単純なミスで自分が死にかけたことは知らないのでしょうか。 大学ぐるみで隠蔽したのでしょうか。開胸になっていますので、傷が不自然に大きいのに気が付くと思いますが、うまく言い逃れたのか、それを知っても感謝する度量の大きい患者さんだったかです。
11月10日(月)
昨日は東京に手術の勉強に行って来ました。
美容外科の手術も日進月歩で、新しい手術法や器械など学会でも発表されますが、やはり自分自身で見てみないと モノになりません。土曜日をお休みにして、旅費をかけてまで行ったのですが、本当に自分のものになるかどうかは これからです。
東京に行ったついでに埼玉の女医さんと会いました。彼女は大学の後輩ですが、今は埼玉医療センターで性同一性障害を専門に取り扱っている形成外科医です。 私のお世話になった環境衛生学の教授のお嬢さんだったため、小さい頃(高校生くらいか)から知っていました。 医局時代もそれほど長く一緒に仕事はしたことはなかったし、会うのも学会場くらいのものでしたが、今回は久しぶりにゆっくり話しをしました。
性同一性障害の手術分野では日本でも有名になりつつある彼女ですが、それはそれで彼女なりに悩みも抱えているようです。
夕食を一緒にした後、夜の東京の町並みを抜けて2シーターのオープンカーでホテルまで颯爽と送ってくれました。 なかなかにすてきでしたよ(雨が降らなくてよかった)。
11月11日(火)
このところ暖かいですね。11月も中旬というのに気持ち悪いくらい暖かいです。
寒がりの私としては喜ばしい事ではありますが、地球温暖化のあらわれなのでしょうか。
ここ2日、お湿り程度の雨も降りましたが、あまり気温は下がりませんでした。来週くらいからは本格的に寒くなるのでしょうか。
11月13日(木)
火曜日の夜、S先生と飲みに行きました(よく行くなあ)。ちょくちょく情報交換と称して飲みに行くのですが、今回もお互い 愚痴を肴に飲みました。
それほどは飲まなかったのですが、翌朝は頭痛に悩まされました。宿酔という奴でしょうか。普段は宿酔には ならない体質なのですが、年を取ったということでしょうか。
摂取されたアルコールは胃や腸から吸収されます。血中に入ったアルコールは門脈を通して肝臓に運ばれ、主に アルコール脱水素酵素によって分解されアセトアルデヒドになります。さらにアセトアルデヒド脱水素酵素によって 酢酸に分解され、最終的にはTCAサイクル(懐かしい)で炭酸ガスと水に分解されてしまいます。
アセトアルデヒド脱水素酵素が欠損していたり弱い人は血中にアセトアルデヒドがたまり、気分が悪くなります。
アセトアルデヒド自体にも毒性がありますが、アルコールには抗利尿ホルモンの働きを抑制する作用があり、 利尿がついて脱水状態になります。結果、頭蓋内圧が低下し、頭痛も起こるということらしいです。
2型のアセトアルデヒド脱水素酵素(ALDH2)はアセトアルデヒドの濃度が低いときに働く酵素ですが、日本人の半数は この酵素が欠損しているか弱いと言われています。このことは遺伝的に決まっており、酒に強い、弱いはどうしようもありません。
ただ、このような通常の酵素系だけで処理出来ないほどのアルコールが摂取されると、MEOS(ミクロソームエタノール酸化系)という酵素系が援軍に駆けつけます。 この酵素は本来少ししか存在しないのですが、アルコールによって誘発され、増えてゆきます。
つまり、飲んでいると少しづつ増えてお酒に強くなるということです。ただ、この酵素はアルコールだけでなく他の薬物も解毒する 効果があり、徐々に麻酔や睡眠薬なども効きにくくなってゆきます。
私なんかはどの酵素系もぼろぼろなんでしょうねえ。やれやれ。
11月14日(金)
●今週の「白塔」
今週も手術シーンというより教授選の駆け引きと末期患者がどうしたこうした、ばかりでした。
さて、製薬会社の女性ですが、末期にしては顔色も良いし、IVH(中心静脈栄養)を受けようとしている割には元気にバスに乗って 帰ってしまうという点は見逃すとして、このような形で退院した場合、浪速大学内科学教室の評判は相当悪くなってしまうような気がします。 財前先生が言っていたように患者が苦しんでいたのなら早く手放すのも大事な治療法です。 里見先生、あのまま、手をこまねいて患者を行かせてしまうくらいならもうちょっと早く末期医療の専門病院に転院させるべきだったでしょう。 途中で倒れたりしたら責任問題です。
財前先生、手術が終わって11時からの教授選考会議があっているころ、病院を抜け出して瞳ちゃんの所で良かことをしでかしています。 いくらなんでもそれはないでしょう。この日の助教授は昼からは手術も外来もなく暇にしていたのかも知れませんが、うちの助教授でさえ、そこまで大胆なことは 出来ません。急に呼び出されでもしたら間に合うのでしょうか?途中で中断もつらかろうし。 ほーらやっぱ電話かかったでしょ。急患でも来たら体力もちませんよ。
食堂で看護婦さんと内科、外科の若い医師がよく一緒にご飯たべてますよね。まずあり得ません。
看護婦さんはシフトが違いますので勤務時間がまず合いません。外科、内科の医師もたまたま、同席することはあっても時間帯が全く合いません。 普段は医局で、もさもさ同僚とご飯というのが一般的でしょう。 他科の先生と仲良く一緒にお昼ご飯というのは年に一回あるかないかの出来事でしょう。
私も国立病院で勤務の頃はお昼ご飯は食堂で食べるか、ナースの休憩室に買ったお弁当を持って乱入して食べていました。
医局の殺風景な所で食べるより休憩室の方がお茶なんかも出してくれるし、消化にはよろしいようです。
でもその時間にたまたま休憩に入っていた看護師さんが婦長だったり、比較的経験豊富だった(言い回しは難しいが)場合には消化機能は多少阻害されるようです。
11月15日(土)
ボジョレーヌーボーも入荷してきたようです。
今年はヨーロッパの気候がブドウには大変良かったようで新酒も大変良いできだと聞いています。ヌーボーばかりでなく2003年ものというのが 将来はワインの当たり年になるのではないかとも言われているようです。
11月17日(月)
去年くらいにも書いたことがあるのですが、携帯電話の端末は一般に大人向けではなく子供っぽいデザインのモノが多く、また、多機能だけど 携帯でデジカメは使わないし、シンプルでデザイン優先のモノはないかと探しています。
最近auからインフォバーという機種が出て多少はデザインの面を考えて来たという感じはしますが、まだまだです。 また、2005年くらいからは電話番号も持ち込みで会社の違う端末が利用できるようになるらしいのですが、現時点ではデザインだけのために もう一台持つわけにも行きません。
インフォバーもあれだけ大きいのならアンテナの出っ張りとかなくせなかったのでしょうか。カメラとかいらないし。
持っていて楽しいとか所有欲を満たすとか言うのが最近の消費者の特徴だと思うのですが、電話会社はまだわかってないのでしょうか。 チタン合金やアルミ合金で作るとか、今のデジカメの販売戦略の路線をそっくりまねすればそれなりに購買層は居ると思いますけどねえ。 一般受けする安価な入門用機種を生産するのは企業の宿命ですが、その部分と2極化してハイエンドの製品をシリーズに持っているのも常識のような気がします。
11月20日(木)
今年は、まだボジョレーヌーボー飲んでいません。
今朝の午前0時に解禁になっているのですが、今晩の楽しみとしておきます。 今年のは特に出来が良いようですが、ヨーロッパが猛暑に見舞われブドウそのものにとってはつらい夏だったのですが、そのため収穫量は減って 結局間引きのような効果が表れたようです。生き残った実は他の実の栄養を独り占めにして房として糖度の高いブドウの実が出来たらしいです。
今晩飲めれば明日、印象を書きます。
11月21日(金)
飲みました。ボジョレー。
その辺のスーパーの酒屋さんで買ったジョルジュ・デュ・ブッフです。2000円くらいの。
当たり前ですが、コルクがきれいでまず嬉しくなります。まっさらのコルクを抜くと、若々しい花に似た薫りがたってきます。 一口飲んでみましょう。
「甘い」。糖度も高いかも知れませんが、全体の味はバランス良く甘い。あるいは上品。開栓した時の花の香りはさらに広がり、 華やかさを増します。若いので当然タンニンは強くありませんが、舌に残る、かすかで上品な渋みが味を引き締めています。
フレッシュというのはあたりまえですが、ラベルに表されているように華やかな味わいです。 薫りは徐々にイチゴとかカシスとかの赤い実のような薫りに開いて・・・・結局一本あっという間に飲んでしまいました。
な~んてソムリエ風に偉そうに書きましたが、実は「おお、これが2003年か。うまかにゃあ。」というのが第一印象で、何も考えずに10分で 飲んでしまいました。薫りが開く間もない。すばやく飲めるのも特徴ですね。
●今週の「白塔」
手術の前にわざわざ術式を言ったり、「今から○○静脈を結紮する」とか普通は言わないですね。恥ずかしいし。
静脈の末梢側を財前先生が1-0絹糸で結紮しますが、中枢側は東教授がペッツ(自動結紮器)で止めました。 両方とも糸でも良かったかなあ。二重結紮の方が確実ですね。 それ以外は糸結びが若干遅かったのを除いては合格です。
原作でもそうだったのですが、現役の医学部教授が何人も他の医学部の教授選に立候補するものなのでしょうか。
あまり聞いたことがありません。
全国公募というのも珍しいことではないのですが、普通は助教授、講師クラスが他の大学の教授選に立候補し、昇格して就任するのが普通です。 もし、自教室の教授がスタコラサッサと他の大学に行ってしまうとなると残される医局員は大混乱して「俺らは一体どうすればええねん?」てな具合に急に関西弁になったりします。。
東教授が推薦する石川大学の 菊川教授は弱冠41歳。石川大学においてもせいぜい数年前に教授になったばっかりじゃないでしょうか。(30代の医学部教授というのは あまり見たことがありませんが)
石川大学でも教授選があって、この若い教授が誕生したわけですが、、それがさっさと浪速大学の教授に立候補するなんて学問は出来るが、母校にたいしては 相当義理を欠いていると言わざるを得ません。
菊川先生、退官までは25年もありますので、首尾良く東先生の計画通り浪速大学の教授になったとしても、すぐ東大教授を狙って辞めちゃう可能性もありますので、 要注意です。
クラブ「アラジン」(ここばっかりしか行きませんねえ。少し違う店も開拓しましょう。)で黒木瞳ママが「年代物のワインでも開けましょ。」と言って 値段も言わずに1988年のブルゴーニュを開けます。いくら、なあなあの間柄でもお金の面はきちんとしておかないと亀裂が入ります。10万円でも惜しくないと東先生が言っていたので、 それより安いとしてもクラブ価格では相当なお値段でしょう。瞳ちゃんの好きなワインはシャトーマルゴーじゃなかったっけ?
こちとら2000円のヌーボーで喜んでいるのにい。
11月22日(土)
本日のご来院~ん。
ピアスの穴を開けるのをピアッシングと言いますが、自分で開けたり友達に開けてもらって化膿したなどのケースが後を絶ちません。
私のクリニックではスタンダードの耳ピアスはするのですが、多少ひっかかりがあってボディーピアスは当初から行っていませんでした。 ですからお電話でボディーピアスのご相談があっても、その時点でお断りしています。
ある日、お電話でピアッシングの予約があり夕方遅く本人が見えました。20代の女性です。
受付で何かトラブッているのか大声が聞こえます。 聞くと電話での予約時おへそのピアスと言ったが、来てみるとボディーにはしないとは何事か。という苦情です。
遠くからわざわざ来たし、電話でも「うちではおへそのピアスもやってます。」と言ったそうです。
でもねえ、開業のときから、おへそピアスしてないし、電話に出た受付嬢も開業の時からいるベテランです。気まぐれで「今日はボディーもしまーす。」なんて 言うはずもありません。
「私の言うことが信じられないのっ。」
「へい。あんさんより受付嬢の方をより信頼申しておりやす。」(言ってませんよ)
こうなったらもし可能だとしてもしたくありません。
言った言わないで言い合ったあと、彼女はお金を返せと言ってきました。
「はあ?何の?」
何かの勘違いだと思いますが、バス代を返せと大声で叫ばれるので不憫にも思い、110円差し上げると引き取っていかれました。
おへそにピアスしたって、そんなには魅力的ではないように思うけど。
君はやっぱりおへそより耳に開けた方が良いようだよ。もっと大きい穴。
11月25日(火)
宮本武蔵の「五輪書」というのがあります。
剣術の基礎から実践までを晩年の武蔵が最後の情熱を捧げて書いたと言われる書です。 生涯負けなしの武蔵は一節には小次郎以後は負けない相手としか闘わなかったのではとも言われています。
もし、勝率を上げるために弱い相手としか闘わなかったとしたら、卑怯な感じがしますよねえ。
多少勝率は悪くても強い相手と正々堂々と渡り合うのが侍ではないでしょうか。 でもちょっと考えてください。真剣勝負で負けるというのは死を意味します。死んでは意味がありません。
同じ事が実はわれわれの仕事でも言えるのです。もし、自分には少し手に余るかも知れないけど難しい手術に挑戦しましょう、というのは困ります。
大学病院では、怖いことですがこの構図は成り立ちます。診療、研究、教育の3本の柱があって、常に若手の医師を育て教育しなければ次の世代はありません。
で、少し、手に余っても手術に挑戦します。ただし、無謀にやったことのない手術をするのではありません。当然ベテランがそばに付き指導を受けながら手術をするわけです。
私たちのように個人で開業した場合はどうでしょう。執刀するのは自分自身ですし、またクリニックの中でもっとも手術が上手なのも自分です。(他にいないからね。)
武蔵になります。
これから先この仕事を続ける限り一敗もするわけには行きません。
負けても私が死ぬわけではないですが、患者さんにとって不都合が生じます。 ですから、勝つ(自信のある)手術しかしないし、勝つ場合は徹底的に勝利します。
今日はちょっと真面目に書きました。
11月27日(木)
昨日は一日1人の時間が出来ましたので、午前中は本屋、ビデオ屋、電気店、カメラ屋などをパトロールし、午後はビデオ三昧でした。
昔観た映画ですが、山崎豊子つながりで、「華麗なる一族」。観たことありますか?
阪神銀行オーナー頭取、万俵大介を中心とする万俵一族の富と権力をめぐる物語です。 まだ、DVDにはなってないのでネットでビデオを買いました。 2巻、3時間を超える超大作です。
物語中、万俵の長男、鉄平が猟銃自殺を遂げます。この作品にも田宮二郎が悪役で登場するのですが、この 3年後、田宮も実生活で猟銃自殺します。自殺の方法など、この頃じっと見つめていた 田宮がいたのでしょうか。
こういった映画、邦画に少なくなりましたね。消化不良のハリウッドばりのSFXや怪奇映画もよろしいけれど(よろしくない)、 映画全盛期のような会社の総力をあげた作品がすくないような気がします。
昔の映画ばかりが良い訳ではありませんが、何か最近の邦画は薄っぺらくていけません。 何とか映画祭などに出品して賞を取ったとか取らないとか言いますけど、本当に面白かったですか?あの映画。。
異論はあるかも知れませんが、今邦画で世界に通じるのはアニメだけじゃないでしょうか。
11月28日(金)
●今週の「白塔」
白い巨塔、教授選挙も佳境に入り、いよいよ物語の重要人物、佐々木庸平も登場して緊迫した展開になってきました。
しかし、かたせ梨乃も少し老けましたねえ(ま、そんなことはどうでもよろしい)。
さて、大学病院の外来というのは普通一つの科に複数の診察室があって曜日によって担当する医師が決まっています。 たとえば教授診察は毎週火曜日の第1診察室で行われ、第2や第3診察室では講師とか助手とかいった先生が平行して診察していると言った具合です。 メジャー(外科や内科など)の科では患者も医師も多いため、たくさんの診察室を持っているのが普通です。
さて、佐々木庸平は初診のはずですので、通常どの先生の診察室に回されるかは不明なのですが、 里見先生が受付嬢に一言口添えをしたのか助教授診察となっています。しかも当日食道の内視鏡とバイオプシーまで施行していました。
朝、里見先生が診察室に入るときに挨拶していましたので、庸平さんイヤと言うほど待たされたことでしょう。 助教授診察の日は予約の患者さんも相当多いはずですから午前中に落ち着いて内視鏡などやっている暇などありません。 午後の遅くにやっと入ったはずです。
だから庸平さん機嫌が悪かったんじゃありませんか?
まあ、もしかしたら、その日は助教授の診察日でなく、外来から呼び出されて特別に内視鏡をしたのかも知れませんが、さらっと流しても良い部分に 深~くつっこむのが本コーナーの趣旨ですので、ご了承ください。
内視鏡で診た感じ、食道癌なのですが、バイオプシー(生検)をして組織検査で確定診断となります。
里見先生、また無理を言います。
「第一外科に写真を持っていって財前に見てもらっておいてくれ。」
おいおい、 いくら助教授の頼みとは言え、一教室員が他の教室の助教授に
「先生に診せておいてくれと頼まれましたのでえ、写真持ってきましたあ。」
なんて、あほ面下げてのこのこ行けるはずもありません。
院内であっても正式に依頼するときには紹介状を出すのが礼儀というものです。
さもなければ医局員に頼まず自分で持って行きなさい。そして髪の毛も切りなさい。
里見先生、勉強熱心で情熱家ではありますが終末期治療にしても女性の扱いにしても最後の詰めが甘いところがあるような気がします。
作り笑顔のかわいい、べったりした妻のいる家庭生活に問題があるのではないでしょうか。(他意はございません)
11月29日(土)
やれやれ今年もあと1ヶ月になってしまいましたねえ。
この前年賀状を書いたと思ったんですが、またもや年賀状の整理をしなければなりません。 昔と違って手書きというのはなくなりましたが、PCに入っている住所録を整理して喪中の方などを選別しなければなりません。
毎年年賀状を印刷していると、必ず重複して印刷してしまったり、裏表を間違ったりしてかなりの枚数のミスが出ます(私だけ?)。
すぐに郵便局で新しいのと交換してもらえば良いのですが、つい年賀状のお年玉抽選まで待とうなどと色気を出し取って置いてしまいます。 結局は抽選結果も見ないので意味がないのですが、今年は無駄を省くように努力します。
2003年12月
12月1日(月)
いよいよ最後の月に突入です。
当院は27日(土)までの診療になります。12月22日からは小手術(二重やほくろなど)以外の大きな手術は控えますので、御注意ください。
ときどき、他科の先生(内科とか整形外科とか)から美容外科に転向したいが、どうすれば良いか?というご相談があります。 医師免許というのは医業を行うことが出来るということで、どんな科を専攻するかは関係のない免許です。ですから今まで何科をやっていようと美容外科の 看板を上げて仕事をしても一向にかまわないわけですが、どう思います?
現に転向して数ヶ月でチェーン店の地方支店の店長(院長)になっている先生も数多く知っています。
法律的にも何ら問題はなく 確かに埋没法二重手術などは素人でも度胸さえあれば2、3回練習すればそこそこに出来るほど簡単な手術ですが、そんなものでしょうか。
普通私たち形成外科医は形成外科、一般外科、麻酔科などの研修を最低6年行った後、専門医の試験を受け、長年かかって手術を覚え、ようやく今に至ります。
しかし、転向組の先生方は実地で手術を覚えるしかありません。 大学の医局に再入局すれば年数がかかりますし、個人で行っている私のクリニックのような所では絶対に受け入れません。 したがって大手チェーンに就職し、見よう見まね(失礼、我々も最初はそうでした))で手術を覚えてゆきます。
最も効率の良いやり方かも知れませんし、その方面の先生方は、なまじ形成外科という看板を背負っている人より実践を数多く積んだ自分の方が 手術はうまいとおっしゃるかも知れません。
もちろん、大手のチェーン店にも優れた腕を持つ先生方は多くいらっしゃいますし、大手を非難するつもりは毛頭ありません。
ただ、どんな手術も奥の深~いモノがあります。なぜ熟慮して選んだはずの前の専門をお辞めにならなくてはならなかったのか、金銭的な理由のみで この科に転向されたのではなく、本当に患者さんのことを考えて希望したと考えたいものです。
愛情のこもったご飯より即席のカップ麺の方がおいしいと感じる方もいるのも事実です。事故のないようにと祈るばかりです。
12月6日(土)
●今週の白塔
文化系ドラマの様相となってきましたのでつっこみ所少ないです。
毎回思うのですが、やはり時代背景が違いすぎて違和感を覚えます。 だって、医学部の教授って、現在ではあまり魅力あるポストには思えません。
国立病院の教授なんて収入も知れてますし、権力といっても医局内の人事権くらいのモノです。 「多くの人間を引き連れて歩きたいんだ」なんて財前先生言っていましたが、せいぜい教室員数十人くらいでしょ。ついてくるの。
武富士の社長さんなんかの方がよっぽどたくさんの社員をひれ伏せさせていますよ。
医学という神聖なものと権力欲という俗なものが、渦巻く世界を描いたものではありますが、ちょっと 現代にはマッチしなくなってきていますね。
医学が神聖なものではなくなり、権力欲が俗なものではなくなったのかも知れません。
食道癌の患者さんの再検査の日、今度は里見先生エコーしてます。超音波による検査ですが、 このような侵襲の少ない検査こそ先にすべきです。エコーでは所属リンパ節の腫れなどを検索しているんだろうと思いますが、 入院してからでも良かったかなあ。 またその場に外科の助教授まで立ち会っているというのはいかにも豪華キャストです。
浪速大学は内科、外科などの科はありますが、臓器別診療という先端の形態をとっているのかも知れません。 各科の壁に阻まれた医療ではなく、例えば食道癌であれば内科、外科、放射線科、形成外科などが一度に同じ患者さんを診て治療にあたる というものです。
旧来のシステムではまず内科が診て、外科に転科し、・・・・・と面倒くさいものです。 同級生とはいえ、科の壁を突破した里見、財前両先生の連携はすばらしいですね。
12月8日(月)
今日は朝から寒くなりました。ようやく冬本番の様相ですね。
さて、昨日は「いとうづの森公園」に行きました。寒かったのですが天気が良く娘達を連れてふらっと出かけました。 動物たちも寒そうでワオキツネザルは電車ごっこのように枝の上で一列に固まって座っています。
クリスマスらしく森で切ってきた木の「つる」を使ってのリース作りのコーナーがあっていました。 300円支払って材料使い放題で作るのですが、これがやってみると面白くてはまってしまいました。
まず、つるを適当な長さに切り出し、巻いてゆきます。それにさらに細いつるを螺旋状に巻き付け適当な大きさのリースのベースを 作ります。後はリボンを巻いたり、松ぼっくり、ひいらぎの葉、どんぐり、などをくっつけできあがりです。
作っていると子供に戻ったように徐々に熱中し、時間の経つのも忘れて楽しく過ごしました。 なかなかに良くできたので玄関に飾りました。

20インチimac導入しました。クリニックの受け付けで使用しているマックはOS7.いくつと言う骨董品です。このマックの調子が今ひとつで、 ついに買い換えの時が来ました。省スペースの面からimacを考えていたのですが、何気なくappleのホームページを見ると20インチimacが 出ているじゃないですか!!
と言うことで院長の横暴な権限で20インチを院長用に購入し、お古を受付に持って行くことに相成りました。受付嬢には文句言わせません。
20インチ、良いですよ。大きさももちろん大きいが何より液晶が明るい!前のやつを並べてデータを移し替えている途中ですが、前のが 暗くて故障してるんじゃないかと感じるほどです。
12月9日(火)
カレンダーを買わなくてはいけません。たくさんもらうのですが、どれもセンスは今いちで診察室には 置きたくないです。
この機会にカレンダーをよく見てみましょう。
1月から12月まで英語で書かれたのありますか?
1月January,2月February,3月March,4月April,5月May,6月June, 7月July,
8月August,9月September,10月October,11月November,12月December
ですね。
さて、この中で英語の数字の接頭詞がついている単語があります。sepとoctとdecです(novもかも知れませんが知りません)。
octはoctopus(たこ)やoctave (オクターブ)についているように8を表します。decはDecameron(十日物語)など、sepは あまりなじみは少ないですがseptetと言えば7人組のグループを意味します。
さて、そうなると接頭詞と月が食い違っているのがわかりますね。
9月以降が2つづつ後ろにずれています。
どうも7月のJulyと8月のAugustが無理矢理入り込んだようです。
もうおわかりでしょ。7月のジュリアスシーザーと8月のアウグスティヌスですね。昔から暴君は名前を残したがるものなのでしょう。
12月12日(金)
昨日は冷たい雨がふっていましたが、今日は寒々と晴れています。
ようやく20 インチimacにデータをほぼ移し替え終わりました。 院内のLANで結んでいるのでケーブルをつなぐだけではありますが、なにしろ大きなデータが多く、時間がかかります。
人間の欲望というのは限りないもので、17インチ買った時は「おお、でかい」と思っていたのですが、 20インチを並べると17インチはおもちゃのように小さく感じます。
●今週の白い巨塔
さて、いよいよ財前先生、教授選に勝ち、来年には教授の椅子に座ることになりました。
12月に投票があっても教授の退官は通常翌年の3月です。急に部屋を変わったりはしないでしょう。いくら何でも。
12月の手術で助教授としての最後の手術ですと言っていましたが、来年は3月までは手術入れてないのでしょうか。 また、通常教授は退官後は名誉教授の称号が与えられることも多く、全く前教授のカラーを一掃するというのは 難しいでしょう。特に学内の助教授が教授に昇進した訳ですのでしばらくは今までのカラーで行ったほうが 学内の風当たりも少ないのではないでしょうか。 最初からあんまり波風を立てないようにした方が賢明ですよ。財前君。
さて、佐々木庸平の手術です。
まずこのドラマ全体の大きなポイントとなるのが肺への遠隔転移の有無です。将来裁判でこの点について争われるので 注意深く見ておきましょう。
手術当日というか手術室に既に入室している時間に里見先生、あわてて財前先生のところに来ます。 肺への転移の疑いがあるとのことです。「転移があれば手術は無駄になる」って言ってました。
ちょっと待ってよ里見さん。この前薬屋さんの末期癌の手術を財前先生に頼んだ時は転移があっても主病巣を切除して延命を計りたい、などと 言っていたじゃないですかあ。
それより最初内科で診たんでしょ。 CTくらいもっとちゃんと見てください。
外科の若い医局員が CTを見てはっと気がついたのが最初だとはお粗末すぎます。 大体どうしてあんなに早く外科の転科させなくてはならなかったのでしょうか。里見先生、手術手術としか頭になかったので 必要な検査もすっ飛ばしてお友達の財前先生に尻を持ち込んだというのが真相でしょうか。 内科で診て食道癌の診断がついているわけですから CTは内科で撮ったと考えるのが普通です。 もし、外科に転科した後CTを撮ったというのであれば、それはそれでお粗末です。 少なくとも転科までには多少時間はあったのですからもっと精査するなら MRIでも気管支鏡でも出来たはずです。
もし、十分な検査をしていないことで今後責められたとしても内科の手落ちもなかったとは言えないのではないでしょうか。
里見先生の熱心な態度はわからんでもありませんが、ちょっと抜けている点が多すぎます。
こんなことでは浪速大学の1内科もちょっと危ない気がしますね。
12月13日(土)
今日は大学の忘年会で、ふぐを食べに行って来ます。もしふぐの毒にあたったら日記もおしまいになります。 何日たっても更新されないときは哀れ死んだと思って線香の一本でもあげてやってください。 医局の連中も道連れだあ。
さて、ふぐの毒はテトロドトキシンという神経毒です。
テトロドトキシンのヒトに対する致死量は2mgと言われています。この量はふぐの肝臓にして100gにあたるそうですが、 個体によっては濃度が高く、少量でも死ぬおそれもあるそうです。
さて、この毒は細胞にあるナトリウムチャンネルというイオンの通り道にふたをしてイオンの流入を阻止し、呼吸筋が麻痺すれば死に至ります。
ではなぜふぐ自身はやられないのでしょうか。
それはふぐのナトリウムチャンネルがほ乳類のそれと構造が異なっているとかふぐは毒が好きとかいう理由があるようです。
(毒が好きというのは冗談ではなく、オスのふぐはテトロドトキシンをフェロモンとして感じるという報告もあるようです)
では皆さん、さようなら。
12月15日(月)
生きて帰ってきました。というか「ふぐ」おいしく食べてきました。
ひれ酒もしこたま飲んできました。
また少し成長したようです(体重等)。
昨日は平成15年12月14日でしたが、元禄15年12月14日は赤穂浪士の討ち入りの日でした。 と言っても知らない人の方が多いかも知れませんが、知らない人は「赤穂浪士(あこうろうし)」で検索でもしてみてください。
私の結婚記念日でもあります。(どーでも良いですね。すみません)
12月16日(火)
13日のふぐの会からボーネンカイシーズンの幕開けになりました。
今日を含め今週は4件飲み会です。行かねば良いのに出かけてしまう私ではあります。
年を取ったせいか、お酒が多少翌日に残るようになってきました。私がいつも一緒に飲んでいるある先生は普段年間120本もブランデーを 飲むのですが、このところ尿酸値が上がっているようでビールなど控えているようです。その隣でしこたま飲んでいるのですが、 もうそろそろ体には気を付けなければいけないのかも知れません。
先日出た時は土曜日だったからもありますが、普段寂しい小倉の街が俄然活気づいていました。ボーナス後の初の土曜日ということなのでしょうか。
さあ、すこーし風邪気味ですが、おじさんは風の子だあ、飲んできまーす。
12月18日(木)
ほら、やっぱりお酒をのむと風邪はなおりました(知ったこっちゃない?)。
火曜日はS先生、福岡のI先生と飲みました。 両先生方はN大学形成外科出身で私と同じ仕事をする開業仲間兼ライバルです。
I先生は福岡の天神でクリニックを開業されておられます。 私のところのような零細クリニックとは違い、数ヶ月先まで予約で一杯という人気のクリニックです。
有名な白壁クリニックや大手の美容クリニックなどでも活躍された経歴もお持ちで形成外科専門医であって、なおかつ 美容外科の実践経験も豊富な先生です。博多という土地柄多くの美容クリニックが乱立しておりますが、 その中で異彩を放つクリニックを経営しておられます。.
ヒゲを蓄えた人当たりの良い、良い感じの先生です。(実は私もないヒゲを伸ばしているんですが、多少I先生の影響もあります)
12月19日(金)
昨日は少し遠くで飲みましたので電車で早めに帰宅しました。
最近、私ごとばかりになって恐縮なのですが(日記だからね)、今日のパーティーは市長を始め政財界の偉い人が集まる ワインパーティーです。末席に加わらせて頂くのですが一年に一度だけタキシードが出番になります。 でも一年で体型は刻一刻と変化しています。今年はやや腹筋に力を入れてズボンをはくことになりそうです。
このところ日記の文字数が少ないのは多少疲れているからかも知れません。
12月20日(土)
昨日は寒かったですねえ。初雪でした。
パーティーも盛況で偉い人たくさん見えてました。

おじさん 末吉市長 家内
ちゃっかり写真なども撮らせてもらいました。 市長のネクタイ曲がってます。撮る人が気を付けてあげないといけませんね。
家内の顔にモザイクは必要なかったかも知れませんが、何となく。 二次会は友人夫婦と鍛冶町あたりに行きましたが、この格好ではちょっとボーイさん風ではありました。
12月22日(月)
今日は1年の内で一番昼間の短い冬至です。
今日は太陽の南中高度がもっとも低くなります。ちょっと計算してみましょう。
福岡なら北緯は33.4度、地球は23.5度傾いていますのでこれを合計すると56.9度。 福岡の地球に対する接線方向からの角度は90度からこの数字を引くと33.1度となります。
つまり今日は太陽が一番高い位置に来ても33.1度の角度までしか上らないということです。
この数字がマイナスになる場所90-23.5=66.5、つまり北緯66.5度以北では今日は太陽がのぼりません。
今日は柚子湯にでもつかってゆっくりして下さい。明日はお休みです。
12月25日(木)
クリスマスです。イブは良いことありましたか?私は何かと言えばしこたま飲んでしまいます。
子供達にはサンタクロースがやって来たようで、おもちゃ箱のがらくたがもう一つ増えました。
私がクリニックを開業するとき、前にいた病院の看護師さんを2人引き抜いてきました(言葉が悪いですね→ヘッドハンティング)。
二人ともとても良くできる看護師でしたが、その1人、通称「まるこ」は旦那の勤め先の関係で少々遠くから毎日 通ってきていました。まあ、よく毎日早く起きて通勤してくれたものだと思います。
その旦那という人はこれまた私が前にいた病院で勤めていた耳鼻科のお医者さんで、職場結婚というやつですね。
彼女は少し前に私のクリニックを退職し、旦那の留学にくっついて英国に行ってしまいました。 大変残念ですが、仕方ありません。離婚でもしたらクリニックに戻ってきてくれるでしょう。
冗談はさておき、その彼女がこの日記を見ていたようで感想をメールで送ってきました。 はるばるイギリスの地でも私のつたないホームページが見られるんですね(って当たりまえですけどね)。
元気?まるこ。
12月26日(金)
年末のお休みを利用して手術をお受けになりたい方がいらっしゃいますが、そうは行きません。 私も休みますので。
年末年始の休みは当院は1週間ありますので、術後何かあってもスタッフもいないため十分な対処ができません。 従って年末この時期は手術は入れないようにしていますが、これにかわってサ-マクールなどの切らない治療が増えてきます。
外科医としてはやや不満ですが、これもりっぱな治療です。
明日は今年最後の診療となりますが、予定表を見ると結構忙しそうで、また夕方からは久留米に忘年会に出かけなければなりませんので、 日記も書けないかも知れません。で、
本年は当ページを可愛がっていただき、まことに有り難うございました。
来年も充実した診療と共にホームページも充実したものとなるよう努力したいと思っています。
よいお年をお取りください。
2004年1月
1月5日(月)
あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願い申し上げます。お正月、いかがお過ごしでしたか?
私はと言えば年末、正月は何事もなく平穏にすごしたのですが、今日、クリニックに来てみると何と看護師、受付嬢二人から妊娠を告げられました (わ、私じゃないですよ、犯人は。私にはそんな気力も体力もございません)。 2004年始まってすぐの大事件です。看護師は数年間手塩にかけて育てて、良い人材に育ってくれたおなごです。受け付け嬢は経験は少ないけれど働き者のおなごでございました。(動揺のため、ついお江戸言葉になってしまう私です)
医者の間で「女を診たら妊娠と思え」ということわざがあります。患者さんが妊娠可能な年令の場合、まずは妊娠を除外診断としなければ ならないという教えです。母児二人の命がかかった治療になりますので気をつけなければなりません。それはさておき、早速人材の募集と教育を開始せねばなりません。
こんなことなら今度は全部男か閉経後の看護師ばかりのクリニックにしようかなあ。ああ(泣)
誰か、このページを見ている人の中で私のクリニックに勤めてくれる正、准看護師の方、いませんかああああー(叫)。
1月6日(火)
昨日からAdobe Golive でホームページを作り直しています。私のPCのOSはマックOSXなのですが、当初作り始めた頃はOS9だったため古いソフトで、しかもHTMLで書いていました。
なれないソフトなので試行錯誤しています。所々にリンク切れなどもあるかもしれませんが、ご容赦ください。徐々に改善して、最終的にはもう少し見栄えの良いホームページに仕上げたいと思っています。
今日は暦の上では小寒といって寒の入りにあたります。今日から大寒までの15日間と節分までの15日間の合計30日間を「寒}と言い、一年でもっとも寒い季節となります。今日はその入り口です。寒い日々が待っています。
1月8日(木)
FOMA買いました。前回落っことした携帯の代わりに古~い携帯を引き出しの奥から引っ張り出して使用していたのですが、最近どうもうまく着信しない症状が現れ、新機種に換えなければと思っていました。
いつも言っているように最近の携帯電話はぱっとしたデザインのものがなく、買う気もなかったのですが、必要上仕方ありません。で、並んでいるものの中からアンテナのない機種を探したところ多少ましなのが、このFOMAでした。
テレビ電話をすることもないし、多少エリアが狭いようですが、使えれば良いということで購入しました。今朝クリニックに来てみると、うちのエステティシャンの一人が同じ機種を持っていましたので、早速テレビ通話を試してみました。
動画がさすがに少々乱れますが、実用範囲でテレビ電話が可能です。昔夢見ていた携帯テレビ電話(スタートレックなんかに出てきますよねえ)でしたが、それほど感動がなかったのは意外でした。
1月9日(金)
●今週の「白い巨塔」
長らくお待たせ致しました。白塔コーナーです。新年になって第二部が始まりました。長いだけにつっこみ所満載ですが、全部は書けないのが残念です。
晴れて教授となった財前先生、国際学会での講演とライブの手術を引き受けます。医師免許は国際免許ではないので、外国での医療行為というのはかなり制限されます。医師として留学していても他の国では研究が主となり、実際の医療行為は、その国の医師免許がなければできないのが普通です。財前先生がアメリカかどこかの医師免許を持っているとしたら可能であるかもしれませんが不明です。
このようなケースの場合、医師免許の制限がどうなのかも良くは知りませんが、こういったライブに外国から招かれ難しい手術をするとしたら、やはり相当に名誉なことではあるでしょう。(原作にはありません)
招待講演などはよくある話ですが、自分の講演のスライドくらいは自分で用意しなさい。飛行機に乗る直前に渡されても不安でしょう。確認してみないと。変な内容だったら恥をかきますよ。
私のもといた教室の助教授は北海道の学会にスライドを忘れて、教室員に飛行機で届けさせたことがあるという豪快というかオマヌケで憎めないお方でした。
まあそれはそうと、その外国の患者は良く承知しましたよねえ。見ず知らずの医師に診せるの。しかも術中診断が誤っていたとか言って術式まで変更だあ。何やってんだか。インフォームドコンセント、どっかに飛んでけ~~。
壮行会がまたいけません。国際学会に出るくらいでいちいち医学部長まで来て壮行会をやっていたのでは年中壮行会だらけです。国立病院なんだから予算縮小しなさい。
また、壮行会の最中に患者の容態が変わりますが、このような場合でもよっぽどのことがなければ教授が直接見に行くことはないと思います。(主治医、指導医がしっかりしていれば)。この佐々木庸平の場合、いかにも医師と患者の信頼関係が出来ていなく、また故意に患者側の敵意を煽るような振る舞いが多すぎ、これでは訴えられても仕方ありません。今はやりのドクハラにあたるかもしれません。
内科の里見先生もCTを撮ることばかりしか言いません。診断も大事ですが、現時点での呼吸不全を何とかするのが先決ではないでしょうか。泣いてる暇があったら髪の毛も切りなさい。助教授なんだからあ。
財前先生の自信も良いのですが、患者にもしものことがあったら責任問題になるのはわかると思います。四の五の言わず「佐々木庸平が急変です」とか「危篤です」とか言えば我が身かわいさに必ず病棟に飛んで帰るはずです。
まあ、この辺は小説ですので割り引くとしても、実際にこれほど患者-医師の信頼関係が確立してない手術は考えられません。実際の医療現場ではもう少し安心して良いと思います(願います)。
財前先生、教授になったは良いけれど助教授を含め、若い教室員の教育をしっかりしなければいけません。自分の言うことだけは良く聞くイエスマンではなく臨機応変な対応を取れる医師を育てないと、しょっちゅう電話がかかったり、若いのが来たりしておちおち飲みにも行けませんよ。
1月10日(土)
世に言う「マイナスイオン」って何でしょうか。
まず言葉の意味を探ってみましょう。マイナスというのは陰陽の陰、引き算の(-)ですね。イオンというのはプラスマイナスの電荷が等しくない原子または分子のことを言います。わかりやすく説明すると例えばお塩はNaClですが、水に溶けるとNa+とCl-に電離します。このそれぞれがイオンです。これで言うとCl-のことをマイナスイオンというのでしょうか。どうも違うようです。これは一般に陰イオンと呼ばれています。また何のマイナスイオンなのか化学種(塩素とかナトリウムとか)もはっきりしません。
まとめるとマイナスイオンというのは何かはっきりしないけど体に良さそうなモノということになるのかもしれません。
よくレナード効果ということが言われます。滝の近くなどでは水が破砕されマイナスイオンが多く健康に良いというやつです。
マイナスイオンの正体もはっきりしないのですが、健康に良いかどうかもはっきりしません。滝の周辺は湿度が高く、涼しいですので、ふーふー山登りをしてきた人は相当爽快感を感じるのは事実です。でもこれってマイナスイオンのためなのでしょうか。ずーっといるとじめじめして気持ち悪くなるし。
最近はいろんな電気製品にもマイナスイオン効果をうたったものがありますが、時にオゾンを発生していたり多少問題のあるモノがあるのも事実です。
「マイナスイオン~~(*^_^*)」といってありがたがるのも精神衛生上はよろしいのですが、時々は疑ってみる姿勢も大事ですよ、ほたるさん。
1月13日(火)
寒いです。今日北九州は最高気温5度、平年を下回る気温です。雪もちらつきそうです。
そんな中、今朝庭の梅がもう花を咲かせていました。寒いとはいえ、確実に春は近づいているんですねえ。

1月15日(木)
昨日は3745(みなしご)会の飲み会でした。以前も書きましたが、車好き、バイク好き、F1好き、セナ好き、お酒好きなどが集まってタコスでテキーラを飲む会です。
相変わらず恐ろしくエンスーな方々が集まっていました。中には妊娠38週の小児科医、38度の熱を出して寝ていたのに座薬で解熱させ1時間だけ布団を抜け出してアルコール消毒に来た産婦人科の女医さんなどもいます。
夜が更けるまでずーーっと、メカの話が尽きませんでした。
1月16日(金)
昨日またまた飲みに出ました。さすがに連夜の出撃は体にこたえます。肝臓が痛みます。
さて、昨日は北九州の開業の形成外科、美容外科医が集まる会でした。普通この業界は競争が激しく、商売敵同士が集まって飲むなどと言うことはありません。
北九州は少し特殊な場所で、美容外科を標榜しているクリニックの医師の中に形成外科専門医の含有率が非常に高く、質の高い地域であると思います。その中でより良い治療を目指せるように親睦を深め情報を交換した(飲んだ)という訳です。
●今週の「白い巨塔」
佐々木庸平が癌性リンパ管症による呼吸不全で死に至ります。(癌性リンパ管症とは癌細胞が肺のリンパ管に詰まった状態のことです)
柳原医師(新米の担当医)は教授の言うことを聞いて抗生剤の投与を続けますが、肺炎ではないので効きません。種類を換えて投与を試みますが、効きません。誰かに言われなくても他の治療を試みるか、早い段階で検査を行うべきでしょう。財前教授が帰国して、この医師を「馬鹿の一つ覚えのように抗生剤を投与するばかりではなく、状況が変わったら臨機応変に対処しろ」と叱責しますが、まさにその通りです。教授は執刀はしましたが、術後の管理は担当医をはじめとするスタッフがきちんと行うべきです。いくら教授が言ったとしても、患者が亡くなっては自分も窮地に追い込まれるのは明らかです。助教授も講師も研修医もこんな状態なら財前先生も先が思いやられます。
里見先生も、のこのこ庸平の葬儀にお出かけですが、自分だけよい子になろうとしてはいけません。ご遺族の感情を逆撫でするだけでご供養にはなりません。ここは財前先生を売ってでも自分は裁判沙汰にならぬよう工作でもした方が得策では。
1月19日(月)
昨日の日曜は午前中は風もなく良く晴れていました。子供が竹とんぼの作り方を教えろと言うので、裏山の竹を切り出して作りました。
竹とんぼは良かったのですが、竹を切るとき多少腰を捻ったようで夕方から右の腰が痛くなってきました。まるで「ぎっくり腰」のような感じの痛みです。「ぎっくり腰」は昔一回やったことがあるのですが、今回のは「ぎくっ」という感じもなく、中途半端な発症です。年を取るとどこかしら不調になります。自分では若いつもりでも年を取ったんでしょうねえ。くわばら。
竹取物語で竹の節(正確には節と節の間)が光っているのを見つけたおじいさんが竹を切ってかぐや姫を救出(発見)しますが、相当慎重に竹を切断しなければいけません。かぐや姫は重力で下側の節近くにいると思われますので上側の節ぎりぎりを切断しなければ足などを傷つけてしまいます。ましてぎっしりに詰まっていた場合には傷つくのはさけられません。おじいさんはまさか中に人(のようなもの)がは入っているとは知らなかったでしょうから不用意に切ったに違いありません。足とか切断したとしても当時は近くに形成外科もなかったでしょうから困ります。
さて、生物が発光するのは、たいてい異性を求めるためか、獲物をおびき寄せるためです。かぐや姫も首尾良く♂(残念ながらおじいさんでした)をゲットしましたが、もし、獲物を補食するのための発光だったら、よかれと思って助け出したおじいさんも今頃は哀れ餌食になっていたことでしょう。
1月20日(火)
連日くだらん話題しかなくて申し訳ない。
かぐや姫の次は桃太郎が気になってきました。ここでも老人パワーが炸裂します。川で拾った大きな桃をおばあさんが一刀両断に切ると中から桃太郎が出現したというやつです(一説には切ろうとした瞬間に自らパックリ割れたらしいですが)。
まあ、まっぷたつに切れた桃太郎の話は古典的としても、この桃太郎、いったい桃のどこに隠れ住んでいたのでしょうか。桃には大きな種がありますよねえ。あれをよけて窮屈に実の中に入っていたというより種の中に入っていたか種そのものが桃太郎だったかの方が考えやすいでしょう。
桃太郎が種の中に入っていたとしたら、場合によっては生ゴミとして捨てられていたかもしれません。そのなると鬼もめでたし、我が世の春を満喫したでしょうに。
とすると種に代わって桃太郎が入っていたことになります。このような有能な人物を後生に残すためには一代きりで終わらせず、桃太郎を地中に植えて頂きたかったものです。鬼退治はその間遅れますし、初代桃太郎をかわいがりたい人情もわかりますが、ここは涙をのんで頂きたい。3年くらいすると桃の木いっぱいに桃太郎のつまった桃がなったことでしょう。所々、虫が喰っていたりして。(怖)
1月22日(木)
昨日の昼頃から雪が降り出しました。夕方にはその影響か市内は大渋滞で普段6~7分で行ける所を1時間40分もかかってしまいました。今朝起きてみると一面の銀世界。娘は学校が臨時休校ということで直ちに庭に出て、雪で遊んでいました。

庭のつくばいです。風流に氷が張って水墨画的風合いを醸し出しておりますね。
雪が降ろうが槍が降ろうがクリニックは開けます。ただ、スタッフの通勤の足が奪われており大変です。でも私のクリニックの優秀なスタッフたちは頑張って歩いて来ていました(妊娠している娘も)。
とは言え、患者さんの出足は鈍く、キャンセルの電話の嵐です。こんな日は美容外科なんぞに行かず、家でじっとしているのが一番です。
昨日書いた「桃太郎」の件について読者の方から間違いの指摘がありました。ありがとうございました。伝説「桃太郎」によると桃太郎は桃から出現したのではなく、桃を食べた老夫婦が元気はつらつになって桃太郎を超超高齢出産したとのことです。う~む、伝説恐るべし。桃源郷などの言葉があるように桃というのは生命の源、若返りの象徴のようなモノだったのでしょう。
まあ、子供に聞かせるには、やや説明に難渋する内容ですので、ここでは単純に桃から生まれたとしておきましょう。
1月23日(金)
今朝も道路は凍っていました。少し車で走りましたが「すべすべ」です。朝からタイヤチェーンをつけるのも面倒でそのまま走りましたが坂道発進が怖かったので坂の下で信号待ちしてると後ろの車もみんな私の後におとなしく待ってました。
●今週の白い巨塔
おいおい、それはないでしょう。カルテの改竄にもほどがあります。カルテの記載事項を訂正するときは、必ず二本線で消して書き直します。修正液を使うなんてことは考えられません。だって誰が見たって改竄でしょうに。本気で改竄するんならページ丸ごと変えなきゃねえ。
病院側の弁護士も弁護士です。今どき稚拙な手段でカルテの改竄を指示する弁護士がいたら会ってみたいものです。しかも日本弁護士会の副会長の事務所の人だそうです。また正義の味方の弁護士はイケメンの貧乏人、悪の手先はエリート風というステレオタイプの配役はいかがなものでしょうか。
いくらデフォルメしていると言っても、こんな時代錯誤の大馬鹿医者や馬鹿弁護士が出てくるドラマ(面白いんですよ、私的には)を世間は一体どのように受け取っているのでしょうか。「ふむふむ、やっぱ大学病院の医者は権威を盾にした悪い奴ばっかりだのー。カルテまで書き直したりして。。。」って思っているのでしょうか。それとも「まさかいくら何でもこんなことはドラマの中だけでしょ。」と思っているのでしょうか。
事実はその中間なのです(それも怖い)。
1月24日(土)
相変わらず寒いです。寒い時は暖房器具が活躍するんですが、我が家では石油ファンヒーターがその主役です。地球資源の無駄遣い、オゾン層の破壊なども気にしつつ、冬はこれなしには1日も生きてゆけません。
このファンヒーター、起動時間がいやに長いですよね。コンピュータでもこんなに長くはありません。寒い中スイッチを入れてもしばらく黙~~っていますよねえ。コンピュータなら、せめて起動画面が出ますが、ファンヒーターは心配です。
何かにアクセスしているような音もしませんし、何かの準備にてこずっているんでしょうか。手伝おうか?マッチとかで。
ひたすら沈黙です。何してるんでしょう?寝起きで機嫌悪いのか。カチカチカチ、ボッっという音がするまでは心配でおちおち顔も洗えません。
前日からタイマーかけておけば済むことなんですが、予定より早く起きてしまったときなどは寒くて困ります。せめてスイッチを入れたら「ちょっと待ってくださいね、今一生懸命準備してるんですよ、あなたにはわからないでしょうけど。」と言う(しゃべるのはイヤ)代わりにに何か一生懸命的な音を発していただきたいものです。
お願いだから黙って見ているのだけはよしてくれい。
1月27日(火)
日、月と東京に行って参りました。サーマクールの第一回ユーザーズミーティングです。
サーマクールはまだ日本では50台程度しか稼働しておらず、効果、持続などについても不明な点が多い治療です。スタンフォード大からも専門家が来日し、お話を聞きました。施術法、麻酔などについて有意義なセミナーでした。
それはそうと JAS機で行ったのですが、例のエンジン部品の亀裂の影響で行きは遅れるし、帰りは欠航になってしまいました。博多経由で帰ってきましたが大幅に遅くなってしまいました。
この二日間、東京は九州と違って寒くはありますがピーカンでした。雲一つなく都心からも富士山が望めました。
夜は例によって歌舞伎町で少し肝臓を痛めました。
○羽田の本屋で買った本の中から・・・
「この文を構成する文字の数は十九である」
という文があります。実際には十八文字しかないのでこの文は偽である。だったら否定する形にすれば正しくなるはずですので、
「この文を構成する文字の数は十九ではない」とすると、
おや?今度は文字数は十九となって正しくなるじゃないですか。さて何がいけなかったんでしょう?
1月29日(木)
昨日は天気良かったので車洗いました。なにしろ雪が積もったままほったらかしの状態だったので恐ろしく汚く、往診に行くのもはばかられる外観でした。お天気は良かったのですが、水は刺すように冷たく手の感覚がなくなりました。
さて、寒い洗車を終えてゆっくりビデオなど観てぬくぬくと怠惰に過ごしましたが、今朝方早くから関節痛、咽頭痛、頭痛が出現しています。今日は患者さんはセーブして、ミーティングもすっぽかして寝てます。このまま鳥インフルエンザで死んでしまうのでしょうか。さようなら。
本当は今晩、志田山先生と飲み会のはずでしたが、気弱にお断りしました。ああ私としたことが。。
「寒い季節です。風邪など引かぬようご注意を」って言う決まり切った言い回しがありますが、本当に寒いと風邪を引くのでしょうか。
確かに喉の繊毛運動などにも気温は影響しますので多少は真実を含んでいるかもしれませんが、寒い暑いにかかわらず、どの季節でもウイルスに曝されないことのほうが、より重要みたいです。
1月30日(金)
いや~、死ぬ目に遭いました。タミフルで命拾いしましたが、今回のインフルエンザはなかなかに強烈でした。手に入りにくい予防注射も院長権限で射っていたのですが、タイプが違ったようです。昨日一日はまったく仕事になりませんでした。関節痛、咽頭痛、頭痛、発熱でのたうっておりましたが、今日は元気です。でも昨日の状態では今日の診療に差し支えると思って今日の予約患者さんをほとんどこちらからキャンセルさせて頂きましたので今日も暇です。ゆっくりしよーっと。
1月31日(土)
先日行ってきましたサーマクールユーザーズミーティングの報告をアップしました。ご参照ください。
さて、昨日書き損ねた
●今週の白い巨塔
いよいよ舞台が法廷に移ってきました。1回目、2回目の証人尋問でまず、佃医局長と大河内先生が出廷します。医局長と教授ではちょっと格違いで佃先生がかわいそうです。原作では大河内先生はたしか財前教授の手術は完璧であったことにも言及したと思いますが、記憶違いかもしれません。ただ、転移があれば必ず手術以外を第一選択とするという言い方は若干誤解を招くのではないでしょうか。いつか製薬会社の女性社員が末期癌で苦しんでいる時はとにかく元病巣の減量手術をということも言っていましたね。
大河内先生も今回は多少感情的になっているようですが、もう少し冷静になって頂きたい。
手術の上、CCD+5Fuとか化学療法で叩くとかの方法もないではないでしょう。癌の治療は常に転移、再発との戦いです。元病巣がマクロで切除しきれたからと言って一生安泰と考えている医師はいないでしょう。その認識の上で術後どのように対処したかが問題となるべきです。
また、佃医局長にしても柳原きのこ医師にしても、何しろ被告側の証人に迫力がありません。弁護士は優秀と言うことですので、もう少し事前に予定質問のリハーサルをするとかしとかないと勝つ裁判にもみすみす負けてしまいます。本っ当、財前教授も医局の人材の不足には泣かされますね。また、この弁護士さん、原告側の証人、里見先生の自宅まで行って出ないように言いますが、これは法的には良いことなのでしょうか。後で明るみに出ると相当やばいような気がしますが。
読者の方から「財前先生の白衣はアイロンがぴしっと掛かっているのに里見先生のはしわしわなのはなぜでしょう?あの奥さんならきちんとアイロンくらい掛けそうなのに。。」というご質問です。
国立病院の場合、白衣も国からの支給品です。ただ、1年に2着ほどの支給ですので、汚れたら洗濯に出してその間はもう片方を着るという生活です。そうすると1週間くらいは同じ白衣を着ることになり不潔っぽいですね。ですからちょっとおしゃれな医師は自前で何着か白衣(Kansai Yamamotoのとか)を持っていて、これを着回します。クリーニングも医局のボックスに入れれば勝手にやってくれますのでわざわざ自宅に持ち帰ることもありません(血とか付いていれば汚いし)。あまり汚らしい白衣を着ていることは患者さんに対しても失礼だし、ベッドフリーの研究者ならともかく、あまりお行儀は良くありません。里見先生の白衣はシワがよっているだけで不潔ではなさそうですので白衣の素材が違う(綿か何か)のでしょう。最近のはシワも寄りにくく出来ています。
いずれにせよ里見先生は学究肌で着るモノなどには頓着しないというイメージを出すための演出でしょうが、髪の毛とかは長いんだし顔もせっかく江頭2:50に似ているんだから、この人の方がこじゃれた白衣が似合うのではないでしょうか。黒のタイツと。
蛇足ですが聴診器も家に持って帰らないでほしい。どんな感染症の患者の診察をしたかわからない診察器具はなるべく持ち帰らない。大事な一人息子やくねくね奥さんにうつるよ。自宅用に聴診器の一つくらい、けちけちしないで買いなさい。
2004年2月
2月2日(月)
早いもので2月ですよ。
インフルエンザの方はだましだまし快方に向かいましたので、土曜は博多に同門会の会合に行ってきました。わが医局は同門会が出来てまだ4年、弱小の会ではありますが、今年は主任教授が退官されますので現役最後の同門会となり、幹事としては欠席するわけには参りませんでした。同門会の歴史は浅いのですが、医局としては結構歴史を重ね、何十人もの後輩たちが育ってきました。
てな具合で同門会の後、二次会、三次会に行っていたら結局3時半くらいになってしまいました。少々ぶり返しぎみなのは不摂生のバチがあたったのでしょう。
2月3日(火)
先日「怪奇大作戦」のDVD懐かしくて購入しました(ってまだ1巻だけですけど)。
私の記憶に甘いところがあって、もっと前だと勘違いしていましたが、実はこの作品群は実はウルトラセブンの後継作品として世に出ています。当時純粋無垢な私もかぶり物シリーズには若干疑問を感じ始めておりました。それでこの番組は特に興味深く、どきどきしながら見ていた記憶があります。(カマイタチという言葉もこの番組で初めて知りました)
今見るとさすがに恐怖感こそ少ないですが当時、子供番組ごときにかなり力を入れて作り込んでいた様子がわかり感銘深いものがあります。
第4話「恐怖の電話」では電話の増幅装置を使い、超音波を熱線に変換して電話に出た人を殺すというアイデアの作品ですが、発火する人などの特殊撮影よりも登場人物の人間像の描き方やカメラアングルのディテールの部分などがとても子供番組とは思えないほど練って作っており当時の番組に取り組んでいたスタッフの心意気が感じられました。
それにしても劇中出演者が恐ろしくタバコを吸うのには時代の流れを感じます。
2月5日(木)
この前、車に乗っていると信号待ちで隣に並んだ車を運転している若いお嬢さんが歯磨きをしていました。清潔好きで大変よろしいのですが、磨いた後、口に残ったモノ(唾液やら何やら)はどのように処理するのでしょうか。車の中にはミネラルウオーターとかは乗せているのでしょうが、バケツなどはないですよねえ、まさか。
さすがに歯磨き粉まではつけて磨いてないようですので、大量の廃棄物が発生するとは思えませんが、多少の唾液等は分泌されますよねえ。飲み込むのか知らん。ガムをかんでも唾液は飲み込むのだから気にすることもないのでしょうが、美形のお姉さんだったので少々気にかかりました。
唐突ですが、ワシントン条約って知ってますか?1973年にワシントンで採択された絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約のことです。日本はこの条約に1980年調印しており、希少動物などの輸入、取引は禁止されております。
北九州に住んでいる関係上、あまたの知り合いが「美容外科なんぞ、怪しい商売して小金を貯めただろう。ふぐくらい喰わせろ」という訳です。怪しい商売もしていないし、小金もちっとも貯まりませんが、そんなときは「トラフグはワシントン条約に入ったので喰えない。カナトフグなら大丈夫だ」と答えることにしております。
遠い所の人間ならだませますが、近くの人間は有無を言わせず押しかけます。
2月6日(金)
暦の上では立春を過ぎましたが寒い日が続いています。今日も朝から雪です。
●今週の白い巨塔
法廷モノっていうのは大好きでいろいろ読むのですが、今回のは法廷モノにしてはひねりみたいなものが少ない気がします。もう一つ紅会というような前時代的奥様集団があり、「大学を守りましょう!」なーんて言っている脳天気な大学があったらもう一回入学してみたいですが、まあ、それも良しとしましょう。
財前先生の手術の腕の良さを際だたせるために後腹膜腫瘍の患者さんを持ち出してきました。ちょっと気になったのがまたまた里見先生のひとことです。「癌なんでしょうか?」「いえ、癌ではなく肉腫だろうと思います。」
待ちたま~えっ。素人相手にそんなこと言ってはだめでしょう。先生。上皮性の悪性腫瘍を癌と言い、非上皮性の悪性腫瘍を肉腫と言います。ですから、言っていることに間違いはないのですが、いかにも悪性度が少ないように言いくるめてませんか?それから臆面もなく財前先生に頼むのはもうおやめ。見てると頼むばっかで自分はちっとも頼みを聞かないですよねえ。君は財前先生を同級生と思って気軽に頼むばっかしですが、少しくらいは恩に報いるということもしなければいかんでしょう。
ごるあ~、金井助教授、何してるの?術中の出血ごときであわてるんじゃない。だいたい教授をしっかりバックアップしなければいけない講師以上のクラスのスタッフが前から言っているように頼り無さ過ぎ。昨日今日出来た医局ならスタッフもそろって無いでしょうが、伝統ある浪速大学でしょ。頑張ってよ。
里見先生、自分が大事な証人尋問に出る日くらい遅刻してはいけないでしょう。そんなことだからついにくねくね奥さんも切れたでしょ。悩むくらいなら最初から安請け合いをしない。
法廷では財前先生の証言のほうが迫力があって良かったですね。ただ術前に転移を疑ったものがいてもいいんです。それを承知で手術したという方がよっぽど心強い感じです。ウソがウソの上塗りをしてにっちもさっちもいかなくなるケースがあります。
教授、最近の古賀潤一郎さんの関連記事を熟読して参考にして下さい。ふられた瞳ちゃんに未練があるのもいただけません。

誰でもありません。
2月7日(土)
娘の小学校でプルタブを集めています。集めると車いすや何かと交換してもらえ、地域の役に立つという訳です。
ボランティア精神や人の役に立つという心を育てるには良い教育かもしれません。
しかし、よーく考えてみるとものすごく効率の悪い方法だと思いませんか?同じアルミの廃棄物を集めるのなら缶そのものも集めれば良いと思いませんか?なぜにプルタブ?
一体どのくらいの数を集めれば換えてくれるのでしょう。
昔はプルタブというのは缶本体からはずれるようになっており、これを道などにポイ捨てするのが横行し、一時プルタブを集めようという運動が高まりました。
困ったメーカーは苦心の末、はずれないプルタブを発明し、現在はほとんどすべてがこのタイプです。
はずれないプルタブをわざわざ引きちぎって集めるのも変な話です。小さなプルタブの方が集めたいという関心をそそるのも事実だし、缶そのものでは洗ったり、分別したりも面倒です。
しかし、一体どこの誰がプルタブと車いすとを交換しているのでしょうか。
2月9日(月)
早速プルタブについて読者の方から教えて頂きました。
プルタブで車いすに交換できるんだそうです。ただ、800kgのアルミがいるそうなので、プルタブに換算するとなんと160万個(!!)だそうです。全校生徒1000人の学校で賄おうとしますと一人1600個、もし1年で達成しようとしたら一家庭あたり1日4.4本の缶飲料を飲まねばなりません。糖尿病とか太りすぎには十分注意が必要です。(我が家では私が喜んで無理をして缶ビールを頑張って飲みます)
やはりアルミ缶リサイクル協会ではアルミ缶そのものの回収を勧めているということです。当然ですが、効率はプルタブのみの40倍と言うことですので一人あたりの割り当ては一年で40個、10日に一本くらいなら現実的な数字になってきましたね。
誰が考えても多少おかしいなあということに対し、何も疑問も持たず教育の場にまで、このような話を持ち込むのはいかがなものでしょうか。それより地球の資源の問題をしっかり教え、アルミというモノのリサイクル性をきちんと教えて頂きたいものです。(まあ、それを教えていればプルタブのみ集めるということの不合理さは自ずとわかるでしょうけど)
プルタブだけは後生大事に取っておき、残ったアルミ缶を分別もせずにゴミ出ししているような家庭がないことを祈ります。
いつかも書きましたが、学校のPTAの会か何かで「水からの伝言」という本に書いている、水に良い言葉で話しかけるときれいな結晶が出来、悪い言葉なら結晶にならないとか、そのような話が教育に関連して父兄から出ていました。いかにも多少の科学味があり素人受けしそうな内容です。
世の中には常識や科学でも証明できないのもは数多く存在します。そのこと自体を否定するものではありませんが、再現性のない現象をいかにも科学的であるように体裁を整えてパブリッシュするというのは如何なんでしょうか。信じる信じないという範疇を超えて事実のような顔をして教育現場にまで浸透してきたということが怖いです。
2月10日(火)
先週の土曜、高校の同期会がありました。いつもの奴らが集まって飲むだけの単純明快な会です。我が母校は当時からお世辞にも(偏差値の)良い高校とは言い難かったのですが、かてて加えて現代の公立高校の流れなのか、私立有名進学校に押されに押されて、今では不良学校と化しているようです。
まあ、そんな中、昔から良い生徒とも言えない50近いはげ親父やゴムの入ったスカートのおばさんたちが集合して飲むと、心だけは純情な少年、可憐な少女に(無理矢理)戻っても、しかし話題は自分の糖尿病のことや前立腺、別れた旦那の話など下世話な話題に終始するのが常であります。
しかし、男も女も人前では何かしら繕い、はげも隠せばスカートのゴムも隠します。30年来の友人に色気や何やらは無縁ですが、ふと家で見た鏡に映った己の姿に多少の気後れや老いを感じるとしたら、しかしそれは実は決して捨てたものではなく、まだ何かしらの捨てきれない希望とか夢とかが、もやもやとオーラの如く頭周辺に漂っている証左です。
そのような節には、お早めに我が社でお手入れをすることをお勧め致します。(何のこっちゃ)
2月13日(金)!
●今週の白い巨塔
早いですねえ、結審。鑑定人の唐木教授の鑑定一発で決定ですね。原作ではもう少し捻って財前教授に不利な要素なども取り混ぜながらようやく逆転勝訴という感じに持って行っていたような記憶がありますが、やはり2クールでは時間が足りないのでしょう。
しかし、これではこの社会派ドラマの意味が多少薄まるような気がしますが如何でしょうか。こう簡単に原告敗訴では、やっぱりそうか、という感覚が残るのみで患者良い人、医者悪い人の昔からの構図に何ら変わるところがありません。せっかくのリメークですので、もう少し現代に即した仕上がりにして頂きたかったのものです。まあ、今後の展開に期待しましょう。
しかし、裁判も早いが里見先生の退職も早けりゃ、家庭の修復も早い。財前先生も瞳ちゃんとの仲直りも早いねえ。アウシュビッツとかは一体何だったんでしょうか。瞳ちゃん途中降板か?とかいろいろ詮索した割には意味わからんでした。
こらー、里見い。いくら自分が気がないったって大衆食堂に教授令嬢を連れて行くなって。気がないのをそれほどまでに露骨に表現できるとは。ストレートにもほどがあります。私でももうちょっとこじゃれた店に連れて行きます。おまけに傘まで借りて帰る始末です。佐枝子さん、大盛りカレーを注文した時点で気が付きなさい。ずーっと待ってたんでしょ。雨の中(しくしく)。
よ~く考えよ~♪お金も大事だよ~♪
2月14日(土)
いわゆるバレンタインデーです。私が子供の頃には無かった風習ですが、チョコレート屋さんやお菓子屋さんの戦略が見事的中した例ですね。昔、かの平賀源内がウナギの宣伝を頼まれ「土用の丑の日」と言うキャッチを作った(と言われている)のと似ています。古今東西、頭の良い人はいるものです。
3月14日は美容の日で彼が彼女に手術をプレゼントする日です。
(だったら良いんですが)
うちもスタッフはすべておなごということで、たった一人の男性の私にいやいやチョコレートをくれる訳ですが、「一同からで~す。」というのは如何なモノでしょうか。
まあ、値段が偏らない、一人あたりの出費が少ない、かさばらない、あげたくない人がいても角が立たない・・など多数の利点はありますが、そこまで「義理」に徹する姿勢を示されますと3月14日のリベンジに向け、計画を練らねばなりません。(おのれ見ておれ、おなごども)
コレデモムカシハシヌホドモラッタンダゾーダ。(遠吼)
2月16日(月)
穏やかな春麗ら(馬ではないよ)です。昨日は陽気に誘われ久しぶりに博多のマリンワールドに行ってきました。今や「ファインディングニモ」の影響で水族館でもカクレクマノミが一躍メジャーに躍り出ています。
ヒラメとカレイの区別つきますか?「左ヒラメの右カレイ」と言って背びれを上にして左に頭が来るのがヒラメ、逆がカレイということです。どっちでも良さそうないい加減な分類だなあ、と思っていたらとんでもありません。稚魚から成長する際、目が片方に寄ってきますが、この時交叉した左右の視神経のどっちが上か下かで分類されているとのことです。恐るべし、分類学。
さて、本日遅めのバレンタインチョコが一個届いて、今年分はすべて出そろったようです。傾向を分析してみましょう。
1.飲み屋関係(70%)、2業者関係(20%)、
3.従業員関係(5%)、4.患者関係(5%)、
5.本気関係(0%)、終了(早っ)。
n(母集団の数)が少なすぎて分析のしようもありません。しかも一番多かったのが飲み屋関係ですが、これはチョコレート代の何千倍もの支払いをしていると思いますので当然です。また、そのお姉さん方に本気関係が含まれている可能性はまず無いし。
最近はバレンタインという風習を個人的に廃止した方々も多いらしく、この関係者が今回少なかった(無かった)4.本気関係に本来分類されるべき若い女性の方々だったと推測しておる次第です(号泣)。
2月17日(火)
つくづく女性は大変ですなあ。「お化粧を落とさず寝てしまったら吹き出物が出来ました。」てなことがしょっちゅうです。男の肌はそれほど鈍感なのか、お化粧しないで済んでいるからなのか、何かの拍子に朝起きたら吹き出物が出来ていたなんてことはありません。
もしかしたら男といっても若者にはそんな症状が現れるのかもしれませんが、私ども老齢の者には無縁の話です。
ホルモンのバランスや皮膚の新陳代謝、紫外線の被爆量、皮膚の厚さ、皮脂の分泌度、スキンタイプなどいろいろな要素が絡み合って皮膚は老化したり若返ったりします。
一般に40歳を過ぎると男の方が肌がきれいなような気さえします。いや、もしかすると女性の場合は肌に目が行き、男の場合はハゲとかデブに一番に目が行くからなのでしょうか。
「老け」は容赦なく怖いものです。特に女性の場合、肌のつや、シミ、小じわ、タルミになって現れます。男はその分、顔からよからぬ油的なモノを分泌してつやを出し、またタルむ速度より早く太って誤魔化しています。
同窓会があったら見てご覧なさい。女性はみんなシミやタルミを気にしますが男はハゲやデブ(おなか方面におけるタルミ)です。そこが目立つと言うこともありますが、性的な特性として、それぞれの部分に老化現象が起こっているという訳です。
男は禿げればカツラをかぶれば良いけど(個人的にはいっそスキンヘッドにしますけどね)、女性は顔にカツラはかぶれません。ああ、それがお化粧かあ。
2月19日(木)
昨日も麗らかな陽気でしたね。庭の白梅紅梅も開花しビジュアル的には春そのものです。
 
白梅 紅梅
 
しだれ梅 水ぬるむ
青い空に映えてきれいでしょ。ついこの間は雪景色だった「つくばい」の小さな水の世界も春の太陽からゆっくりと暖かな力を分けてもらい、ゆらゆらときれいです。
わずか50光年しか離れていないケンタウルス座の中に直径4000キロものダイヤモンドが浮かんでいるというニュースがありました。白色矮星となった星に含まれていた炭素が収縮の圧力で結晶化したのでしょう。宇宙は広く、どんなことでも起こり得ます。夢のある、果てしのない話です。
でもニュースで言っていたコメントがいただけません。「10の34乗キャラットなので、値段にすると・・・・円になりますね。」値段をつけるのは如何なものでしょうか。ダイヤモンドは地球では希少価値ゆえに高額なわけで、こんな月ほどもあるダイヤがあったらどうなるでしょう。
世界の人口60億人で山分けすると、それでも一人あたり1.6×10の24乗キャラットのダイヤモンドの割り当てになります。1キャラットは0.2グラムですから一人あたり3×10の12乗メガトン、こんなダイヤ付けたら指がちぎれます。値段は当然・・・「ただ」でしょう。
第一、地球の軌道が狂います。

ダイヤモンドの核を持つ星(想像図)
2月20日(金)
●今週の白い巨塔
どんどん原作から遠ざかってしまってコメントしづらいです。
里見先生ついに首になってアパートを出ます。優しい財前先生が現れ高度がん治療センターが竣工した暁には里見先生を迎えたいとまで言ってくれました。素直に受けなさいよ。裁判では不利な証言をしたにもかかわらずこんな良い話を持ってきて下さっているんです。
医師としての技量とかを評価してもらっているのであって裏はありません。変にこだわっているのはむしろ里見先生の方じゃありませんか?
弁護士の関口先生も大変ですね。栄養状態が悪いらしいです、今時。着手金200万円では1年はもたんでしょう。佐枝子さんのバイト料も払わなければいけませんし。
どうでも良いことでしょうけど、五郎、花森ケイ子、亀山君子、又一、よし江、禎蔵などの名前ですが、原作をあれだけいじっているんですから多少現代風に換えても良かったのかなあ。ちょっぴり昔風ですよねえ。悪い名前ではないのですが、ハイテク感が若干少ないですよね。
と言うことで今週は手抜きして見てましたので、あまりつっこめませんでした。
昔々、大学で勤務の頃のお話です。当時の給料は研修医で3万円くらい(昭和初期の話じゃないですよ)でしたので、当然食べていけません。大学の仕事が終わってから当直をしたり、日曜などもアルバイトをして何とかやりくりします。今なら婚約指輪は10万円でおつりがくるなあ、なんて話してました。
給料3万円じゃちっとも偉そうに見えないので、患者さんの前では100万くらいもらっているような顔をしています。
大学では朝から晩まで忙しく働くのですが、所詮研修医なんてお世話係みたいなもので、執刀をした訳でもないのに毎日の点滴などはせっせと行いますので、患者さんに一番近い存在ではあります。
そんな中、たまに患者さんから「お礼」を頂くことがありました。普通は「いえ、そのようなモノは受け取れません。医師として当然のことをしただけですから。」など言うのですが(言うか?)、患者さんと本当に近しい中になったり、月末だったりすると、恥ずかしながら「いえいえ。」と言いながらも喉からだけでなく体中から手が出てたりしますから育ちの悪さがわかります。
そんな中、ある患者さんが退院の時お礼を言いながら封筒を差し出します。下世話な話ですが、封筒の中身が1万円なら給料の3分の1、3万円なら1ヶ月分です。封筒にばかりちらちら目が行くのを我慢しておりましたが、さて封筒を差し出され、「あのー、これなんですけどお。」
狙いすましたタイミングで「いえいえ、このようなものは受け取るわけにはいきません。お気持ちだけ頂いておきます。」気持ちとは裏腹にお答えしますと、
一瞬の間をおいて「この診断書、書いて頂きたいんですけど・・・・。」
(^_^;)ってね。 タノムカラモジモジセズニハヤクイッテクレ~
2月21日(土)
土曜のかき入れ時というのに私は午前中いっぱいをつぶして何と娘の「お遊戯会」(!)に行っていました。土曜の午後をつぶして博多に飲みに行くことは許されても、まさか、私としたことがオユウギカイとは。。。(トホホ)
●後を引くチョコ問題
同じ男性の場合、独身と既婚ではどちらがチョコを多くもらうでしょうか。これはチョコの数というわかりやすい数値に換算して言っているだけで、本質は「独身男性と既婚者ではどちらが魅力的か」という命題に置き換えてもよろしい。
掲示板で「ほたる」さんが言っているように結婚したとたん、旦那のもらってくるチョコの数が減ったが、これは結婚によって旦那の魅力が減ったからか否か、という身近な所に疑問として現れてきます。
結論から言うと否、奥様の考えすぎです。結婚ごときによって男性の魅力が半減するとしたら、それは結婚以前の魅力がすでに幻影だったからに違いありません。ショーンコネリーを見てください。ベッカムを見てください。結婚が魅力にかけらも影響してはいません。むしろ、少し遠くに行った分だけ、魅力は増している感すらあります。
もし本当に減少したとすれば奥様の分を足して二で割ったら減った(奥さんがすごく変な人だった)と言うことになります。
未婚の女性にとって未婚の男性に、より多くの魅力があるとすれば、それはその男と結婚できる確率が既婚の場合よりやや高いという程度の差でしょう(多少若いとかは別問題ですよ)。今時、その差はベルリンの壁と言うより、せいぜい敷居程度の高さにしか思えません。ひょいと超えれば不倫→離婚→独身となり、更にバツイチというワンランク上の称号さえ手に出来ます。話がディープな部分にかかってきました。
さて、新婚早々の男の子にチョコレートを送らないのは多少礼儀とか遠慮とかを考えただけでしょうね。
それより旦那が来年、再来年は昨年を上回る勢いでチョコを獲得出来るように体型、服装、教養、経験、嗜好などを整えるようにするのが、その努力を忘れがちな旦那に代わって一対の夫婦としての奥様の役割です(格好良い夫婦と思われようと思ったらね)。
逆に言うと奥さんより旦那の方が異常に上記を気にし始めると、それはワンランク上を狙っている、ある種健全な兆候とも言えます。
談)結婚歴13年前科なし。職業破れ医者。
2月23日(月)
医師への謝礼の話が好評につき、もう一つ。もしかして昔書いたことのある内容だったらごめんなさい。最近アルコール性記憶障害がとみに悪化しているもので。。
これも大昔、医局時代のお話です。70代のおばあちゃんの受け持ちになりました。何の病気だったかは忘れてしまいましたが、1週間ほどの入院でしたので、深刻な病気ではなかっただろうと思います。お元気とはいえ、70代ですので手術後心配です。毎日点滴をしたり回診したり、日に何回も病棟を訪れては世間話をする仲になっていました。
いよいよ退院の日。退院後の注意点、今度いつ来たら良いかなどをお話します。診断書なども謝礼の封筒と間違えないように細心の注意が必要です。
看護婦さんも去った後、おばあちゃんは「誰にも黙っといて。先生だけやけん。」こっそりと私の白衣のポケットにと小さな包みを押し込みました。「何をするんですか。医者として当然のことをしたまでです(だから言わないって)。」
どう間違っても診断書ではありませんよねえ。でも人目のある病棟ですぐに確認するわけも行かず、ややずっしり感のある左ポケットの上から手を添え小走りに医局に帰って人気にないところで包みを開けました。
そー言えば、あったよなあ、確かおばあちゃんの病室の枕元。誰かが持ってきた、お見舞いの菓子箱。
謝礼には違いありません。ポケットからはちり紙に包んだ「おまんじゅう」が一個、にこにこしながら転がり出てきました。
2月26日(木)
季節は確実に春に近づいています。昨日はお天気もよく、暖かかったので、午前中天神で用を済ませ、午後からは洗車をしました。前回は水も身を切るように冷たかったのですが、昨日は冷たさも心地よいくらいでした。
久々に昼間天神界隈をうろつきました(暗くなってからは中洲、西中洲、西通りあたりには出没)。特に大事な用事はなかったのですが、ちょっと特殊な腕時計の修理を頼むため博多まで出ました。特殊と言っても高価な訳ではなくロシア製のためこちらでは扱っているところが無いため泣く泣く出かけました。(18000円の時計なのに風防が破損し5000円の出費+交通費)
天神に行くとパトロールするポイントがいくつかあります。国体道路沿いの中古時計店、ビックカメラ、天神の本屋、ベスト電器本店・・・このあたりをダッシュでパトロールし結局何も買わずに(ラーメンだけ食って)帰ってきました。
それにしても国体道路の天神周辺の地下工事は永遠に続くのでしょうか。おそらく地下にサンダーバードのような秘密基地が完成しつつあるに違いありません。横断歩道を歩いていても地下に巨大な空洞が広がっていると思うと、突然陥没してしまうのではないかとふと心配になります。あれだけ大量の車が通ってよく平気なものです。完成の暁には緊急の場合、旧岩田屋部分がガーッと開いて2号が飛び出してきます。
2月27日(土)
●今週の白い巨塔
医師は基本的には診療に手を抜くことはありません。医師性善説のように聞こえるかもしれませんが、患者を救いたい、病気を治したいと思ったら一見無駄のように見える検査まで行いたいのが本音です。検査漬け、薬漬けなどという言葉に表されるように医療費の無駄遣いを助長する検査、投薬は厳に慎むべきですが、もう一つ検査をしなかったばかりに悪い結果を招いたという事例も少なくないのも事実です。
お祭りで買った綿飴の割り箸が喉に刺さって救急外来に受診、ろくな検査もせずに帰して、その晩亡くなったという悲惨な事故がありました。
このような場合、一見して何ともないと判断してもCTとか撮るべきだったかもしれません。(結果、そうしなかったことが裏目に出ました)
夜、当直の技師を起こし、患者さんには長い時間待って頂き、子供なのによけいな被爆までさせます。でも結果的には検査漬けと言われるのを覚悟しても撮るべきだったのでしょう。
また、救急病院の当直医師の体制にも大きな問題があるのも事実です。
しかしまあ、こんなことを考えても財前先生は強気ですよねえ。いくら前教授の回診日に手術を合わせるためとは言っても自分で疑問があれば医師ならば再検査をしたはずです。このドラマを見ていると財前先生は能力の限りを尽くして頑張ったんだとしか思えません。人が何を言おうとも自分は常識として炎症性変化としかとらえられなかったのだから仕方ありません。何かアドバイスする人がいても変な意見を言う常識外の人と思っていたような節さえあります。
でも強気なら強気で手術中に妄想にかられてボーっとしてはいけません。信念を持ちなさい。あまり周りの雑音を気にしているとせっかくの外科医の腕も鈍ってしまいます。
何度も言うようですが、この裁判の争点は誤診とか精査云々の問題ではなく、術後の処置と患者さんとのコミュニケーションの問題です。つまり、財前先生を責めるのなら、有能な人材(自分で判断して行動できる人間)を育てていないことを責めるべきです。本当はこれって前教授が悪いんですけどね。
そんなことより今日はちょっぴり冗長な白い巨塔の内容なんかよりもっと重要と言うか驚くべきニュースがありましたよねえ。そうです。宗教法人「釈○会」のことです(今日のニュースの宗教法人「オウム真理教」は別格ですよ)。
財前教授夫人、何と実は教祖夫人になっていました。お相手の会長は100キロとも150キロとも言われるスキンヘッドの教祖様です。白巨は結婚ラッシュで、くねくね奥様も代議士夫人となったばかりで驚いていましたが、その比ではありません。
しかし、どうして教祖様というのはみんな一様に怪しげ(失敬、他意はありません)な感じが漂っているのでしょうか。それをオーラとかカリスマ性とか言うのかもしれませんが、教授夫人もやっちゃいましたって感じです。記者会見も多少宗教がかっていて興味深く拝見しましたが、如何だったでしょうか。
婦人、私の趣味とはちょっと違いますが、いくら何でも相手がジャバザハットでは私も納得がいきません。
おーし、比較してみましょう。
カリスマ性
財力
体重
容姿
学歴
センス
妻の容姿
カラオケ
信者
油度
教祖様
抜群
十分
150キロ
好きずき
大学出
不明
良
上手
多い
強
破れ医者
なし
借金はない
よりは少ない
おやじ
大学出
そこそこ
言えない
下手
居ない
かさかさ
あちゃー、勝ってないじゃん。一個も(悲)。
2月28日(土)
教祖つながりですが、麻原彰晃に死刑判決が下りました。当然と言えば当然過ぎる判決です。
宗教とは個人の心の平和や豊かさを追求するための支えと認識していますが、それを実現するためには他人の命すらも奪うことも是とする教義が存在するのもまた事実です。
古今東西、宗教戦争というものが絶えません。本来の宗教の目的からしてあり得ないことのように思うのですが、歴史上宗教の名の下に幾多の生命が絶たれてきました。宗教が個人の心の中の問題から社会的、政治的権力を持ち始め、利害、利権などがからまりついた果ての結果だと思います。
個人の心にある宗教心というのはいつも純粋で汚れのないものだと信じています。神(自然や神のようなモノなども含む)を敬う心というのは無宗教の私でさえ持っていると思います。祈るという行為は何も神に対してではなくとも良い訳です。「宝くじが当たりますように」、「受験に受かりますように」などと言う祈りは神様のような大それた方を持ち出さなくても自然に心の中で湧いてくる祈りです。
日本にもたくさんの新興宗教が存在します。多くは小さい集団で慎ましく信仰を守っているものでしょうが、我々がマスコミ等で目にする新興宗教の多くはカルトなんかの特殊な集団が多いです。ある日天の啓示を受けた教祖という人が居るのが一般的です。
偏見かもしれませんが、天の啓示を受ける資格と言うのは、やはり多少怪しげ(失敬、言い換えれば個性的)なお顔を持っていることが条件なのでしょうか。
麻原彰晃にしても福永法源にしても相当インパクトのある顔をしていますが、このような人に帰依する信者というのはどのような人物なのでしょうか。顔つき的に怪しいなあとか思わないんでしょうか。信者がセミナーや足裏診断で巨額の財産を吸い取られても文句一つ言わず信じてついてくるというのは凄いことです。ギブアンドテイクの商売では絶対不可能な話です。
やっぱり医療法人を止めて宗教法人くろき・ひろクリニックにしようかなあ。ひげとか30センチくらいに伸ばして。
2004年3月
3月1日(月)
いよいよ3月です。本当、早いですねえ。
それはそうと渡辺謙、残念でした。アカデミー賞といえばノミネートされただけでも名誉なことで知られる映画界一の賞です。これから先の映画人生はきっと相当開けてくるでしょう(もうすでにバットマンの準主役に決まっているそうですけど)。白血病や離婚や借金やといろいろありましたが、ハリウッドで準主役ならギャラは1億円は下らないでしょう。頑張ってもらいたいものです。
やっぱり人は背負った困難の分だけ内面は磨かれたり、すり切れたりするんでしょうね。久しぶりに友人とかに会うと、昔の面影から相当遠ざかっている人もいますし、そうでない人もいます。どうしてそんなに変わったの、と言う人はきっと私の知らない人生でかなり色々な経験を経て来たのだろうと思います。
私は商売柄色々な人の顔を見ます。顔のことでご相談される方の顔を見るのですから、それなりの目で見ます。
そうすると若い人は若い人なりの、ポーッとしている人はそれなりの、厳しい人生を送って来られた方はそのようなお顔をしておられます。
自分の顔は美容外科なんぞに頼らず、本来自分で磨いて行くべきですよね。
3月4日(木)
何ですか、今朝の寒さは。梅の花も散ろうかというのに雪まで降っています。寒さに弱い私としては朝早く起きて犬の散歩をするのがつらいです。
怪奇大作戦「かまいたち」、懐かしく観ました。かまいたちというのはつむじ風に乗って現れる妖怪の一種です。3人兄弟の妖怪で最初の一人が人を転ばせ、2番手が鎌斬りつけ、3番目が薬を塗ってゆくという風に伝承されています。ですから、つむじ風が吹くと皮膚などがスッパリと切れ、しかし痛みは感じないという現象が起こると言うことになっています。
ドラマではある青年が狙った場所に真空状態を造れる装置を作り、通りがかりの女性に試用したという設定です。真空状態を離れた所に作ることが可能か、また真空になれば皮膚が切れるものかなどは置いておくとして、当時少年(私)は初めて知った「かまいたち」という言葉のおどろおどろさと共に強い印象を受けたものでした。
リアルタイムの当時はドラマの中の設定というのもに違和感も何も感じなかったのですが、今観ると、その世界は妙に非現実的で(ドラマだから仕方ないが)、全体に素直な(子供向けだからか)世界観が支配しているように見えます。言い換えればその世界の延長線上に現在の世界が存在しないような設定になっている気がして仕方がありません。もしかしたらドラマのバックグラウンドの社会設定は現実のそれとは意識的に違った世界に設定されていたのかもしれません。
何十年もの時を隔てて、同じモノを見つめると自分と共に社会そのものも大きな変化をしていることが明確にわかって面白いですね。
3月5日(金)
昔は多趣味な人間と言われていたのですが、今は趣味ないですねえ。強いて言えば、またほじくり出せばいろいろあるのですが、どれも中途半端でいけません。このまま年寄りになってしまうと無趣味なじじいになってしまいそうで怖いです。
今のうちにゲートボールでも始め、じじいになった暁にはばあさん連中のヒーローになるというのも良いかもしれませんが、そのような根気もありません。
小さい頃、私の父親はバイク乗りでした。今はもう80近いですので、さすがに乗りませんが、ついこの前まで大型バイクに乗ってツーリングとか楽しんでました。私も影響を受け、大学時代にはモトクロスのレースに出たり、友人とツーリングに行ったりして青春を謳歌しました。数年前英国の古いトライアンフというバイクを購入し、いじっては楽しんでいましたが、このバイク、なかなかのくせ者で相当な気合いがないと乗れません。けっちん(知らないでしょうね)は喰らうは、右シフトやらでじゃじゃ馬この上ない機械です。
だんだん季節が暖かくなってくると、またぞろバイクの虫が騒ぎ始めます。もう少~し素直でおとなしいバイクがほしくなってきました。
驚くべきことにうちの前の道ばたに「バナナの皮」が落ちていました。どうして今時このようなモノが落下しているかも不思議ですが、まず最初に思ったのが「滑るかも」ということだったことに驚きました。
バナナの皮で滑って転んだり、自転車に乗った蕎麦屋の出前が転んで頭から蕎麦まみれになったりするというのはマンガの世界ではあっても現実世界では未だかつて見たことも聞いたこともありません。
考えがステレオタイプというか刷り込まれているというか、何とも不思議な感覚です。
ちょっと踏んでみて滑るかどうか確かめたいという衝動にかられたのも事実です。
●今週の白い巨塔
原作との違いには驚きますが、まあ、置いておくとして。
私が口を酸っぱくして(そうでもないが)言っていたように、この裁判の争点は誤診などではなく、患者との信頼関係や説明義務(インフォームドコンセント)なのです。今時の医療事情に詳しい弁護士ならこの点をつくのが当たりまえです。もー今どき気づくなって。
それはそうと里見先生は相当な悪ですなあ。だって、前の教授の東先生を法廷にと弁護士に進言したの張本人は自分のくせに結局は佐枝子などに責任を押しつけているようにしか見えません。
里見先生の壮大な浪速大学への復讐劇になってしまえばいっそ面白いのですが。
3月6日(土)
昨日は啓蟄だったんですね。あまりの寒さにすっかり忘れていました。去年も書いたような気がしましたが、虫たちもまた冬眠に戻ったかもしれませんね。
明日は博多でアンチエイジングセミナーです。宮崎から久しぶりの先生が見えますので行ってきます。今日の夕方から博多に入って夜は中洲で飲んでます。
3月8日(月)
昨日は博多でアンチエイジングのセミナーに行ってきました。
宮崎の中野先生、東京の征矢野先生、根岸先生に講師になっていただき、お勉強してきました。
中野先生は私が大学で勤務の頃、一緒に仕事をさせて頂いた先生で、現在は宮崎で皮膚科を開業し、レーザーを中心としたアンチエイジングにも力を入れておられます。
征矢野先生は千代田区で開業されている先生で、コラーゲンなどフィラー注入の権威です。
根岸先生はご存じ女子医大でフォトRFを精力的に研究している女医さんです。
今、低侵襲の治療が流れになってきており、興味のある先生方もたくさんおられるようで、昨日も多数の先生方が熱心に聴講しておられました。私自身もなるほど、と思うような新しい発見もあり、有意義でした。
昨日セミナーに行ったとき時計を忘れているのに気づきました。この際、前から気になっていた時計を買おうとセミナーの前の空いた時間に時計屋さんに行きました。
ハードユースに耐え得る(ぶつけても何しても惜しくない)カジュアルな時計はやっぱりダイバー系ですが、このモデルはNavy SEALsご用達のルミノックスです。本体はプラスチックですし高価な時計ではないのですが(と言うか見るからに安そう)、ちょっぴり派手な色遣いが気に入らなかったので買うのをためらっていましたが、今回TICTACとのコラボで地味なモデルが出来ました。文字盤のインデックスは殆ど黒。だたしトリチウムガス封入のルミナイトはさすがに明るく、なかなか渋い仕上がりになっております。機械式以外の時計は基本的には好きではないのですが、日常使いと言うことで許しましょう。
映画と時計ファンなら記憶にあるかもしれませんが、オーシャンズイレブンという映画の中でジョージクルーニーがタキシードにドレスウオッチと、このルミノックスを同じ腕に二つ巻いておりましたね。(って普通は見てませんよねえ)見落とした方はもう一度ビデオ見てみてください。ルミノックスを付けていた理由がわかります。

3月9日(火)
来週の金曜はいよいよ母校の教授の退官式です。この教授、20年前に請われて教授の座に就き、以来医局を育て形成外科という分野の重要性を大学内のみならず九州一円に知らしめた功績のある人物ではあります。
ただ、一個の人間として見ると類い希なる性状を持った人間とも言え、我ら教室員は20年間悲喜こもごもの医局生活を送ってきたと言うわけです。
教室員の中には独自のホームページで教授悪行の数々(もとい、個性的な言動)その他の人間関係、エピソードを紹介しているものもあり、話題には事欠きません。
さて、私も退官記念に一つくらいはご紹介しなければならんでしょう。
●教授退官記念エピソード集(その1)
この教授、お酒は強い方ではないのですが、講釈だけはそんじょそこらのきき酒師、ソムリエの比ではありません。
日本酒となると自分の出身地新潟を引き合いに出し、生まれたときから酒に浸っていたというくらいの勢いです。
また当然の如く毎年のようにボジョレーヌーボーの会を開き、「今年のやつはどうちゃらこうちゃら・・・」ってな具合に能書きを1時間はしゃべります。医局員はワインと徐々に乾燥してゆくチーズを前におあずけの姿勢で、いちいち「うんうん」と黙ってうなずくのが鉄則です。
さてそんな中、東京で開かれた年一回の学会総会の最終日、恒例の親睦会での出来事です。日本各地から形成外科の教授を始め医局員達が勢揃いです。親睦会の催し物というのは、その学会を主催した大学が独自に決めるもので、ある時は土地の祭り太鼓、ある時は大学対抗カラオケ大会とバラエティー豊かです。
その年はちょっぴりおしゃれにワインのきき酒大会が催されました。各地の教授連中の中でもワイン通で知られるダンディーな先生方が壇上に呼ばれます。その中、何を間違ったか、うちの教授も選手の一人として壇上にひょこひょこ上がったのです。「おいおいちょっとお、大丈夫かなあ、教授。」「いや、相当な舌を持ってるらしいよ。」いろいろな会話が周りから聞こえます。
ルールはいたって簡単。2種類1組のワインが10組、合計20種類のワインが並んでいます。2種類のうち、どちらが高価なワインかというのを10問試飲するわけです。
親睦会の、さらに教授先生がたを相手のお遊びクイズですので2種類のワインの格の違いは歴然としたものに細工しているはずです。
結果はあなたの予想をはるかに上回るできばえです。
並みいる教授連中を尻目に見事全問完全不正解。全問ですよ、全問。3~4問目からはよその教授達はうちの教授と反対の答えを書きはじめたようです。
でたらめに回答したとしても半分は正解します。全問正解する、または全問不正解にする確率は1/210=1/1024です。全部正解がわかっていてわざと外したと考えた方がより自然です(が、そうではなく違った原因のようです)。
その年の11月の第三木曜はボジョレー会、無かったと思うでしょ?いえいえ、うちの教授はそんな甘くありません。全く動じる気配すらなく、蘊蓄、能書き、講釈パワー炸裂でした。類い希なる人物とはこういう人のことを言います。
3月11日(木)
医者の不養生という奴ですが、数日前から軽い頭痛が続いて変だなあと思っていたので念のため血圧を測ってみると立派な高血圧症です。すぐにCTを撮りましたが頭の中には出血、梗塞等はなく、頭が悪いだけとの診断でした。直ちに降圧剤の服用、禁酒、塩分制限、ダイエット、夜の街への出撃禁止命令等々、数々の指令が出され、人生の楽しみの半分くらいを失った感じです。まあ手が動かなくなったら手術することも出来なくなってしまいます。致し方ございません。今度お会いする時には超スリムな破れ医者となっておるでしょう。(大泣)
すばらしいメスさばきが見られるのは今のうちですよー。お早めに手術のご予約をお取り下さい。
メス(スカルペル)の持ち方には作法があります。形成外科医が好んで用いるのはペンホルダー法と言って鉛筆を持つようにメスを持つ方法です。これに対し一般の外科医は食卓のナイフを持つのと同じ握り方でメスを保持します。前者が小さな部位を精密に切開するのに向いているのに対し、後者は大きく力を入れて切開する部位に向いています。
いくら形成外科医の私と言ってもナイフとフォークで食事をするときは普通の持ち方(外科医と同じ)です。逆に言うと皆さんが食事をしているときは外科医と同じメス(ナイフ)の持ち方をしているわけです。
外科医や形成外科医がお肉を食べるとき、まさかわざわざ手術のことを思いながら食べることもないでしょうが、タンなんかを食べると「ありゃ、舌動脈やんか。」とかフォアグラでは「グリソン氏鞘やな」(見えるか?)とか冗談言いながら食べることはありますね。
じゃ、逆に手術の時はどうでしょうか。朝から始まった手術、肝臓のオペとしましょう。手術開始から3~4時間経ってくると、まさに昼時おなかもすいてきます。まさに電気メスが肝実質を切ったそのとき、立ち上る香ばしい香りにおなかの虫を鳴らした若い第二、第三助手の君い、白状したまえ。夜は焼き肉食べようと思っただろ。
(不謹慎と思われましたらこの子達をお許し下さい。だって手術中だっておなかはへるんです。)
3月12日(金)
14日はホワイトデイって言うんですか?お返しをする日。でも日曜でしかも、うちのスタッフの結婚式ですのでうやむやにすることも可能かもしれません。
●今週の白い巨塔
裁判の行方、カンファレンスの議事録や看護師の看護記録で決着といった様相でしたね。国立病院では病棟のカンファの議事録とか取るのでしょうか。少なくとも私の所属した病院ではなかったことです。術前カンファは受持医が病歴、経過から手術計画などをプレゼンし、他の医師からも評価してもらう場です。もちろんこのときには教授も出席しており、あーじゃ、こーじゃ言います。自分の症例のことで頭は一杯ですので、医師が議事録まで取るとは思えません。事務の人や看護師が取るというのも考えにくく(公務員は自分の職務外のことは基本的に行いません)、普通はないことのように思います。
通常、術前に医師が患者に術式その他をお話するときは看護師も同席することは多いです。しかし、この場合も記録は何時に医師がだいたいこのような話しを誰にしたというくらいの記録で、「柳原先生がCTを前に言葉につまる」とかの細かな描写はあり得ません。
いずれにせよ、今時「助かりたいなら手術しかありません」などと言う医師がいないというのがこのドラマの決定的に現実離れした所なのです。「訴えられたくないので助からないかもしれませんが手術以外でも好きな方法を選んでくださって結構ですよお」というのが本音かもしれません。
多少見方が偏っているのかもしれませんが、このドラマの中では終始一貫、里見先生の態度に疑問を感じます。
まず最初に佐々木庸平を診察したときの検査内容、外科への紹介のタイミング、いざ患者の容態が急変しても結局は財前頼みで自分は手を下してないことなどです。自分の頼みばっかり押しつけて財前の頼みは一向に聞いてくれません。この時点で人の良い財前先生も相当頭に来ていたんだろうと思います。「いい加減にしてくれ。もう、お前の言うことだけは聞きたくない」という心境だったでしょう。かわいそうで涙が止まりません。
またいざ裁判になると、今度は敵方です。でないと自分が犯した過ちまでつつき出されます。あまつさえ前教授の東先生まで法廷に引っ張り出し、ひいては職を失わせる結果も招いています。里見先生も職を失ったではないかと言いますが、確かに研究施設は整ってなくてもしっかりした市中病院みたいです。また国立大学の助教授などに比べると多分2倍以上(月収100万は下らないでしょう)の給料に増収したでしょう。
佐々木庸平が内科を受診した時点で手術手術と考えるあまり肺野の陰影を見落とし、また外科への転科を急いだことが、この事件の発端と考えられないでしょうか。良い医師然とした里見先生に比べ、確かに財前先生は人間的には多少横柄なところがあり、自信過剰ではあります。しかし立派な技術を持ち、今までに大勢の患者さんを助けてきているのも事実です。今回はインフォームドコンセントがきちんとなされなかったことが最大の原因ではありますが、このように医師の善し悪しを単に横着とか自信過剰とかお金持ちとか顔が嫌いとかで裁く風潮もいただけません。
もっと言うとこのような今の風潮では腕のない医者でも、愛想がよいとか親切とかいうだけで名医と判断されかねない危険性もあるということではないでしょうか。
3月15日(月)
昨日はスタッフの結婚式でした。医師関係者などの結婚式では偉い(か?)ハゲおやじなどの含有率が異常に高いのですが、23歳の結婚式では列席の方々が非常に若々しくて華やかでした。
仲人なしの式でしたので、新郎側の主賓の挨拶に次いで私が新婦側の主賓挨拶です。新郎側の主賓と言っても会社の部長クラスですので、まだ50代くらい。挨拶に緊張感が漂い、それはそれで良い感じです。そのような緊張した挨拶の後ですので私も多少気の利いたことでもしゃべれば良いのでしょうけれど、このところの高血圧で頭が弱っており、きっちり2分、緊張感のない挨拶をしてしまいました(若村麻由美問題とか)。
その中で一番面白かったのは新郎の父上の最後のご挨拶でした。
「この年に一度の大切なホワイトデーにお越し頂きましてありがとうございました。」・・・あちゃー、うちのスタッフが思い出すやん。
しかし、最近の若者は金髪が多いですねえ。知らない間に国際結婚が増えたのでしょうか。私も多少色気を出して(白髪隠しのため)若干茶髪にしていますが、若者は「金っ」です。昔ではちょっと考えられないのですが、きちっとしたスーツ(と言ってもシャツ、ネクタイは色物です)に金髪、つんつんとんがり頭です。
私はけっして不快感などは感じないのですが、あれで営業とか出来るんでしょうか。人ごとながらちょっと心配でした。
よけいなお世話はオヤジになっておる証拠ではありますが、いくら斬新な姿形をしていても結局結婚式は昔ながらの様式通りというのが面白いですね。今の若者達もどこか保守的な部分を持っているんでしょうね。
3月18日(木)
三寒四温、日々季節は春に近づき、冬のままの掛け布団が重~く感じるこのごろです。
先日から冬の間姿を見せなかった蜘蛛が庭に巣を張りだしたようで、時々細い銀の糸が顔にまとわりつきます。春は名のみの啓蟄でしたが、いよいよ虫たちも本格的に活動を始めたみたいです。
医道審議会は2002年の青戸病院腹腔鏡手術ミス事故で業務上過失致死罪に問われた二人の医師に医業停止2年、元診療部長を同3ヶ月とする答申を出しました。
これは重い処分なのでしょうか軽い処分なのでしょうか。
同列には比較出来ないかもしれませんが、例えば運転中の業務上過失致死の場合、道路交通法では前歴がなければマイナス20点(免許取り消し、欠格期間1年)、刑法では5年以下の懲役若しくは禁固または50万円以下の罰金となっています。
なぜ医師免許取り消しではなく医業停止なのでしょうか。過去の医道審議会の答申を見ると医師免剥奪といえば、殺人、放火、強制猥褻、暴行、脅迫など、粗暴犯にほぼ限られ、医療事故の場合の取消処分というのはあまり聞いたことがありません。厚生労働省は医師に甘いのでしょうか。
医師というのは直接に命を扱う職業です。私自身も大勢の患者さんの死を目にして来ました。幸いにして医療ミスで人を死なせてしまったという経験はありませんが、この仕事を続ける限り、いつかその可能性もないとは限りません。少なくとも医師は一般会社員に比べると自分の責任で人を死なせる確率は何百倍も高いでしょう。
青戸病院の医師をかばうつもりは毛頭ありませんが、この医師達にしてもたぶんおもしろ半分やいい加減な気持ちでで手術をしたわけではなく医師として自分の技量の中で最善は尽くしたと思います。また、こういった手術を行うにあたって指導医や上司の責任というのがどれほど大きいかを考える必要もありそうです。
自分の手術であれば自分ですべての責任を負うことが可能ですし、私は実際そのように行動しているつもりです。しかし、私が雇用した医師が行った手術についてまで責任を取れるほどお人好しではありませんし、他人も信用しません。ですから私はクリニックで行う手術はすべて私自身が行い、その結果についてもすべての責任を私自身が負っているつもりです。いったん部下に手術を任せるなら全責任は自分で取るくらいの覚悟を持った、人間としての度量というものが必要です。それがなければ自分自身が手術に入って監督する責任があります。
青戸病院の元診療部長にしてみれば良く解釈すれば2人の医師には絶大な信頼を置いていたのに裏目に出たと言うことになります。悪く解釈すれば2人の医師に任せっきりで、しかも責任も負わなかった(3ヶ月の医業停止のみ)と言うことになります。
2人の医師は2年間の医業停止期間中は何をして暮らしてゆくんでしょうか。つぶしの効かない医者のことですので、他の働き口があるとも思えません。せめて元診療部長は2人の骨を拾うくらいのことはしてあげなくてはいけません。
以上は同じ医師としての立場から書きましたので、かばうつもりはなくても少なからず同情しているような口調になったかもしれません。しかし、医療の現場でもっとも大切でもっとも中心に居なければならない患者さんのことを忘れてはいけません。亡くなってからでは誰が免停になろうが関係ありません。
医師は最初から何百倍も危ない橋を渡っているのですから普通の人の何千倍も注意して仕事(医療)をしなくてはならないし、患者さんは自分の身を守るために医師の技量を見分ける力をつけなければなりません(難しいけど)。
しんどいです。
3月21日(日)
金曜は待ちに待った私の古巣の教授の退官式でした。
20年間医局に君臨し、すべての人事を掌握した教授です。私も医師となって入局し、開業するまでの十数年間医局に在籍しました。大恩のある教授ですが、叱られ方も尋常ではありませんでした。それだけ本気でご指導頂いたと解釈しています。退官記念パーティーには250人もの方々がお見えになりました。日本中の大学の主立った形成外科の教授、関連各科の教授などそうそうたるメンバーが集合です。その場でテロなどがあった場合は形成外科という科そのものが日本から消滅するくらいの重要人物がお祝いに駆けつけていらっしゃいました。
終盤は多少体調を崩しておられましたが、これからは第三の人生を有意義にお過ごしになることを祈念いたします。
●今週の白い巨塔
さて、いよいよ最終回でした。
内容については次回の特別番組の後にコメントするとして、今回はまず、唐沢の演技を褒めるとしましょう。
始まった当初は背が低いとか前の田宮に比べてアクが少ないとか色々言われていました(私も言った)が、演技というのはその役柄が徐々に身に付いて良くなるものなのでしょう。最後はなかなかの演技でした。しかしその上を行くのはさすがの黒木瞳ですね。大女優の貫禄でしっかり唐沢をサポートしていましたね。
ちょうど古巣の教授の退官と重なり、我が医局と対比するのですが、うちの医局は浪速大学に比べるとずっとのんびりしています。もちろん助教授は教授になるべく着々と準備をしているのでしょうが、あんまりどろどろとした雰囲気は伝わってきません(本人の本当のところは知りませんが)。
パーティーの二次会に教授候補の助教授が来たので、「よっ、教授」などとみんなで冷やかしましたが、まだ冷静でした。私の友人が外部から古巣の医局の教授に立候補しています。まあ、勝ち目はないでしょうけど、医局の体制に一石を投じたという意味ではなかなか新鮮な決断でした。
おっと、関係ない話しでした。白い巨塔というちょっと時代がかった小説を現代に置き換えてドラマ化した意欲には敬服します。医学ドラマというのは我々から見ると、とかくお笑いの対象になるのですが、私の目から見ると良くできたドラマだと思います。2クールしかありませんので長大な原作の雰囲気をすべて表現するには短すぎましたが、大河ドラマのように冗長過ぎず、かえって良かったのかもしれません。
また、このようなドラマが出来るのを期待します。
3月23日(火)
まさに三寒四温、花冷えかと思えば春麗、しかし、徐々に季節は春へと向かっていますね、
春麗といえば「ハルウララ」、うちの医局には春○麗という一字加えただけの医局員がいますが、まあ関係ない。
ハルウララは天才ジョッキー武豊の騎乗でもブービーでしたねえ。
競馬というのは夢を売る商売(一部にはそうでない人もいるようですが)ですが、馬券が当たることで大金を手にするという夢と反対に色々な夢を人々に与えたという意味では立派な競馬馬なんでしょうね。武豊も「ある意味名馬と言えますね」とコメントしていましたが、全くその通りです。競馬場にとっても経済効果は他の馬の比ではないかもしれません。
北九州でもっとも有名な財界人で競馬馬を200頭も所有している人がいます。かつて私もよく飲み会の席にご一緒した時お聞きしましたが、維持費だけでも1ヶ月に1000万は下らないそうです。その馬たちもメジャーでは勝てないのですが、処分するのに忍びなくお世話をしているようです。馬にのめり込むというのは計り知れないお金がかかるものなんですねえ。
●教授退官記念エピソード集(その2)
おそろしく怖い教授というのは何となく雰囲気でお察しのことと思います。恐怖のあまりに下々の者は時々考えられないことをやってのけます。
小耳症という先天的な異状があります。普通片方の耳が極端に小さく(耳たぶだけしかない場合も多い)、外耳道も塞がっているという症状です。 髪を伸ばしていればわからないので特に日常生活には支障はないのですが、小学校などでは給食当番の時マスクが出来ないとか眼鏡がかけにくいとかの不都合が生じ形成外科を受診します。
この疾患の治療のスタンダードは肋軟骨を採取し、それを削って耳の骨格の形を造り本来の耳のある部分(側頭部皮下)に埋入するのを一次手術とします。教授が執刀する場合は助手が肋軟骨を採取し、あとは作成だけとなった時点で教授を手術室にお呼びします。
助手としてはきちんと必要十分な肋軟骨が採取できたか、採取部の傷跡をいかにきれいに縫うことができたかなど、教授が見えるまで緊張しっぱなしです。いよいよ教授がお出ましになって「よし」の声がかかるといったん緊張が解け、それからは教授の助手としての仕事に専念します。
ただ「よし」なんて言われることは滅多になく、この日も軟骨の取り方が雑だの十分でないだの何だのかんだの、散々言われ、びびりつつ助手につきました。
あらかじめ作っておいた正常な反対側の耳の型(3日前この型についても散々叱られている)に合わせて肋軟骨をメスで削り(軟骨はメスでさくっと切れます)、組み合わせてワイヤーで留めてゆくと徐々にしかし着々と耳のフレームが出来上がってきます。
「んっ?」何か違和感を感じます。何でしょう。
「あ゛あ゛ーっ」(絶望)
反対側の耳造ってるじゃん、教授。
「あちゃー・・・・」(気づかなかった俺も悪いが執刀医でしょ、早く気づいてよ教授う)耳フレームは8割方出来ています。いまさら言っては一からやり直しです。また気づかなかったのはすべて助手のせいですので教授の1000万ボルトウルトラ雷撃の直撃は避けられません。
「患者さんには俺が土下座して事情を話して許してもらう。教授はこのまま、反対の耳を造って反対のまんま移植してくれい、南無三。」
1000万ボルトの雷撃を受けるくらいなら患者さんに「私のミスです。訴えるなり焼いて喰うなりしてください、法廷でも神妙にいたします。お縄も頂戴いたします。」と言った方がよっぽど気が楽です。
患者さんにお許しを頂く代わりに、直後に5000万ボルトスーパーウルトラ落雷の直撃をまともに受けた私を爆心地とした手術室の半径10メートル以内が以後数十年間にわたって草一本生えない焼け野原になったのは言うまでもありません(焦)。
3月25日(木)
テレビは「いかりや長介」氏の訃報、葬儀の話題一色でしたね。「8時だヨ!全員集合」という番組は昭和44年から始まった公開バラエティー番組で最高50%という視聴率を取ったお化け番組でもありました。
私は中学生くらいでしたので、あまり熱心には見ていませんでしたが、8時には停電が起こるほどの人気でした。人気歌手やグループもコントに参加し、ここで生まれたギャグや歌も一世を風靡したものです。
しかし、内容に多少Hな所とかがあり、教育委員会からは目の敵にされ、徐々に視聴率を下げていったという経緯があります。
同時代の「俺たちひょうきん族」も同様に時代の流れと共に消え去っていった番組です。
ドリフターズというのは元々はコミックバンドでビートルズが来日した際、前座をつとめたことでも有名ですよね。
若い皆さんはあまり感じないかもしれませんが、人の死に方というのは本当に重要だと思います。人間に生まれてきて死ぬまでの何十年間、いかに生きたか、またいかに死んでいくかというのは若い頃にはまったく無縁の思想です。しかし、人生も半ばを過ぎるとしっかり考えなくてはならないテーマの一つではあります。
人の役に立った人生、自分が十分満足した人生、前に進み続けた人生、人は死ぬ瞬間にはどんなことを考えるのでしょうか。
少なくとも、ああこんな人生なら死んだ方がましだったと思わないような、また残った人から惜しまれるような人間として死にたいものです。いかりや氏の訃報に接してこんなことを考えました。謹んで哀悼の意を表します。
3月27日(土)
●今週(最後)の白い巨塔
特別編は総集編と、その後のエピソードっていうやつでしたね。第一外科には何かぱっとしないアクのない教授が座っていますしがんセンターも市役所風で、死んだ財前先生の無念さがあんまり伝わってくるものがなかったですね。
総集編はよいとして、その後の物語は柳原先生の物語と化しております。彼は一体何年目の医師なんでしょうか。外科にいながら癌の告知も初めて、患者の説明も助教授つきなんて如何なものでしょうか。また法廷で大事な証拠となった看護師の記録を取ろうにも看護師も居ません。一環した方針でお願いします。
癌の告知なんぞ、したくもないしされたくもないでしょうが、癌を扱う医師にとっては避けて通れないことです。患者と医師の間に人間としての信頼感があれば告知は淡々と行われます。あまりウエットな感じでもいけませんしドライでも勿論いけません。
私もがんセンターにいたときは数多くの患者さんに癌を告知してきました。殆どの患者さんが私の2倍も生きておられる人生の先輩です。若輩の医師(私)ごときが生死を諭すなどということが出来るわけもありません。ましてや本人の人生だし医師は神様でもありません。神様でない若い医師ごときが患者の生命の長さや重さを量ったり調節するなどは許されるわけもありません。
事実をありのままに伝え、医師が出来る治療、選択肢、予後をお話するだけです。勿論、勇気づけたりはするのですが、何しろ年上の先輩諸氏です。自分だったら、どこの馬の骨ともわからん若造のに命の話しなんぞされるのはいやでしょ。
私の患者さんは当時60代前半。定年をひかえたお父さんです。
病名は喉頭癌。手術するとすれば喉頭全摘出です。手術すれば声も失います。気管孔といってのど仏の所に穴を空けて、その部分から息をします。においもわからなくなりますし、お風呂に入るときも気を付けなければ溺れます。
このような過酷な手術を受けても癌が根治するかどうかはわかりません。当然術後は抗癌剤の投与も必要です。
このようなケースで医師は一体何を偉そうに言えるでしょうか。しかし、それが医師の仕事です。癌を治しても人を救ってないかも知れません。そのときは大先輩の患者さんの人生観に合わせて自分の考えを淡々と述べること以外に出来ることはありません。
だから多分私たちは癌の患者さんの治療をしながら、すごく多くの医療以外のことを学んで来たんだろうと思います。
3月29日(月)
昨日も天気良かったですね。桜もかなり咲いてお花見日和でした。毎年恒例、隣家のしだれ桜も、もう5分咲きくらいでしょうか。

山田緑地に行ってきました。元山田弾薬庫のあった場所が自然公園になっており、古くから立ち入り禁止だったため手つかずの自然が残されています。森のゲートより奥は保全地域になっており、本当に深山のたたずまいを残す気持ちの良い場所です。半日過ごして歩き疲れて帰ってきました。
3月30日(火)
回転ドアって昔から危ないなあと思っていましたよねえ。おしゃれな感じはするんですが、後ろから追っかけてきてアキレス腱のところを挟まれそうな気がしていたのは私だけではないでしょ。ホテルなどにも多用していますが、私はいつも横のドアから入ります。
確かに熱を逃がしにくいので冷暖房の効率は上がるでしょうが、やはり見栄えが良かったから付けたというのも本音の部分ではあるのではないでしょうか。
ヨーロッパなどでは古くからこのドアが用いられていましたし、それ自体、風情さえも醸し出しております。しかし風情ある回転扉というのは古い手動式ですね。日本では何もかも自動にしなければ気が済みませんので手動の回転ドアっていうのはあまりお目にかかりません。人の力で開け閉めするものだったら人が死ぬようなことはなかったでしょう。
自動にしなければいけない訳もないのでしょうが、そのために今度はセンサーだ、安全装置だと取り付けなければならなくなります。その装置に小さな不備があると事故が起きます。
多分、自動車に轢かれて亡くなる確率は回転ドアに挟まれて亡くなる確率よりは多いでしょう。だから車には気を付けようという教育はしっかりなされています。自動車のメーカーも安全には最大限の努力を払っています(多分)。
回転ドアであろうが自動ドアであろうが地下鉄のドアであろうが、走り込まないとか順番を守るとかは車に気を付けようというのと同じくらい大切な教育だと思います。
亡くなったお子さんに何の罪もありません。親の教育が悪いから事故が起こったなどと言うつもりも毛頭ありませんし、安全装置の精度が甘かったのが元凶であるのは言うまでもありません。しかし、こういった施設の危険性も認識させる教育(常識)も必要だと思います。
子供の指くらいはその辺のドアのヒンジに挟めば簡単に切断されてしまいます。割り箸を持って走って転べば脳にまで刺さるかも知れません。
日常生活の中には危険なものがたくさんあります。ちょっとした不注意で命まで危険になるようなモノさえ溢れかえっています。危ない危ないと言っていては何も出来ない子になります。しかし、そのような常識がまだ身に付いてない子供には気をつけてやれることなら必要十分なだけ親の手でしっかりと守ってあげるしかないというのも事実ではないでしょうか。手をつないであげるだけでも防げる事故はたくさんあると思います。
2004年4月
4月1日(木)
さあ、今日から新年度です。消費税を含めた総額表示が始まりました。どうして今こうなのでしょうか。やはり消費税の引き上げの布石に感じるのは私だけではないでしょう。(総額だと税金がいくらかかっているかわかりませんよね)昔と同じようになったのですが、ちょっと不自然。
4月は学会のシーズンです。私も7日(水)から9日(金)まで東京での形成外科学会総会に行ってきます。その間クリニックは開けていますし、スタッフで出来ることは行っていますが、カウンセリング、手術などは出来ませんのでご了承下さい。また現時点でも学会期間中に経過観察や処置が必要な手術などは停止しています。重ねてご了承下さい。
週間文春の件が騒がれています。個人のプライバシーと言論の自由のどちらを優先するかという問題です。不勉強で恥ずかしいのですが、絶対に弱い(か?)立場の、書かれた側が有利と思っていました。むやみに他人の事を週刊誌ネタにするというのが言論の自由という錦の御旗を振りかざすような大事なこととは思ってもいませんでした。
しかし、裁判所の決定は言論出版の自由を尊重するものでしたし、各新聞の社説もおおむね決定を支持するものでした。
戦中の日本、イラクや北朝鮮など言論統制下の出版物の事前検閲は基本的人権を尊重する民主主義の下では許されることではありませんし、今回の決定もその原則に則った判決というのは理解出来ます。しかし、私人であれ公人であれ、離婚したのどうのというような下世話な話にまでこの原則は当てはまるのでしょうか。
個人に回復困難な社会的ダメージを与えさえしなければ言論の自由の大儀のもと何でも書き立てて良いのでしょうか。少なくとも書かれた本人は良い気持ちはしてない訳ですし、読む方も何か得したわけでもありません。面白かった(屁にもならん記事だった)と思っただけでしょ。
信念と使命をもって大衆に知らしめる必要があるという考え方で書いた記事と売らんかなの気持ちで書いた記事とでは自ずと違う判断も出るのではないでしょうか。(文春の記者がどっちの信念で書いたかまではわかりません)
週刊誌、新聞など言論を売り物にしている媒体は言論の自由を堅持しつつも常識や配慮という点も最高水準にあらねばならないと思うのですが、如何ですか。
なーんか素人目には納得がいきません。刑事事件だから良くて民事ではダメなんでしょうか。
本当に「でべそ」のお母さんがいたとして、雑誌に「お前のかーちゃん、でーべーそー。」って書いたら事実の報道だから法律的に良いことであって、一点の曇りもなく社会的にも良いことなのでしょうか。だれか素人にわかるように説明してくれい。
4月2日(金)
同じ年の4月1日生まれの子と2日生まれの子では学年が違います。たった1日しか誕生日は違いませんが学年は1学年違ってきます。言い換えれば同じ学年では4月1日生まれの子と4月2日生まれの子では、ほぼ1歳の差があると言うわけです。どうでも良いことですが、女性は結構気にするようです。同じ学年でも4月1日生まれの子は一番若いということ。
うちの娘は予定では3月中に生まれるはずだったのですが、多少遅れました。家内は4月1日中に生もうと3月末は散歩三昧でした、私も一緒に散歩させられるのですが、半端な距離ではありません。散歩というより競歩です。当時は博多の百道浜に住んでいましたが、そこから桜満開の西公園を通って大濠公園、天神から中洲までの往復(片道で地下鉄3駅くらい)です。私にとっては市中引き回しの上、打ち首獄門といった感じです。
親の苦労も知らず12時間ほど遅れ、娘は4月2日にこの世に飛び出て参りました。おかげで小学校では学年一の高齢者となっております。
学校教育法第22条に「満6歳に達した日の翌日以降における最初の学年の新学期(4月1日)をもって小学校の就学が始まる」というのがあります。
民法143条では「満年齢は起算日に応当する前日をもって満了する」とあります。
年を取るのは前の日の午後12時なので4月2日生まれの私の娘は6年後の4月1日の夜中の12時に満6歳になります。ですからその日(4/1)の「翌日以降(4/2以降)における最初の学年の新学期」はその次の年の4月1日になります。4月1日生まれのお友達とは一年遅れで入学したので学年の最高齢者となった訳です。(分かりにくかった?)
4月3日(土)
医学界というのは一般には分かりにくい世界でしょ。私とて全部知っている訳ではありませんし、むしろほんの一部分しか知らないというのが本当です。
しかし、医学に携わってない人にとってはまったく未知の世界で、それこそ「白い巨塔」とか「振り返れば奴がいる」とかの小説やドラマでの知識がすべてだと思います。
先日あるホームページでそのことが話題になっていました。「医学界というのは縁のない世界なので、”白い巨塔”とか”動物のお医者さん”でしか知らない。これを足して2で割ったような世界ですか」みたいな事が書いています。
実に面白い意見です。どのような世界になるんでしょうか。
動物の巨塔
H大学獣医学部では教授の退官が間近に迫っていた。次期教授の座は長年前教授の下で働いてきた漆原助教授が虎視眈々とその座を狙っていたが、他の候補者を尻目に漆原は裏工作を弄し、まんまと教授の地位に上り詰めた。
しかし、いそがしい教授選工作のさなか手術した弁当屋の飼い犬の術後経過が思わしくなく 担当の若い医師、西根公輝(通称ハムテル)が処置を続けるも合併症を併発し犬は死んでしまった。遺族(飼い主)は訴えを起こしたが漆原教授はカルテの改竄まで指示し一審は勝訴となった。このころから漆原教授の体内では犬条虫(フィラリア)が徐々にその勢力を増していた。
一審では漆原教授の指示で動いていたハムテルであったが良心の呵責に耐えきれず、二審でついに本当のことを証言をする。二審では名のある大学の動物博士たちが鑑定を行い一旦は漆原有利に向かうが、結局は犬への説明不足ということで敗訴。犬条虫に侵された漆原は失意のうちにこの世を去ったのであった。
こりゃ獣医学界か。
4月5日(月)
明日6日(火曜)の午後から9日(金曜)まで東京での日本形成外科学会総会に出席のため不在にします。その間もクリニックは開けておりますが、手術、カウンセリングなどはお受けできません。
またメールによるご相談のお返事も遅れると思いますが、あしからずご了承下さい。
昔々小学生だったころ私の将来の夢はエンジニアになることでした。そのころから機械や電気が好きで6年生のころから勉強を始め、中学1年になってすぐアマチュア無線の国家試験に合格しました。中学校では夏休みともなると自由研究に名を借りてお小遣いを貯めては部品を買い集めラジオなどを作って喜んでおりました。
当時は真空管からトランジスタへ、ICへと移行する過渡期の時代でしたが、中学生ごときは真空管一本で頑張りました。
今は真空管というのはまったく見ません。エアバリコン、バーニアダイアルなどを懐かしい言葉と感じるのは私だけではないでしょう。
で、最近またぞろラヂオ(ラジオよりちょっと古い)の製作にはまっています。ネットの世界にはこのような趣味を持つ方も多くおられます。部品を一点一点探すのは大変ですが、作成キットも少ないながら、まだ入手可能です。半田のにおいに中学校時代にタイムスリップしたような気分に浸りながら、しかし老眼鏡をかけた私が空中配線に取り組んでいます。そのうち出来上がったらアップします。
4月10日(土)
日本形成外科学会総会に行ってきました。3日間、頑張って勉強して参りました。最近は形成外科もトピックが少なく、もっぱら美容関係の演題が多いのと、美容のセッションに多くの先生方が集まっているというのが、ここ数年の傾向です。
今回私は美容を中心にレーザー、目などのセッションをびっちり聞いてきました。レーザーの話題は何と言ってもサーマクール、ポラリスなどのRF治療に人気が集まっておりました。目の所では眼瞼下垂、下眼瞼のタルミ取りなどの手術方法などいろいろなヒントを得て来ることが出来ました。
最終日、美容のセッションでは愛知医大の有名なF先生が「西洋人化を目的とした美容外科」というタイトルで演題を出されていましたが、この演題では時間を大幅にオーバーする侃々諤々の議論が戦わされて大変面白かったです。
5時近くまで会場にいて急いで羽田に向かい、飛行機に飛び乗りました。今日、土曜は学会で留守をしたバチが当たって忙しく働いています。
4月13日(火)
イラクで3人の民間人が人質になりました。現時点ではまだ開放されたという情報はありません。
囂々たる非難は承知で書きますと、「自己責任で行ったんでしょ」となりますが、如何でしょう。尊いボランティア精神ですが、問題は行った先が何百人も死んでいる戦場だということです。ましてや日本政府からも退去勧告が出ている地域です。
遙か昔の戦争の記憶もない、人の良い善良な日本人は戦場の真実を知っているのでしょうか。(私も知りません)
ロバート・キャパはスペイン内戦、日中戦争、第2次世界大戦、イスラエル建国時の中東戦争、インドシナ戦争などの戦場にカメラマンとして参加しました。単に報道写真として以上に戦争の真の姿を切り取り反戦、衝撃、感動などを伝え続けました。1954年にインドシナ戦争の取材中に、地雷に触れて亡くなります。彼はもちろん職業カメラマンではありましたが、死をとして真実の報道のために戦場に赴きました。もしかしたらスクープを撮るための行動だったのかも知れませんが人は残された仕事のみで判断します。
ボランティア活動は言うまでもなく尊い活動ですが、その活動は常に自己責任であり、無償であらねばなりません。
今回の事件ではニュースでも人質の無事を願う(私も心の底から祈っています)報道や政府を非難する報道ばかりで上記のような意見はどこからも出てきません。人でなしのような意見かも知れませんが、私はそう思います。
ご家族のご心配も重々理解出来ますが、そんなにご心配なら絶対に行かせてはならなかったと思います。
人質になっている方々は多分ご家族の反対を押し切って、命の危険も十分承知で行ったのだと思います。
ですから幸いにも解放されて帰国した時には「死んでも仕方がないと思った」とおっしゃるはずです。万が一「日本やアメリカが助けてくれると思った」と言ったのなら甘いにもほどがあります。
解放された暁にはご両親、ご親戚の方々の他には小泉総理がもっともほっとするでしょう。そして直ちに退去勧告を厳しくし、NGOに対しては自己責任であるという意見を全面に押し出してくるでしょうね。
人質の 無事を心からお祈りします。
回転ドアや公園の遊具もですが、本っ当、何かあってからでないと対処しないですよねえ。
ぽかぽかと良い陽気になりました。春になるとバイクの虫が疼きます。昔からバイクには乗っていましたが、この仕事を始めてからは遠ざかっていました。数年前英国の古い単車を購入しました。この単車排気量が大きいだけに、かなり乗るのに気合いが必要で最近はちょっぴりご無沙汰です。
ひょんなことからこの単車を引き取ってもらい、少し小振りな独逸の単車に乗り換えることになりました。と言っても50年も前の単車ですので本当に素直かどうかはまだわかりません。この年代の単車は「しきたり」がうるさく、エンジンをかけるにも走るにも単車の方がうるさくくしきたりを言ってきます。まだ整備に1ヶ月程度はかかるので実際に乗り始めるのはもっと先ですが、仕上がったらまたインプレッションを書きます。
4月15日(木)
イラクの人質事件が解決しないうちに新たに2人の日本人が人質に取られたというニュースです。
ジャーナリストやビジネスマン、NGOなどは自己責任というより自国に迷惑をかけないという観点からも退去したほうが良くないでしょうか。
人質などという手段は卑劣きわまるやり方ですが、戦争に卑劣も上品もありません。いくら自己責任といっても国家は人道的に見殺しに出来るはずもありません。そうなると国家や組織の作戦行動、政治判断に齟齬が生じることは明白です。
命と引き替えに国家(日本)の方針への抗議というなら、それはそれで効果的です。ただ、自分の命が大切で残された家族も大切なら行かないべきです。
今イラクは最悪の状態です。敵味方の区別なく殺戮が行われている地域です。火器を携帯していても危険にかわりはありません。ましてや民間人が丸腰で行くのですから100%死を覚悟しなければ行けるものではありません。
4月16日(金)
昨夜、ようやく3人の人質が解放されました。心からお祝い申し上げます。
不謹慎かも知れませんが一言。
人質に取られている時、ご家族の中で一組でも「危険を承知で人道支援に言ったのですから息子(娘)は亡くなっても本望だと思います」というコメントがあったら共感したのになあと思いました。
(あわわ言っちゃったー。忘れてください)
ここに来て戦争地域におけるボランティア活動の是非がテレビなどでも論議されるようになりましたが、このことは数日書きましたので再述は致しません。
4月17日(土)
昔々、アフリカを巡ったことがあります。お金を節約するために飛行機も南回りで行きました。
途中トランジットでアブダビを経由しました。ワールドカップサッカーなどが話題になる前(日本サッカーが弱かったからか)でしたので、アラブ首長国連邦という国名も聞いたことはあってもどのような国かも想像すら出来ませんでした。
アブダビから飛び立つ寸前、我々は飛行機を降りさせられました。爆発物が乗っている可能性があるとのアナウンスでした。空港の滑走路は朝というのに気温は40°近くあり、アラビアの気候のすさまじさを実感しました。
結局爆発物は発見できず(と言うのも怖いが)、無事離陸することが出来ました。なんだか怖いところに来たもんだというのが印象でした。
帰りは同じくドバイでトランジットでした。ドバイでは空港から外には出られませんでしたが(UAEには入国出来ませんでしたが)、空港のすばらしさ、大きさには度肝を抜かれました。
今思えば潤沢なオイルダラーで世界一潤っている国なんですね。アラブ首長国連邦はアブダビ、ドバイ、シャルジャ、アジマン、ウム・アル・カイワイン、フジャイラ、ラス・アル・ハイマという首長国が集まって一つの国を形成しています。亜熱帯性乾燥気候の湾岸地方の夏は気温50°になることもあり、想像を絶する灼熱の土地です。しかし、特にドバイは観光には力を入れており砂漠地帯にもかかわらず美しくも壮麗なアラビアリゾートとなっています。
人質解放の報道でドバイの地名が出ましたので思い出しました。
4月19日(月)
久々に雨の朝になりました。
もっかいだけ書きます。人質になっていた人たちが無事帰ってきました。捕まっていた時はあまり自己責任とかは言われてなかったのに、今や世間は非難囂々です。あまりの変わりようではありませんか?
以前にも書いたとおり自己責任の原則があることに変わりありません。しかし、自業自得だの税金泥棒だのと言う筋合いのものでもないと思います。多少見通しは甘かったかもしれないし、兄弟姉妹そろって変わったキャラかも知れませんが(関係ないよねえ)、危険を承知でボランティアに行ったという精神は崇高です。少なくとも内地でぬくぬくとテレビを見て非難するだけの人よりは良いんじゃないでしょうか?
4月20日(火)
本日のご訪問~ん
若いお母さんが小学生くらいの女のお子さんを連れていらっしゃいました。お子さんの鼻根部には小さなぷつぷつがたくさん出来ていて、私は汗管腫と診断しました。
汗管腫というのは主として中年以降の女性に多いのですが、子供でも見かけることがあります。エクリン腺という汗腺が増殖して目の下や顔の中央部に隆起してみられるものです。決定的な治療法はないのですが、一般に液体窒素療法や炭酸ガスレーザーで隆起を削り取る方法が用いられます。
お母さんと話しているうちに何だか徐々に不快になってきました。子供を安全に治療してあげたい気持ちは良くわかるんですが、「間違った治療でもしたら許しませんよ」的な雰囲気がむんむん伝わってきます。いや、間違った治療をしたら許されないのは当然ですが、診断、治療法、傷跡の詳細、再発など、わかる範囲のものはお答えできますが、ケースバイケースのものもあります。
「いぼとか取ったことがあるんですか」とまで。(泣)
一体どのような答えを期待しているのか不明です。このようなケースでは「絶対治ります、私を信頼しなさい。」などと言うとうち解けて治療にかかることが出来ることも多いのですが、治療に絶対はありません。
傷跡は残ります。診断も間違っているかも知れませんので皮膚科で診て頂いた方が良いでしょう。再発もあるかも知れません。とお伝えしました。
お帰りの間際、診察室のドアの所で小さな声で、しかし私に確実に聞こえるように「ダメだわ、この病院」とおっしゃって帰って行かれました。
そうです。ダメで結構です。あなたの来る所ではありません。良いと思って頂ける患者さんのためのクリニックです。
長年この仕事をしていると絶対にさわってはいけない患者さん、関わってはいけない患者さんが一目でわかるようになってきます。もしかしたら私と合わない患者さんが先に察して何かのオーラを出しているのかも知れませんけど。
患者さんにしても医者にしてもフィーリングの合わない人の治療を受けたりしたりはしないことです。できあがりの感じや傷跡についてもきっと違った感覚の持ち主であることが多いからです。
捨てぜりふというのはいつまでも後を引いて気分悪いですよね。患者さんも気分悪かったのかしら。済みませんねーだ。
4月22日(木)
先日の患者さんですが、後で聞いたらお帰りになるとき事務の所で事務員に「ここの先生は何年医者をしてるんですか?経験浅いようですね。」とおっしゃって診療券もぽいっと放り投げてお帰りになったようです。(怖~い)
丁寧にお話したつもりですし、横柄な態度を取った訳でもありません。プロと名乗っているのに傷が残るかもとか言ったのが気に入らなかったのでしょうか。治療して失敗したとかなら言われても仕方がないんですが、無料でカウンセリングだけして、この仕打ちです。
経験もそれなりに結構あるとは思うのですけど。まあ、診療券も持ってないのでもういらっしゃらないでしょう。多分近くの違うクリニックをご訪問して悪口言われるんだろうなあ。(鬱)
昨日はあんあまり天気が良かったので洗車をしたついでに数年前キットで組んだ50ccバイクのエンジンをかけ整備をしました。汗だくになってしまいました。スタートの時はペダルを漕いでエンジンを始動させます。エンジンの調子は良いのですが、さすがにブレーキの効きは相変わらず悪く、公道走行ではかなり前から気を付けないと止まれません。(怖)
ですから公道では常に時速20~30キロくらいののろのろ運転です。登り坂ではペダルで人力補助します。最近の電動補助自転車は電気の力で助けてくれますが、こいつは人の方が助けてやらないといけません。
これもなかなか味があって良いですけどね。

こんなの。ちょっとかわいいでしょ。
昔で言う自転車バイクですね。
後輪はベルトドライブです。
4月24日(土)
さあ、気分を切り替えて参りましょう。
昨日は久々のワイン会でした。20人ほどの小さな会でしたが、フランス料理とワインを堪能致しました。(ダイエットも血圧も忘れた訳ではないのだが)
7時から始まったのですが、11時くらいまでフランス時間でゆっくりと味わいました。私を含む約2名はもうちょっと強めのお酒を飲みにその時間からはしご。ワインつながりでフィーヌ、マールなどを4~5杯引っかけて帰りました。
総務相ほかが年金を払ってなかったというニュースです。
江角マキコの時は大騒ぎになっていましたが、今回はまったくのオマヌケですね。何であのとき秘書に一応確認させなかったんでしょうか。今、年金のことが騒がれていますが、日本人の年金に対する感覚ってこんなもんなんでしょう。偉い人たちがこうでは下々の者はなおさらです。
自分が支払っているかどうか知ってますか?断固支払わないという信念の人より知らない人のほうが多いんじゃないでしょうか。何億もかけてテレビで宣伝するより、すいませんが支払ってないですよ~と個人的に通知するほうが効果的ではないでしょうか。
4月27日(火)
今、クリニック内でダイエット合戦をしています。とりあえず1ヶ月の体重減少率を競うもので、週に1回の体重測定があっています。参加者は毎日100円の募金を行います。1ヶ月後体重の減少率がもっとも良かった方には数万円の褒賞金が贈呈される仕組みになっております。
私は・・と言えば、まだ減少率は98%程度(減ってないじゃん)ですが、最後の追い込みに賭けています。
昨日は患者さんに「先生、少し太りました?」って聞かれましたのでレーザーを痛~く当てました。
4月26日(月)
4月最後の週になってしまいました。来週からは連休ですので、皆さん頑張りましょう。
土曜に書いた記事ですが、ちょっと間違っていました。
国民年金未払い者には何と年6回も催告状というのが届くそうです。それでも払わない人には督促状が、それでも払わない人は差し押さえがあるらしいです。知りませんでした。
だったらなぜ大臣他は知らなかったのでしょう。これも疑問。
4月30日(金)
土曜からお休みの方は明日から5連休ですね。私ども貧乏人は今日も明日も仕事です。と言っても今日は患者さん少ないなあ。
昨日は響灘グリーンパークに行ってきました。車で30分の距離です。広大な芝生と植物園、カンガルー広場などがあり、子供が遊ぶのにはうってつけです。昨日はなぜか入園料も無料でした(と言っても通常も150円程度)。
午前中から行って夕方4時くらいまで子供は走り回っていましたが、私は芝生でごろ寝、有害紫外線シャワーをたっぷりと浴びてメラノサイトは大忙しでした。
毎回ここに行くとカンガルー広場に行くのですが、子持ちのカンガルーが多くいておなかの袋から足だのしっぽだのを出したまま寝ている母親を見かけます。一度袋の中に手を入れてみたいと思っていたのですが、昨日はついに禁断の場所にさわってみました。中は体毛は少なく非常に柔らかい皮膚で覆われています。
皮膚も非常に薄く伸展性も良いようで静脈なども浮き出て見えます。
さすがに無遠慮な私にカンガルーも多少迷惑そうな顔をしてぴょんぴょん跳んで行ってしまいました。

響灘グリーンパーク
2004年5月
5月1日(土)
5月ですよ、皆さん。どうしましょう。
もう一年の3分の1が終了してしまいました。
と言うことは、また私の残りの人生の60分の1が消えて無くなったってことです。さようなら皆さん。
さて、昨日イラクで人質になっていた3人のうちの2人が会見を開きましたが、皆さんはどのように見ましたか?
信念のボランティアやジャーナリストと見たのか、ちょっと甘い考えの怖いもの知らずの若者か?
若者を中心としたこのような活動は我々も見習うべき事であって非難される筋合いのことでは決してありません。
いかにイラクに難民がいて、子供達が困っていたとしても実際に現地に行き、行動を起こそうとする人が一体どれだけいるでしょうか。
日常の生活が大事で他人のことなど構っていられないというのが本音ではないでしょうか。
こんなダレた時代に戦場に赴き、危険を承知でボランティア活動を行う若者がいると言うことは日本にとっては誇るべきことではありましょう。
しかし一方、戦争の本当の姿を知らない、お人好しの日本人がノコノコと怖いもの知らずに現地に入って行った(この人たちの事を言っているのではありませんよ)とすれば、予備知識もなしに危険地帯に入ってゆく無知な観光旅行客にも似たものを感じざるを得ません。
そもそも日本のボランティア活動というのは民衆に根付いている考え方なんでしょうか。キリスト教の永い歴史の中で培われた奉仕という精神が元になっているのでしょうが、その素地のない日本で本当のボランティアが育つには、まだ(その意味で)成熟した社会とは言えないような気がしてなりません。
長年ボランティアに関わっている方のお話ですが、ボランティアに行った先で「お弁当も出ないの?」的な発言も聞くそうです。
ただ、成熟してないからと言ってボランティア活動が不要と言っているのではありません。大人は教育、環境を通して社会をそのように成熟させる努力が必要だと思います。
自衛隊の派遣問題もいろいろな政治判断もからみつき、私には一概に何が正しいとは判断出来ない状況です。ただ、一部に言われているようにアメリカの戦闘行為に荷担するとか侵略戦争の片棒だとかは、はっきり言って良くも悪くも「日本にそんな根性も勇気もありゃしません」というのが大方の国民のバランス感覚ではないでしょうか。(だからといって傍観しているのが良いというのではないですよ)
自衛隊の装甲車に「毘」って書いてありましたよねえ。戦いの神、毘沙門天のことです。上杉謙信の掲げた旗頭ですね。戦いに行くのではないと言いながら、この旗印はないでしょうという意見もありますが、カッコイイから描いたんでしょ、本当は。
あんまり纏まった意見になりませんでした。実は私も考えが纏まっていないのです。
通常八十八夜は5月2日になるのですが、今年は閏年に当たるため今日が八十八夜に当たるようです。
八十八夜とは立春から数えて88日目の日になりますが、田植えや茶摘みなど初夏の農耕が始まる日とされています。
「夏も近づく八十八夜・・」と歌われるように今日摘んだお茶は縁起良く長寿の妙薬とも言われています。
5月6日(木)
あっという間に連休済んじゃいました。(泣)
今年はあまり天気が良くなかったですね。大雨と五月晴れの両極端の連休でした。まあ、いずれにしても近場の公園程度しか出かけませんでしたので関係ありませんでしたが。。。
しかし、アメリカは大変なことになってきましたねえ。9.11はものすごく驚きましたが、今のイラク情勢にも驚いてしまいます。戦争には正義も大儀もありません。もちろん当事者にとっては、それらは大事な旗印ではありましょうが、戦場の現場では殺すか殺されるかという選択が唯一の命題です。
そのような極限状態では人間の理性や知性が正常に働くとはとても思えません。今回のイラク人虐待事件にしても幾多の戦場で繰り返されてきたそのものです。
批判を承知で書くとすれば、そのような理不尽な行動はおおかた民族差別や人種差別から来ていると言っても良いのではないでしょうか。敗戦国の人間であったとしても尊敬すべき人種に対して動物以下の扱いが出来るわけもありません。
ハイテクを駆使したきれいな戦争を目指していたアメリカも戦争が長引き、兵士の規律に乱れが起こると、たちまち一部の人間はレイシストの本性を現します。私ももっとも好きな国の一つ、自由の国アメリカではありますが、人種の坩堝の中には昇華しきれない裏の部分も漂っているのでしょうか。
こんな時こそ日本は自衛隊の規律正しく良いところを見せなきゃね。
5月7日(金)
30年くらい前に豊胸術としてシリコンやオルガノーゲンを直接胸に注入し、変形を来した症例を最近ちょくちょく見かけます。
現在使用されているシリコンバッグはジェル状のシリコンが柔らかいシリコンの薄膜に包まれた形状をしており薄膜が破損しない限りシリコンジェルが周りの組織に浸潤することはありません。
直接シリコンなどのジェルを注入する方法は実に簡単に注射のみで豊胸が出来ますが反面、年月が経つとジェルが周囲の組織に浸潤し、一体化し硬く変形するという結果になっています。
現在のバッグは取ることも容易ですが、注入法の変形を治療するのは容易ではありません。ジェルだけでなく周りの正常な組織まで一緒に切り取らないといけませんので一回り大きく取る必要が出てきます。
また周囲は瘢痕となっており、出血も多いし手術には難渋します。切除と同時にシリコンバッグに入れ替えることも不可能ではありませんが、術後のリスクを最小限に抑えるためには二次修正は数ヶ月ないし半年後に行うほうが良いかもしれません。
いずれにしても、かつてジェルを注入し変形治癒している方は今になって温泉にも行けないとか、乳癌の可能性とか、いろいろな悩みを抱えていらっしゃいます。
このような治療がまかり通った美容外科のかつての歴史は関係者として恥ずべきものです。未だにこのような治療を行っている美容外科医のごく少数存在するようです。是非ともこのような治療だけはお受けにならないようご注意下さい。
このような患者さんを見たら心を込めて修正手術をしたいと思います。
5月8日(土)
福田官房長官、辞めましたねえ。なかなかのパフォーマンスでした。
自民に先を越されると民主も旗色が悪くなりました。
しかし、前に福田さんが会見で言っていたように年金未払いは犯罪なんでしょうか。人質事件の時もそうでしたがが、日本の世論というのは両極端に「どーっ」と突っ走りがちですよねえ。あたかも犯罪のように今は言われてますが、国民の4割は払ってないようですよ。恐ろしい犯罪国家と言うことになります。
まあ、政治家の皆さんは未払いなどよりもっと大きな犯罪を犯している(かもしれない)のですから、こんなのは小悪と言ったところでしょうね。
では実際自分は払っているかどうかなど、どこでどうやって調べれば良いのかも知りませんし、いくら年金がもらえるのかも定かではありません。そんな程度の認識になってしまっているのでしょう。
掲示板にご質問がありましたので多少付け加えて書きます。保険診療に対する考えはここでも述べましたが、もう少し書いてみましょう。
美容外科は高くて、一般の科(形成外科も含む)なら保険だと言うのが一般の認識だと思いますが、これは大きな間違いです。
健康保険というのが効くか効かないかは、診療科によるのではなく疾患名によることを認識しなければいけません。
例えば風邪を引いた場合、どこの内科に行っても保険が効きます。その場合、急性気管支炎とか咽頭炎とかの病名がつき、初診料とお薬を合わせても1000円とか2000円とかで済むと思います。
もし病名がつかないものはどうしましょう。ピアス、一重まぶた、胸が小さいなど病気ではなくて見栄えのみの治療をする場合、健康保険が使える訳もありません(一生懸命病気に備えて支払っている方々が激怒します)。当然自費診療となり高額の治療費が請求されるわけです。また医師の側にも事情があります。保険医療を行っている場合は医師会などで加入する医師賠償保険というのがあり、患者さんに何かあった場合には医師の側にも保険がおります(落ち度がない場合ですよ)。
しかし、自費診療の場合はこのような保険制度はまだ確立されておらず、執刀医または経営者が自腹で賠償責任を取ることになります。ですから(そうでなくともですが)気軽に安いお値段で粗悪品を売るような仕事は絶対に出来ません。
病気か相でないかの線引きは難しいものがあります。例えば顔の熱傷後の大きな傷はどうでしょう。どう考えても社会生活には支障がありそうですね。ところが厚生労働省ではここに拘縮(引きつれ)など、機能的な傷害が無ければ見栄えの問題と見なし保険の適応外となります。ほくろはどうでしょう。入れ墨は?リストカットの傷は?ハゲは?多汗症は?醜形恐怖症は?性同一性障害は?・・・いろいろな問題が山積しています。
保険適応外の治療を保険ですることは違法ですが、保険適応の治療を自費で行うのは違法ではありません(二つを混合して診療すると違法)。例えば純粋に美容目的の二重まぶたの手術を睫毛内反症(逆まつげ)という病名を付けて保険で手術するのは違法ですが、睫毛内反症(逆まつげ)という病気であっても保険を使わず二重手術の料金で治療をしても罪にはなりません。保険とはそれほど厳密に適応を制限されているのです。
もう一つは執刀医のプライドや技量も多少関係あるかも知れません。二重の手術がものすごく得意で、逆まつげの患者さんに、どこよりも綺麗な二重を造ったとしたら(本人も納得して喜ぶなら)十分な報酬は頂くべきだと考えます。
私のクリニックでは得意な手術、リスクの高い手術ほど費用は高額です。しかし、誰が行っても同じような結果の治療や機械が行う治療は安価(機械がものすごく高額の場合はそれなり)に設定しているつもりです。
まあ、以上は私の独白として読んでください。他のクリニックには当てはまらないかも知れません。
5月10日(月)
私は政治にはあまり関心がなく、右も左も上も下もありませんが、最近の茶番劇(失礼!)はなかなか面白く拝見しております。
ここ数日、民主党の菅代表のマスコミ露出は異常に多かったですね。昨日のサンデープロジェクトでは田原氏が明日(今日のこと)辞めるように詰め寄っていましたが、どうもそんな風になりそうです。
民主党から立候補予定の友人もいたりして民主党には多少のシンパシーを感じないわけでもないのですが、何しろ学歴詐称問題や年金問題など、くだらん事で足下をすくわれがちで何か基礎にがっちりしないものも感じますよねえ。
今クリニックでは医療事務員を募集しています。で、毎日何人もの面接があるのですが、如何かと思われる方もたくさんいらっしゃいます。
雇用する側は面接という、たった数分の印象で採否を決定しなければなりませんので、それは細心の注意で人を見ます。
昨今はメールで応募してこられる方も多いのですが、氏名年齢なども明らかにせず、言葉遣いも「どない?」って思うようなメールにはお返事も書かない事にしております。事務というのはクリニックの顔です。一般常識や言葉遣いがある程度身に付いてない方はパス。
まず、お給料から聞く方、自家用車でないと通わないという方、ため口の方(直ちに帰んなさ~い)、服装が奇抜な方、帽子を取らない方、残業が嫌だという方、朝の掃除も嫌だという方、向上心のない方、このような方々が連日押しかけて私の業務をじゃまします。
今、就職難って言われますけど、かなり大勢の方が、このような低~い基準のところで引っかかって雇用されてないんじゃないでしょうか。
生き生きと向上心を持って働く姿を見せていただけば、その日のうちに雇います。
ほんの数分ですから雇い主をだますぞー、くらいの気持ちで面接受けてくださいね、ホント。
5月11日(火)
今日は朝からすっきり晴れました。前線は南に下がり高気圧の中に入ってきているようです。沖縄は梅雨の中休み、30℃まで気温が上がっているようです。
当家の庭の梅の実も熟して落ちる時期となりました。もうすぐ梅雨が来るのでしょう。
この時期、オホーツク海高気圧からの冷たい北東の風と太平洋高気圧からの暖かい湿った南よりの2つの気流が前線付近に集まって上昇気流ができるため、雲が発生し雨を降らせます。梅雨前線が日本付近に停滞するのは、前線の両側にある高気圧の勢力がほぼ釣り合っているからだそうです。
鬱陶しい季節が来ますが、この数日は梅雨のはしり前の貴重は晴天になりそうです。
5月13日(木)
昨日は暇にしていましたので先日買ったばかりの「Bad boys2」を観ました。前作から8年経っているのにウィルスミス変わりませんね。内容はともかく度派手なカーチェイスと爆破シーンで魅せてくれます。CGより実写を重視したということで迫力のある映像となっておりました。メイキング映像で実写のシーンと合成するCGの作成過程が見られますが、さすがにすばらしい腕前ですね。車のサスペンションの動きやボディーへの写り込みといった見逃すような一瞬の場面の細かいところまで作り込んでいます。面倒くさい作業でしょうが基本的にみんな大好きなんでしょうね。あ~あ、あんな仕事がしたかったなあ。楽しいだろうなあ。(今の仕事も好きなんですよ)
出るわ出るわ、今度は公明党の神崎さん。
民社党の菅さんを攻撃した人が未納です。回り回って自分に火がついた人ばっかりですねえ。
いつまでこんな下らんことをやってるんでしょうか。未納とかどうでも良いので年金改革進めてください。
「お前が悪い」という前に自分はどうか確かめておくのはディベートの基本だと思うんですが、如何でしょう。責任を取って「辞めない」なーんて変な事言ってる暇があったら、もう少し開き直って「俺が忘れたくらいだからみんな忘れて当然。国民の4割のみなさん、払ってないって責めてごめんね。江角さんも。」くらい言えば格好良いのにね。または、議員年金も要りませんから許してくだせえ、って言えば庶民は納得して許すでしょう。
しかし、私が公務員だった時は給料も低いし働かされるし、良いことなんぞちっとも無かったのに、国会議員とかの公務員は別物なんでしょうねえ。何か納得いかんなあ。
5月14日(金)
どうなんでしょうねえ。小泉さんまで未納。
単なるうっかりしたミスなんです。責められるは制度であって、その人ではないんです。ですから辞任とか、どうでも良いんですが、根本は年金の本質をわかっているか、ということじゃないですか?
「年金納めなければ支給は受け取れない」なら自己責任でいいじゃないですか。でもこれが間違い。
高齢者の年金を現役世代が負担するというのが年金の本質です。ですから特に年金を論じる国会議員は高齢者を支える年金という意識が無いように思います。年金は将来の貯えではなく、今のお年寄りのためのものなんですよ。生命保険とは違うんですよ。
5月17日(月)
何か鬱陶しい天気になってきました。梅雨のはしりでしょうか。
昨日は「いのちの旅博物館」に行ってきました。何度目かですが、やはりセイスモサウルスやTレックスの巨大な骨格化石には感動しますね。かなりの数の剥製も展示しているのですが、近くの「いとうづの森公園」で以前死んだ動物のものが多く、生きている時の姿を知っているものもあり当時を偲んで泣きました(うそ)。
以前うちの庭に轢いてある石ころの中から石器のようなモノを見つけました。大きさは7~8センチくらいで明らかに人為的に加工されたかのような欠き削った跡が観られます。両縁は鋭くナイフのようなエッジが形成されています。
今回は博物館に似たものがないかどうかも興味の対象でした。展示品を観ていくと縄文時代に作られたサイドスクレーパーと呼ばれる石のナイフが似ていました。
しかし、その形状、加工の正確さ、センスなどは想像していたよりずっと上で私が拾ったモノなどは本物であっても失敗作か習作程度の出来映えです。
いずれにせよ数千年から1万年も前のヒトの手にかかったものが残っていて、自分の手の中でそのタッチを感じられるとしたらロマンですよね。
まだまだ面接の日々です。何十人も応募があり、最初の方に面接した方は多少お待ち頂いておりますが、あしからず。
掲示板にも書きましたが、面接って大変です。数分間でその人の価値(私にとっての)を判断しなければならず、優劣がつけがたいことも多いです。
ただ、この人はイカンだろうというわかりやすい方も多いですねえ。
面接される方は業種にかかわらず以下の事が大切ですので注意してください。
1.意欲を見せること。
2.向上心をアピールすること。
3.言葉遣いに気をつけること(ですよお、うそおとか言わない)。
4.その会社で何がしたいかということをはっきり言うこと。
5.ちょっとくらい難しい業務でも努力で克服しますと言うこと。
6.(どのような趣味の方がいるかわかりませんので、)無難な服装、化粧、装飾にすること。
7.履歴書の書式はきちんとすること(写真貼付とあるのに貼ってない場合は×)。
8.通勤時間や交通手段などもきちんと書く。
いろいろありますが、募集した側はいったん雇用すると簡単には首に出来ません。ですから真剣に選んでいます。応募がたくさんの場合は、もっといい人がいないかなあと保留にすることも多いです。一定時間勤務してただ給料をもらうだけという心づもりでは間違いなく不合格になります。この就職難、会社にとってもっと条件の良い人はあなた以外に大勢いることを銘記して試験に臨んでください。
5月18日(火)
小沢一郎、さすがは策士ですねえ。政治家の舞台を見るようで面白いです(多少大根的ではありますが)。
小沢さんを見ると私の昔の上司の教授を思い出します。顔や体つきが似てるんですね。その教授、新潟出身で政治家の息子だったんですが、裕福に育って医学部のしがない教授まで上り詰めたというわけです。
てな訳で小沢さんには何となく親近感も感じているのですが、逆に油断できんなあという所もあるわけです。
もともとこの人は裏のボス的なところがありますので、あまり表に立って代表などはしたくなかったんではないでしょうか。またどう考えても次の選挙で政権与党になるとは考えられない政党の党首というのも気が向かなかったのではないでしょうか。
で、渡りに船に出てきた(わざわざ自分で引っ張り出してきた)のが未納問題です。義務化される前のことですので、責任など微塵も無いのですが、ここは福田さんに先手を取られた敵を討ち、さらに乗り気でない代表の座も明け渡し、党内の反小沢派も沈静化、国民にはクリーンで潔いイメージを打ち出す一石二鳥、三鳥の見事な作戦です。
エビでタイを釣ると言うか、歩で王手をかけたと言うか、廃品利用と言うか、みんなを驚かせた作戦ではありましたねえ。
ぱちぱち。
こんな写真見たことありますよねえ。
 
血液マイクロレオロジー検査です。毛細血管くらいの細さの溝に血液を流し、どのくらいのスピードで流れるかを実際に目に見える映像で観察できる装置です。
昨今のトンデモ番組の中で「さらさら血」、「どろどろ血」といった表現で頻繁に紹介されています。
しかし、どろどろ血だと悪いのでしょうか?もちろん流れが悪いと血栓が出来やすく脳梗塞などの原因になることがあります。しかしこの装置の検査結果のみで血液の状態を判断して良いのでしょうか。
血液の流れは血液そのものの流動性と血管の性質の両方のファクターが関わっています。生体の血管内では血管内皮細胞から流れを良くする物質が分泌されていますが、体外に出された血液はすぐに固まってしまいます。ですからこの装置では抗凝固剤を加えて測定します。つまり正確に体内の環境を再現した装置ではなく、あくまで目安として見られる装置と考えた方が良いと思います。(水を一杯飲んでも見え方は変わってきます)
貧血では血球成分が少ないため「さらさら血」になってしまいますし、汗をかいた後は血液は濃縮されて「どろどろ血」になっています。
一つの目安として他の検査と併せて総合的に判断することが必要です。
何もかもこれで判断するのはいただけません。
5月20日(木)
ラストサムライ観ました。
明治時代ってあんな感じでしたっけ(知らないけど)?多少何かが混ざっているような違和感は感じました。まあ、フィクションですから良いのですが。
昔の映画のような中国とも韓国ともつかないような日本ではなかったのは良かったです。日本人俳優もきっと横から相当意見を言ったんでしょう。
子役とか良い演技してました。
ガトリング銃の前に無防備に突進するかあ?とかの野暮な意見は置いといて結構楽しめました。
いつも思うんですが、外人の結構渋い声の俳優さんでも日本語をしゃべると重みがなく若干甲高い声になってしまうのはなぜでしょうか。イントネーションとか片言だとかの問題ではないような気がします。トムクルーズもショーンコネリーも日本語を話したとたんに甲高少年です。
話し言葉の渋さや表現力というのは声の質の問題だけではなく、その人のネイティブランゲージじゃないと出ない味なんでしょうね。
5月22日(土)
先日、何とか言う団体から私宛に封書が届きました。アルコール依存症を改善する会みたいです。どうして私に出したのでしょうか。アルコール依存まではなっていないと思うんですが、的確と言えば的確なお誘いです。飲む自由、飲まない自由というのも存在するんですね。
さて、最近飲んでいるのは(全然やめる気ないやん)、フィーヌやマールです。前に一度説明しましたが、もう一度復習しておきましょう。
ブランデーというのは基本的にはワインを蒸留したものです。有名なのはコニャックとかですね。この地方で獲れたブランデー用に作られたブドウで作ったブランデーです。
そのほかにワインで良く聞くロマネコンティーとかありますよね。ワインとしては最上級のものですが、その中にはロマネコンティーと冠するには多少の難があるワインというのがあります。醸造元ではこれらのワインを出荷せず蒸留してブランデーにすることがあるんです。こういうのをフィーヌって言います。フィーヌ・ド・ロマネコンティーなどは大変高価なものです。
マールというのはイタリアで言うグラッパに当たりますが、ワインを作った後のブドウの搾りかすを使ったブランデーです。フィーヌがワインそのものから作られるのに対し、マールはカストリブランデーというわけですね。
ですからフィーヌやマールにはコニャックとかにはないシャトーの個性みたいなモノが色濃く封入されています。特にマールには滓のいわゆる雑味が感じられ、それはそれで実に味わい深いものがあります。
ワイン通の方は是非一度味わってみてください。病みつきますよ。
5月26日(水)
今まで何十年も生きてきた世界が実は自分がずっと思っていたものではなく、両親も国籍が違う。今まで生きてきた国は情報操作がなされており、本当は悪の枢軸であった。
コペルニクス的転回と言いましょうか。こんなことがそう簡単に受け入れられるとは思えません。映画の筋書きのようなモノです。
もし自分なら日本に行くかなあ?
北から帰国した拉致家族の皆さん、時間をかけてゆっくりとなじんでいっていただきたいものです。
5月27日(木)
先日うちのスタッフたちと食事に出ました。若い女性が多いので(彼氏もいるだろうから)普通は夜の時間まではあまり拘束しないんですが、この日はみんなが計画して私も乗ったという状況です。
伊勢丹のビルの上階にあるレストランですが、評判の自然派食材のバイキングレストランです。男同士で行くのは多少ためらわれますので、今回は良い機会でした。
バイキングとかブッフェ形式とか言う放題系の店ではどうしても貧乏性が出てしまいますよねえ。元は取らんといかんとか、あれも喰いたいこれも喰いたいとか、お上品さからは徐々に遠ざかって行きます。まあ、バイキングになったつもりで許してもらいましょう。どうしてもてんこ盛り形式でワシワシ食べることになってしまいます。序盤はおなかがすいているので炭水化物系のものをたらふく食べるため、中盤くらいになってようやくペース配分の誤りに気がつくのが毎回です。
ちっとも学習致しません。
と言うわけで目一杯食べてワインを一本空けても1人2000円台でした。上司がついて行ってワリカンというわけにもいかず支払いましたが、われわれが営業と称して飲みに行くのに比較するとたいそう健全な出費ではありました。
5月28日(金)
何か暑いですね。気分は真夏です。運動会とか何とかで恐ろしく日焼けしました。人には紫外線気をつけるように言っているのに自分のことは高~い棚に上げました。
こんなに気候が良いと外に出たくなります。特に単車に乗ってのツーリングなんか最高ですね。
学生時代、5日くらいで九州一周、四国一周したことがあります。一日に1000キロ近く走行した日もありました。夜通し走って夜中に眠くなって気がついたら反対車線を走っていたなんて危ないこともありました。駅の構内やサウナに泊まっての、恐ろしくきつい旅でしたが今となってはすごく良い想い出です。
今はそんな元気はないですが、バイクとは細々ながらつきあっています。数年前古い英国の単車を入手しました。
彼女(*1)にはきらびやかな華もあり芯も強く、人目を引くプロポーションの魅力的な女性なのですが、ややきかん気も強く、おつきあいには多少のコツを要しました。
彼女とのおつきあいに少々疲れた時、初恋の日本女性(*2)のことを思い出しました。言うことは何でも素直に聞いてくれる小柄な女性です。インターネットで密かに探し出していた彼女に学会で上京した時会うことが出来ました。確かに思っていた通り昔と変わらない寸分のスキもないほど洗練されたその立ち姿には感動すら覚えました。小柄ですが内容がぎゅっと凝縮されたプロポーション、微妙な曲線を描いてすらりと伸びた4本の脚(エキパイ)、すばらしい美しさです。
ひとしきり彼女に見とれ、ふっと一息ついた時、後方からの視線を感じて振り返ると部屋の片隅にひっそり立ちつくしている彼女(*3)を私はついに見つけてしまったのです。
「子持ち」と呼ばれる職人の手書きによる上品な二本のピンストライプの入った年代物の黒のドレスは多少古びていましたが、それしかないというくらいに見事に上品に着こなし、しかしその趣味は嫌みではなく清楚で周囲の伊太利亜(*4)や英国の婦人達(*5)の中でひときわ静かで落ち着いた存在感のある雰囲気を醸し出しておりました。
彼女は独逸バイエルンの出身。私よりちょっとだけ年下ですが、見てきた世界は私よりもずっと広く深いことを感じさせてくれました。派手な美しさはありませんが年齢相応に落ち着きと気品を感じさせてくれます。気がつけば3時間も見とれていました。
一目惚れした私は再会を約束して帰郷しました。
それから一ヶ月、まだ何の連絡もありません。
そう、実は今入院中なのです。私との新しい生活にそなえて全身のチェックをしている最中です。もう半月もすると私のもとに飛んでくるはずです。そのときは皆様にもご紹介いたします。

昔の彼女(*1)
脚注
(*1)Triumph Bonneville 750 Rickman Metisse
(*2)Honda CB400 Four
(*3)BMW R26 250
(*4)Ducati Mach1 250
(*5)BSA GoldStar 500
5月29日(土)
今日は午後から東京に出張行ってきます。
新しいスキンレジュビネーションシステムのお勉強です。日曜の遅くに帰ってきますが、その間メールでのお問い合わせの返事が遅れるかも知れませんがご了承下さい。
さて、昨日は新しい恋人のことを書きましたが、過去の単車遍歴について書いてみます。
初めて乗ったのはHONDAのノーティーダックスでした。そのころいつも一緒にいました。小さなからだで私をどこまでも連れて行ってくれ、初めて私に自分でどこにでも行ける自由をくれました。50ccクラスのお付き合いは数台に上りましたが、そのうち大学生となり、もう少し大きなバイクに乗ってみたくなってきました。

ノーティダックスホンダCY50
大型免許です。原付から一挙に大型免許という人というのはごく希で、夏休みに試験場に行くと100人くらいの受験生の中で1人か2人いるだけでした。他の人は中型免許からの限定解除組か取り消しに合った人の再受験です。
当時は毎日でも試験が受けられたので(大型の教習所はなかった)、毎日通っては落っこちる毎日を過ごしました。幅30センチの橋を15秒以上かけて渡ったり、がたがた道を走行したり、およそ落とすために作られたような試験コースを走り続けました。15回目の試験の日、自分の中では今ひとつかなあと思っていたんですが、試験官のいる物見の塔に呼ばれて合格が告げられたときは、見ず知らずの他の受験生からも拍手の嵐でした。
ちなみに当時の合格率は2%程度ですから日に1人か2人しか合格しないんです。これで君たちの合格の確率は減ったんだよとか思いつつ、誇らしげにレッドカーペットの(←自分の中だけの)階段を降りました。
早速乗ったのは私の父親が乗っていたCBX1000です。これに乗るために頑張って免許取ったと言っても過言ではありません。1047cc、直列6気筒24バルブDOHC、103Hpというすさまじいスペックです。何と言っても横に張り出した6気筒のエンジンは圧巻で少々の雨が降っても足は濡れないくらいのモノでした。加速感はまさにジェットエンジンでホンダミュージックを堪能出来ました。昨日の日誌で書いた九州四国一周はこのバイクで行きました。
雨の松山で路面電車の軌道に乗って転倒しスピードメーターを壊しながら、その後はタコメーターのみで走り続けたのも想い出の一つです。

HONDA CBX1000
それからは例に漏れずレースの世界(素人だけどね)へと足を踏み込んでいきます。
これから先は来週書きましょう。
5月31日(月)
昨日は上京してDr.オバジのskin transformationのお勉強をして参りました。このシステムは18週間かけて古くなった皮膚を新しい皮膚に置き換え、若返りを図るという画期的な方法です。近日中に当院でも取り扱いますのでご期待下さい。
昨日の勉強会にはわざわざDr.Obagi自身が来日され直接ご指導頂きました。なかなか貴重な体験をさせて頂きました。

Dr.Zein Obagi VS 破れ医者(負け)
もっとましな格好で行けば良かったのに学会ではないので、ついお散歩みたいな格好で出席しました。Dr.Obagiにも失礼ですよね。(後悔)
先週の続き
アパートの隣の部屋には悪友がいて一緒にモトクロスを始めようという話になりました。もともと河原が近くにあってオフロードバイクなどで走り回っていたんですが、本格的にレースを始めたいと思ったわけです。中古のバイクを探し回りました。ホンダの80ccのモトクロッサーです。

こんなの。
ボロで2~3万円くらいだったと思います。早速持ち帰り、アパートの部屋の中まで持って上がって整備です。夜中まで隣の悪友と整備三昧、走り回る姿を夢見ながらホント楽しかったです。
ただ、レース用のためナンバーがなく、公道は走れません。ですからレース場までは積んで行くトランスポーターが必要です。今度は軽トラックの中古車を探し歩きました。5万円くらいでしたか、恐ろしくポンコツだが車検がまだかなり残っているやつを見つけ友人と2人で購入しました。まだまだ出費は続きます。モトクロス用のブーツ、プロテクター、ヘルメット(普通乗り用を流用)、ゴーグル、タイダウンベルト(マシンを固定するベルト)、ガソリン、オイルなどなどちびちび買いそろえてXデイに備えました。実際のレースやなどの想い出は改めて書きますが、こんな風にして深く深くバイクに関わってきました。
熊本のホンダのレース場にプロのレースを見に行ったとき、モトクロスではなくトライアルの実演をしていました。モトクロスが全力疾走なのに対し、トライアルはゆっくり技を競う競技です。これにまたはまってしまい、日頃に足にトライアラーもどきのバイクを購入しました。ホンダ イーハトーブです。つくづくホンダ好きですよねえ。

スリムで軽快。
タンクやシートも改造したりして通学に使ったり、林道走ったり階段登ったり色々と遊んでくれました。ですからこの時私は学生の分際でCBX1000(オヤジから借りていた)、イーハトーブ125、モトクロッサー(80cc)、軽トラック(半分)という物持ちだった訳です。贅沢でしたねえ。
その後モトクロスは125ccに転向して続けていました。四輪車というものを持っていなかったので海に行くときなんかは常に友達のお世話になりました。車に興味がなかったのと中古の単車しか買うお金がなかったという訳です。
さて、その後一大決心をして新車の大型バイクを手に入れる日が来ます。
続く。
2004年6月
6月1日(火)
梅雨の中休みですか?来週中にも新しい(が古い)単車が来るというのに雨ばかりでは困ります。
さて、先月の続き。
CBX1000 はすばらしく性能の良いバイクでした。当時としてはずば抜けたスペックを誇っていましたし、見た目も6気筒のエンジンがどれだけ人目を引いたかわかりません。
当時は逆輸入車も少なく、国産は750cc規制がありましたので二重の意味で目立っていました。
そんな中、一つだけ気になるバイクが登場してきました。
YAMAHA V-Max1200です。
4気筒の水冷エンジンはそれほど魅力的な姿ではありませんでしたが、全体の姿は低く構えたドラッグスターそのものでマッチョな、グラマラスなプロポーションに魅せられました。
これもまだ日本では発売されていない逆輸入車で相当高価な値段が付いています。1200cc、145Hp、0~400m加速11秒台は当時としてはとんでもない数字です。

V-Max 1200
恐ろしいほどの加速でした。
さて、どうやって入手するかは考えるまでもなくオヤジのCBXを売ることくらいしか手はありません。もともと父親はハーレー好きでCBXはあまりかわいがっていなかったので、思いのほかオヤジとの交渉はスムースに行きました。CBXもかなりの高値で下取ってもらえましたのでちょっぴりの月賦を組んだだけであこがれの単車を入手しました。その代わり毎日そうめんばっかり喰ってました。(つくづく癖の悪い極道ぼんぼん学生じゃ)
この車もハンドルを低く改造したりいろいろな手を入れて乗っていました。しかし、後に考えると昔の女がよく見えるではないですが、今となっては世界中にもうない6気筒のCBXが懐かしく思い起こされます。
医師となってからはさすがに単車を乗り回すのは危険(指でも怪我したら形成外科医はおしまい)です。現に私のクリニックのすぐ近くで開業されている内科医がバイク事故で何ヶ月も休診していました。
V-Maxもお蔵入りとなったまま長い月日が流れました。研修医のころはバイクなんて乗る暇もありません。研修先はERみたいな所でしたので正月でも日曜でも容赦なく急患が押し寄せてきます。研修医の時代から十数年まったくバイクとは無縁の生活を送りました。そして英国からTriumphを迎えるまでひたすら、あの輝いていた世界から遠ざかっていたんですね。
6月3日(木)
庭でクワガタ見つけました。犬の水飲みバケツの中で泳いで(溺れて)いるところを捕まえ(助け)ました。
3~4センチくらいの小さなヤツですが、図鑑で調べるとヒラタクワガタのようです。一人前にハサミ(つの?)で挟もうとします。かなり怒っているところを見ると溺れていたんじゃなくて泳いでいたのかも知れません。どうして怒っているかわかるかと言うと「ウンともスン」とも言わないんですが、低い姿勢から上体を起こし、ハサミを全開にしてこっちを見てるんです。
助けてもらったんなら、もう少し態度を軟化させても良いはずです。場合によっては大きくなってからで良いですので背中に乗っけて竜宮城にでも案内して欲しいくらいです。
本人は「気持ちよく泳いでいたのによけいなことをしよって」と主張しているのかも知れません。「君ねえ、泳いでいたにしちゃあ結構必死な顔してたよ。もしかしたら犬に飲み込まれていたかも知れないんだかんね」。などと言っても戒厳令を解除しません。
恩を知らんヤツです。もともと攻撃的な性格の人のようです。

ヒラタクワガタ君(子供)
火曜は宮崎から皮膚科のN先生が来られました。九州では宮崎にNありと言うくらいのレーザーの使い手です。先生が皮膚科から形成外科にお勉強に来ていた医局時代からのお付き合いです。今回はサーマクールの実際を見たいとのことでお出ででした。
夜はG先生、S先生と食事に出かけました。いつもながら近くの同業者の先生方と飲むと日頃の愚痴などを聞いていただけ癒されます。
深夜2時くらいまで飲んで帰宅しました。
また一歩、肝臓か心臓か脳か何かのやまいに近づきました。
梅雨は何処に?
朝から雲一つない青空が広がっています。午後になっても雨どころか雲の一片さえ見えません。良いことです(私的には)。

こら前線、どこまで下がっとるとね~?
今日の衛星写真ですが、雲を伴う前線は南方に押し下げられ日本海周辺は大きな晴れの区域にいます。

カラカラの紫陽花
庭の紫陽花も日差しに映えて美しいのですが、雨の滴が似合う花としては心外なのかも知れません。
6月5日(土)
何か、ホント夏のようですね。梅雨前線はいったい何処に行ったのでしょうか。(まだ南の島で遊んでいます)
空にはぎらぎらと輝く太陽が浮かんでいます。
さて、あの太陽ですが、火が燃えているんでしょうか?
間近で見たことないから知りません?科学雑誌とかに太陽表面のイラストとか載ってますね。フレアが上がってまるで火が燃えているようです。

でも宇宙空間には酸素は存在しませんので地球上で言う酸化反応としての燃焼は行われていないはずです。おわかりでしょう。
核融合反応なんですね。
太陽内部では水素が核融合しヘリウムとエネルギーが産生されています。
重い原子(ウランやプルトニウム)を中性子をぶつけることで分裂させ(核分裂)エネルギーを取り出すのが現在使用されている原子炉なのに対し、軽い元素(水素やヘリウム)同士をぶつけて融合させエネルギーを取り出すのが核融合です。
核分裂合は廃棄物として放射性物質を発生させますが、核融合はクリーンで暴走しにくく、大きなエネルギーを取り出すことが可能と言われています。自然って良くできているんですね。
サイエンスつながりでもいっこ。あるサイトからの知識の受け売りです。
100億匹(地球全人口の2倍)の猿がでたらめにタイプライターのキーを打ち続けたとします。しかも全員1秒に10個もキーがたたけるスーパー猿だとしましょう。
46文字の仮名のタイプライターがあったとして、これを全員(猿)が休まず宇宙の年齢にあたる150億年間でたらめに打ち続けると、ようやく「ふるいけやかわずとびこむみずのおと」が一回だけ偶然出来るというのです。
つまり猿(犬でもキジでも構わんが)がワープロを打って偶然芭蕉の句が出来る確率はゼロ%ということです。
芭蕉がいかに偉大だったか、宇宙の年齢150億年がいかに短いかと言うことです。
人類が誕生して100万年、文明が発祥して1万年、長いように思えますが、地球の年齢を1年に置き換えると人類の誕生は大晦日の午後8時ごろ、文明の始まりは11時59分くらいになります。
永遠のような年月もこうして考えると長くも短くも思えるのが不思議ですね。

6月7日(月)
土曜は高校の同窓会行ってきました。この会は1年に2~3回やっているのですが、いつ行っても楽しいですね。仕事がらみ関係なく職種いろいろ、人生いろいろで面白いです。
一次会はおきまりの居酒屋でおじさん、おばさんが大声張り上げて昔話に興じましたが、2次会はだれかの行きつけのクラブ(平坦なイントネーションの方)に行きました。破れ医者不得意分野です。
フロアでは音楽に合わせて集団盆踊り大会が始まります(何かを批判的に表現しているのではありませんよ、そのように見えたんです)。
50歳に近い同級生じじばばも果敢に出撃するのですが、なにしろ若者の乗りとリズム感からは若干逸脱し、1曲程度で見る影もなくやつれ果てて帰ってきます。かろうじてついて行っている者も若者からは応援の目つきで見られています(ような気がします)。
もちろんこういった所は自分が楽しければ100点なのでしょうが、多少こっぱずかし感をぬぐい切れません。フロアで颯爽とステップを踏んでいる若者たちは実に格好良かったです。
東海林さだおが何かのエッセイに、おじさんが不運にもこのような状況に陥った場合、踊っていても周りから格好悪く見えていないか、この手の動きに不自然感はないかなど考えて汗びっしょりになり、脳と手足の動きに乖離が生じると書いていました。
私も人並みに若い頃はディスコ(古)に行ったりもしましたが(ディスコを古いと表現する見栄を張った自分も感じる)、今となっては若いもんに場所をゆずって行きつけのバーのカウンターの隅で飲むとか、美しいお姉さんのいる店で静かにお話をする程度のほうが長生きします。
この世の中に光より早いモノはありません。
宇宙戦艦ヤマトやUSSエンタープライズはワープ航法などで光より早く飛べますが、これは置いておきます。

地球から太陽までの距離は1億5千万キロあります。光の速度は秒速約30万キロですから太陽から地球までは光のスピードでも約500秒(8分以上)はかかる計算です。
つまり太陽近くにいる宇宙船に地球から電話をかけると(電波も光と同じですよ)答えが返ってくるまで17分近くもかかる計算です。
現実的とは言い難いですが、1億5千万キロの長さのチタンか何かでできた硬くて丈夫な棒を地球と太陽の間にさし渡しておきます。地球で棒の端っこを押すと向こう側の端っこは、その瞬間に押されますよねえ。こうすればイエス、ノーくらいの簡単な通信なら8分もかからなくて済むんじゃないでしょうか?言い換えれば光の速度より早く信号を伝達できるんではないでしょうか。
どう思います?
これには理論的に重大な誤りが含まれていて、そうはうまくいかないのです。どこが間違っているのでしょう?
(そんな棒は作れんとか、太陽熱で溶けるだとか、地球も動いてるんで設置できんとかのつっこみはナシですよ。あくまで理論モデルです)
6月10日(木)
やってきました、新しい彼女。
昨日の朝7時に大型トラックに乗せられて我が家に到着です。早速エンジン始動、快調です。お休みでしたので朝っぱらから走り回りました。気がつけば夕方4時。クラッチ(決して重くはないのだが)操作のため左拇指球あたりに懐かしい痛みを覚えました。

愛しのBMW R26
整備状態はエクセレント、何処まで乗っても不安がありません。
綺麗な姿でしょ。50年ちかく前のものとは思えないほどの存在感です。エキパイも綺麗な虹色に焼けています。シャフトドライブのため後輪がオイルまみれになることもありません。
BMWは車ではよく知られていますが、バイクでも超有名なメーカーです。普通ボクサーツインと言って横に大きく張り出したエンジンが特徴ですが、R26は珍しい縦型シングルエンジンです。
久しぶりに乗ったのですが、すぐに感を取り戻しました。昔みたいにガンガン攻める乗り方は出来ませんが(しませんが)、ゆっくり風景を楽しみながら乗るには実に優雅で実用性も高いバイクです。
ここから先は多少マニアックに語りますので興味のない方は無視してください。
→ もうちょっと読む
こないだの答えです。
1億5千万キロの丈夫な棒を作ったとしましょう。普通に考えるとわかりませんが固体といえども伸びちぢみをするんです。
棒は原子で出来ているんですが、原子同士はくっついている訳ではなく色々な力で引きつけ合って結合しています。ですから棒の端っこを押すと端っこの原子は動きますが、その隣の原子は端っこの原子の影響を受けて動く、というような動き方をします。この原子間の力の伝わる早さが光の速さより遅いため、棒を使っても光より早く信号は送れない訳です。
5メーターや10メーターの棒ならそのタイムラグはまったく無視出来るほど小さいのですが、1億5千万キロともなると端っこを押すと、その歪みがゆっくり伝わって行くというイメージでしょうか。
分かりにくい?
6月11日(金)
例えば一日24時間歩き続けたら一体何処まで行けるでしょうか。早足で時速6キロとして24時間を掛けると144キロ。結構いけます。これを毎日続けると(ずーっと歩き続けると)140日で地球一周することができます。7年で月まで行くことが可能です。
時速60キロの車で行くと約1年で、時速1000キロのジェット機で行くと16日、スペースシャトル(時速3万キロ)なら半日くらいで月まで着いてしまいます(単純計算ですよ)。
我々が現在手に入れている最速の乗り物で移動して一生の間にどこまで行けるでしょうか。
24時間乗り続けて30年間旅を続けると7884000000キロ、約79億キロです。
ありゃー、誰かいるかもしれない一番近い恒星系、アルファケンタウリまでのたった5000分の1しか進めません。今の人類の科学では半径80億キロの球体の中くらいが移動の限界で、いくら頑張ってもそれ以上遠くへは行けない悲しい人生なんですね。
科学がいかに進んでも光の速度を超えることは出来ないですが、最大限光速で飛んだとして(宇宙船の重量は無限大に大きくなるので不可能なんだが)80年かければ大熊座のε星までは行けます。
じゃあ逆にそのくらい遠くの科学の発達した星からUFOが飛んできている可能性もあるんじゃないでしょうか。
でもそんな科学の発達した宇宙人ならわざわざ辺境の地球ごときに興味を持つとも考えにくいし、来ているとすれば人類に電話するとか手紙書くとか何らかの連絡があっても良さそうです。
そのようなことから考えても残念ながらUFO(宇宙人の乗り物という意味での)は来てないんでしょうね。

懐かしの謎の円盤UFO
6月14日(月)
何度も書きますが梅雨はいったい何処に行ってしまったんでしょうか。
わたし的にはこのまま夏に突入して頂きたいんですが、はっきりしろ!梅雨。
てなわけで雲一つない快晴の日曜日とくればバイクしかないでしょ。
幸いうちの毒ヒヨコども(娘など)はピヨピヨ言いながら田舎の方にジャガイモ掘りに出かけましたので久しぶりに自由な日曜という訳です。
土曜はこれまた夜中までしこたま飲んでましたので朝はまだ少々酔ったまんまの状態でしたが天気の良い日曜ともなればしゃんと目が覚めるのは小学生並みです。
まずは無謀にも高速道路の走行を試みました。結果は「まだ早かった」です。キャブの調整、プラグの交換等高速向けのセッティングをしないままでしたのであえなくスピードに乗れず1区間で降りました。その後は大変調子よく走り続け一日中そこら辺を走り回りました。その辺で止めて休憩していると誰かが話しかけてきます。
中には昔同じようなモノに乗っていたおじさんとかいてバイク談義に花を咲かせました。大型バイクが珍しかったころCBXに乗っていて良く話しかけられましたが、久しぶりのコミュニケーションです。
帰って気がつくと左足の甲に痛みがあります。昔モトクロスのレース中に負った骨折の古傷です。ずーっと痛みなんてなかったんですが古傷のヤツもバイク用の足の動きで思い出したんでしょうか。痛~い。
6月15日(火)
最近刺青除去の患者さんが目立ちます。
特に若い女性の背中、腕などに立派な彫り物がしてあります。ちょっと前なら「その方面」の姉さんかと思うようなシロモノもあります。
昔のように日本の伝統的な繊細な刺青は少なくなってアメリカンタトゥーと呼ばれる柄物が多いようです。
夏になって肌の露出が多くなると刺青を消したいという患者さんが増えてくる訳ですね。でも最初彫った時は見せたくて彫ったんではないでしょうか。
十代で彫って二十代で消すという感じです。
現在はレーザーが発達し、消せる刺青も多いのですが色によっては、または範囲の広い場合はやっかいです。一回で簡単に消えるものではなく時間をかけ段階的に消さなくてはなりません。その間は今までの綺麗な刺青は見る影もなくマダラになり、今以上に汚い時期が続くのも覚悟しなければいけないでしょう。
手術も然りです。刺青を消すだけなら簡単ですが、跡をいかに綺麗にするかが問題です。できあがりの綺麗さではレーザーが一番ですが、時間も回数もかかります。取りたいと言う方は早く取りたがる方が多いですので、手術を選択する場合もありますが、手術では傷跡が多かれ少なかれ残ると言うことを覚悟しなければいけません。保険も利きませんので相当の費用も必要です。
いずれにせよ刺青は消えないモノとして、入れるときは一生涯刺青人となる覚悟を決めて入れてください。
最近の若い人に言わせると「もう流行らない」そうですよ。
6月17日(木)
台風6号が近づいています。中心の気圧は915hpa(ヘクトパスカル)だそうです。

なんかちょっと前まではmb(ミリバール)なんて言ってましたよねえ。1992年12月から国際単位系のヘクトパスカルに変わりました。ヘクトは100倍の意味ですので1ヘクトパスカル=100パスカルとなります。
パスカルってのは聞いたとがあります。そう、「考える葦」のおっちゃんですね。パスカルの原理というのも昔習ったような記憶があります。
小さな力を大きく伝える油圧装置の原理を発見した人です。で、この人に敬意を表し、圧力の単位をパスカルと名付けたわけです。
パスカル=ニュートン/m2 です。圧力は単位面積当たりにかかる力(ニュートンは力の単位です)という表現ですね。ふむふむ。
またまたニュートンてなおじさんが出てきました。リンゴが落ちるのを見て万有引力の法則というのをひねり出したおじさんです。
1ニュートン=1kg・m/s2、つまり1ニュートンとは質量1kgの物体に1m/s2 の加速度を与える力(力=質量×加速度))です。おお、たしかに加速度なんていうとリンゴが関わっていそうな雰囲気ですね。
だんだんわからなくなってきました。高校のとき物理の先生が嫌いで(言い訳)、勉強しなかったせいです。
台風6号の中心の気圧は1平方メートルあたりに91.5トンの物体を1m/s2 の加速度を与える力を加えた圧力と言うわけです。
・・・・まったくわからん。計算間違いもあるかも知れん。お粗末。
6月18日(金)
ニュートンつながり。
ニュートンおじさんは万有引力の法則を考え、リンゴが落ちるんだったら月だって地球に向かって落ちてると言い出しました。月は落ちてきてるんですよ!!地球に。
同じことが人工衛星でも言えます。
ボールを水平に投げると放物線を描いて地上に落下します。力を入れて投げるともっと遠くまで飛びますね。ものすごーーーい早さで投げると、もーーーっと遠くまで飛んで、自分の後ろ頭に当たるかも知れませんね。
言い換えましょう。水平に投げたボールは重力の働きで少づつ落ちますが、地球は向こうに行くに従って少し下がっていますので(地球は丸いので)、早いスピードで投げれば地球のカーブにきれいに沿って飛んでいることが出来そうです。これが人工衛星ですね。
あんまり地表に近いと空気の抵抗があって落ちてしまいますが、地上数百キロ以上だと真空なのでずーっと飛びっぱなしになります。
まあ、地上200キロと言っても地球の半径は6400キロもあるのですから地球を直径20センチのサッカーボールとすると表面から3ミリのすれすれの所を飛んでいることになるのですが。
この時の打ち出すスピードを第一宇宙速度と呼んで、計算上秒速7.9キロ(時速28800キロ)程度になります。松坂投手の200倍くらいの豪速球を投げれば人工衛星になります。頑張って頂きたいものです。
ちなみに第二宇宙速度は地球の脱出速度で秒速11.2キロ、第三宇宙速度は太陽の重力から逃れる速度で秒速16.7キロです。
14日に千葉で体長メートルほどのグリーンイグアナがケヤキの木にいるのを発見され万一の場合に備えて警察官30人が出動。大捕物が繰り広げられました。枝を切り落とし、地面に落ちたところを、蛇などに慣れた署員が二人がかりで、しっぽや胴体をつかみ、捕まえたそうです。
どこかで飼われていたであろうイグアナ君、捨てられて悲しみにくれ、木の上で静かに行く末、余生を案じていたんでしょう。
そこに武装警官30人が大挙して押しかけ、あまつさえ木まで切られ地上に落下して「いてて」と思っている所を(蛇などに慣れた)警官がしっぽをつかんだと言うことです。
ご主人様にかわいがってもらっていたシアワセだった日々の想い出が走馬燈のようにイグアナ君の小さな脳の中を駆け巡ったコトでしょう。
しかし万一の事態ってえのは何でしょう。放射能を吐くとか急激に巨大化してビルを破壊するとかでしょうか。
そのような非常事態なら警官30人では太刀打ち出来ません。ピストルなども昔から怪獣には通じないことになっています。直ちに90式メーサー殺獣光線車の出動要請を出して下さい。間に合いませんっ。
動きもそれほど早い生き物ではありませんし、30人の署員、行ってみたかったんでしょうねえ。イグアナ見に。
蛇などに慣れた警官というのも凄い。日頃から蛇とかに親しんでいる警官というのも珍しいですねえ。虎なら親しんでいるでしょうけど。
あわれイグアナ君、拾得物扱いで捕らわれの身になっているようです。
捨てちゃあいけませんよ。イグアナだけは。

ちょっと古い機種
66式メーサー殺獣光線車
6月19日(土)
もうちょっと書かせて。
昨日200キロくらいの高度の人工衛星のことを書きましたが、これは地表すれすれという感じの衛星のことです。高度200キロというのは地球の直径より遙かに小さいので重力が地表とほぼ同じくらいと計算できるため、この人工衛星のスピードはほぼ第一宇宙速度(7.778キロ)になります。この軌道上の衛星は1時間28分29秒で地球を一周します。
高度が高くなるに従って重力は弱くなり遅い速度でも衛星になることが可能です。高度36000キロの円軌道の場合はほぼ24時間(23時間56分4秒)で地球を一周しますので赤道上の軌道なら地球から見ると静止したように見えます。静止衛星です。
前回の記事について以下のご指摘がありました。「月は落ちていると書いてありますが、徐々に遠ざかっているという記事を読んだことがあるのですが。」
その通りです。落ちているというのは自由落下しているという意味で地球にドシンと落ちてくる訳ではありません。地球の重力のベクトルと月の運動のベクトルの合成ベクトル(落ちる方向)がちょうど地球の接線方向になっている(落下の方向が地表と平行である)ため地球の周りをぐるぐる回っているのです。
しかし月は地球の海に干満を作ったり、地球自身を歪ませたりしてエネルギーを消費しています。ですからだんだんスピードが落ちて合成のベクトルは上向きとなり地球からみると高度が上がって(遠ざかって)ゆきます。
↑このあたり胡散臭いです。正解は6月22日をご覧下さい。
6月21日(月)
大型台風6号の北九州直撃は免れ、四国方面へと進路を変えたようです。
朝からなごりの雨です。
さて土曜は久しぶりに北九州ワイン倶楽部の例会が再開し行ってきました。ワイン倶楽部の面々も例に漏れず不況の波を頭からかぶり、ワインどころではない日々を過ごしておりましたが、こんな今こそワインと言うわけで再開に到りました。ただ、今回はこじんまりと少人数で開きましたが。
今回のテーマは食後酒です。日本では食前食中には酒を飲むのですが、食後にデザートと一緒に酒を飲む習慣というのはあまりありません。
ブドウ以外のフルーツを原料としたブランデーのことを「オー・ド・ヴィー・ド・フリュイ」と言います。ノルマンディー地方のリンゴを使ったのが有名なカルバドスですね。
シャンパンを食中酒に、きんきんに冷やしたオー・ド・ヴィー・ド・フリュイを食後酒に楽しみました。
日曜は父の日でしたね。
うちの毒ヒヨコどもも、この日ばかりは父親孝行をするのかと思いきや、二日酔いぎみのオヤジをピヨピヨ鳴きながら朝早くからたたき起こし、水遊びをするので地獄的な暑さの庭にビニールプールをただちに設置せよ要求するのです。うだうだ誤魔化していましたが刺されても困りますので風呂の残り湯をくみ上げ、蚊に刺されながら泣く泣くプールを作りました。
毒ヒヨコを水にたたき込んで、オヤジは庭のアリなどを暗く観察しておりました。石の裏から変なものが出てきました。なんじゃこりゃー。

オオミスジコウガイビルです。あー気色悪っ。
環形動物かと思ったら肛門もない扁形動物だそうです。ヒルの名前が付いていますが、昔、理科で聞いたことのあるプラナリアと同じ系統の生き物なんですね。体長は最長1メートルにもなるようです。見つけたのも50センチくらいありました。途中で切っても2匹に再生します。
ヒルで思い出しましたが、医療用のヒルがいるって知ってますか?血を吸うヒルですよ。切断した指などを再接着した場合、鬱血した所にヒルを吸い付かせて血を吸ってもらいます。由緒正しいばい菌のいないヒルで、たしかオーストラリアかどこかから1匹1ドルくらいで買っていたような記憶があります。
昔、医局の冷蔵庫で飼っていて教授からしこたま叱られた人がいましたなあ。
6月22日(火)
古典的なクイズです。下の図を見てください。
幅10メートルの川を挟んでA地点とB地点があります。
両地点は図のように30メートル離れているとしましょう。
さて、A地点からB地点まで最短距離で行けるようにするにはどこに橋をかければいいでしょう。
ただし、橋は「ななめ」にかけてはいけません。
簡単過ぎました? 答えはまた。
19日の月の解説、ちょっといい加減でした。(汗)
いろいろな指摘があり、ちゃんと調べましたので正解(と思う)を書きます。
原始地球に火星ほどの大きさの天体が衝突し、はじき飛ばされた岩石片がかたまって地球には不釣り合いな巨大な衛星、月が形成されたと考えられています(ジャイアント・インパクト説、ぼのぼの氏、正しい!)。
このときの衝突の勢いもあって、地球は今よりもかなり速いスピードでびゅんびゅん自転していた(1日が短かった)と考えられています。
しかし、近い月の強烈な潮汐摩擦の影響などで次第に回転エネルギーを失い、1日の長さが徐々に伸びていきました。現在でも、1年に0.000015秒の割合で長くなっているそうです。
地球は月の重力の影響を受け海水が引き寄せられて干満の差を起こすのですが、この時の海底との摩擦(潮汐摩擦)などで地球の自転は少しづつ遅くなっています。
地球と月の運動系で角運動量は保存されます。
(以下は簡単のため太陽の潮汐力等による影響を省きます)

角運動量保存則に運動方程式を代入すると

となり、地球の自転周期が大きくなる(自転が遅くなる)につれて月の公転軌道半径が大きくなる(地球から遠ざかる)ことがわかります。
月が出来たばかりでロシュ限界(潮汐力で衛星が破壊される限界)付近にあったときは、潮汐力も強烈に強く、毎日何百メートルの高さの潮の満ち引き(大津波)があって、自転に急ブレーキが掛かっているような状況だったはずです。
その後、月が遠ざかるにつれて、潮汐摩擦の作用は次第に弱くなり、今後は毎年3.8cm程度の割合で遠ざかっていくとされています。
要約すると、地球は月の潮汐力による潮汐摩擦によって運動エネルギーを損失して自転を弱め、そのぶん月はエネルギーを得て(運動量保存則)遠ざかっていくという訳です。
両手を頭の上に上げて高速スピンするスケートの選手が水平に両手を伸ばすとスピンの回転数が落ちるのと同じですね。
あ゛~、ようやくたどり着きました。と言うかむしろだんだんわからなくなってきました。
以上の説明ももしかしたら間違ったところがあるかも知れません。
そのときはご指摘下さい。
こんなおおごとになるとは思いませんでした。
やっぱ宇宙は深いわ(物理も)。
6月24日(木)
新人医師のバイトシリーズ(その1)
-献血ルーム-
大学を卒業して医師国家試験に合格すると医師になります。
当たり前のように聞こえますが、医療のまーったく出来ない馬の骨が医師の免許をもらうわけです。仮免(より悪いかも)みたいなものです。
それがどうやって医師としてやって行けるようになるのかは別の機会に譲るとして、そんな半人前もないような医師(の幹細胞くらい)をまっとうな給料を払って雇うバカな病院はありません。
最低でも24歳(高卒で働けば6年目のベテラン)の若老け無能医者を医局はただで青田刈りするのです。
国から大学に助成金が出るので正確にはタダではなく3万円くらいですが、実に泣かせる半端金額ではあります。
さて、医者になったは良いが明日から月給3万円で暮らせと言われても困ります。なので医局は自分の懐を痛めず無給医員を喰わせて行く方策として当直やアルバイトを許可します。こんな何も出来ない医師が当直というのも怖い話ではありますが、たいていは老人病院とかの寝て帰るだけのような初心者コースです。もちろん勝手にバイト出来るわけではなく医局の確保しているバイト先を先輩の先生方に譲って頂くのです。
その中の人気コースに献血センターというのがあります。献血に行かれた方ならご存じと思いますが、献血前に血の比重とか血圧とかを測り、献血可能かどうかを検査されます。このとき、結果を見て判断するのが(血圧もまともに計れない)新人医師というわけです。ベテラン看護師のほうがより的確な判断をすると思うのですが、規則上医師が居ないといけません。
その朝は一度医局に顔を出し、受持患者さんの顔などを見てから献血ルームに向かいます。少なくともその日一日は医局の雑用や教授のカミナリから逃れることが出来るシアワセの瞬間です。また献血ルームはたいてい街の繁華街にあり、真っ昼間からこんな所を大手を振ってうろつけるというのも高得点です。さらには大学病院の凶暴な看護師と違って麗しく優しい看護師さんに囲まれ蝶よ花よとお仕事ができ(大したことをしていない)、しかもお給料まで頂けるとあっては、ここに就職しようかと本気で考えたくらいです。
さて、献血ルームでは採血管と新人医師(世間知らずのバカモノ)の扱いに慣れた麗しのナースがまず「せんせ」と呼んで喜ばせてくれます。
医局でも「先生っ」と呼ばれはしますが、その何ともトゲトゲしいニュアンスとはひと味もふた味も違います。
日がな一日「可」とか「不可」(よほどひどい場合以外は不可は出さないようにと先輩から指導されていた)とか記入するだけで、あとは無料のコーヒー飲んだり、付属の菓子類を食べたりするだけです。お昼になると食事券が出て繁華街のレストランに食事に行きます。昼から少し献血者の数が減ってくると「出番」が回ってきます。「成分献血でいいですか?それとも400cc?」。行くたびに献血は要求され、献血手帳はかなりの数になりました。おかげで、ご褒美に金か銀の記章を頂きました。ありふれた血液型ではありますが、多少は救急医療などに貢献出来たかも知れません。
夕方になると悲しい別れが待っています。麗しのナース達と手に手を取って(取ったつもりで)再開を約束し天と地との差のある大学病院に帰ってきます。
医局に帰ると無理矢理現実に目覚めさせられます。今日一日浮かれて過ごしたツケが利子まで付いて待っています。夜中まで働かないと翌日の仕事に差し支えます。
「先生っ、受持患者さんの点滴の指示が出ていませんっ」「先生っ、○○さん、熱発してますよ~」「先生っ、患者さんの包帯替えてませんし~」・・・
っるせえ。来週から献血センターに就職するわ。俺に優しくしろっ。

ああ懐かしの献血ルームよ
6月25日(金)
新人医師のバイトシリーズ(その2)
-老人病院の怪-
献血ルームでは人が死んだりすることはまずありません。気分が悪くなったボランティアなどを介抱するくらいは医者じゃなくても(医者じゃないほうが)OKです。
そんな超初心者コース(麗しのナース付き)は新人医師の間では当然人気も高く2ヶ月に一度廻ってくるか来ないかというレアものです。しかし生活のためには週に1~2回はバイトに行かなくてはなりません。
真っ昼間から大学を離れられる献血ルームみたいな優良店は超まれで普通は病院の仕事が終わった後、バタバタと明日の朝までの当直バイトに出かけます。
当直ともなれば入院患者さんに何事か発生した時には医師として何らかの処置をしなければなりませんので気は楽ではありません。
もちろん新人医師が行く所ですので難しい患者さんが入院しているとか、急患が来るとかの難易度の高い場所ははじめから外されています(危なくてしかたがない)。
そんな新人が行っていたのが、ある老人病院でした。田舎の山の上にあるその病院の患者さんは平均年齢が80歳を超えるかと思うほどの高齢者ばかりです。殆どは寝たきりで、何かあったとしても痛い目に遭わせたくない、無理に延命治療はしないで下さいというご家族の要望のある患者さんばかりです(だから新人でも勤まる)。それでも最初の頃は救命マニュアルを持参したり、先輩医師の電話番号を肌身離さず持ったりしておりました。
ようやくその日も病棟の指示や伝票も書き終え、その足で中古の軽トラで1時間かけてようやく病院にたどり着きました。当直ナースに声を掛けたのは7時入りギリギリの時間でした。
当直室のこたつの上にはいつものようによーく冷めた夕食が用意(放置)されています。その徹底した冷め具合は、老人病院特有の芳香と相まっていっそう食欲をかき立てます。お昼以来ご飯食べてないですので、そんなことも言っておれません。お醤油系のモノをどっちゃり振りかけて食べます。
当直室の構造
当直室はだいたい図のような構造になっています。病棟の廊下から入ると正面に引き戸があって一段高くなり4畳半くらいの和室です。この部屋が明日の朝6時までの住処となるわけです。10時くらいに、病棟の反対側にある風呂場までシャワーを使いに行き部屋に帰ってきてドアを開けると、そこに白髪を振り乱した老婆が立っているではありませんか。油断していたとは言え、腰が抜けるほど驚きました。正直言うと腰の約半分が確実に抜けました。
たじろぎながらも「お、おばあちゃん、ここは当直室だから病室に帰ろうね。(聞こえてるのかなあ)」私は優しく彼女を向かいの病室に連れて行きました。
やれやれ、そこら辺に抜け落ちていた腰を拾い集め、這うようにして当直室に帰ってきました。
今の出来事をナースステーションに電話で報告し(言いつけ)、再度の老婆の侵略を未然に食い止めるべく廊下に通じるドアにはしっかり施錠しました。
あと6時間頑張ります。
その後は何事もなく明日のカンファレンスの準備などをして布団を敷いて寝てしまいました。その夜は患者さんに急変もなく、起こされることなく平穏に朝を迎えました。
帰る準備を整え引き戸を開けた瞬間、昨夜苦労して取り付けた腰が今度はすっぽり全部抜けてしまいました。
ど、どっから、どうやって入ったの~~~っ?!。ばあちゃ~~んっ。
夜中もここに黙~って座って居たわけ?
あ゛~も~。当直室の老婆をふりほどきダッシュで大学に逃げ帰りました。
90歳の人間が100人集まって合計9000歳くらいになると、その力に不可能というモノはなくなるんでしょうか。
と言うかあれは本当にばあちゃんだったのでしょうか。
今となっては確認のしようもありませんが、他のナニモノかであったのかも知れません。
南無阿弥陀仏。
6月26日(土)
新人医師のバイトシリーズ(その4)
-解剖教室のお仕事-
世の中には色々なバイトがあります。アルバイトニュースに載っているような健全なバイトがある一方、ちょっと人には話せない内容のバイトも存在するのです。
特に医者であるということで世間には知られていない特殊なバイトを経験することができました。
あなたの知らない病院の地下のミステリーゾーンにお連れ致しましょう。
医学部の学生は専門課程に入ると解剖実習という関門が待っています。数人のグループで1体のご遺体を半年ほどかけて解剖して行きます。1学年の学生数は100名ほどですので5人のグループとしても1学年に20体のご遺体が必要です。
さて、感の良い方はもうお察しかも知れません。
日が長くなってきたとは言え、この季節の7時はすっかり夕闇に包まれていました。蛍光灯の白々とした明かりに照らされひっそりしたリノリュームの長い廊下を私たちは解剖学教室のA講師の研究室に向かいました。すでに他の職員は帰宅してしまったようで廊下の両側に並ぶ明かりの消えた研究室には人の気配もなく、ただ何かの機械が動くブーンという低い音が闇のむこうからかすかに響いてくるのみです。
数日前、うちの教室の講師から「良いバイトがあるんだけど」と呼び止められました。一般の学生や職員が帰った後の夜中の仕事になるみたいです。「あさっては仕事を早めに切り上げて夕飯を食ってから夜7時に俺と同期の解剖のA講師の研究室に行きなさい。1人では寂しいだろうから、後輩のBも連れて行きなさい」だそうです。寂しいバイトなのでしょうか。
今考えると講師の少し薄笑いを浮かべた顔からして何か怪しげな雰囲気が漂っていました。そのときに止めておけばよかったのですが結構なバイト料に、つい「わかりました。」と答えてしまいました。
「おお、待ってたよ。」何か書き物をしていたらしいA講師は、そぐに手を止めて明るく私たちを招き入れてくれました。「実はね、この前まで勤めていた助手が急に辞めることになってねえ、困っていたんだ。内容は聞いてるよね。」聞いていないと答えると大笑いしながら「まあいい、ついてきなさい。そこに白衣とマスクがある。」
研究棟地下の関係者以外立ち入り禁止の部屋の、さらに奥の厳重に施錠されたスチールのドアの向こうにその施設はありました。地下に降りて行くに従ってホルマリンの臭いが徐々にきつくなっていたのですが、その本体はこの部屋にあったようです。ドアの横のスイッチを入れるとチカチカと瞬きながら一斉に蛍光灯が点灯しました。大きなその部屋はお風呂場のようにタイル張りで、中央に木の板でふたをされた、これまた銭湯のように大きな風呂桶がありました。
「浮いてきたヤツを時々沈めてね。手袋はそこにあるから。」
続く
新人医師のバイトシリーズ(その3)
-魔の連続当直-
当直料というのはだいたい一泊3万円程度(当時の月給に相当)です。寝るだけで3万なら濡れ手に粟のようなものですが、患者さんが何十人も入院している病院で医師は自分1人だけ、新人のうちは何かあったらどうしよう、などと考えると夜も眠れません。
週に1.5回当直するとして月に4~6回、収入は平均20万円程度にはなります。しかし医局からは医局費、昼食代、教科書代、学会の参加費、交通費(発表者のみ支給)などを容赦なくむしり取られ、さらにアパートの家賃、飲み代などを引くと心許ないのは言うまでもありません。当直の回数を増やせば良いんですが、大学病院の当直(手当は2千円程度)もありますのであまり多いと体力的にもちません。
しかしどうしてもお金が足らなくなったら金土日連続当直という命がけの荒技が炸裂することがあります。
炸裂先は例の老人病院なんですが、たまーに金曜の宿直、土曜の宿直、日曜の日勤宿直という連続アルバイトの口があることがあります。土日にバイトなどしたくないですが、背に腹は替えられません。
金曜の夕方いつものように病院の仕事が終わってからバイトへ。土曜の朝、大学に戻り通常の業務。昼からバイト先に戻り月曜の朝大学へ直行というハードスケジュールです。
この長期間の当直生活に入る前には万全の準備が必要です。ずーっと居ますので冷えたご飯ではないのは良いのですが、入院患者さんと一緒のメニュー(しかも老人用)というのも食をそそりますす。途中のコンビニで大量の物資を調達しましょう。勉強道具、本なども大量に持ち込みます。
当直室にはビデオデッキとかしゃれたモノもないのでレンタルビデオなどが観られなかったのは残念です。老婆の来襲に備えてドアの施錠も指さし確認します。
金曜の夜は通常通りの宿直ですが、土曜の昼からが耐久レースになります。
何しろ連続40時間もこの四畳半で過ごすわけです。ナースステーションにも顔を出し、患者さんの容態など「ふむふむ」と聞いて多少は医者らしく振る舞ったりします。それは実は医者だからではなく暇だからなんですけど。また知らない看護師さんなので話も弾みません。
一応、新人医師の名誉のために言っておきますが、そんな病院でも何にもしていないわけではなく熱発時の指示とか簡単な処方などは致します。また何ヶ月かに1回くらいは患者さんをお見送りすることがあります。そのときは救命措置の与薬、心肺蘇生術(必要なら)なども一通りおこない、おじいちゃん、おばあちゃんのもっとも尊厳な瞬間を孫の気持ちで畏敬の念をもってお見送り致します。
さてさて、そのような大仕事のない場合、老人病院は暇で仕方がありません。携帯電話のない時代ですので、ちょっとお出かけというわけもいかず、土曜の昼から月曜の朝まで当直室に閉じこもりっきりです。寝るにしても40時間は眠れません。床ずれが出来ます。
日曜の夜、洋画劇場が始まる頃には心身共に疲れ果て、あの地獄的な大学病院でさえ懐かしく思えてきます。あとは今夜の来襲さえ防御すれば人並みの生活に戻れます。
月曜の朝早く、二日間にわたって大量の食料を摂取し(それしかすることがない)おなか周りなどが多少成長した新人医師は顔だけがゲッソリ痩せて医局に帰って行くのでありました。あ~、今日も手術(の第三助手)じゃあ。
この連続当直では金曜の宿直料3万円、土曜の昼から宿直で5万円、日曜の日勤宿直で7万円、合計15万円という莫大な財産を現金で一挙に入手することが出来ます。
しかしながら、この技は確実に命を縮めるため年に4回までしか使うことが出来ません。
6月28日(月)
新人医師のバイトシリーズ(その4)
-解剖教室のお仕事(続き)-
噂には聞いていましたが、本当にこんな仕事があるとは驚きました。
解剖実習に使用するご遺体は「献体」と言って死後自分の体を医学の発展のために役立ててもらうため病院などに寄付するように遺言されたご遺体です(献血の全身版ですね)。
ご遺体はホルマリンのプールに浸されて保存されますが、一部でもホルマリンから出たままになっているとその部分が腐敗してしまいます。時々確認してホルマリンの中に沈めてあげる仕事があるという訳です。
「浮いてきたヤツを時々沈めてね。手袋はそこにあるから。」A講師はこともなげに木のふたを開けながら言いました。
おそるおそる風呂桶の中をのぞくと、ホルマリンの強い刺激臭がツーンと鼻につくと同時に何体ものご遺体がおなかや背中を見せてプカプカと浮かんでいる今までに見たことのない恐ろしい光景が目に飛び込んできました。
よく腰を抜かすヤツだと思われるかも知れませんが、この時も腰からは80%程度の力が抜けました。
「え゛ー、手でですか?」
「慣れないうちは、そこにある棒を使ってもいいからね。朝の7時に職員が出勤するから、それまで交代で突っついておいて。あんまり強く突っつくと壊れるからね。仮眠するなら隣の部屋でね。」
棒で突っついたりしてバチ関係などは当たらないのでしょうか。突っついて壊れたら中から何物かが出てきたりしないのでしょうか。本当に完全に亡くなっているのでしょうか。こんな部屋の隣で仮眠など出来るのでしょうか。仮に寝たとして金縛りなどにはあわないのでしょうか。
呆然としている私たちを残して「じゃ、頼むね。」A講師は明るく言い残すと部屋を出て行ってしまいました。
しばらく今いる状況に順応出来ずにいました。
医者だからと言って、ご遺体などと親しい関係を持ったことなどありません。祖母が亡くなったときに棺桶の窓ごしに見たくらいです。確かに実習ではご遺体の解剖をしましたが、そのときは真っ昼間の100人も仲間のいる解剖室です。
「先輩、鍵しまってますよおお」ほとんど出口近くまで後ずさりしていた後輩が急に大声で叫んだので、辛うじて残っていた残り20%の腰の力も完全に抜けきってしまいました。
「はあ?ウソでしょ。」
後輩はドアノブをガチャガチャやりながら半泣き状態です。先ほど出て行く時、A講師が習慣的に施錠してしまったに違いありません。
話が怖くなってきましたので、ちょっと話題を変えましょう。
都市伝説というのをご存じでしょうか。マクドナルドのハンバーガーにはミミズが使われているとか、ピアスをしたら失明したとか、メンソールタバコはインポになるといった類のあれですね。
このような非合理的な、しかし説得力のある(ように見える)解説付きのお話を世間は大好きです。
ハンバーガーにするには大量の肉が必要ですが、食用のミミズで賄うとすると大変なコスト高になってしまいます。
耳たぶには視神経などありませんので白い糸が出ることも失明することもありません。
メンソールじゃなくタバコそのものに害があります。
記憶に新しいところでは人面犬、口裂け女のように都市伝説は徐々に形を変えながら、さも本当らしく流布して行きます。当然医学部のような閉鎖的な社会の噂もパワーアップして語られることの多いカテゴリーです。
解剖実習のとき、ご遺体の耳を切り取って壁に付け、「壁に耳あり」などとふざけていた医学生が退学処分になったという話を聞いたことがあります。
実はこの話はどこの医学部でも流布している有名な都市伝説の一つで、「ご遺体に対する感謝の気持ちを忘れず尊厳な態度で実習しなさい」という戒めのたとえ話で、実際退学処分があったという事実はありません。
さて、感の良い方はもうお察しかも知れません。
新人医師バイトシリーズ(その4)解剖教室のお仕事という話は、まったくのフィクションです。都市伝説に多少の脚色を施して書いた、真っ赤な嘘八百です。
では、検証してみましょう。
1.ホルマリンプール
何体ものご遺体を保存するのに巨大なホルマリンのプールを作るのはナンセンスです。きっちりの大きさの桶で1体1体保存した方がよっぽど経済的です。またホルマリンは揮発性が強いのでプールのような構造ではすぐに蒸発してしまいます。そのような部屋に入ったら命が危険です。
実際のご遺体は血液を抜き、防腐剤などを注入した上でホルマリンを浸した布で何重にもくるんで保存します。
2.バイト
こんな単純な作業で高給をいただける訳もありません。医学部の基礎の研究室は貧乏所帯ですので、バイトを雇うくらいなら重石でもつけて沈めます。
3.高給
いくら高給でも一晩中複数のご遺体とお付き合いするくらいなら、老婆に侵略を許した方がまだましです。ご遺体に失礼があれば今すぐにでも祟られそうですが、老婆は生き霊にでもならない限り化けて出るとしてももうちょっと先です。おとなしく3万円もらって当直しなさい。
以上のような検証結果より嘘っぱちということがおわかりになったでしょうか。恐ろしい成り行きを期待していた方、ごめんなさい。
でもまだ信じられなくて高給のバイトがしてみたい方は大学の解剖学講座にご連絡下さい。私のこの話ももしかして嘘かも知れませんよ。
6月29日(火)
柿と言えば秋の代表的な味覚ですが、今の時期も順調に柿の実は育っています。
6月の上旬になると青い柿の実がどんどん落ちてしまいます。
大量に落下するので害虫などの被害かと思いきや、これは生理落下と言って自分の体力以上の余分な実を落とす正常な現象で心配ないようです。
植物というのを一年間を通して見ていると四季の移り変わりによるダイナミックな変化が感じられます。
実が落ちてしまった冬から2月くらいまでは活動を休止しています。4月には葉が出て5月には花を咲かせます。6月には小さな実をつけ始め、今日の状況が写真の通りです。

ピンポン球くらい
うちの柿子(仮名)は秋には数百個もの実をつけますが、一体こんなに付けて何をするつもりなんでしょうか。秋には収穫をしますが、人間が食べるのはごく少数です。他はカラスやモズなどが喜んで食べています。残りの熟れきった実は落ちて庭を汚します。
実と言うのは動物に食べられたり落下したりして種を放出して子孫を増やす役割をするのですが、柿子(仮名)の子供とかはどこかで順調に育っているのでしょうか。少なくとも庭に落ちた種から柿の木がにょきにょき生えている様子はありません。
木というのは特に何もすることがなく暇なので、一年かけ大量の実をつけるのを使命と考えて、脇目もふらずこればっかり一生懸命やっているような気がしてなりません。
だって相当に体力を使うし、実を作るための養分なども地中から調達してこなければなりません。
あの甘い果汁を作るための果糖とか水分とかは根から吸い上げたナニモノカと太陽の光のエネルギーと空気中の二酸化炭素だけから合成されたはずです。また、まったく同じ材料を使用しているにもかかわらずリンゴともナシともまったく違う味に仕上げています。恐るべき能力と言わざるを得ません。
切ってもただの材木にしかなりませんが、生命活動というのは大したモノですねえ。
2004年6月
6月1日(火)
梅雨の中休みですか?来週中にも新しい(が古い)単車が来るというのに雨ばかりでは困ります。
さて、先月の続き。
CBX1000 はすばらしく性能の良いバイクでした。当時としてはずば抜けたスペックを誇っていましたし、見た目も6気筒のエンジンがどれだけ人目を引いたかわかりません。
当時は逆輸入車も少なく、国産は750cc規制がありましたので二重の意味で目立っていました。
そんな中、一つだけ気になるバイクが登場してきました。
YAMAHA V-Max1200です。
4気筒の水冷エンジンはそれほど魅力的な姿ではありませんでしたが、全体の姿は低く構えたドラッグスターそのものでマッチョな、グラマラスなプロポーションに魅せられました。
これもまだ日本では発売されていない逆輸入車で相当高価な値段が付いています。1200cc、145Hp、0~400m加速11秒台は当時としてはとんでもない数字です。

V-Max 1200
恐ろしいほどの加速でした。
さて、どうやって入手するかは考えるまでもなくオヤジのCBXを売ることくらいしか手はありません。もともと父親はハーレー好きでCBXはあまりかわいがっていなかったので、思いのほかオヤジとの交渉はスムースに行きました。CBXもかなりの高値で下取ってもらえましたのでちょっぴりの月賦を組んだだけであこがれの単車を入手しました。その代わり毎日そうめんばっかり喰ってました。(つくづく癖の悪い極道ぼんぼん学生じゃ)
この車もハンドルを低く改造したりいろいろな手を入れて乗っていました。しかし、後に考えると昔の女がよく見えるではないですが、今となっては世界中にもうない6気筒のCBXが懐かしく思い起こされます。
医師となってからはさすがに単車を乗り回すのは危険(指でも怪我したら形成外科医はおしまい)です。現に私のクリニックのすぐ近くで開業されている内科医がバイク事故で何ヶ月も休診していました。
V-Maxもお蔵入りとなったまま長い月日が流れました。研修医のころはバイクなんて乗る暇もありません。研修先はERみたいな所でしたので正月でも日曜でも容赦なく急患が押し寄せてきます。研修医の時代から十数年まったくバイクとは無縁の生活を送りました。そして英国からTriumphを迎えるまでひたすら、あの輝いていた世界から遠ざかっていたんですね。
6月3日(木)
庭でクワガタ見つけました。犬の水飲みバケツの中で泳いで(溺れて)いるところを捕まえ(助け)ました。
3~4センチくらいの小さなヤツですが、図鑑で調べるとヒラタクワガタのようです。一人前にハサミ(つの?)で挟もうとします。かなり怒っているところを見ると溺れていたんじゃなくて泳いでいたのかも知れません。どうして怒っているかわかるかと言うと「ウンともスン」とも言わないんですが、低い姿勢から上体を起こし、ハサミを全開にしてこっちを見てるんです。
助けてもらったんなら、もう少し態度を軟化させても良いはずです。場合によっては大きくなってからで良いですので背中に乗っけて竜宮城にでも案内して欲しいくらいです。
本人は「気持ちよく泳いでいたのによけいなことをしよって」と主張しているのかも知れません。「君ねえ、泳いでいたにしちゃあ結構必死な顔してたよ。もしかしたら犬に飲み込まれていたかも知れないんだかんね」。などと言っても戒厳令を解除しません。
恩を知らんヤツです。もともと攻撃的な性格の人のようです。

ヒラタクワガタ君(子供)
火曜は宮崎から皮膚科のN先生が来られました。九州では宮崎にNありと言うくらいのレーザーの使い手です。先生が皮膚科から形成外科にお勉強に来ていた医局時代からのお付き合いです。今回はサーマクールの実際を見たいとのことでお出ででした。
夜はG先生、S先生と食事に出かけました。いつもながら近くの同業者の先生方と飲むと日頃の愚痴などを聞いていただけ癒されます。
深夜2時くらいまで飲んで帰宅しました。
また一歩、肝臓か心臓か脳か何かのやまいに近づきました。
梅雨は何処に?
朝から雲一つない青空が広がっています。午後になっても雨どころか雲の一片さえ見えません。良いことです(私的には)。

こら前線、どこまで下がっとるとね~?
今日の衛星写真ですが、雲を伴う前線は南方に押し下げられ日本海周辺は大きな晴れの区域にいます。

カラカラの紫陽花
庭の紫陽花も日差しに映えて美しいのですが、雨の滴が似合う花としては心外なのかも知れません。
6月5日(土)
何か、ホント夏のようですね。梅雨前線はいったい何処に行ったのでしょうか。(まだ南の島で遊んでいます)
空にはぎらぎらと輝く太陽が浮かんでいます。
さて、あの太陽ですが、火が燃えているんでしょうか?
間近で見たことないから知りません?科学雑誌とかに太陽表面のイラストとか載ってますね。フレアが上がってまるで火が燃えているようです。

でも宇宙空間には酸素は存在しませんので地球上で言う酸化反応としての燃焼は行われていないはずです。おわかりでしょう。
核融合反応なんですね。
太陽内部では水素が核融合しヘリウムとエネルギーが産生されています。
重い原子(ウランやプルトニウム)を中性子をぶつけることで分裂させ(核分裂)エネルギーを取り出すのが現在使用されている原子炉なのに対し、軽い元素(水素やヘリウム)同士をぶつけて融合させエネルギーを取り出すのが核融合です。
核分裂合は廃棄物として放射性物質を発生させますが、核融合はクリーンで暴走しにくく、大きなエネルギーを取り出すことが可能と言われています。自然って良くできているんですね。
サイエンスつながりでもいっこ。あるサイトからの知識の受け売りです。
100億匹(地球全人口の2倍)の猿がでたらめにタイプライターのキーを打ち続けたとします。しかも全員1秒に10個もキーがたたけるスーパー猿だとしましょう。
46文字の仮名のタイプライターがあったとして、これを全員(猿)が休まず宇宙の年齢にあたる150億年間でたらめに打ち続けると、ようやく「ふるいけやかわずとびこむみずのおと」が一回だけ偶然出来るというのです。
つまり猿(犬でもキジでも構わんが)がワープロを打って偶然芭蕉の句が出来る確率はゼロ%ということです。
芭蕉がいかに偉大だったか、宇宙の年齢150億年がいかに短いかと言うことです。
人類が誕生して100万年、文明が発祥して1万年、長いように思えますが、地球の年齢を1年に置き換えると人類の誕生は大晦日の午後8時ごろ、文明の始まりは11時59分くらいになります。
永遠のような年月もこうして考えると長くも短くも思えるのが不思議ですね。

6月7日(月)
土曜は高校の同窓会行ってきました。この会は1年に2~3回やっているのですが、いつ行っても楽しいですね。仕事がらみ関係なく職種いろいろ、人生いろいろで面白いです。
一次会はおきまりの居酒屋でおじさん、おばさんが大声張り上げて昔話に興じましたが、2次会はだれかの行きつけのクラブ(平坦なイントネーションの方)に行きました。破れ医者不得意分野です。
フロアでは音楽に合わせて集団盆踊り大会が始まります(何かを批判的に表現しているのではありませんよ、そのように見えたんです)。
50歳に近い同級生じじばばも果敢に出撃するのですが、なにしろ若者の乗りとリズム感からは若干逸脱し、1曲程度で見る影もなくやつれ果てて帰ってきます。かろうじてついて行っている者も若者からは応援の目つきで見られています(ような気がします)。
もちろんこういった所は自分が楽しければ100点なのでしょうが、多少こっぱずかし感をぬぐい切れません。フロアで颯爽とステップを踏んでいる若者たちは実に格好良かったです。
東海林さだおが何かのエッセイに、おじさんが不運にもこのような状況に陥った場合、踊っていても周りから格好悪く見えていないか、この手の動きに不自然感はないかなど考えて汗びっしょりになり、脳と手足の動きに乖離が生じると書いていました。
私も人並みに若い頃はディスコ(古)に行ったりもしましたが(ディスコを古いと表現する見栄を張った自分も感じる)、今となっては若いもんに場所をゆずって行きつけのバーのカウンターの隅で飲むとか、美しいお姉さんのいる店で静かにお話をする程度のほうが長生きします。
この世の中に光より早いモノはありません。
宇宙戦艦ヤマトやUSSエンタープライズはワープ航法などで光より早く飛べますが、これは置いておきます。

地球から太陽までの距離は1億5千万キロあります。光の速度は秒速約30万キロですから太陽から地球までは光のスピードでも約500秒(8分以上)はかかる計算です。
つまり太陽近くにいる宇宙船に地球から電話をかけると(電波も光と同じですよ)答えが返ってくるまで17分近くもかかる計算です。
現実的とは言い難いですが、1億5千万キロの長さのチタンか何かでできた硬くて丈夫な棒を地球と太陽の間にさし渡しておきます。地球で棒の端っこを押すと向こう側の端っこは、その瞬間に押されますよねえ。こうすればイエス、ノーくらいの簡単な通信なら8分もかからなくて済むんじゃないでしょうか?言い換えれば光の速度より早く信号を伝達できるんではないでしょうか。
どう思います?
これには理論的に重大な誤りが含まれていて、そうはうまくいかないのです。どこが間違っているのでしょう?
(そんな棒は作れんとか、太陽熱で溶けるだとか、地球も動いてるんで設置できんとかのつっこみはナシですよ。あくまで理論モデルです)
6月10日(木)
やってきました、新しい彼女。
昨日の朝7時に大型トラックに乗せられて我が家に到着です。早速エンジン始動、快調です。お休みでしたので朝っぱらから走り回りました。気がつけば夕方4時。クラッチ(決して重くはないのだが)操作のため左拇指球あたりに懐かしい痛みを覚えました。

愛しのBMW R26
整備状態はエクセレント、何処まで乗っても不安がありません。
綺麗な姿でしょ。50年ちかく前のものとは思えないほどの存在感です。エキパイも綺麗な虹色に焼けています。シャフトドライブのため後輪がオイルまみれになることもありません。
BMWは車ではよく知られていますが、バイクでも超有名なメーカーです。普通ボクサーツインと言って横に大きく張り出したエンジンが特徴ですが、R26は珍しい縦型シングルエンジンです。
久しぶりに乗ったのですが、すぐに感を取り戻しました。昔みたいにガンガン攻める乗り方は出来ませんが(しませんが)、ゆっくり風景を楽しみながら乗るには実に優雅で実用性も高いバイクです。
ここから先は多少マニアックに語りますので興味のない方は無視してください。
→ もうちょっと読む
こないだの答えです。
1億5千万キロの丈夫な棒を作ったとしましょう。普通に考えるとわかりませんが固体といえども伸びちぢみをするんです。
棒は原子で出来ているんですが、原子同士はくっついている訳ではなく色々な力で引きつけ合って結合しています。ですから棒の端っこを押すと端っこの原子は動きますが、その隣の原子は端っこの原子の影響を受けて動く、というような動き方をします。この原子間の力の伝わる早さが光の速さより遅いため、棒を使っても光より早く信号は送れない訳です。
5メーターや10メーターの棒ならそのタイムラグはまったく無視出来るほど小さいのですが、1億5千万キロともなると端っこを押すと、その歪みがゆっくり伝わって行くというイメージでしょうか。
分かりにくい?
6月11日(金)
例えば一日24時間歩き続けたら一体何処まで行けるでしょうか。早足で時速6キロとして24時間を掛けると144キロ。結構いけます。これを毎日続けると(ずーっと歩き続けると)140日で地球一周することができます。7年で月まで行くことが可能です。
時速60キロの車で行くと約1年で、時速1000キロのジェット機で行くと16日、スペースシャトル(時速3万キロ)なら半日くらいで月まで着いてしまいます(単純計算ですよ)。
我々が現在手に入れている最速の乗り物で移動して一生の間にどこまで行けるでしょうか。
24時間乗り続けて30年間旅を続けると7884000000キロ、約79億キロです。
ありゃー、誰かいるかもしれない一番近い恒星系、アルファケンタウリまでのたった5000分の1しか進めません。今の人類の科学では半径80億キロの球体の中くらいが移動の限界で、いくら頑張ってもそれ以上遠くへは行けない悲しい人生なんですね。
科学がいかに進んでも光の速度を超えることは出来ないですが、最大限光速で飛んだとして(宇宙船の重量は無限大に大きくなるので不可能なんだが)80年かければ大熊座のε星までは行けます。
じゃあ逆にそのくらい遠くの科学の発達した星からUFOが飛んできている可能性もあるんじゃないでしょうか。
でもそんな科学の発達した宇宙人ならわざわざ辺境の地球ごときに興味を持つとも考えにくいし、来ているとすれば人類に電話するとか手紙書くとか何らかの連絡があっても良さそうです。
そのようなことから考えても残念ながらUFO(宇宙人の乗り物という意味での)は来てないんでしょうね。

懐かしの謎の円盤UFO
6月14日(月)
何度も書きますが梅雨はいったい何処に行ってしまったんでしょうか。
わたし的にはこのまま夏に突入して頂きたいんですが、はっきりしろ!梅雨。
てなわけで雲一つない快晴の日曜日とくればバイクしかないでしょ。
幸いうちの毒ヒヨコども(娘など)はピヨピヨ言いながら田舎の方にジャガイモ掘りに出かけましたので久しぶりに自由な日曜という訳です。
土曜はこれまた夜中までしこたま飲んでましたので朝はまだ少々酔ったまんまの状態でしたが天気の良い日曜ともなればしゃんと目が覚めるのは小学生並みです。
まずは無謀にも高速道路の走行を試みました。結果は「まだ早かった」です。キャブの調整、プラグの交換等高速向けのセッティングをしないままでしたのであえなくスピードに乗れず1区間で降りました。その後は大変調子よく走り続け一日中そこら辺を走り回りました。その辺で止めて休憩していると誰かが話しかけてきます。
中には昔同じようなモノに乗っていたおじさんとかいてバイク談義に花を咲かせました。大型バイクが珍しかったころCBXに乗っていて良く話しかけられましたが、久しぶりのコミュニケーションです。
帰って気がつくと左足の甲に痛みがあります。昔モトクロスのレース中に負った骨折の古傷です。ずーっと痛みなんてなかったんですが古傷のヤツもバイク用の足の動きで思い出したんでしょうか。痛~い。
6月15日(火)
最近刺青除去の患者さんが目立ちます。
特に若い女性の背中、腕などに立派な彫り物がしてあります。ちょっと前なら「その方面」の姉さんかと思うようなシロモノもあります。
昔のように日本の伝統的な繊細な刺青は少なくなってアメリカンタトゥーと呼ばれる柄物が多いようです。
夏になって肌の露出が多くなると刺青を消したいという患者さんが増えてくる訳ですね。でも最初彫った時は見せたくて彫ったんではないでしょうか。
十代で彫って二十代で消すという感じです。
現在はレーザーが発達し、消せる刺青も多いのですが色によっては、または範囲の広い場合はやっかいです。一回で簡単に消えるものではなく時間をかけ段階的に消さなくてはなりません。その間は今までの綺麗な刺青は見る影もなくマダラになり、今以上に汚い時期が続くのも覚悟しなければいけないでしょう。
手術も然りです。刺青を消すだけなら簡単ですが、跡をいかに綺麗にするかが問題です。できあがりの綺麗さではレーザーが一番ですが、時間も回数もかかります。取りたいと言う方は早く取りたがる方が多いですので、手術を選択する場合もありますが、手術では傷跡が多かれ少なかれ残ると言うことを覚悟しなければいけません。保険も利きませんので相当の費用も必要です。
いずれにせよ刺青は消えないモノとして、入れるときは一生涯刺青人となる覚悟を決めて入れてください。
最近の若い人に言わせると「もう流行らない」そうですよ。
6月17日(木)
台風6号が近づいています。中心の気圧は915hpa(ヘクトパスカル)だそうです。

なんかちょっと前まではmb(ミリバール)なんて言ってましたよねえ。1992年12月から国際単位系のヘクトパスカルに変わりました。ヘクトは100倍の意味ですので1ヘクトパスカル=100パスカルとなります。
パスカルってのは聞いたとがあります。そう、「考える葦」のおっちゃんですね。パスカルの原理というのも昔習ったような記憶があります。
小さな力を大きく伝える油圧装置の原理を発見した人です。で、この人に敬意を表し、圧力の単位をパスカルと名付けたわけです。
パスカル=ニュートン/m2 です。圧力は単位面積当たりにかかる力(ニュートンは力の単位です)という表現ですね。ふむふむ。
またまたニュートンてなおじさんが出てきました。リンゴが落ちるのを見て万有引力の法則というのをひねり出したおじさんです。
1ニュートン=1kg・m/s2、つまり1ニュートンとは質量1kgの物体に1m/s2 の加速度を与える力(力=質量×加速度))です。おお、たしかに加速度なんていうとリンゴが関わっていそうな雰囲気ですね。
だんだんわからなくなってきました。高校のとき物理の先生が嫌いで(言い訳)、勉強しなかったせいです。
台風6号の中心の気圧は1平方メートルあたりに91.5トンの物体を1m/s2 の加速度を与える力を加えた圧力と言うわけです。
・・・・まったくわからん。計算間違いもあるかも知れん。お粗末。
6月18日(金)
ニュートンつながり。
ニュートンおじさんは万有引力の法則を考え、リンゴが落ちるんだったら月だって地球に向かって落ちてると言い出しました。月は落ちてきてるんですよ!!地球に。
同じことが人工衛星でも言えます。
ボールを水平に投げると放物線を描いて地上に落下します。力を入れて投げるともっと遠くまで飛びますね。ものすごーーーい早さで投げると、もーーーっと遠くまで飛んで、自分の後ろ頭に当たるかも知れませんね。
言い換えましょう。水平に投げたボールは重力の働きで少づつ落ちますが、地球は向こうに行くに従って少し下がっていますので(地球は丸いので)、早いスピードで投げれば地球のカーブにきれいに沿って飛んでいることが出来そうです。これが人工衛星ですね。
あんまり地表に近いと空気の抵抗があって落ちてしまいますが、地上数百キロ以上だと真空なのでずーっと飛びっぱなしになります。
まあ、地上200キロと言っても地球の半径は6400キロもあるのですから地球を直径20センチのサッカーボールとすると表面から3ミリのすれすれの所を飛んでいることになるのですが。
この時の打ち出すスピードを第一宇宙速度と呼んで、計算上秒速7.9キロ(時速28800キロ)程度になります。松坂投手の200倍くらいの豪速球を投げれば人工衛星になります。頑張って頂きたいものです。
ちなみに第二宇宙速度は地球の脱出速度で秒速11.2キロ、第三宇宙速度は太陽の重力から逃れる速度で秒速16.7キロです。
14日に千葉で体長メートルほどのグリーンイグアナがケヤキの木にいるのを発見され万一の場合に備えて警察官30人が出動。大捕物が繰り広げられました。枝を切り落とし、地面に落ちたところを、蛇などに慣れた署員が二人がかりで、しっぽや胴体をつかみ、捕まえたそうです。
どこかで飼われていたであろうイグアナ君、捨てられて悲しみにくれ、木の上で静かに行く末、余生を案じていたんでしょう。
そこに武装警官30人が大挙して押しかけ、あまつさえ木まで切られ地上に落下して「いてて」と思っている所を(蛇などに慣れた)警官がしっぽをつかんだと言うことです。
ご主人様にかわいがってもらっていたシアワセだった日々の想い出が走馬燈のようにイグアナ君の小さな脳の中を駆け巡ったコトでしょう。
しかし万一の事態ってえのは何でしょう。放射能を吐くとか急激に巨大化してビルを破壊するとかでしょうか。
そのような非常事態なら警官30人では太刀打ち出来ません。ピストルなども昔から怪獣には通じないことになっています。直ちに90式メーサー殺獣光線車の出動要請を出して下さい。間に合いませんっ。
動きもそれほど早い生き物ではありませんし、30人の署員、行ってみたかったんでしょうねえ。イグアナ見に。
蛇などに慣れた警官というのも凄い。日頃から蛇とかに親しんでいる警官というのも珍しいですねえ。虎なら親しんでいるでしょうけど。
あわれイグアナ君、拾得物扱いで捕らわれの身になっているようです。
捨てちゃあいけませんよ。イグアナだけは。

ちょっと古い機種
66式メーサー殺獣光線車
6月19日(土)
もうちょっと書かせて。
昨日200キロくらいの高度の人工衛星のことを書きましたが、これは地表すれすれという感じの衛星のことです。高度200キロというのは地球の直径より遙かに小さいので重力が地表とほぼ同じくらいと計算できるため、この人工衛星のスピードはほぼ第一宇宙速度(7.778キロ)になります。この軌道上の衛星は1時間28分29秒で地球を一周します。
高度が高くなるに従って重力は弱くなり遅い速度でも衛星になることが可能です。高度36000キロの円軌道の場合はほぼ24時間(23時間56分4秒)で地球を一周しますので赤道上の軌道なら地球から見ると静止したように見えます。静止衛星です。
前回の記事について以下のご指摘がありました。「月は落ちていると書いてありますが、徐々に遠ざかっているという記事を読んだことがあるのですが。」
その通りです。落ちているというのは自由落下しているという意味で地球にドシンと落ちてくる訳ではありません。地球の重力のベクトルと月の運動のベクトルの合成ベクトル(落ちる方向)がちょうど地球の接線方向になっている(落下の方向が地表と平行である)ため地球の周りをぐるぐる回っているのです。
しかし月は地球の海に干満を作ったり、地球自身を歪ませたりしてエネルギーを消費しています。ですからだんだんスピードが落ちて合成のベクトルは上向きとなり地球からみると高度が上がって(遠ざかって)ゆきます。
↑このあたり胡散臭いです。正解は6月22日をご覧下さい。
6月21日(月)
大型台風6号の北九州直撃は免れ、四国方面へと進路を変えたようです。
朝からなごりの雨です。
さて土曜は久しぶりに北九州ワイン倶楽部の例会が再開し行ってきました。ワイン倶楽部の面々も例に漏れず不況の波を頭からかぶり、ワインどころではない日々を過ごしておりましたが、こんな今こそワインと言うわけで再開に到りました。ただ、今回はこじんまりと少人数で開きましたが。
今回のテーマは食後酒です。日本では食前食中には酒を飲むのですが、食後にデザートと一緒に酒を飲む習慣というのはあまりありません。
ブドウ以外のフルーツを原料としたブランデーのことを「オー・ド・ヴィー・ド・フリュイ」と言います。ノルマンディー地方のリンゴを使ったのが有名なカルバドスですね。
シャンパンを食中酒に、きんきんに冷やしたオー・ド・ヴィー・ド・フリュイを食後酒に楽しみました。
日曜は父の日でしたね。
うちの毒ヒヨコどもも、この日ばかりは父親孝行をするのかと思いきや、二日酔いぎみのオヤジをピヨピヨ鳴きながら朝早くからたたき起こし、水遊びをするので地獄的な暑さの庭にビニールプールをただちに設置せよ要求するのです。うだうだ誤魔化していましたが刺されても困りますので風呂の残り湯をくみ上げ、蚊に刺されながら泣く泣くプールを作りました。
毒ヒヨコを水にたたき込んで、オヤジは庭のアリなどを暗く観察しておりました。石の裏から変なものが出てきました。なんじゃこりゃー。

オオミスジコウガイビルです。あー気色悪っ。
環形動物かと思ったら肛門もない扁形動物だそうです。ヒルの名前が付いていますが、昔、理科で聞いたことのあるプラナリアと同じ系統の生き物なんですね。体長は最長1メートルにもなるようです。見つけたのも50センチくらいありました。途中で切っても2匹に再生します。
ヒルで思い出しましたが、医療用のヒルがいるって知ってますか?血を吸うヒルですよ。切断した指などを再接着した場合、鬱血した所にヒルを吸い付かせて血を吸ってもらいます。由緒正しいばい菌のいないヒルで、たしかオーストラリアかどこかから1匹1ドルくらいで買っていたような記憶があります。
昔、医局の冷蔵庫で飼っていて教授からしこたま叱られた人がいましたなあ。
6月22日(火)
古典的なクイズです。下の図を見てください。
幅10メートルの川を挟んでA地点とB地点があります。
両地点は図のように30メートル離れているとしましょう。
さて、A地点からB地点まで最短距離で行けるようにするにはどこに橋をかければいいでしょう。
ただし、橋は「ななめ」にかけてはいけません。
簡単過ぎました? 答えはまた。
19日の月の解説、ちょっといい加減でした。(汗)
いろいろな指摘があり、ちゃんと調べましたので正解(と思う)を書きます。
原始地球に火星ほどの大きさの天体が衝突し、はじき飛ばされた岩石片がかたまって地球には不釣り合いな巨大な衛星、月が形成されたと考えられています(ジャイアント・インパクト説、ぼのぼの氏、正しい!)。
このときの衝突の勢いもあって、地球は今よりもかなり速いスピードでびゅんびゅん自転していた(1日が短かった)と考えられています。
しかし、近い月の強烈な潮汐摩擦の影響などで次第に回転エネルギーを失い、1日の長さが徐々に伸びていきました。現在でも、1年に0.000015秒の割合で長くなっているそうです。
地球は月の重力の影響を受け海水が引き寄せられて干満の差を起こすのですが、この時の海底との摩擦(潮汐摩擦)などで地球の自転は少しづつ遅くなっています。
地球と月の運動系で角運動量は保存されます。
(以下は簡単のため太陽の潮汐力等による影響を省きます)

角運動量保存則に運動方程式を代入すると

となり、地球の自転周期が大きくなる(自転が遅くなる)につれて月の公転軌道半径が大きくなる(地球から遠ざかる)ことがわかります。
月が出来たばかりでロシュ限界(潮汐力で衛星が破壊される限界)付近にあったときは、潮汐力も強烈に強く、毎日何百メートルの高さの潮の満ち引き(大津波)があって、自転に急ブレーキが掛かっているような状況だったはずです。
その後、月が遠ざかるにつれて、潮汐摩擦の作用は次第に弱くなり、今後は毎年3.8cm程度の割合で遠ざかっていくとされています。
要約すると、地球は月の潮汐力による潮汐摩擦によって運動エネルギーを損失して自転を弱め、そのぶん月はエネルギーを得て(運動量保存則)遠ざかっていくという訳です。
両手を頭の上に上げて高速スピンするスケートの選手が水平に両手を伸ばすとスピンの回転数が落ちるのと同じですね。
あ゛~、ようやくたどり着きました。と言うかむしろだんだんわからなくなってきました。
以上の説明ももしかしたら間違ったところがあるかも知れません。
そのときはご指摘下さい。
こんなおおごとになるとは思いませんでした。
やっぱ宇宙は深いわ(物理も)。
6月24日(木)
新人医師のバイトシリーズ(その1)
-献血ルーム-
大学を卒業して医師国家試験に合格すると医師になります。
当たり前のように聞こえますが、医療のまーったく出来ない馬の骨が医師の免許をもらうわけです。仮免(より悪いかも)みたいなものです。
それがどうやって医師としてやって行けるようになるのかは別の機会に譲るとして、そんな半人前もないような医師(の幹細胞くらい)をまっとうな給料を払って雇うバカな病院はありません。
最低でも24歳(高卒で働けば6年目のベテラン)の若老け無能医者を医局はただで青田刈りするのです。
国から大学に助成金が出るので正確にはタダではなく3万円くらいですが、実に泣かせる半端金額ではあります。
さて、医者になったは良いが明日から月給3万円で暮らせと言われても困ります。なので医局は自分の懐を痛めず無給医員を喰わせて行く方策として当直やアルバイトを許可します。こんな何も出来ない医師が当直というのも怖い話ではありますが、たいていは老人病院とかの寝て帰るだけのような初心者コースです。もちろん勝手にバイト出来るわけではなく医局の確保しているバイト先を先輩の先生方に譲って頂くのです。
その中の人気コースに献血センターというのがあります。献血に行かれた方ならご存じと思いますが、献血前に血の比重とか血圧とかを測り、献血可能かどうかを検査されます。このとき、結果を見て判断するのが(血圧もまともに計れない)新人医師というわけです。ベテラン看護師のほうがより的確な判断をすると思うのですが、規則上医師が居ないといけません。
その朝は一度医局に顔を出し、受持患者さんの顔などを見てから献血ルームに向かいます。少なくともその日一日は医局の雑用や教授のカミナリから逃れることが出来るシアワセの瞬間です。また献血ルームはたいてい街の繁華街にあり、真っ昼間からこんな所を大手を振ってうろつけるというのも高得点です。さらには大学病院の凶暴な看護師と違って麗しく優しい看護師さんに囲まれ蝶よ花よとお仕事ができ(大したことをしていない)、しかもお給料まで頂けるとあっては、ここに就職しようかと本気で考えたくらいです。
さて、献血ルームでは採血管と新人医師(世間知らずのバカモノ)の扱いに慣れた麗しのナースがまず「せんせ」と呼んで喜ばせてくれます。
医局でも「先生っ」と呼ばれはしますが、その何ともトゲトゲしいニュアンスとはひと味もふた味も違います。
日がな一日「可」とか「不可」(よほどひどい場合以外は不可は出さないようにと先輩から指導されていた)とか記入するだけで、あとは無料のコーヒー飲んだり、付属の菓子類を食べたりするだけです。お昼になると食事券が出て繁華街のレストランに食事に行きます。昼から少し献血者の数が減ってくると「出番」が回ってきます。「成分献血でいいですか?それとも400cc?」。行くたびに献血は要求され、献血手帳はかなりの数になりました。おかげで、ご褒美に金か銀の記章を頂きました。ありふれた血液型ではありますが、多少は救急医療などに貢献出来たかも知れません。
夕方になると悲しい別れが待っています。麗しのナース達と手に手を取って(取ったつもりで)再開を約束し天と地との差のある大学病院に帰ってきます。
医局に帰ると無理矢理現実に目覚めさせられます。今日一日浮かれて過ごしたツケが利子まで付いて待っています。夜中まで働かないと翌日の仕事に差し支えます。
「先生っ、受持患者さんの点滴の指示が出ていませんっ」「先生っ、○○さん、熱発してますよ~」「先生っ、患者さんの包帯替えてませんし~」・・・
っるせえ。来週から献血センターに就職するわ。俺に優しくしろっ。

ああ懐かしの献血ルームよ
6月25日(金)
新人医師のバイトシリーズ(その2)
-老人病院の怪-
献血ルームでは人が死んだりすることはまずありません。気分が悪くなったボランティアなどを介抱するくらいは医者じゃなくても(医者じゃないほうが)OKです。
そんな超初心者コース(麗しのナース付き)は新人医師の間では当然人気も高く2ヶ月に一度廻ってくるか来ないかというレアものです。しかし生活のためには週に1~2回はバイトに行かなくてはなりません。
真っ昼間から大学を離れられる献血ルームみたいな優良店は超まれで普通は病院の仕事が終わった後、バタバタと明日の朝までの当直バイトに出かけます。
当直ともなれば入院患者さんに何事か発生した時には医師として何らかの処置をしなければなりませんので気は楽ではありません。
もちろん新人医師が行く所ですので難しい患者さんが入院しているとか、急患が来るとかの難易度の高い場所ははじめから外されています(危なくてしかたがない)。
そんな新人が行っていたのが、ある老人病院でした。田舎の山の上にあるその病院の患者さんは平均年齢が80歳を超えるかと思うほどの高齢者ばかりです。殆どは寝たきりで、何かあったとしても痛い目に遭わせたくない、無理に延命治療はしないで下さいというご家族の要望のある患者さんばかりです(だから新人でも勤まる)。それでも最初の頃は救命マニュアルを持参したり、先輩医師の電話番号を肌身離さず持ったりしておりました。
ようやくその日も病棟の指示や伝票も書き終え、その足で中古の軽トラで1時間かけてようやく病院にたどり着きました。当直ナースに声を掛けたのは7時入りギリギリの時間でした。
当直室のこたつの上にはいつものようによーく冷めた夕食が用意(放置)されています。その徹底した冷め具合は、老人病院特有の芳香と相まっていっそう食欲をかき立てます。お昼以来ご飯食べてないですので、そんなことも言っておれません。お醤油系のモノをどっちゃり振りかけて食べます。
当直室の構造
当直室はだいたい図のような構造になっています。病棟の廊下から入ると正面に引き戸があって一段高くなり4畳半くらいの和室です。この部屋が明日の朝6時までの住処となるわけです。10時くらいに、病棟の反対側にある風呂場までシャワーを使いに行き部屋に帰ってきてドアを開けると、そこに白髪を振り乱した老婆が立っているではありませんか。油断していたとは言え、腰が抜けるほど驚きました。正直言うと腰の約半分が確実に抜けました。
たじろぎながらも「お、おばあちゃん、ここは当直室だから病室に帰ろうね。(聞こえてるのかなあ)」私は優しく彼女を向かいの病室に連れて行きました。
やれやれ、そこら辺に抜け落ちていた腰を拾い集め、這うようにして当直室に帰ってきました。
今の出来事をナースステーションに電話で報告し(言いつけ)、再度の老婆の侵略を未然に食い止めるべく廊下に通じるドアにはしっかり施錠しました。
あと6時間頑張ります。
その後は何事もなく明日のカンファレンスの準備などをして布団を敷いて寝てしまいました。その夜は患者さんに急変もなく、起こされることなく平穏に朝を迎えました。
帰る準備を整え引き戸を開けた瞬間、昨夜苦労して取り付けた腰が今度はすっぽり全部抜けてしまいました。
ど、どっから、どうやって入ったの~~~っ?!。ばあちゃ~~んっ。
夜中もここに黙~って座って居たわけ?
あ゛~も~。当直室の老婆をふりほどきダッシュで大学に逃げ帰りました。
90歳の人間が100人集まって合計9000歳くらいになると、その力に不可能というモノはなくなるんでしょうか。
と言うかあれは本当にばあちゃんだったのでしょうか。
今となっては確認のしようもありませんが、他のナニモノかであったのかも知れません。
南無阿弥陀仏。
6月26日(土)
新人医師のバイトシリーズ(その4)
-解剖教室のお仕事-
世の中には色々なバイトがあります。アルバイトニュースに載っているような健全なバイトがある一方、ちょっと人には話せない内容のバイトも存在するのです。
特に医者であるということで世間には知られていない特殊なバイトを経験することができました。
あなたの知らない病院の地下のミステリーゾーンにお連れ致しましょう。
医学部の学生は専門課程に入ると解剖実習という関門が待っています。数人のグループで1体のご遺体を半年ほどかけて解剖して行きます。1学年の学生数は100名ほどですので5人のグループとしても1学年に20体のご遺体が必要です。
さて、感の良い方はもうお察しかも知れません。
日が長くなってきたとは言え、この季節の7時はすっかり夕闇に包まれていました。蛍光灯の白々とした明かりに照らされひっそりしたリノリュームの長い廊下を私たちは解剖学教室のA講師の研究室に向かいました。すでに他の職員は帰宅してしまったようで廊下の両側に並ぶ明かりの消えた研究室には人の気配もなく、ただ何かの機械が動くブーンという低い音が闇のむこうからかすかに響いてくるのみです。
数日前、うちの教室の講師から「良いバイトがあるんだけど」と呼び止められました。一般の学生や職員が帰った後の夜中の仕事になるみたいです。「あさっては仕事を早めに切り上げて夕飯を食ってから夜7時に俺と同期の解剖のA講師の研究室に行きなさい。1人では寂しいだろうから、後輩のBも連れて行きなさい」だそうです。寂しいバイトなのでしょうか。
今考えると講師の少し薄笑いを浮かべた顔からして何か怪しげな雰囲気が漂っていました。そのときに止めておけばよかったのですが結構なバイト料に、つい「わかりました。」と答えてしまいました。
「おお、待ってたよ。」何か書き物をしていたらしいA講師は、そぐに手を止めて明るく私たちを招き入れてくれました。「実はね、この前まで勤めていた助手が急に辞めることになってねえ、困っていたんだ。内容は聞いてるよね。」聞いていないと答えると大笑いしながら「まあいい、ついてきなさい。そこに白衣とマスクがある。」
研究棟地下の関係者以外立ち入り禁止の部屋の、さらに奥の厳重に施錠されたスチールのドアの向こうにその施設はありました。地下に降りて行くに従ってホルマリンの臭いが徐々にきつくなっていたのですが、その本体はこの部屋にあったようです。ドアの横のスイッチを入れるとチカチカと瞬きながら一斉に蛍光灯が点灯しました。大きなその部屋はお風呂場のようにタイル張りで、中央に木の板でふたをされた、これまた銭湯のように大きな風呂桶がありました。
「浮いてきたヤツを時々沈めてね。手袋はそこにあるから。」
続く
新人医師のバイトシリーズ(その3)
-魔の連続当直-
当直料というのはだいたい一泊3万円程度(当時の月給に相当)です。寝るだけで3万なら濡れ手に粟のようなものですが、患者さんが何十人も入院している病院で医師は自分1人だけ、新人のうちは何かあったらどうしよう、などと考えると夜も眠れません。
週に1.5回当直するとして月に4~6回、収入は平均20万円程度にはなります。しかし医局からは医局費、昼食代、教科書代、学会の参加費、交通費(発表者のみ支給)などを容赦なくむしり取られ、さらにアパートの家賃、飲み代などを引くと心許ないのは言うまでもありません。当直の回数を増やせば良いんですが、大学病院の当直(手当は2千円程度)もありますのであまり多いと体力的にもちません。
しかしどうしてもお金が足らなくなったら金土日連続当直という命がけの荒技が炸裂することがあります。
炸裂先は例の老人病院なんですが、たまーに金曜の宿直、土曜の宿直、日曜の日勤宿直という連続アルバイトの口があることがあります。土日にバイトなどしたくないですが、背に腹は替えられません。
金曜の夕方いつものように病院の仕事が終わってからバイトへ。土曜の朝、大学に戻り通常の業務。昼からバイト先に戻り月曜の朝大学へ直行というハードスケジュールです。
この長期間の当直生活に入る前には万全の準備が必要です。ずーっと居ますので冷えたご飯ではないのは良いのですが、入院患者さんと一緒のメニュー(しかも老人用)というのも食をそそりますす。途中のコンビニで大量の物資を調達しましょう。勉強道具、本なども大量に持ち込みます。
当直室にはビデオデッキとかしゃれたモノもないのでレンタルビデオなどが観られなかったのは残念です。老婆の来襲に備えてドアの施錠も指さし確認します。
金曜の夜は通常通りの宿直ですが、土曜の昼からが耐久レースになります。
何しろ連続40時間もこの四畳半で過ごすわけです。ナースステーションにも顔を出し、患者さんの容態など「ふむふむ」と聞いて多少は医者らしく振る舞ったりします。それは実は医者だからではなく暇だからなんですけど。また知らない看護師さんなので話も弾みません。
一応、新人医師の名誉のために言っておきますが、そんな病院でも何にもしていないわけではなく熱発時の指示とか簡単な処方などは致します。また何ヶ月かに1回くらいは患者さんをお見送りすることがあります。そのときは救命措置の与薬、心肺蘇生術(必要なら)なども一通りおこない、おじいちゃん、おばあちゃんのもっとも尊厳な瞬間を孫の気持ちで畏敬の念をもってお見送り致します。
さてさて、そのような大仕事のない場合、老人病院は暇で仕方がありません。携帯電話のない時代ですので、ちょっとお出かけというわけもいかず、土曜の昼から月曜の朝まで当直室に閉じこもりっきりです。寝るにしても40時間は眠れません。床ずれが出来ます。
日曜の夜、洋画劇場が始まる頃には心身共に疲れ果て、あの地獄的な大学病院でさえ懐かしく思えてきます。あとは今夜の来襲さえ防御すれば人並みの生活に戻れます。
月曜の朝早く、二日間にわたって大量の食料を摂取し(それしかすることがない)おなか周りなどが多少成長した新人医師は顔だけがゲッソリ痩せて医局に帰って行くのでありました。あ~、今日も手術(の第三助手)じゃあ。
この連続当直では金曜の宿直料3万円、土曜の昼から宿直で5万円、日曜の日勤宿直で7万円、合計15万円という莫大な財産を現金で一挙に入手することが出来ます。
しかしながら、この技は確実に命を縮めるため年に4回までしか使うことが出来ません。
6月28日(月)
新人医師のバイトシリーズ(その4)
-解剖教室のお仕事(続き)-
噂には聞いていましたが、本当にこんな仕事があるとは驚きました。
解剖実習に使用するご遺体は「献体」と言って死後自分の体を医学の発展のために役立ててもらうため病院などに寄付するように遺言されたご遺体です(献血の全身版ですね)。
ご遺体はホルマリンのプールに浸されて保存されますが、一部でもホルマリンから出たままになっているとその部分が腐敗してしまいます。時々確認してホルマリンの中に沈めてあげる仕事があるという訳です。
「浮いてきたヤツを時々沈めてね。手袋はそこにあるから。」A講師はこともなげに木のふたを開けながら言いました。
おそるおそる風呂桶の中をのぞくと、ホルマリンの強い刺激臭がツーンと鼻につくと同時に何体ものご遺体がおなかや背中を見せてプカプカと浮かんでいる今までに見たことのない恐ろしい光景が目に飛び込んできました。
よく腰を抜かすヤツだと思われるかも知れませんが、この時も腰からは80%程度の力が抜けました。
「え゛ー、手でですか?」
「慣れないうちは、そこにある棒を使ってもいいからね。朝の7時に職員が出勤するから、それまで交代で突っついておいて。あんまり強く突っつくと壊れるからね。仮眠するなら隣の部屋でね。」
棒で突っついたりしてバチ関係などは当たらないのでしょうか。突っついて壊れたら中から何物かが出てきたりしないのでしょうか。本当に完全に亡くなっているのでしょうか。こんな部屋の隣で仮眠など出来るのでしょうか。仮に寝たとして金縛りなどにはあわないのでしょうか。
呆然としている私たちを残して「じゃ、頼むね。」A講師は明るく言い残すと部屋を出て行ってしまいました。
しばらく今いる状況に順応出来ずにいました。
医者だからと言って、ご遺体などと親しい関係を持ったことなどありません。祖母が亡くなったときに棺桶の窓ごしに見たくらいです。確かに実習ではご遺体の解剖をしましたが、そのときは真っ昼間の100人も仲間のいる解剖室です。
「先輩、鍵しまってますよおお」ほとんど出口近くまで後ずさりしていた後輩が急に大声で叫んだので、辛うじて残っていた残り20%の腰の力も完全に抜けきってしまいました。
「はあ?ウソでしょ。」
後輩はドアノブをガチャガチャやりながら半泣き状態です。先ほど出て行く時、A講師が習慣的に施錠してしまったに違いありません。
話が怖くなってきましたので、ちょっと話題を変えましょう。
都市伝説というのをご存じでしょうか。マクドナルドのハンバーガーにはミミズが使われているとか、ピアスをしたら失明したとか、メンソールタバコはインポになるといった類のあれですね。
このような非合理的な、しかし説得力のある(ように見える)解説付きのお話を世間は大好きです。
ハンバーガーにするには大量の肉が必要ですが、食用のミミズで賄うとすると大変なコスト高になってしまいます。
耳たぶには視神経などありませんので白い糸が出ることも失明することもありません。
メンソールじゃなくタバコそのものに害があります。
記憶に新しいところでは人面犬、口裂け女のように都市伝説は徐々に形を変えながら、さも本当らしく流布して行きます。当然医学部のような閉鎖的な社会の噂もパワーアップして語られることの多いカテゴリーです。
解剖実習のとき、ご遺体の耳を切り取って壁に付け、「壁に耳あり」などとふざけていた医学生が退学処分になったという話を聞いたことがあります。
実はこの話はどこの医学部でも流布している有名な都市伝説の一つで、「ご遺体に対する感謝の気持ちを忘れず尊厳な態度で実習しなさい」という戒めのたとえ話で、実際退学処分があったという事実はありません。
さて、感の良い方はもうお察しかも知れません。
新人医師バイトシリーズ(その4)解剖教室のお仕事という話は、まったくのフィクションです。都市伝説に多少の脚色を施して書いた、真っ赤な嘘八百です。
では、検証してみましょう。
1.ホルマリンプール
何体ものご遺体を保存するのに巨大なホルマリンのプールを作るのはナンセンスです。きっちりの大きさの桶で1体1体保存した方がよっぽど経済的です。またホルマリンは揮発性が強いのでプールのような構造ではすぐに蒸発してしまいます。そのような部屋に入ったら命が危険です。
実際のご遺体は血液を抜き、防腐剤などを注入した上でホルマリンを浸した布で何重にもくるんで保存します。
2.バイト
こんな単純な作業で高給をいただける訳もありません。医学部の基礎の研究室は貧乏所帯ですので、バイトを雇うくらいなら重石でもつけて沈めます。
3.高給
いくら高給でも一晩中複数のご遺体とお付き合いするくらいなら、老婆に侵略を許した方がまだましです。ご遺体に失礼があれば今すぐにでも祟られそうですが、老婆は生き霊にでもならない限り化けて出るとしてももうちょっと先です。おとなしく3万円もらって当直しなさい。
以上のような検証結果より嘘っぱちということがおわかりになったでしょうか。恐ろしい成り行きを期待していた方、ごめんなさい。
でもまだ信じられなくて高給のバイトがしてみたい方は大学の解剖学講座にご連絡下さい。私のこの話ももしかして嘘かも知れませんよ。
6月29日(火)
柿と言えば秋の代表的な味覚ですが、今の時期も順調に柿の実は育っています。
6月の上旬になると青い柿の実がどんどん落ちてしまいます。
大量に落下するので害虫などの被害かと思いきや、これは生理落下と言って自分の体力以上の余分な実を落とす正常な現象で心配ないようです。
植物というのを一年間を通して見ていると四季の移り変わりによるダイナミックな変化が感じられます。
実が落ちてしまった冬から2月くらいまでは活動を休止しています。4月には葉が出て5月には花を咲かせます。6月には小さな実をつけ始め、今日の状況が写真の通りです。

ピンポン球くらい
うちの柿子(仮名)は秋には数百個もの実をつけますが、一体こんなに付けて何をするつもりなんでしょうか。秋には収穫をしますが、人間が食べるのはごく少数です。他はカラスやモズなどが喜んで食べています。残りの熟れきった実は落ちて庭を汚します。
実と言うのは動物に食べられたり落下したりして種を放出して子孫を増やす役割をするのですが、柿子(仮名)の子供とかはどこかで順調に育っているのでしょうか。少なくとも庭に落ちた種から柿の木がにょきにょき生えている様子はありません。
木というのは特に何もすることがなく暇なので、一年かけ大量の実をつけるのを使命と考えて、脇目もふらずこればっかり一生懸命やっているような気がしてなりません。
だって相当に体力を使うし、実を作るための養分なども地中から調達してこなければなりません。
あの甘い果汁を作るための果糖とか水分とかは根から吸い上げたナニモノカと太陽の光のエネルギーと空気中の二酸化炭素だけから合成されたはずです。また、まったく同じ材料を使用しているにもかかわらずリンゴともナシともまったく違う味に仕上げています。恐るべき能力と言わざるを得ません。
切ってもただの材木にしかなりませんが、生命活動というのは大したモノですねえ。
2004年6月
6月1日(火)
梅雨の中休みですか?来週中にも新しい(が古い)単車が来るというのに雨ばかりでは困ります。
さて、先月の続き。
CBX1000 はすばらしく性能の良いバイクでした。当時としてはずば抜けたスペックを誇っていましたし、見た目も6気筒のエンジンがどれだけ人目を引いたかわかりません。
当時は逆輸入車も少なく、国産は750cc規制がありましたので二重の意味で目立っていました。
そんな中、一つだけ気になるバイクが登場してきました。
YAMAHA V-Max1200です。
4気筒の水冷エンジンはそれほど魅力的な姿ではありませんでしたが、全体の姿は低く構えたドラッグスターそのものでマッチョな、グラマラスなプロポーションに魅せられました。
これもまだ日本では発売されていない逆輸入車で相当高価な値段が付いています。1200cc、145Hp、0~400m加速11秒台は当時としてはとんでもない数字です。

V-Max 1200
恐ろしいほどの加速でした。
さて、どうやって入手するかは考えるまでもなくオヤジのCBXを売ることくらいしか手はありません。もともと父親はハーレー好きでCBXはあまりかわいがっていなかったので、思いのほかオヤジとの交渉はスムースに行きました。CBXもかなりの高値で下取ってもらえましたのでちょっぴりの月賦を組んだだけであこがれの単車を入手しました。その代わり毎日そうめんばっかり喰ってました。(つくづく癖の悪い極道ぼんぼん学生じゃ)
この車もハンドルを低く改造したりいろいろな手を入れて乗っていました。しかし、後に考えると昔の女がよく見えるではないですが、今となっては世界中にもうない6気筒のCBXが懐かしく思い起こされます。
医師となってからはさすがに単車を乗り回すのは危険(指でも怪我したら形成外科医はおしまい)です。現に私のクリニックのすぐ近くで開業されている内科医がバイク事故で何ヶ月も休診していました。
V-Maxもお蔵入りとなったまま長い月日が流れました。研修医のころはバイクなんて乗る暇もありません。研修先はERみたいな所でしたので正月でも日曜でも容赦なく急患が押し寄せてきます。研修医の時代から十数年まったくバイクとは無縁の生活を送りました。そして英国からTriumphを迎えるまでひたすら、あの輝いていた世界から遠ざかっていたんですね。
6月3日(木)
庭でクワガタ見つけました。犬の水飲みバケツの中で泳いで(溺れて)いるところを捕まえ(助け)ました。
3~4センチくらいの小さなヤツですが、図鑑で調べるとヒラタクワガタのようです。一人前にハサミ(つの?)で挟もうとします。かなり怒っているところを見ると溺れていたんじゃなくて泳いでいたのかも知れません。どうして怒っているかわかるかと言うと「ウンともスン」とも言わないんですが、低い姿勢から上体を起こし、ハサミを全開にしてこっちを見てるんです。
助けてもらったんなら、もう少し態度を軟化させても良いはずです。場合によっては大きくなってからで良いですので背中に乗っけて竜宮城にでも案内して欲しいくらいです。
本人は「気持ちよく泳いでいたのによけいなことをしよって」と主張しているのかも知れません。「君ねえ、泳いでいたにしちゃあ結構必死な顔してたよ。もしかしたら犬に飲み込まれていたかも知れないんだかんね」。などと言っても戒厳令を解除しません。
恩を知らんヤツです。もともと攻撃的な性格の人のようです。

ヒラタクワガタ君(子供)
火曜は宮崎から皮膚科のN先生が来られました。九州では宮崎にNありと言うくらいのレーザーの使い手です。先生が皮膚科から形成外科にお勉強に来ていた医局時代からのお付き合いです。今回はサーマクールの実際を見たいとのことでお出ででした。
夜はG先生、S先生と食事に出かけました。いつもながら近くの同業者の先生方と飲むと日頃の愚痴などを聞いていただけ癒されます。
深夜2時くらいまで飲んで帰宅しました。
また一歩、肝臓か心臓か脳か何かのやまいに近づきました。
梅雨は何処に?
朝から雲一つない青空が広がっています。午後になっても雨どころか雲の一片さえ見えません。良いことです(私的には)。

こら前線、どこまで下がっとるとね~?
今日の衛星写真ですが、雲を伴う前線は南方に押し下げられ日本海周辺は大きな晴れの区域にいます。

カラカラの紫陽花
庭の紫陽花も日差しに映えて美しいのですが、雨の滴が似合う花としては心外なのかも知れません。
6月5日(土)
何か、ホント夏のようですね。梅雨前線はいったい何処に行ったのでしょうか。(まだ南の島で遊んでいます)
空にはぎらぎらと輝く太陽が浮かんでいます。
さて、あの太陽ですが、火が燃えているんでしょうか?
間近で見たことないから知りません?科学雑誌とかに太陽表面のイラストとか載ってますね。フレアが上がってまるで火が燃えているようです。

でも宇宙空間には酸素は存在しませんので地球上で言う酸化反応としての燃焼は行われていないはずです。おわかりでしょう。
核融合反応なんですね。
太陽内部では水素が核融合しヘリウムとエネルギーが産生されています。
重い原子(ウランやプルトニウム)を中性子をぶつけることで分裂させ(核分裂)エネルギーを取り出すのが現在使用されている原子炉なのに対し、軽い元素(水素やヘリウム)同士をぶつけて融合させエネルギーを取り出すのが核融合です。
核分裂合は廃棄物として放射性物質を発生させますが、核融合はクリーンで暴走しにくく、大きなエネルギーを取り出すことが可能と言われています。自然って良くできているんですね。
サイエンスつながりでもいっこ。あるサイトからの知識の受け売りです。
100億匹(地球全人口の2倍)の猿がでたらめにタイプライターのキーを打ち続けたとします。しかも全員1秒に10個もキーがたたけるスーパー猿だとしましょう。
46文字の仮名のタイプライターがあったとして、これを全員(猿)が休まず宇宙の年齢にあたる150億年間でたらめに打ち続けると、ようやく「ふるいけやかわずとびこむみずのおと」が一回だけ偶然出来るというのです。
つまり猿(犬でもキジでも構わんが)がワープロを打って偶然芭蕉の句が出来る確率はゼロ%ということです。
芭蕉がいかに偉大だったか、宇宙の年齢150億年がいかに短いかと言うことです。
人類が誕生して100万年、文明が発祥して1万年、長いように思えますが、地球の年齢を1年に置き換えると人類の誕生は大晦日の午後8時ごろ、文明の始まりは11時59分くらいになります。
永遠のような年月もこうして考えると長くも短くも思えるのが不思議ですね。

6月7日(月)
土曜は高校の同窓会行ってきました。この会は1年に2~3回やっているのですが、いつ行っても楽しいですね。仕事がらみ関係なく職種いろいろ、人生いろいろで面白いです。
一次会はおきまりの居酒屋でおじさん、おばさんが大声張り上げて昔話に興じましたが、2次会はだれかの行きつけのクラブ(平坦なイントネーションの方)に行きました。破れ医者不得意分野です。
フロアでは音楽に合わせて集団盆踊り大会が始まります(何かを批判的に表現しているのではありませんよ、そのように見えたんです)。
50歳に近い同級生じじばばも果敢に出撃するのですが、なにしろ若者の乗りとリズム感からは若干逸脱し、1曲程度で見る影もなくやつれ果てて帰ってきます。かろうじてついて行っている者も若者からは応援の目つきで見られています(ような気がします)。
もちろんこういった所は自分が楽しければ100点なのでしょうが、多少こっぱずかし感をぬぐい切れません。フロアで颯爽とステップを踏んでいる若者たちは実に格好良かったです。
東海林さだおが何かのエッセイに、おじさんが不運にもこのような状況に陥った場合、踊っていても周りから格好悪く見えていないか、この手の動きに不自然感はないかなど考えて汗びっしょりになり、脳と手足の動きに乖離が生じると書いていました。
私も人並みに若い頃はディスコ(古)に行ったりもしましたが(ディスコを古いと表現する見栄を張った自分も感じる)、今となっては若いもんに場所をゆずって行きつけのバーのカウンターの隅で飲むとか、美しいお姉さんのいる店で静かにお話をする程度のほうが長生きします。
この世の中に光より早いモノはありません。
宇宙戦艦ヤマトやUSSエンタープライズはワープ航法などで光より早く飛べますが、これは置いておきます。

地球から太陽までの距離は1億5千万キロあります。光の速度は秒速約30万キロですから太陽から地球までは光のスピードでも約500秒(8分以上)はかかる計算です。
つまり太陽近くにいる宇宙船に地球から電話をかけると(電波も光と同じですよ)答えが返ってくるまで17分近くもかかる計算です。
現実的とは言い難いですが、1億5千万キロの長さのチタンか何かでできた硬くて丈夫な棒を地球と太陽の間にさし渡しておきます。地球で棒の端っこを押すと向こう側の端っこは、その瞬間に押されますよねえ。こうすればイエス、ノーくらいの簡単な通信なら8分もかからなくて済むんじゃないでしょうか?言い換えれば光の速度より早く信号を伝達できるんではないでしょうか。
どう思います?
これには理論的に重大な誤りが含まれていて、そうはうまくいかないのです。どこが間違っているのでしょう?
(そんな棒は作れんとか、太陽熱で溶けるだとか、地球も動いてるんで設置できんとかのつっこみはナシですよ。あくまで理論モデルです)
6月10日(木)
やってきました、新しい彼女。
昨日の朝7時に大型トラックに乗せられて我が家に到着です。早速エンジン始動、快調です。お休みでしたので朝っぱらから走り回りました。気がつけば夕方4時。クラッチ(決して重くはないのだが)操作のため左拇指球あたりに懐かしい痛みを覚えました。

愛しのBMW R26
整備状態はエクセレント、何処まで乗っても不安がありません。
綺麗な姿でしょ。50年ちかく前のものとは思えないほどの存在感です。エキパイも綺麗な虹色に焼けています。シャフトドライブのため後輪がオイルまみれになることもありません。
BMWは車ではよく知られていますが、バイクでも超有名なメーカーです。普通ボクサーツインと言って横に大きく張り出したエンジンが特徴ですが、R26は珍しい縦型シングルエンジンです。
久しぶりに乗ったのですが、すぐに感を取り戻しました。昔みたいにガンガン攻める乗り方は出来ませんが(しませんが)、ゆっくり風景を楽しみながら乗るには実に優雅で実用性も高いバイクです。
ここから先は多少マニアックに語りますので興味のない方は無視してください。
→ もうちょっと読む
こないだの答えです。
1億5千万キロの丈夫な棒を作ったとしましょう。普通に考えるとわかりませんが固体といえども伸びちぢみをするんです。
棒は原子で出来ているんですが、原子同士はくっついている訳ではなく色々な力で引きつけ合って結合しています。ですから棒の端っこを押すと端っこの原子は動きますが、その隣の原子は端っこの原子の影響を受けて動く、というような動き方をします。この原子間の力の伝わる早さが光の速さより遅いため、棒を使っても光より早く信号は送れない訳です。
5メーターや10メーターの棒ならそのタイムラグはまったく無視出来るほど小さいのですが、1億5千万キロともなると端っこを押すと、その歪みがゆっくり伝わって行くというイメージでしょうか。
分かりにくい?
6月11日(金)
例えば一日24時間歩き続けたら一体何処まで行けるでしょうか。早足で時速6キロとして24時間を掛けると144キロ。結構いけます。これを毎日続けると(ずーっと歩き続けると)140日で地球一周することができます。7年で月まで行くことが可能です。
時速60キロの車で行くと約1年で、時速1000キロのジェット機で行くと16日、スペースシャトル(時速3万キロ)なら半日くらいで月まで着いてしまいます(単純計算ですよ)。
我々が現在手に入れている最速の乗り物で移動して一生の間にどこまで行けるでしょうか。
24時間乗り続けて30年間旅を続けると7884000000キロ、約79億キロです。
ありゃー、誰かいるかもしれない一番近い恒星系、アルファケンタウリまでのたった5000分の1しか進めません。今の人類の科学では半径80億キロの球体の中くらいが移動の限界で、いくら頑張ってもそれ以上遠くへは行けない悲しい人生なんですね。
科学がいかに進んでも光の速度を超えることは出来ないですが、最大限光速で飛んだとして(宇宙船の重量は無限大に大きくなるので不可能なんだが)80年かければ大熊座のε星までは行けます。
じゃあ逆にそのくらい遠くの科学の発達した星からUFOが飛んできている可能性もあるんじゃないでしょうか。
でもそんな科学の発達した宇宙人ならわざわざ辺境の地球ごときに興味を持つとも考えにくいし、来ているとすれば人類に電話するとか手紙書くとか何らかの連絡があっても良さそうです。
そのようなことから考えても残念ながらUFO(宇宙人の乗り物という意味での)は来てないんでしょうね。

懐かしの謎の円盤UFO
6月14日(月)
何度も書きますが梅雨はいったい何処に行ってしまったんでしょうか。
わたし的にはこのまま夏に突入して頂きたいんですが、はっきりしろ!梅雨。
てなわけで雲一つない快晴の日曜日とくればバイクしかないでしょ。
幸いうちの毒ヒヨコども(娘など)はピヨピヨ言いながら田舎の方にジャガイモ掘りに出かけましたので久しぶりに自由な日曜という訳です。
土曜はこれまた夜中までしこたま飲んでましたので朝はまだ少々酔ったまんまの状態でしたが天気の良い日曜ともなればしゃんと目が覚めるのは小学生並みです。
まずは無謀にも高速道路の走行を試みました。結果は「まだ早かった」です。キャブの調整、プラグの交換等高速向けのセッティングをしないままでしたのであえなくスピードに乗れず1区間で降りました。その後は大変調子よく走り続け一日中そこら辺を走り回りました。その辺で止めて休憩していると誰かが話しかけてきます。
中には昔同じようなモノに乗っていたおじさんとかいてバイク談義に花を咲かせました。大型バイクが珍しかったころCBXに乗っていて良く話しかけられましたが、久しぶりのコミュニケーションです。
帰って気がつくと左足の甲に痛みがあります。昔モトクロスのレース中に負った骨折の古傷です。ずーっと痛みなんてなかったんですが古傷のヤツもバイク用の足の動きで思い出したんでしょうか。痛~い。
6月15日(火)
最近刺青除去の患者さんが目立ちます。
特に若い女性の背中、腕などに立派な彫り物がしてあります。ちょっと前なら「その方面」の姉さんかと思うようなシロモノもあります。
昔のように日本の伝統的な繊細な刺青は少なくなってアメリカンタトゥーと呼ばれる柄物が多いようです。
夏になって肌の露出が多くなると刺青を消したいという患者さんが増えてくる訳ですね。でも最初彫った時は見せたくて彫ったんではないでしょうか。
十代で彫って二十代で消すという感じです。
現在はレーザーが発達し、消せる刺青も多いのですが色によっては、または範囲の広い場合はやっかいです。一回で簡単に消えるものではなく時間をかけ段階的に消さなくてはなりません。その間は今までの綺麗な刺青は見る影もなくマダラになり、今以上に汚い時期が続くのも覚悟しなければいけないでしょう。
手術も然りです。刺青を消すだけなら簡単ですが、跡をいかに綺麗にするかが問題です。できあがりの綺麗さではレーザーが一番ですが、時間も回数もかかります。取りたいと言う方は早く取りたがる方が多いですので、手術を選択する場合もありますが、手術では傷跡が多かれ少なかれ残ると言うことを覚悟しなければいけません。保険も利きませんので相当の費用も必要です。
いずれにせよ刺青は消えないモノとして、入れるときは一生涯刺青人となる覚悟を決めて入れてください。
最近の若い人に言わせると「もう流行らない」そうですよ。
6月17日(木)
台風6号が近づいています。中心の気圧は915hpa(ヘクトパスカル)だそうです。

なんかちょっと前まではmb(ミリバール)なんて言ってましたよねえ。1992年12月から国際単位系のヘクトパスカルに変わりました。ヘクトは100倍の意味ですので1ヘクトパスカル=100パスカルとなります。
パスカルってのは聞いたとがあります。そう、「考える葦」のおっちゃんですね。パスカルの原理というのも昔習ったような記憶があります。
小さな力を大きく伝える油圧装置の原理を発見した人です。で、この人に敬意を表し、圧力の単位をパスカルと名付けたわけです。
パスカル=ニュートン/m2 です。圧力は単位面積当たりにかかる力(ニュートンは力の単位です)という表現ですね。ふむふむ。
またまたニュートンてなおじさんが出てきました。リンゴが落ちるのを見て万有引力の法則というのをひねり出したおじさんです。
1ニュートン=1kg・m/s2、つまり1ニュートンとは質量1kgの物体に1m/s2 の加速度を与える力(力=質量×加速度))です。おお、たしかに加速度なんていうとリンゴが関わっていそうな雰囲気ですね。
だんだんわからなくなってきました。高校のとき物理の先生が嫌いで(言い訳)、勉強しなかったせいです。
台風6号の中心の気圧は1平方メートルあたりに91.5トンの物体を1m/s2 の加速度を与える力を加えた圧力と言うわけです。
・・・・まったくわからん。計算間違いもあるかも知れん。お粗末。
6月18日(金)
ニュートンつながり。
ニュートンおじさんは万有引力の法則を考え、リンゴが落ちるんだったら月だって地球に向かって落ちてると言い出しました。月は落ちてきてるんですよ!!地球に。
同じことが人工衛星でも言えます。
ボールを水平に投げると放物線を描いて地上に落下します。力を入れて投げるともっと遠くまで飛びますね。ものすごーーーい早さで投げると、もーーーっと遠くまで飛んで、自分の後ろ頭に当たるかも知れませんね。
言い換えましょう。水平に投げたボールは重力の働きで少づつ落ちますが、地球は向こうに行くに従って少し下がっていますので(地球は丸いので)、早いスピードで投げれば地球のカーブにきれいに沿って飛んでいることが出来そうです。これが人工衛星ですね。
あんまり地表に近いと空気の抵抗があって落ちてしまいますが、地上数百キロ以上だと真空なのでずーっと飛びっぱなしになります。
まあ、地上200キロと言っても地球の半径は6400キロもあるのですから地球を直径20センチのサッカーボールとすると表面から3ミリのすれすれの所を飛んでいることになるのですが。
この時の打ち出すスピードを第一宇宙速度と呼んで、計算上秒速7.9キロ(時速28800キロ)程度になります。松坂投手の200倍くらいの豪速球を投げれば人工衛星になります。頑張って頂きたいものです。
ちなみに第二宇宙速度は地球の脱出速度で秒速11.2キロ、第三宇宙速度は太陽の重力から逃れる速度で秒速16.7キロです。
14日に千葉で体長メートルほどのグリーンイグアナがケヤキの木にいるのを発見され万一の場合に備えて警察官30人が出動。大捕物が繰り広げられました。枝を切り落とし、地面に落ちたところを、蛇などに慣れた署員が二人がかりで、しっぽや胴体をつかみ、捕まえたそうです。
どこかで飼われていたであろうイグアナ君、捨てられて悲しみにくれ、木の上で静かに行く末、余生を案じていたんでしょう。
そこに武装警官30人が大挙して押しかけ、あまつさえ木まで切られ地上に落下して「いてて」と思っている所を(蛇などに慣れた)警官がしっぽをつかんだと言うことです。
ご主人様にかわいがってもらっていたシアワセだった日々の想い出が走馬燈のようにイグアナ君の小さな脳の中を駆け巡ったコトでしょう。
しかし万一の事態ってえのは何でしょう。放射能を吐くとか急激に巨大化してビルを破壊するとかでしょうか。
そのような非常事態なら警官30人では太刀打ち出来ません。ピストルなども昔から怪獣には通じないことになっています。直ちに90式メーサー殺獣光線車の出動要請を出して下さい。間に合いませんっ。
動きもそれほど早い生き物ではありませんし、30人の署員、行ってみたかったんでしょうねえ。イグアナ見に。
蛇などに慣れた警官というのも凄い。日頃から蛇とかに親しんでいる警官というのも珍しいですねえ。虎なら親しんでいるでしょうけど。
あわれイグアナ君、拾得物扱いで捕らわれの身になっているようです。
捨てちゃあいけませんよ。イグアナだけは。

ちょっと古い機種
66式メーサー殺獣光線車
6月19日(土)
もうちょっと書かせて。
昨日200キロくらいの高度の人工衛星のことを書きましたが、これは地表すれすれという感じの衛星のことです。高度200キロというのは地球の直径より遙かに小さいので重力が地表とほぼ同じくらいと計算できるため、この人工衛星のスピードはほぼ第一宇宙速度(7.778キロ)になります。この軌道上の衛星は1時間28分29秒で地球を一周します。
高度が高くなるに従って重力は弱くなり遅い速度でも衛星になることが可能です。高度36000キロの円軌道の場合はほぼ24時間(23時間56分4秒)で地球を一周しますので赤道上の軌道なら地球から見ると静止したように見えます。静止衛星です。
前回の記事について以下のご指摘がありました。「月は落ちていると書いてありますが、徐々に遠ざかっているという記事を読んだことがあるのですが。」
その通りです。落ちているというのは自由落下しているという意味で地球にドシンと落ちてくる訳ではありません。地球の重力のベクトルと月の運動のベクトルの合成ベクトル(落ちる方向)がちょうど地球の接線方向になっている(落下の方向が地表と平行である)ため地球の周りをぐるぐる回っているのです。
しかし月は地球の海に干満を作ったり、地球自身を歪ませたりしてエネルギーを消費しています。ですからだんだんスピードが落ちて合成のベクトルは上向きとなり地球からみると高度が上がって(遠ざかって)ゆきます。
↑このあたり胡散臭いです。正解は6月22日をご覧下さい。
6月21日(月)
大型台風6号の北九州直撃は免れ、四国方面へと進路を変えたようです。
朝からなごりの雨です。
さて土曜は久しぶりに北九州ワイン倶楽部の例会が再開し行ってきました。ワイン倶楽部の面々も例に漏れず不況の波を頭からかぶり、ワインどころではない日々を過ごしておりましたが、こんな今こそワインと言うわけで再開に到りました。ただ、今回はこじんまりと少人数で開きましたが。
今回のテーマは食後酒です。日本では食前食中には酒を飲むのですが、食後にデザートと一緒に酒を飲む習慣というのはあまりありません。
ブドウ以外のフルーツを原料としたブランデーのことを「オー・ド・ヴィー・ド・フリュイ」と言います。ノルマンディー地方のリンゴを使ったのが有名なカルバドスですね。
シャンパンを食中酒に、きんきんに冷やしたオー・ド・ヴィー・ド・フリュイを食後酒に楽しみました。
日曜は父の日でしたね。
うちの毒ヒヨコどもも、この日ばかりは父親孝行をするのかと思いきや、二日酔いぎみのオヤジをピヨピヨ鳴きながら朝早くからたたき起こし、水遊びをするので地獄的な暑さの庭にビニールプールをただちに設置せよ要求するのです。うだうだ誤魔化していましたが刺されても困りますので風呂の残り湯をくみ上げ、蚊に刺されながら泣く泣くプールを作りました。
毒ヒヨコを水にたたき込んで、オヤジは庭のアリなどを暗く観察しておりました。石の裏から変なものが出てきました。なんじゃこりゃー。

オオミスジコウガイビルです。あー気色悪っ。
環形動物かと思ったら肛門もない扁形動物だそうです。ヒルの名前が付いていますが、昔、理科で聞いたことのあるプラナリアと同じ系統の生き物なんですね。体長は最長1メートルにもなるようです。見つけたのも50センチくらいありました。途中で切っても2匹に再生します。
ヒルで思い出しましたが、医療用のヒルがいるって知ってますか?血を吸うヒルですよ。切断した指などを再接着した場合、鬱血した所にヒルを吸い付かせて血を吸ってもらいます。由緒正しいばい菌のいないヒルで、たしかオーストラリアかどこかから1匹1ドルくらいで買っていたような記憶があります。
昔、医局の冷蔵庫で飼っていて教授からしこたま叱られた人がいましたなあ。
6月22日(火)
古典的なクイズです。下の図を見てください。
幅10メートルの川を挟んでA地点とB地点があります。
両地点は図のように30メートル離れているとしましょう。
さて、A地点からB地点まで最短距離で行けるようにするにはどこに橋をかければいいでしょう。
ただし、橋は「ななめ」にかけてはいけません。
簡単過ぎました? 答えはまた。
19日の月の解説、ちょっといい加減でした。(汗)
いろいろな指摘があり、ちゃんと調べましたので正解(と思う)を書きます。
原始地球に火星ほどの大きさの天体が衝突し、はじき飛ばされた岩石片がかたまって地球には不釣り合いな巨大な衛星、月が形成されたと考えられています(ジャイアント・インパクト説、ぼのぼの氏、正しい!)。
このときの衝突の勢いもあって、地球は今よりもかなり速いスピードでびゅんびゅん自転していた(1日が短かった)と考えられています。
しかし、近い月の強烈な潮汐摩擦の影響などで次第に回転エネルギーを失い、1日の長さが徐々に伸びていきました。現在でも、1年に0.000015秒の割合で長くなっているそうです。
地球は月の重力の影響を受け海水が引き寄せられて干満の差を起こすのですが、この時の海底との摩擦(潮汐摩擦)などで地球の自転は少しづつ遅くなっています。
地球と月の運動系で角運動量は保存されます。
(以下は簡単のため太陽の潮汐力等による影響を省きます)

角運動量保存則に運動方程式を代入すると

となり、地球の自転周期が大きくなる(自転が遅くなる)につれて月の公転軌道半径が大きくなる(地球から遠ざかる)ことがわかります。
月が出来たばかりでロシュ限界(潮汐力で衛星が破壊される限界)付近にあったときは、潮汐力も強烈に強く、毎日何百メートルの高さの潮の満ち引き(大津波)があって、自転に急ブレーキが掛かっているような状況だったはずです。
その後、月が遠ざかるにつれて、潮汐摩擦の作用は次第に弱くなり、今後は毎年3.8cm程度の割合で遠ざかっていくとされています。
要約すると、地球は月の潮汐力による潮汐摩擦によって運動エネルギーを損失して自転を弱め、そのぶん月はエネルギーを得て(運動量保存則)遠ざかっていくという訳です。
両手を頭の上に上げて高速スピンするスケートの選手が水平に両手を伸ばすとスピンの回転数が落ちるのと同じですね。
あ゛~、ようやくたどり着きました。と言うかむしろだんだんわからなくなってきました。
以上の説明ももしかしたら間違ったところがあるかも知れません。
そのときはご指摘下さい。
こんなおおごとになるとは思いませんでした。
やっぱ宇宙は深いわ(物理も)。
6月24日(木)
新人医師のバイトシリーズ(その1)
-献血ルーム-
大学を卒業して医師国家試験に合格すると医師になります。
当たり前のように聞こえますが、医療のまーったく出来ない馬の骨が医師の免許をもらうわけです。仮免(より悪いかも)みたいなものです。
それがどうやって医師としてやって行けるようになるのかは別の機会に譲るとして、そんな半人前もないような医師(の幹細胞くらい)をまっとうな給料を払って雇うバカな病院はありません。
最低でも24歳(高卒で働けば6年目のベテラン)の若老け無能医者を医局はただで青田刈りするのです。
国から大学に助成金が出るので正確にはタダではなく3万円くらいですが、実に泣かせる半端金額ではあります。
さて、医者になったは良いが明日から月給3万円で暮らせと言われても困ります。なので医局は自分の懐を痛めず無給医員を喰わせて行く方策として当直やアルバイトを許可します。こんな何も出来ない医師が当直というのも怖い話ではありますが、たいていは老人病院とかの寝て帰るだけのような初心者コースです。もちろん勝手にバイト出来るわけではなく医局の確保しているバイト先を先輩の先生方に譲って頂くのです。
その中の人気コースに献血センターというのがあります。献血に行かれた方ならご存じと思いますが、献血前に血の比重とか血圧とかを測り、献血可能かどうかを検査されます。このとき、結果を見て判断するのが(血圧もまともに計れない)新人医師というわけです。ベテラン看護師のほうがより的確な判断をすると思うのですが、規則上医師が居ないといけません。
その朝は一度医局に顔を出し、受持患者さんの顔などを見てから献血ルームに向かいます。少なくともその日一日は医局の雑用や教授のカミナリから逃れることが出来るシアワセの瞬間です。また献血ルームはたいてい街の繁華街にあり、真っ昼間からこんな所を大手を振ってうろつけるというのも高得点です。さらには大学病院の凶暴な看護師と違って麗しく優しい看護師さんに囲まれ蝶よ花よとお仕事ができ(大したことをしていない)、しかもお給料まで頂けるとあっては、ここに就職しようかと本気で考えたくらいです。
さて、献血ルームでは採血管と新人医師(世間知らずのバカモノ)の扱いに慣れた麗しのナースがまず「せんせ」と呼んで喜ばせてくれます。
医局でも「先生っ」と呼ばれはしますが、その何ともトゲトゲしいニュアンスとはひと味もふた味も違います。
日がな一日「可」とか「不可」(よほどひどい場合以外は不可は出さないようにと先輩から指導されていた)とか記入するだけで、あとは無料のコーヒー飲んだり、付属の菓子類を食べたりするだけです。お昼になると食事券が出て繁華街のレストランに食事に行きます。昼から少し献血者の数が減ってくると「出番」が回ってきます。「成分献血でいいですか?それとも400cc?」。行くたびに献血は要求され、献血手帳はかなりの数になりました。おかげで、ご褒美に金か銀の記章を頂きました。ありふれた血液型ではありますが、多少は救急医療などに貢献出来たかも知れません。
夕方になると悲しい別れが待っています。麗しのナース達と手に手を取って(取ったつもりで)再開を約束し天と地との差のある大学病院に帰ってきます。
医局に帰ると無理矢理現実に目覚めさせられます。今日一日浮かれて過ごしたツケが利子まで付いて待っています。夜中まで働かないと翌日の仕事に差し支えます。
「先生っ、受持患者さんの点滴の指示が出ていませんっ」「先生っ、○○さん、熱発してますよ~」「先生っ、患者さんの包帯替えてませんし~」・・・
っるせえ。来週から献血センターに就職するわ。俺に優しくしろっ。

ああ懐かしの献血ルームよ
6月25日(金)
新人医師のバイトシリーズ(その2)
-老人病院の怪-
献血ルームでは人が死んだりすることはまずありません。気分が悪くなったボランティアなどを介抱するくらいは医者じゃなくても(医者じゃないほうが)OKです。
そんな超初心者コース(麗しのナース付き)は新人医師の間では当然人気も高く2ヶ月に一度廻ってくるか来ないかというレアものです。しかし生活のためには週に1~2回はバイトに行かなくてはなりません。
真っ昼間から大学を離れられる献血ルームみたいな優良店は超まれで普通は病院の仕事が終わった後、バタバタと明日の朝までの当直バイトに出かけます。
当直ともなれば入院患者さんに何事か発生した時には医師として何らかの処置をしなければなりませんので気は楽ではありません。
もちろん新人医師が行く所ですので難しい患者さんが入院しているとか、急患が来るとかの難易度の高い場所ははじめから外されています(危なくてしかたがない)。
そんな新人が行っていたのが、ある老人病院でした。田舎の山の上にあるその病院の患者さんは平均年齢が80歳を超えるかと思うほどの高齢者ばかりです。殆どは寝たきりで、何かあったとしても痛い目に遭わせたくない、無理に延命治療はしないで下さいというご家族の要望のある患者さんばかりです(だから新人でも勤まる)。それでも最初の頃は救命マニュアルを持参したり、先輩医師の電話番号を肌身離さず持ったりしておりました。
ようやくその日も病棟の指示や伝票も書き終え、その足で中古の軽トラで1時間かけてようやく病院にたどり着きました。当直ナースに声を掛けたのは7時入りギリギリの時間でした。
当直室のこたつの上にはいつものようによーく冷めた夕食が用意(放置)されています。その徹底した冷め具合は、老人病院特有の芳香と相まっていっそう食欲をかき立てます。お昼以来ご飯食べてないですので、そんなことも言っておれません。お醤油系のモノをどっちゃり振りかけて食べます。
当直室の構造
当直室はだいたい図のような構造になっています。病棟の廊下から入ると正面に引き戸があって一段高くなり4畳半くらいの和室です。この部屋が明日の朝6時までの住処となるわけです。10時くらいに、病棟の反対側にある風呂場までシャワーを使いに行き部屋に帰ってきてドアを開けると、そこに白髪を振り乱した老婆が立っているではありませんか。油断していたとは言え、腰が抜けるほど驚きました。正直言うと腰の約半分が確実に抜けました。
たじろぎながらも「お、おばあちゃん、ここは当直室だから病室に帰ろうね。(聞こえてるのかなあ)」私は優しく彼女を向かいの病室に連れて行きました。
やれやれ、そこら辺に抜け落ちていた腰を拾い集め、這うようにして当直室に帰ってきました。
今の出来事をナースステーションに電話で報告し(言いつけ)、再度の老婆の侵略を未然に食い止めるべく廊下に通じるドアにはしっかり施錠しました。
あと6時間頑張ります。
その後は何事もなく明日のカンファレンスの準備などをして布団を敷いて寝てしまいました。その夜は患者さんに急変もなく、起こされることなく平穏に朝を迎えました。
帰る準備を整え引き戸を開けた瞬間、昨夜苦労して取り付けた腰が今度はすっぽり全部抜けてしまいました。
ど、どっから、どうやって入ったの~~~っ?!。ばあちゃ~~んっ。
夜中もここに黙~って座って居たわけ?
あ゛~も~。当直室の老婆をふりほどきダッシュで大学に逃げ帰りました。
90歳の人間が100人集まって合計9000歳くらいになると、その力に不可能というモノはなくなるんでしょうか。
と言うかあれは本当にばあちゃんだったのでしょうか。
今となっては確認のしようもありませんが、他のナニモノかであったのかも知れません。
南無阿弥陀仏。
6月26日(土)
新人医師のバイトシリーズ(その4)
-解剖教室のお仕事-
世の中には色々なバイトがあります。アルバイトニュースに載っているような健全なバイトがある一方、ちょっと人には話せない内容のバイトも存在するのです。
特に医者であるということで世間には知られていない特殊なバイトを経験することができました。
あなたの知らない病院の地下のミステリーゾーンにお連れ致しましょう。
医学部の学生は専門課程に入ると解剖実習という関門が待っています。数人のグループで1体のご遺体を半年ほどかけて解剖して行きます。1学年の学生数は100名ほどですので5人のグループとしても1学年に20体のご遺体が必要です。
さて、感の良い方はもうお察しかも知れません。
日が長くなってきたとは言え、この季節の7時はすっかり夕闇に包まれていました。蛍光灯の白々とした明かりに照らされひっそりしたリノリュームの長い廊下を私たちは解剖学教室のA講師の研究室に向かいました。すでに他の職員は帰宅してしまったようで廊下の両側に並ぶ明かりの消えた研究室には人の気配もなく、ただ何かの機械が動くブーンという低い音が闇のむこうからかすかに響いてくるのみです。
数日前、うちの教室の講師から「良いバイトがあるんだけど」と呼び止められました。一般の学生や職員が帰った後の夜中の仕事になるみたいです。「あさっては仕事を早めに切り上げて夕飯を食ってから夜7時に俺と同期の解剖のA講師の研究室に行きなさい。1人では寂しいだろうから、後輩のBも連れて行きなさい」だそうです。寂しいバイトなのでしょうか。
今考えると講師の少し薄笑いを浮かべた顔からして何か怪しげな雰囲気が漂っていました。そのときに止めておけばよかったのですが結構なバイト料に、つい「わかりました。」と答えてしまいました。
「おお、待ってたよ。」何か書き物をしていたらしいA講師は、そぐに手を止めて明るく私たちを招き入れてくれました。「実はね、この前まで勤めていた助手が急に辞めることになってねえ、困っていたんだ。内容は聞いてるよね。」聞いていないと答えると大笑いしながら「まあいい、ついてきなさい。そこに白衣とマスクがある。」
研究棟地下の関係者以外立ち入り禁止の部屋の、さらに奥の厳重に施錠されたスチールのドアの向こうにその施設はありました。地下に降りて行くに従ってホルマリンの臭いが徐々にきつくなっていたのですが、その本体はこの部屋にあったようです。ドアの横のスイッチを入れるとチカチカと瞬きながら一斉に蛍光灯が点灯しました。大きなその部屋はお風呂場のようにタイル張りで、中央に木の板でふたをされた、これまた銭湯のように大きな風呂桶がありました。
「浮いてきたヤツを時々沈めてね。手袋はそこにあるから。」
続く
新人医師のバイトシリーズ(その3)
-魔の連続当直-
当直料というのはだいたい一泊3万円程度(当時の月給に相当)です。寝るだけで3万なら濡れ手に粟のようなものですが、患者さんが何十人も入院している病院で医師は自分1人だけ、新人のうちは何かあったらどうしよう、などと考えると夜も眠れません。
週に1.5回当直するとして月に4~6回、収入は平均20万円程度にはなります。しかし医局からは医局費、昼食代、教科書代、学会の参加費、交通費(発表者のみ支給)などを容赦なくむしり取られ、さらにアパートの家賃、飲み代などを引くと心許ないのは言うまでもありません。当直の回数を増やせば良いんですが、大学病院の当直(手当は2千円程度)もありますのであまり多いと体力的にもちません。
しかしどうしてもお金が足らなくなったら金土日連続当直という命がけの荒技が炸裂することがあります。
炸裂先は例の老人病院なんですが、たまーに金曜の宿直、土曜の宿直、日曜の日勤宿直という連続アルバイトの口があることがあります。土日にバイトなどしたくないですが、背に腹は替えられません。
金曜の夕方いつものように病院の仕事が終わってからバイトへ。土曜の朝、大学に戻り通常の業務。昼からバイト先に戻り月曜の朝大学へ直行というハードスケジュールです。
この長期間の当直生活に入る前には万全の準備が必要です。ずーっと居ますので冷えたご飯ではないのは良いのですが、入院患者さんと一緒のメニュー(しかも老人用)というのも食をそそりますす。途中のコンビニで大量の物資を調達しましょう。勉強道具、本なども大量に持ち込みます。
当直室にはビデオデッキとかしゃれたモノもないのでレンタルビデオなどが観られなかったのは残念です。老婆の来襲に備えてドアの施錠も指さし確認します。
金曜の夜は通常通りの宿直ですが、土曜の昼からが耐久レースになります。
何しろ連続40時間もこの四畳半で過ごすわけです。ナースステーションにも顔を出し、患者さんの容態など「ふむふむ」と聞いて多少は医者らしく振る舞ったりします。それは実は医者だからではなく暇だからなんですけど。また知らない看護師さんなので話も弾みません。
一応、新人医師の名誉のために言っておきますが、そんな病院でも何にもしていないわけではなく熱発時の指示とか簡単な処方などは致します。また何ヶ月かに1回くらいは患者さんをお見送りすることがあります。そのときは救命措置の与薬、心肺蘇生術(必要なら)なども一通りおこない、おじいちゃん、おばあちゃんのもっとも尊厳な瞬間を孫の気持ちで畏敬の念をもってお見送り致します。
さてさて、そのような大仕事のない場合、老人病院は暇で仕方がありません。携帯電話のない時代ですので、ちょっとお出かけというわけもいかず、土曜の昼から月曜の朝まで当直室に閉じこもりっきりです。寝るにしても40時間は眠れません。床ずれが出来ます。
日曜の夜、洋画劇場が始まる頃には心身共に疲れ果て、あの地獄的な大学病院でさえ懐かしく思えてきます。あとは今夜の来襲さえ防御すれば人並みの生活に戻れます。
月曜の朝早く、二日間にわたって大量の食料を摂取し(それしかすることがない)おなか周りなどが多少成長した新人医師は顔だけがゲッソリ痩せて医局に帰って行くのでありました。あ~、今日も手術(の第三助手)じゃあ。
この連続当直では金曜の宿直料3万円、土曜の昼から宿直で5万円、日曜の日勤宿直で7万円、合計15万円という莫大な財産を現金で一挙に入手することが出来ます。
しかしながら、この技は確実に命を縮めるため年に4回までしか使うことが出来ません。
6月28日(月)
新人医師のバイトシリーズ(その4)
-解剖教室のお仕事(続き)-
噂には聞いていましたが、本当にこんな仕事があるとは驚きました。
解剖実習に使用するご遺体は「献体」と言って死後自分の体を医学の発展のために役立ててもらうため病院などに寄付するように遺言されたご遺体です(献血の全身版ですね)。
ご遺体はホルマリンのプールに浸されて保存されますが、一部でもホルマリンから出たままになっているとその部分が腐敗してしまいます。時々確認してホルマリンの中に沈めてあげる仕事があるという訳です。
「浮いてきたヤツを時々沈めてね。手袋はそこにあるから。」A講師はこともなげに木のふたを開けながら言いました。
おそるおそる風呂桶の中をのぞくと、ホルマリンの強い刺激臭がツーンと鼻につくと同時に何体ものご遺体がおなかや背中を見せてプカプカと浮かんでいる今までに見たことのない恐ろしい光景が目に飛び込んできました。
よく腰を抜かすヤツだと思われるかも知れませんが、この時も腰からは80%程度の力が抜けました。
「え゛ー、手でですか?」
「慣れないうちは、そこにある棒を使ってもいいからね。朝の7時に職員が出勤するから、それまで交代で突っついておいて。あんまり強く突っつくと壊れるからね。仮眠するなら隣の部屋でね。」
棒で突っついたりしてバチ関係などは当たらないのでしょうか。突っついて壊れたら中から何物かが出てきたりしないのでしょうか。本当に完全に亡くなっているのでしょうか。こんな部屋の隣で仮眠など出来るのでしょうか。仮に寝たとして金縛りなどにはあわないのでしょうか。
呆然としている私たちを残して「じゃ、頼むね。」A講師は明るく言い残すと部屋を出て行ってしまいました。
しばらく今いる状況に順応出来ずにいました。
医者だからと言って、ご遺体などと親しい関係を持ったことなどありません。祖母が亡くなったときに棺桶の窓ごしに見たくらいです。確かに実習ではご遺体の解剖をしましたが、そのときは真っ昼間の100人も仲間のいる解剖室です。
「先輩、鍵しまってますよおお」ほとんど出口近くまで後ずさりしていた後輩が急に大声で叫んだので、辛うじて残っていた残り20%の腰の力も完全に抜けきってしまいました。
「はあ?ウソでしょ。」
後輩はドアノブをガチャガチャやりながら半泣き状態です。先ほど出て行く時、A講師が習慣的に施錠してしまったに違いありません。
話が怖くなってきましたので、ちょっと話題を変えましょう。
都市伝説というのをご存じでしょうか。マクドナルドのハンバーガーにはミミズが使われているとか、ピアスをしたら失明したとか、メンソールタバコはインポになるといった類のあれですね。
このような非合理的な、しかし説得力のある(ように見える)解説付きのお話を世間は大好きです。
ハンバーガーにするには大量の肉が必要ですが、食用のミミズで賄うとすると大変なコスト高になってしまいます。
耳たぶには視神経などありませんので白い糸が出ることも失明することもありません。
メンソールじゃなくタバコそのものに害があります。
記憶に新しいところでは人面犬、口裂け女のように都市伝説は徐々に形を変えながら、さも本当らしく流布して行きます。当然医学部のような閉鎖的な社会の噂もパワーアップして語られることの多いカテゴリーです。
解剖実習のとき、ご遺体の耳を切り取って壁に付け、「壁に耳あり」などとふざけていた医学生が退学処分になったという話を聞いたことがあります。
実はこの話はどこの医学部でも流布している有名な都市伝説の一つで、「ご遺体に対する感謝の気持ちを忘れず尊厳な態度で実習しなさい」という戒めのたとえ話で、実際退学処分があったという事実はありません。
さて、感の良い方はもうお察しかも知れません。
新人医師バイトシリーズ(その4)解剖教室のお仕事という話は、まったくのフィクションです。都市伝説に多少の脚色を施して書いた、真っ赤な嘘八百です。
では、検証してみましょう。
1.ホルマリンプール
何体ものご遺体を保存するのに巨大なホルマリンのプールを作るのはナンセンスです。きっちりの大きさの桶で1体1体保存した方がよっぽど経済的です。またホルマリンは揮発性が強いのでプールのような構造ではすぐに蒸発してしまいます。そのような部屋に入ったら命が危険です。
実際のご遺体は血液を抜き、防腐剤などを注入した上でホルマリンを浸した布で何重にもくるんで保存します。
2.バイト
こんな単純な作業で高給をいただける訳もありません。医学部の基礎の研究室は貧乏所帯ですので、バイトを雇うくらいなら重石でもつけて沈めます。
3.高給
いくら高給でも一晩中複数のご遺体とお付き合いするくらいなら、老婆に侵略を許した方がまだましです。ご遺体に失礼があれば今すぐにでも祟られそうですが、老婆は生き霊にでもならない限り化けて出るとしてももうちょっと先です。おとなしく3万円もらって当直しなさい。
以上のような検証結果より嘘っぱちということがおわかりになったでしょうか。恐ろしい成り行きを期待していた方、ごめんなさい。
でもまだ信じられなくて高給のバイトがしてみたい方は大学の解剖学講座にご連絡下さい。私のこの話ももしかして嘘かも知れませんよ。
6月29日(火)
柿と言えば秋の代表的な味覚ですが、今の時期も順調に柿の実は育っています。
6月の上旬になると青い柿の実がどんどん落ちてしまいます。
大量に落下するので害虫などの被害かと思いきや、これは生理落下と言って自分の体力以上の余分な実を落とす正常な現象で心配ないようです。
植物というのを一年間を通して見ていると四季の移り変わりによるダイナミックな変化が感じられます。
実が落ちてしまった冬から2月くらいまでは活動を休止しています。4月には葉が出て5月には花を咲かせます。6月には小さな実をつけ始め、今日の状況が写真の通りです。

ピンポン球くらい
うちの柿子(仮名)は秋には数百個もの実をつけますが、一体こんなに付けて何をするつもりなんでしょうか。秋には収穫をしますが、人間が食べるのはごく少数です。他はカラスやモズなどが喜んで食べています。残りの熟れきった実は落ちて庭を汚します。
実と言うのは動物に食べられたり落下したりして種を放出して子孫を増やす役割をするのですが、柿子(仮名)の子供とかはどこかで順調に育っているのでしょうか。少なくとも庭に落ちた種から柿の木がにょきにょき生えている様子はありません。
木というのは特に何もすることがなく暇なので、一年かけ大量の実をつけるのを使命と考えて、脇目もふらずこればっかり一生懸命やっているような気がしてなりません。
だって相当に体力を使うし、実を作るための養分なども地中から調達してこなければなりません。
あの甘い果汁を作るための果糖とか水分とかは根から吸い上げたナニモノカと太陽の光のエネルギーと空気中の二酸化炭素だけから合成されたはずです。また、まったく同じ材料を使用しているにもかかわらずリンゴともナシともまったく違う味に仕上げています。恐るべき能力と言わざるを得ません。
切ってもただの材木にしかなりませんが、生命活動というのは大したモノですねえ。
2004年7月
7月1日(木)
早いですねえ、もう7月です。この前一年の3分の1が過ぎたって言っていたのに、もう半分来てしまいました。
我が家の庭には5年ほど前から駄犬が放し飼われています。庭づたいに泥棒に入られかけ、あわてて犬を飼いました。それ以来泥棒はまったく近づきませんので駄犬と言えども役に立っておる訳です。近くの保健所のような所から子犬を里子としてもらってきました。ハーフの女の子(ただの雑種のメス)です。

眠そうな顔をしていますが、夜勤明けのスッピンです。お化粧をすればもう少しましな顔になります。クレヨンで眉毛などを描いてやりますとメリハリが利いてもうちょっといい女になります(家人には不評ですが)。
ここ数年は夜警の仕事だけで昼間はぶらぶらしています。報酬は食事と宿舎と散歩だけで現金は支払っていませんので貯金はあまりないようです(パンの残りなどは多少地中に貯蓄している様子)。
昼間の暇な時間は夜勤に備えて寝ているか、庭のあちこちを廻って垣根の破れ具合などを精査しているようです。まあ、夜警の時には見えにくい死角を昼のうちにチェックするというのは女だてらにプロとしてなかなかの心構えではありますな。
さて、最近彼女食欲がありません。以前予防注射でお医者に連れて行った時熱があると言われていたんですが(ちなみに獣医さんは耳をちょっと握っただけでそうおっしゃいました)、今は熱もなく元気も良いんですが食欲がありません。
よく見るとおっぱいが少し大きくなったようです。もしかしたら妊娠でもしたのでしょうか。子供子供と思っていたらいつの間にかよそに男を作っていたということでしょうか。
雇用主としては少し心配です。育児休暇をあげるとかパートで臨時職犬を雇用する余裕はありませんので、彼女がもし妊娠、出産、子育てと忙しくなった場合、夜警の仕事は手薄になります。
思い当たることと言えば過去に数回、庭を抜け出しローマの休日を楽しんできたことがありました。髪の毛をえらく短く切って帰ってきたのでピーンときました。そういえば口にもジェラートが少し付いていたようです。
昼間に精査していた垣根の抜け穴を通って出て行ったのでしょう。
相手がグレゴリーペック似の犬なら良いのですがもし、ブオトコだったりした場合、生まれてくる子犬もブスやブオトコかも知れません。うちは終身雇用制で家族の保証も付いているので、こういったブオトコ犬なんかも私が面倒を見なければならんことになります。
いわゆるシングルマザーにななった場合でも経済的にはちゃっかり私に依存しようと甘く考えているようです。
相手のことを問いただしても目を伏せるばかりでいっこうにしゃべってはくれません(もっとも日頃からあまりおしゃべりな方ではありません)。
医学的に妊娠の検査をして、検査結果を突きつければ白状せざるを得ないでしょう。
幸いうちには妊娠検査キットもありますのでやってみたいのですが、考えるとhCG(human chorionic gonadotropin)の測定キットなので犬は計れませんね。計れるのかなあ。
やっぱ獣医さんのところに連れて行ったほうが良いですね。
7月3日(土)
今日の月齢は14.8、ほぼ満月です。
昇ったばかりの月って大きいですよねえ。夜空高く昇っている月は小さいのにどうしてこんなに大きく見えるんでしょうか。まさか、近づいたり遠ざかったりししてると思っている人はいませんよねえ。思ってた人はアイスノンをでもあてて早めに寝ましょう。
そうでない人は5円玉を1個出してください。5円玉を親指と人差し指に挟んで腕を一杯に伸ばします。そのときの5円玉の穴の大きさが視直径0.5°、月と同じ大きさです。意外と小さいでしょ。
今日の夜、月の出が見えたら5円玉をもう一度取り出しましょう。先ほどと同じやり方で月を見ると5円玉の穴にきっちり月が入ります。今度は月が高く昇ったときにも同じことをやってみましょう。
結果は同じです。同じ大きさって言うことですよねえ。
しかし考えてみると図のように真上に月がある時の方が地球の半径分だけ近いので大きく見えても不思議ではありません。実際、計算すると直径は1.02倍になるはずです。この2%の違いはは5円玉ではわかりません。
ではどうして地平線近くの月の方が遙かに大きく見えるんでしょうか。実は10以上の説があってちゃんとした答えはわかってないようです。その中で確からしいのは以下の説です。

月の視直径は天球に投影したときの角度なのですが、人は地上に立って空を仰ぐとき天球をきれいな球体としてではなく回転楕円体(つぶれた球体))のように錯覚するというのです。確かに夜空を見上げると真上方向は距離感がありませんし仰角が低い方が奥行きを感じるような気もします。
つまり天球上の地平線近くにあるものは遠くに感じると言うことです。遠くにあるのに同じ大きさに見えると言うことは脳は遠くにあるものの方が大きいと判断してしまうと言うのです。
人間はモノを見るとき目で見ますが、実は目というのは単なるセンサーに過ぎず、そこから入った情報は脳が処理して初めて「見える」わけです。ですから本当は同じ大きさのものが違って見えたりする錯覚という現象が起こるんですね
7月6日(火)
我が社の夜警犬のお腹がどんどん大きくなっています。おっぱいも張って来ました。

6個と思いきや7個でした。
中にはきっと何かがいる。
恥ずかしい部分はモザイク処理しています。

不気味に高笑いする毒ヒヨコに寄生され
迷惑そうに天を仰ぐ警備犬
調べてみると犬の妊娠期間は平均63日だそうです。35~40日頃から、腹部が徐々に大きくなり、分娩前2週間~30日前から徐々に乳房が大きくなっていくそうです。
一刻の猶予もありません。いつのデートでそのようなことになったのかを正確に把握していません。予定日を聞いても知らぬ存ぜぬですので、体調の変化等で予測するしかありません。出産が近くなると乳頭周辺の毛が抜けるそうですが、イ、イカ~ン、よく見ると抜け始めています。お湯を沸かせっ。
昔、外科の研修をしていたときに帝王切開の経験はありますが、毒ヒヨコが生まれたとき立ち会ったくらいで助産の経験はありません。お湯とか湧かすんでしょうか。急に見知らぬお父さんが来て立ち会うとか言われたらどうすれば良いのでしょう。認知とかの問題も山積しています。
何よりも7個の乳頭からして最大限7匹の犬が産めることをアピールしているようですが、万が一7匹とかの子孫がやってきた場合、テレビでよくある大家族のようにオオゴトな家庭になってしまうのでしょうか。
家は散らかり放題、ふすまも破れ放題、食事や洗濯は一日仕事、お父さんは糖尿病になる、会社は傾く、お母さんは巨大化する、旅行も一泊がせいぜい、入学すれば恐ろしくお金がかかる、成績はかんばしくない、若くして未婚の母になる。
嗚呼、やっぱり歴史は繰り返すのね。
7月7日(水)
先日、出産でお湯を沸かすというのを書いていたら思い出しました。
有史以前の話ですが、私も人並みに新婚旅行というのに行きました。12月の挙式だったのでハワイは雨期です。この仕事を始めて長い休暇を取ったことのない我々は、のんびりと暖かい南の島で読書でもしたかったのでモルディブという場所を選びました。えらい遠いところでしたが、絵に描いたような南の島を堪能しました。
そんな話はどうでも良いんです。問題は行きの飛行機でした。
「お客様の中にお医者様はいらっしゃいませんでしょうか?アテンションプリーズ」なんて言うアナウンス、テレビドラマなどでは良く聞きますよねえ。 ところが現実にあったんです。我が身に降りかかったんです。
インドかパキスタンの航空会社だったと思います。はるか上空1万メートルを飛行中にうわさのアナウンスがかかりました。英語でしたし、うるさい機内で最初は何のことかわかりませんでした。 しつこく同じアナウンスが繰り返されているようです。"doctor"がどうしたこうしたとか、"emergency case"がどうとかこうとか切れ切れに聞こえてきます。 どうも機内で病人がでたので医師はいないか?と言っているようです。
「え゛~、誰かいるでしょう。わたしらじゃなくても。インド語わからんし。」って思って、まずは無視しました(いいのか)。
しかしそれでひるむような奴らではありません。何度も何度も同じアナウンスを繰り返しています。 「俺らだけしかいないのかなあ?」家内も内科医ですので、他の何百人もの乗客の中に医師がいないとすればこの席のあたりは医師の含有率、濃度は異常に高く、隠しおおせるとも思えません。隠しおおせたとしても、その病人が死にでもしたら人生の門出の新婚旅行にふさわしいとも思えません。 しかし急病にもいろいろあって形成外科と内科で対処できるかどうかもわかりません。目が痛いとか言われてもさっぱりお手上げです。
レスキュー999とかではこんな場合たいてい「お産」ですので、お湯も沸かさねばなりません。機長などがやられていた場合は素人の私が無線で指示を仰ぎながら着陸などもしなければならないかも知れません。着陸の時は車輪を出すのを忘れないようにしなければ胴体着陸になってしまいます。
とかなんとか、しばらくグズグズしていましたが、(イヤイヤ)出頭しました。
患者さんはその機のスチュワーデスさんでした。おへそ丸出しのサリーを纏った彼女は右脇腹を痛がっています。こんなお空の上でおへそとか丸出すからポンポンが痛くなるのよ。
McBurney pointに圧痛がありますが、Burnberg兆候は陰性で筋性防御もありません。当然虫垂炎を疑いますが、卵巣疾患、子宮外妊娠なども一応頭に置いておきましょう。
超緊急というわけではなさそうですが、容態が悪化しないとは限りません。こんな所で手術は出来ませんのでとりあえずは抗生剤の点滴静注が基本でしょう。
「看護師さ~ん。点滴持ってきてえ~」、当然いません。いったい飛行機にはどんな救急設備があるのでしょうか。全部出してもらいましたがな~んもありません。 軟膏類、乗り物酔いなどの錠剤など以外は・・・・おお、臭化ブチルスコポラミン(ブスコパン)注射液があるではありませんか。変な名前ですが、お腹の痛みに良く効く注射です。対症療法ですが一応痛みはおさまるでしょう。
しばらくして痛みがおさまり席に帰ってほっとしている間もなく、また呼び出しです。captain がお呼びですのでコックピットまで来てください。
「にゃにい、コックピットコックピットお、機長はターバン巻いとるかなあ」夫婦そろってバカ面下げて初めての747のコックピットにおじゃましました。残念ながら夜間飛行中で外はただの真っ暗闇でしたが、各種のインジケーターの瞬く操縦席はちょっとした異次元ワールドでした。

「なんでっしゃろ?」初めての経験につい大阪弁になってしまいます。
オートパイロット(自動操縦)なのでしょう、操縦桿から手を放したままこちらを向いて「実は相談なんやけどな。あの娘どっかで降ろさなあきまへんやろか、それともインドまで連れて行ってもよろしおまっしゃろか」インド人機長(ほんとか?)も興奮したのか大阪弁で問いかけました。
げー、こちとら新婚旅行の真っ最中です。予定狂うし~。
一瞬の躊躇のあと「インドまで行ってよかでごわす。」私は薩摩語できっぱりと答えました。多少の不安はあったものの腹膜刺激症状もなく急に虫垂が破れるとも思えません。なにより、短い新婚旅行の日程の狂いも心配です。
それから数時間後、飛行機は無事インドに到着し、滑走路に赤色灯を点滅させた救急車が待機しているのを見たときはさすがに「あー、国際問題にまで発展しなくて良かったわねえ」とオネエ語で胸をなで下ろしたのでした。
みなさま気になるのが謝礼でございますね。
そう、帰りの飛行機はすべてビジネスクラス。飲み放題食べ放題おみやげどっちゃり大名旅行と言いたいところですが、このシブチン航空会社はお子様用トランプを10組(それはそれで多すぎ)どさどさっとくれただけでした。(泣)
7月8日(木)
昨日は海を渡って(と言っても関門海峡ですが)、飲みに行きました。
久々のワイン会でした。冷やしたスパークリング、Lambrusco と言うイタリアの微発泡の赤(ロッソ)です。安いワインですが、実にフルーツの香りが高くエレガントな味わいでした。鼻孔の奥に残るカシスやブラックベリーの香りが少しの甘さと良いバランスを保っています。微発泡というのも食前酒としてはいいですね。その後はOZの赤で食事を楽しみましたが、暑い日にはごくごくいけるスパークリングが最高ですね。
二次会はネオンの巷に出撃致しましたが、お姉さん方は「ゆかた」でのご出勤が多いようです。色っぽく夏が近づきました。
去年の7月7日の日誌に織り姫、彦星伝説について書きました。
アルタイルとヴェガですが、もう一個デネブを加えると夏の大三角になります。この三角形、実はデネブだけが桁違いに遠いところにいるので実は長細~い二等辺三角形になっています。ピザで言うと600等分したくらいの細さです(ないもピザに例えなくてもよいが)。このデネブは白鳥座のアルファですが、白鳥はちょうど天の川の真ん中に大きく羽を広げ織り姫、彦星の間にくちばしをつっこんでいます。

織り姫ちゃんに彦星君、デネブ君をあわせて「夏の大三角関係」と言うそうです。
7月9日(金)
マニアックで反社会的な話ですので、一般常識人は読まないで下さい。
国松長官狙撃事件で使用されたのは357マグナムでホローポイントという特殊弾頭だったというニュースがありました。
44マグナムと言えば映画ダーティーハリーで有名になった拳銃です。100分の44インチの口径の弾丸を発射します。357マグナムは口径が少し小さのですが、様々な銃弾(ホローポイントも含む)が使用でき、故障も少なく信頼性の高い拳銃のようです(マグナムというのは20%程度火薬を増量し強力にしたという意味)。
拳銃弾にはいろいろな種類がありますが弾頭の種類で分類するとおなじみフルメタルジャケットやソフトポイント、スティールジャケットなどがあります。フルメタルジャケットは鉛弾頭をすべて合金で覆ったもので貫通力の高い弾です(鉛のままだと貫通力は弱いが殺傷能力が高い)。軍用弾は条約によってすべてフルメタルジャケットに決められいます。それは人道の面から被弾者に必要以上の苦痛を与えないように配慮されたものです(人道的ねえ?)。スティールジャケットはもっと貫通力が高く装甲を貫くような場面で用います。
ではホローポイントとは何でしょうか。鉛弾頭がむき出しのソフトポイントの一つで、その鉛にくぼみをつけた形状の弾頭です。このような形状の弾頭が人に命中すると鉛部分がつぶれマッシュルーム状に開くため傷口を大きく広げ治療のしにくい傷になります。ですから殺傷能力が高くなるのですが貫通力は弱く、後ろにいる人には危害を加えません。つまり特殊な形状の弾というよりアメリカでは護身用など周りの一般市民に迷惑をかけず狙った相手だけにダメージを負わす弾として売られているようです。

ホローポイント
そんなことより驚いたのは25メートルもの距離から狙撃し、4発中3発も命中させていることです。通常拳銃の有効射程距離は15メートル程度です。もちろんそれ以上弾丸は飛びますが、命中率は非常に落ちます。訓練している現役警官でも当たらない距離のようです。
やはりどこかの国で密かに猛練習したのでしょうか。
7月5日(月)
パーキングメーターっていうのがあります。駐停車禁止区域にもかかわらずお金を入れれば一定時間は駐車が許されます。
先日まで駐停車禁止だった場所にパーキングメーターが設置されました。今まで駐停車禁止であった場所なのにお金を払いさえすれば路駐出来るのですからちょっとした用件のときなどは便利です。

アメリカのパーキングメーター
いやいや喜んでばかりではいけません。駐停車禁止区域というのは駐車という行為が円滑な交通の妨げになったり歩行者の安全を確保するために設けられていると認識しています。この前までの駐停車禁止は一体何だったんでしょうか。停めちゃあいかんから禁止だったんじゃないでしょうか。お金さえ払えば許してくれるというのはお金のほうが安全に優先すつというのでしょうか。
お金を払わないでパーキングメーターの所を利用すればレッカー移動が待ってます。
レーッカーで移動しなければならないほどさし迫って危険性が高い場所なのでしょうか。
このパーキングメーターを管理運営しているのは、おなじみ交通安全協会だし、レッカー会社も警察から委託された民間会社です。
この特殊法人や民間会社に警察の幹部が数多く天下りをしているのと何か関係があるのでしょうか。
7月10日(土)
顔というのはどの部分を指すのでしょうか。下はあごより上の部分、横は耳より前、上は生え際より下というのが一般的でしょうねえ。
フォトフェイシャルという治療があります。顔のシミなどに効果の高い治療です。この装置を導入して数年、数多くの患者さんを治療致しましたが、わたし的には相当気に入った治療です。なぜかというと患者さんの満足度が非常に高い、副作用の発生率が非常に低い、ダウンタイムがないなどレーザー治療とはまた違った良さを持つ機械です。この治療は顔に強い特殊な光を当てる治療なのですが、費用は顔全体とか両頬とかによって違います。

↑どこまでが顔?
ところが顔全体の治療をされる方で時々何処もかしこも顔であると主張する方がいらっしゃいます。
生え際が後退し頭頂部近くまでになっていても「顔です」(あたまっ)。寝た状態でアゴのラインがわからなくなっていれば喉の付近まで「顔です」(そこはく~び)。
どんだけ大きい顔やねん。地続きであれば全部顔なのか?
わきのレーザー脱毛は当然両わきの部分をするのですが、脇腹まで「わきです」とおっしゃる方もおられます。
どんだけ広いわきやねん。上半身の半分は「わき」じゃん。
ケチケチしたことはしたくないので大抵のことは聞きますが、あまり常識から外れた主張をされますと多少うんざり致します。
一生懸命、どこまでも顔じゃと主張するおばちゃんのかわいさも多少は感じているんですけどね。本当は。
7月15日(木)
今日は美容外科について、ちょっとまじめに書きましょう。
皆さんは美容外科というのをどのように見て、感じていらっしゃるでしょうか。
1.うさんくさい
2.料金が高い
3.後ろめたい
4.患者を商品と見ている
5.金めあての商売
6.医師としてはアウトロー
もっとあると思いますが、だいたいこんなイメージでしょうか。
何もそこまでって言うくらいの言われようですね。「おぬしも悪よのお」。
自分で言うのもなんですが、えらく悪い印象の仕事をやっているものです。でもあながち間違いでもない所もありますので、一つ一つ反省と言い訳をして行きましょう。
1.うさんくさい
確かに胡散臭そうな人はいます。Yes!とか言ったりして(あわわ)、いかにも医師というより商売っけの強そうな先生もいらっしゃいますね。そうでなくても形成外科、美容外科が専門ではなく、たった数ヶ月前までは他の科の専門医だった先生、お金儲けがしたいために美容外科に就職した先生も数多く知っています。もちろん専門が違っても、お金を儲けても信念も腕もしっかりした先生も多くいらっしゃるのも事実です。
一般に医師らしからぬ容貌をしていたり高級外車に乗っていたりすると、得てして「うさんくさい」と言うことになってしまいます。
私も診療中も白衣は着ませんし、無精ひげまであって「うさんくさい」感じの容貌かも知れません。反省します。
2.料金が高い
美容外科は殆どが自費診療です。保険で扱えない分だけ費用はかさみます。もちろん適正価格というのはあるでしょうが、安ければ良いというような商売ではないと考えています。逆に高ければ良いとも言えないのですが、まったく同じ商品を買うのではないのですから、スーパーの商品か専門店の商品かというような価格差はあっても仕方がないと思っています。粗悪な商品はいくら安くても買いたくないですし、高級な商品でも適正な価格以上は出したくないものです。
ご自分の行いたい治療の結果と価格が適正に釣り合っているクリニックをらぶ義務と権利があるというのを忘れないでください。
3.後ろめたい
この言葉を聞くと心底がっかりします。自分が誇りを持ってやっている仕事も患者さんにとっては「後ろめたい」ことなのか。考えてしまいます。
いや仕事が後ろめたいんじゃなくて美容外科に来ることが後ろめたいんでしょう。クリニックの名前の入った封筒でご案内を出したりすることもあるのですが、烈火の如きお怒りの電話を頂く場合があります。曰く「家人に内緒なのよ」曰く「恥ずかしいでしょ」。性病科からでもソープランドからでもない形成外科からの封筒でも後ろめたい何かがあるのでしょうか。
シミを取ったり二重にしたことがそれほど後ろめたく恥ずかしことなのでしょうか。人それぞれですので何とも言えませんが、これに関してはまた後日詳しく書きたいと思います。
4.患者を商品と見ている
むかし尊敬する形成外科の開業医の先輩から言われたことがあります。「患者さんの顔がお金に見えた時は、この仕事を辞めなさい」。
バブル全盛のころは美容外科も大変儲かったようで濡れ手に粟のように現金が転がり込んできたクリニックもあったようです。そのころを経験した先生からのこの言葉はなかなか説得力があります。
患者は患者です。医師性善説を唱える訳ではありませんが、手術をしようと思ったら何としてでも結果を出したいのが外科医です。手を抜いて、はい料金はいくらっていう具合にはやろうと思っても出来ません。
商品と見られていると感じた方は、医師の腕とかではなく話し方や対応に対して不満を持ったのだと思います。忙しいクリニックで流れ作業的なカウンセリングや治療が行われると、そのような意見が生まれてくるのでしょう。
5.金めあての商売
まあ、金目当てでない商売というのは基本的にはない訳ですが、あまりに金、金を追求するのは下品です。
しかし私は医師はお金は持っていなければいけないという考えです。それは欲得の問題ではなく余裕の問題を含んでいるからです。貧乏クリニックで果たして最高の治療が出来るでしょうか。貧乏クリニックで果たして最高の技術と材料を提供してくれるでしょうか。多少疑問です。ですから仕事に対しては適切な報酬を頂き、患者さんには適切な技術で応えるのが義務であると思っています。だから目的が「金そのもの」であってはいけないのは自明です。もちろん私も時にはお酒を飲みたいし、そのくらいの自由になるお金がないと心の余裕もなく良い仕事はできねえ、べらぼうめ。と勝手に思ってます。
6.医師としてはアウトロー
これもよく聞く話です。高校のときの同級生だった女の子(今はおばちゃん)から同窓会のとき「何で形成外科を専攻したの?お金儲けのため?」と言われたときは(昔ちょっと好きだっただけに)大変ショックでした。ははーん、形成外科というのは医師としては蔑視されているんだと思ったことを覚えています。その子(今はおばちゃん←しつこい)の旦那様は国立大学の大学病院にお勤めの内科医です。美容外科ともなるとアウトローと思われても仕方ないかも知れません。
どこかの科で頑張って勉強してたのにお金に目がくらんで美容外科に転向した先生、患者のことより収入のことを優先にしてしまった先生などがいたとしたら、アウトロー(法律は守っているのに)と呼ばれるかも知れません。
続く
7月16日(金)
今日が誕生日となりました。そう、うちの警備犬ついに出産しました。一昨日獣医さんで早くて1週間以内と言われましたが、えらく急な話でした。
警備犬似の茶色1、見知らぬお父さん似の黒3、合計4匹が警備予備隊に配属です。
朝、散歩に行こうとしてもいつものようにニコニコ顔で飛んでこないのでどうしたのかと思っていましたら、まじめなな顔で「ちょっと来てください」と裏庭に連れて行かれました。われわれが設置した産室には見向きもせず、裏庭の軒下の涼しい場所に浅い穴を掘り、夜中のうちに生んだようです。安産だったと言っていました。子犬はまだ目も開いていません。
それからは毒ヒヨコが群がって蜂の巣をつついたような大騒ぎです。ヒヨコどもは子犬をだっこしたくてたまらないのですが、警備犬は「困りますう」という顔をしてガシッと子犬をくわえて向こうに持っていきます。それは雇用主の私でも同じで、相当遠慮がちではありますが、明らかに「済みませんが、私が面倒みますからぁ」的に横目で見ながらガシッです。

むずむず動くだけの子犬
さて、父親の件ですが、子犬の顔を見て多少の心当たりが出てきました。近場も近場、隣家(立派なしだれ梅のある家)の黒犬です。ずっと前うちの警備犬が脱走したとき隣家で黒犬君とお茶してるのを目撃したことがあります。そのときはお互い子供だったのですが、その後愛をはぐくんだのでしょうか、時々夜中にでもデートをしていたのかも知れません(本職の警備の方は大丈夫だったのか?)。
何度聞いても父親のことに関しては口を割りませんので、私もこれ以上追求するつもりはありませんが、どうも毛色からしても隣家の黒犬が怪しいような気がしてなりません。凄いイケメン犬とは言えないのが残念です。
怒鳴り込んで認知とかさせた方が良いのでしょうか。「うちの娘に手え出してどないしてくれるねん」慰謝料、養育費などの請求はできるんでしょうか。
一夜にして警備犬1、その子犬4、毒ヒヨコ2、ハムスター2、毒ヒヨコの母(家内とも言う)1の合計10匹(ほ乳類以下の分類の各種生物多数は除く)の大家族を養わなければならない身の上になったわけです。ふすまは破れ放題、洗濯は一日仕事・・・の日々がやって参りました。嗚呼。
しかし、見事に3対1に分かれたものです。黒対茶=3対1。
メンデルの法則というのがあります。優勢と劣勢の遺伝子が掛け合わされるとF1(第一世代)はすべて優勢の形質が出現します。(AA×aa=Aa+Aa+Aa+Aa)
F2(第二世代)では遺伝子型は1:2:1ですが、発現型としては3:1に現れます(Aa×Aa=AA+Aa+Aa+aa)。黒を優勢遺伝子、茶を劣勢遺伝子とすると見事にメンデルの法則通り3:1に分かれたと言うことになります。

唯一母親似の子犬
続きはまた書きます。
7月17日(土)
出産第2日目(0.005歳)
暑い暑いと良いながらおっぱい飲ませています。
詳細画像を入手しましたので(自分で撮しただけだが)アップいたします。

黒(壱)
弐、参は区別がつかんため省略
この顔は隣のコロに酷似

茶(壱)
唯一母親似の子

茶(壱)と寄生した毒ヒヨコ(弐)
警備犬は暑さと産み疲れ、気苦労などで一回り小さくなっています。
髪の毛もぼさぼさ、ほつれ毛を掻き上げながら初めての育児に励んでいるようです。昨日の日中はあまりの暑さに子犬もぐったりしていましたのでクーラーの効いた勝手口に入れていましたが、夜は警備の仕事に産休はありません。9時には無情にも親子共々追い出され、段ボールの中で母子体を寄せ合って一夜を過ごしたようです。
読者の方から妊娠したことすら相手(犬)に言ってないのではないかとのご指摘がありました。確かに無口な娘ですし、ちょっと昔気質な所もあります。「出来ちゃったみたいなの。責任取って」など言って関係を壊すより未婚の母としてひっそり母子で暮らして行くつもりなのでしょうか。
そうだとすれば、今どきの女にはない葉隠的な「おなご」と申せましょうし男にとって都合の良い女とも言うようです。(決して私が現実社会で何か不都合があったという訳ではございません、あしからず)。
7月20日(火)
出産第5日目(0.014歳)
♂2、♀2ということが判明しました。産み分けは完璧のようです。
メンデルの法則に従って(ほんとうか?)茶黒1:3になっていますが、よく見ると茶がちょっと混ざった黒のがいるのがわかりました。エンドウ豆のように単純には行かないようです。
毒ヒヨコどもは相変わらず人(犬)の迷惑も顧みず、取っ替え引っ替え産室から子犬を盗み出してはべたべたダッコし放題です。警備子犬にとってはヒヨコの夏休みに生まれたことが悲劇の始まりだったようです。これから40日間はこのような状態が持続することでしょう(哀)。

眠ってばかりである
たしかに黒はカワウソ似だが
カワウソと関係があったとは思いたくない
我が社は毒ヒヨコ2匹に加え、毒ハムスター2、毒クワガタ1などが屋内に所狭しと棲息しております。その中でもっとも毒性の強い毒ヒヨコどもが毎日毎日家中を散らかして廻ります。この暑いのに、家の中と言わず外と言わず、かたづけた端から散らかすので、無毒の私はこの毎日の戦争に疲れて瀕死の状態です。
この戦いに勝つための九〇式殺獣光線砲のような必殺兵器を模索開発しておりましたが、今のところ効果の高いと思われる兵器は、かき氷のみです。
この攻撃さえしておれば、その間のみ私に小さな平和が訪れます。
優しい父親(私)が愛情を込め、小さな我が子の手を眺めて「何かベタベタしとるなあ」と言ったところ、当時2歳だった毒ヒヨコ(壱)が「子供ってこんなものよ」と言い放った毒の強さです。
しかし、かき氷攻撃が功を奏すのはほんの数分で、知らぬうちに床などには更に目に見えぬベタベタが無数に散逸し、雑巾などを握りしめて悶死することになります。
そうはいっても、切れかかっている氷密は早く補充しておかないといけません。
そのような環境の中、このほどの子犬騒ぎです。今は無邪気な顔で目を閉じて乳など飲んでいますが、我が社にいる限りあと数ヶ月もすると猛毒の毒子犬に変身するのはまず間違いありません。
毒ヒヨコの母親(家内とも言う)を加え、10匹もの毒の軍団に立ち向かうのは無数のセンティネルに攻め込まれるミフネのような心境です。
なんだかようやくそれらしい携帯端末が出現しました。
今までと違ってカメラなし、アンテナなし、メールもしないと割り切ったのが欲しいと思っていましたが、ようやくです。

思っていたより遙かに小さかったです。小さい分、液晶画面は見づらいですが、メールもしないし、カメラもないので関係なしです。
アンテナは上部のループ状に張り出した部分ですが、ポケットに入れても引っかからないのが◎です。
一点気になる所はイヤホン端子がない所です。車に乗ったときは携帯が使えません。道交法も改正となり罰金になりますので、当面は古い携帯と切り替えで使うことで対処したいと思います。
つまり古いのは車専用で載せっぱなし、乗るときは1540で切り替える訳です。ちょっと面倒ですが、この小ささには替えられません。
7月23日(金)
世の中、韓国ブームで沸き立っております。かく言う我が社でも年に1回の社員旅行を韓国にせよという意見が大半を占め、院長としては迷っておるこの頃です。韓国には知り合いの先生もいらっしゃいますし、費用も国内のディズニーランドなどに比べても半分以下です。なにより近いので行きやすくはあるのですが、昨年までは半数くらいだった韓国意見が今年は殆どというのが不可解ではあります。
まあ、韓国ブームの訳は言わずと知れたヨン様ですけど。
「君らなあ、ソウル行ったかてヨン様はいてへんでー」と言っても聞く耳も持ちません。ヨンヨンヨンヨンとダヨ~ンのおじさんみたいに繰り返すのみです。
ヨン様が言われるほどにイケメンであるとは思えないのですが、 チェ・ジウ(choijiwoo)様には若干の興味はございますね。このように男女の好みというのは多少のずれがあるものです。
私は女性ではありませんので女の気持ちより男の気持ちの方がよくわかります。以下の文章は私が男であるという事実に基づいて書いているため、多少のバイアスがかかっていますが、すべては女性への愛情に基づいた帰結であると言うことで無理は承知でご理解下さい(腫れ物に触るような言い方だなあ)。
昔から言われていることであり、私自身もかねてより思っていたのですが、女性と男性の異性の評価っていうのは違いますよねえ。
男性同士の評価はそれほどははずれませんが女性の口から「あの子は美人だわ」と聞いて美人だったためしがありません。美人の基準がないからだと思います。「美人じゃないけどかわいい」とかの意見は置いといてシンプルに「美人度」という一点だけで考えて見ましょう。
1.絶対美人
2.相対美人
3.個性的
4.味がある
独断的ではありますが、以上の4段階に分類することにしましょう。
1.誰が見ても美人という人は先の事例のように非常に希で、例えれば絶対音感みたいなモノです。ただし個人の好みとかが色濃く左右しますので「誰が見ても」というのは「90%の人」くらいに基準をゆるめましょう。
チェ・ジウなどは好き嫌いは別にして、この分類に入れてもいいんじゃないでしょうか(性格までは知りませんが、万が一、性格悪いとしても)。
芸能界などにいる人たちは大体2の「見る人によっては美人」に分類される人が多いと思います。顔立ちなどより才能や歌のうまさなども評価に絡んでくることもあります。松田聖子ちゃん(?)は歳を取ってもなお華やいだ顔でいますが、絶対的な美人ではありません。才能、若顔などを鑑みて美人と見る人もいるでしょう。相対美人ですね。
昔の女優は1の絶対的な美人が求められていたような気がしますが最近はモデルさんにしろタレントにしろ、3の個性的な顔立ちをしている人たちも多いですね。
ブスという分類もありますが、これは顔だけを言っているのではないと思います。性格とかも加味した言い方であって結構美人であってもブスっぽい人もいますし、味のある顔でもブスじゃない人は大勢います(ブスっとしているという意味でしょうか)。
ですからブスというのはもっと上位の分類の項目なんでしょうね。
何が言いたいかと言うと別にございません。この暑さで頭がぼーっとして書いた戯言です。
7月26日(月)

夏空
日本列島上空は太平洋高気圧におおわれ、気温もぐんぐん上昇しています。今日も暑い一日になりそうです。
日曜は娘達にせがまれアドベンチャープール(流れるプールとか波のプールとかの施設)に行って参りました。猛暑でそれなりに気持ちよかったんですが、高波の発生するプールに長時間浸からされ疲労困憊しました。何しろ泳げもしないくせにどんどん高波の中に進んで行く怖いのも知らずの娘達ですので、親は目も離せません。
肩、顔、腕などは1度熱傷。ひりひりしてかないません。
あの手のプールというのは子供連れの家族が多く、おじさん的にはあまり目の保養というわけにはいきません。たま~に保養系の方がおられてもじっと見るわけにもいかず、子育てに専念することに致します。
さてそんな中、1人佇む男を見かけました。若い頃はそれなりに鍛えたであろう肉体ですが、今は年相応の衰えを見せる40代後半の中年男性です(何か私と共通する部分があって印象にも残っておるのですが)。
かの男性の出で立ちは。。。かなり使用材料の少ない純白の競泳用のビキニパンツに○○○のレリーフがくっきり浮かび上がっています。真っ赤(真っ黒じゃないよ)に日焼けした厚い胸元と重そうな金の鎖ががギラリと光る太い首周りはスポーツマンを印象づけています。しかしながら頭にきちんとかぶった水泳帽子は、それでいて質実剛健な感じを醸し出しております。
このおじさん、何をするでもなく屋外シャワーの近くで両手を腰に当て遠くを見る目で1人佇んでおるわけです。1人で来たと言うことならなおさら不思議ですが、ご家族連れであれば、奥様も同意の上のファッションなのでしょうか。
それとも昨日の夜は「あなた、白のビキニだけはおやめになって下さいまし」「何を言うか、今どきの若いもんのようなぶかぶかのパンツがはけるか。男はビキニっ。しかも白っ。バカものが」とか言ってちゃぶ台とかひっくり返したのかも知れません。
わたくしももう少し肉体の改造などに取り組んで、プールでTシャツを着るようなおっさんにだけはならないように気を付けます。
7月27日(火)
子犬軍団の写真集を作りましたので見てやってください。
さて、我が社ではこの母犬を警備犬として雇用している訳ですが、他家では家族の一員という地位を得ている犬も多いと聞きます。中には家族として自分ちの姓を名乗らせて(本犬は名乗らないので呼んでいるだけか?)いるご家庭も多いようです。
山田シロ、鈴木クロなどですね。かく言う我が社の警備犬もかかりつけの獣医さんとこのカルテには名前の欄にそのように記載されていて驚いたことがあります。我が社ではまだ警備犬を養子縁組した覚えはないのですが、これは便宜上そのように記載しているだけでしょう。
名前もこちらが勝手に決めたので生まれた時、まぶたの父母からもらった本当の名前は○※◇☆●△*★#◆(犬語)だったのかも知れません。
人間の場合も親が勝手に名前をつけますので、結局は本人(犬)が甘んじて受け入れているのかどうかと言うことでしょう。犬自身は
1.もらわれて(買われて)育てられた恩はあるが俺は俺
2.ずっと家族の一員ですのでよろしく
3.雇用されている従業員です
4.居候させてもらってま~す
5.忠実なるしもべでございます
6.俺の方が偉い
7.?◎※◆☆○●△(犬語)
あたりのどれかくらいじゃないでしょうか。
7番は意味不明ですが1、3,6番だったら勝手に籍を入れたりすると相当怒られるような気がしますねえ。
本来、犬の意志を確かめずに(幼犬だったので確かめられなかった、幼少でなくても確かめられない)拉致してきたのですから、せめて大人になって子犬まで生んだ犬君は自分の家庭を大事にしていただいて席も抜いてあげましょう(犬が望むなら)。
7月29日(木)
また犬の話で恐縮です。生後13日目の今日、全員(犬)開眼しました。
まだ見えているのかどうかはわかりませんが、犬らしい顔になって参りました。

目は若干碧い。
茶は目をぎゅっとつむって難しいかおをしていたんですが、目が開くと多少は犬らしい顔になってきました。
しかし、犬でも何でも生まれたての時は目が開いていないのはなぜなんでしょうか。野生動物の場合は外的から直ちに身を守らなければならないので多分早めに開眼するのでしょうけど(知らないけど)、飼い犬なんかはのんびりとしているんでしょうねえ。2週間見えなくても外敵にはおそわれません(うちの娘達の攻撃は厳しい)。
しばらくは浮き世の汚れを幼い目から秘匿する意味もあるのでしょうか。
夏になると何やかやとまた生き物が増えてきます。昨日も娘どもがどこぞで「カブトムシ」をもらってきました。合計3匹。
動物好き、虫好きは大変結構なんですが、カブトムシというのは見ようによってはゴキブリと大差なく、何度となくおもちゃのカブトムシに暗い中ビックリして飛び退いたことがあります。
また恐ろしく力が強くいったん何かにくっつくと脚がもげようが放しません。雄雌貰ってきてますので、また産めよ増やせと子を生むのでしょうか。ああ。
2004年8月
8月7日(土)
早いもので8月です。
台風がいくつか来日し、各地に甚大な被害を与えたようです。被災地の早期の復旧を心からお祈り致します。
日誌の更新は今しばらくお待ち下さい。
8月9日(月)
1週間ほど日誌も更新がなく、院長もついにくたばったかという噂も出ておる今日この頃ですが、急に書くことが無くなったと言うか観察眼が曇ったというような状態です。
毎週のように連載しているプロのエッセイを読むと、内容は大したことがないのに読者の心をつかむ文章力やウイットを句読点ごとに感じます。そういった文章を職業と言えども毎週書く才能には畏敬の念さえ覚えます。ましてや小説家などはその文才というのは常人には計り知れないものでしょう。
さて、私は文章のプロではなく形成外科のプロですので書くことより切ることの方が得意ですので締め切りのないだらだらした文章を書いても、まあお許しくださいませ。
人には出来ない特異な才能がある人はすばらしいと思います。スポーツでも音楽でも絵画でも、その道でご飯を食べている人は一様にすばらしい才能を持っているんですね。
私も手術のプロではありますが、学会にその人ありと知られている訳でも、日本一と言われている訳でもなくプロはプロでもレッスンプロくらいでしょうか。
まあ、そのくらいのレベルだと日本一もレッスンプロも手術内容によっては殆ど変わらない結果が出せるのでプロの世界(学会)をよく見ながら遅れを取らぬよう頑張っています。
さて話は変わりますが、当たり前ですが形成外科では傷を大切にします。抜糸した後も必ずテープで固定し、創部の安静を保ったり、テンションを緩和することによって傷跡のケアをし、なるべく目立たない傷跡にする努力をします。
他の人に聞いたことがないのでわからないんですが、形成外科医ならもしかしたら誰でも出来ることかも知れません。ちょっとした隠し芸的な才能に気が付きました。
お弁当屋さんなんかでご飯を目分量でもきっちり何百グラムとか盛り分けられる人がいますよねえ。あれと同じで絆創膏(ガーゼなどを固定するテープ)を目分量でまったく同じ長さに、何本でも切ることが出来ます。なんの役にも立たない芸ですが、知らない病院などで処置の時披露すると看護師さんにはうけます。
あ~あ、私の隠された才能っていうのはこの程度なんでしょうなあ。
8月12日(木)
ERシリーズ(その1)
暑い日が続くと、ある夏の日ことを思い出します。
私の所属していた大学では形成外科医は研修の一環として必ず一般外科の修行をしなければならず、私は198×年の春からある病院に外科の研修医として派遣されていました。東京近郊にあるこの病院は20以上の診療科と400床のベッドを持つ中堅病院で、24時間どのような急患でも受け入れるのが売り物のERのような所でした。事実若造の私でさえ執刀症例数は消化器の癌から虫垂炎まで年間約200例、助手として立ち会った手術も優に100例を超え、毎日が手術三昧の日々でした。医師として駆け出しの私によくここまで勉強させてくれたものです。
この日も朝からうだるような暑さでしたが夕方になってもいっこうに涼しくなる気配もなく、そのまま当直時間帯に突入しました。救急当直は外科系1名、内科系1名、小児科1名の3人体制ですが、緊急手術等に備えてそれぞれの科のドクターがオンコール(ポケベル)体制でスタンバっています。
当直の夜は病棟の仕事も一晩中出来るのでカルテの整備や注射の指示などを入念に行い、救急外来からの呼び出しがあれば1階に降りて処置をするという段取りです。遠くから救急車のサイレンが聞こえてくると「内科の患者さんであってくれい」とか思いつつ、しかしたいていはハズレて降りて行くはめになります。一晩に何台も救急車が来るとサイレンの音が耳について幻聴のように、鳴ってもいないサイレンが聞こえるようになります。
外科系の急患は急性虫垂炎、怪我、交通事故などが多いのですが、土地柄、段ボール生活者の皆様も多く来院いたしました。
午前2時、「あと5分で救急車到着しまーす」救急隊から事前に電話を受けた外来の当直ナースから明るく連絡がありました。「胸腔ドレインの入った患者さんだそうです」
はあ?ドレイン?・・胸腔ドレインというのは気胸などの際、肋骨の間から胸腔に管を差し込んで吸引し、肺が縮まないようにする管のことです。ドレインを入れていると言うことはどこかの病院で治療を受け入院している患者さんということになります。「それがなぜ救急車で?」なぞは深まるばかりです。
遠くから聞こえていた救急車のサイレンが大きくなり、やがて搬入されたようです。「では、一丁気合いを入れて行くか」書きかけのカルテを勢いよく閉じて病棟から階段を駆け下り救急処置室へと向かいました。
救急隊員の書類にサインして患者さんを診察しました。住所段ボール無職、年齢氏名も不詳のミスターXさんです。
横になった患者さんの脇腹から直径1センチくらいの見まごう事なき胸腔ドレインが5センチほど突き出しているではありませんか。さらにその先端にはご丁寧にティッシュペーパーが輪ゴムで留められています。
話を聞くと気胸どころではなく膿胸といって胸に膿が貯まる病気でどこかの病院に入院しドレインを入れ洗浄していたのですが、こともあろうかライターの火でドレインを焼き切って病院を脱走。そのまま、公園で寝泊まりしていたらまた膿が出てきたということです。
恐るべき人がいるものです。放っておけば死に到るかも知れない状況です。その場でもう一本ドレインを挿入し還流洗浄、即入院させて毎日洗浄を繰り返すことにしました。結局処置に時間もかかり朝まで眠れない当直でした。
翌日から毎日洗浄し、数週間たってようやく膿も出なくなったのでドレインを抜去し、抗生剤の点滴のみに変更しました。
翌朝、ベッドに点滴の注射だけを残して彼の姿は忽然と姿を消していました。今回はドレインを抜いてからに進歩しましたが、やはり彼は病院のベッドより段ボールのおうちを選んだようです。
うだるような暑い暑い夏の夜の出来事でした。
8月19日(木)
私などはれっきとした純正「オヤジ」なのですが、昔から言われてきた「オヤジ」の定義っていうのは「ださい」「くさい」「声がでかい」「油っぽい」「はげ」「でぶ」などいろいろありますが、最近のオヤジっていうのはこの定義に当てはまっているのでしょうか?いや、当てはまったからオヤジと言うのでしょうけど、オヤジよりオヤジっぽい人っていますよねえ。
昨日大衆うどん屋に行きました。まあ、この時点で1点先行なのですが、隣のテーブルに座っていた年の頃は19か20、綺麗な格好をした女性達4人組のお話です。家族連れ、年寄りなども多いこのお店では目立って異色の軍団でした。大衆うどん屋ゆえもちろん、しんとした雰囲気の場所ではありませんが、それでも大声で携帯電話をしたりタバコをふかしたり爆笑したりする姿は紛れもないオヤジそのものに見えました。「傍若無人」という言葉も浮かんできました。
こぎれいな格好は隣にいる本当のオヤジ(私)に見せるためではなく、ここにはいない彼氏のためかでしょうが、他人にオヤジ視される彼女を持つというのは私ならちょっと考えます。
てな具合にお小言を言うのもオヤジの特徴ですが、曲げてご理解頂きたく存じます
8月18日(水)
お盆、如何お過ごしでしたか?オリンピックでの日本選手の活躍、嬉しいですね。私の実家が柔道の道場をしており(あややみたいな娘がいるといいんですが)、また大学まで私自身も柔道をしておりました関係で格闘競技を見ると体が反応してしまいます。特に谷選手、野村選手、内柴選手の活躍は目を見張りましたね。
ERシリーズ(その2)
当時勤務していた病院は土地柄外国人就労者の方々も多く、頻繁に工場での事故で搬入されてきました。多くは東南アジア系の方々ですが、たいていは日本語、英語とも通じません。
その晩搬入されたのは中国系の方でした。猛烈な腹痛を訴えていましたが、仕事の関係で入院などはしたくないようでした。
触診すると腹部に筋性防御もあり、聴診では腸管の動きも止まっているようです。エコーを撮ると虫垂に腫れがあり、虫垂炎からの腹膜炎を強く示唆されます。
もちろん日本語は通じませんし私の中国語はニーハオくらいしか知りません。でもかの国は漢字がわかるので助かります。
「我思症状之汎腹膜炎也。保存的経口的治療奏功不能。為有死的可能性即手術不可避。」
訳のわからんでたらめ漢字の羅列ですが、手術には同意して頂きました。
ERシリーズ(その3)
その晩搬入された患者さんはインド系の方。近くの工場で仕事中右手を機械に挟まれての受傷です。
痛そうに顔をゆがめて来た患者さんの手を診察すると、痛いのももっとも、右手の示指、中指、環指がすべて引き抜き損傷となっています。引き抜き損傷というのは皮膚が大きな力で引っ張られると、骨や腱を残して手袋を脱ぐように(deglove)皮だけがはぎ取られたような損傷のことです。はぎ取られた3本の指は辛うじて手につながっているものの、挫滅(損傷)が著しく再接着は困難な状態でした。残った指の骨も覆う皮膚がなければ生かしておくことが出来ません。最悪の場合、手首から切断という可能性もあります。
こういったケースではまず再接着を試み、不可能な場合には遠隔皮弁や断端形成術を考慮します。というのは重要な指の機能をなるべく温存し、その後のQOLを少しでも高めようとするのが基本だからです。
再接着を試みた場合は入院は少なくても数ヶ月はかかるでしょう。
断端形成の場合は入院は短くて済みますが手の機能は温存出来ません。
この方の場合、少し事情が複雑でした。
右手は食事をする大事な手ですので、切らないでください。しかし、仕事もしないで何ヶ月も入院するなどはとても出来ないと言うわけです。
二律背反のこの条件に合う治療は。。。
もし私がそのときもう少し熟練の形成外科医であったなら、もしかしたらもっと良い治療があったのかも知れません。最小限の骨切除と遠隔皮弁による被覆で、示指は犠牲になりましたが中指、環指を多少短いながら温存しました。拇指は残っていますので対向機能はあり、とりあえず何とかご飯を掴めるようになりました。
最短の入院治療で国にお帰りになりましたが、後に風の噂に聞いたところによると日本の会社から貰った保険金(見舞金?)で本国に家を建てたそうです(真偽のほどは定かではありません)。
ERシリーズ(その4)
その晩内科に搬入された患者さんもミスターX、住所も名前もわからない(ニャンニャンニャニャーン)。あまりにもその後の印象が強かったので何の病気で搬入されたのかすっかり忘れました。救急隊に酔っぱらい声でわーわー言っていたような記憶がありますので、行き倒れだったのかも知れません(そのような系統の方がワンサカいらっしゃる病院なんです)。
外科当直だった私は隣の処置室で急患の処置をしていましたが、いきなり内科の処置室が騒がしくなったかと思うと医師、看護師が全員こちらの部屋に逃げ込んで来ました。
覗いてみると上半身裸になったミスターXの肌が妙にかすんでボヤケて見えます。目をこすってよく見ると何と皮膚表面にはノミかシラミか何かの節足動物系のイキモノがびっしり取り付いて蠢いているのでした。
あー、外科でなくて良かったあ。内科のお医者さんは困ってしまって半泣きで「ニャンニャンニャニャーン」と良いながら手袋、マスクをしてホースの水をかけて全身を洗うことから始めておりました。合掌。
8月21日(土)
あ~、井上康生、残念でした。まさかの一本負け、本人もさぞかし残念であったことでしょう。北京で必ずや雪辱を果たしてくれることを祈っております。
また、いつも康生の陰になっていた鈴木桂治の活躍はすばらしかったです。私も足技が好きだったのでつい体が動いてしまいました。
オリンピックのアーチェリーで41歳の山本選手が銀メダルを獲り、おじさんパワーと騒がれていますが、そのありがたい状況に乗じて昨日は合コン(!)に参加いたしました。
合コンと言っても若い女医さんたちと我々中年男性陣が一緒に飲んだというだけですが、対外的には合コンと称させていただいております。卒後2年目くらいの女医さん達で、まだまだ修行中の身ですのでどうしても医療に対する考え方が若い訳です。
それに対して早速おじさんたち(私を含む)は「医療とは何か」とか「患者さんのための医療とは」など小言、うんちくなどを少なからず得意げに語るあたりは正調、純正オヤジの真骨頂ではありました。
話はがらっと変わり、しかも長くなります。娘達の飼っている数々のイキモノの中にハムスターというモノがいます。
このハムスター、実は我が社の正社員でなく派遣社員なのです。娘がハムスターを飼いたいと上申してきたとき、私は「良いこと点数表」なるものを作成し、壁に貼ったのでした。私が見て「良いこと」をした時は100ある升目の一つに○をつけます。升目100が全部○で埋まったときはハムスターを買ってあげようと言うことに決めました。数ヶ月頑張って升目はようやく7割ほど埋った頃のことです。
ある晩私がある飲み屋で妙齢の女性と酒を酌み交わしながらお話をしているとき、ひょんなことから彼女の飼っているハムスターを娘達のために1週間ほど貸してくれるという話になりました。話は半分に聞いていたのですが早速翌日我が社までわざわざ届けてくれました。♂♀だとけんかすると言うことで♀2匹です。
私としても何ヶ月も頑張らせているので娘たちに1週間程度なら世話をさせても良いだろうと思いました。
当然予想通り娘達は活気づき、自分のお年玉を切り崩して餌を買ったりお世話に余念がありませんでした。
【この嬉しい出来事の顛末を学校の先生にも伝えたようですが、飲み屋のお姉さんから貸して貰っているというのを聞いた敬虔なクリスチャンの先生は一体どのように感じたか、までは報告がありませんでした】
1週間はあっという間に過ぎ、ハムスターの本当の飼い主に連絡を取ろうとしました。「おかけになった電話番号は現在使われておりません」はあ?
その後現在に至るまで何度かけても電話は通じません。ある晩例の飲み屋に行って、その娘の姿を探しましたが見つかりません。ママの話によると数日前急に辞めて行ったと言うことでした。彼女にいったい何があったのでしょうか。預けていたハムスターも置き去りにして急に姿を消した彼女。何か事件にでも巻き込まれたのでしょうか。
いやいや彼女の心配よりハムスターです。
直ちに正社員に昇格させるのも時期尚早ですし、親会社が倒産(失踪)した今、このまま派遣のままというのも中途半端です。そのような中途半端な日々が続きましたが、そのうちに既成事実的にハムスターは正社員となり半年が経った1週間ほど前、下の写真の正体不明のイキモノがネズミ小屋(こう呼んでいる)の中に突然出現しました。

さといもか?
どこから入ってきたのかわかりませんが、ハムスターとは結構うまくやっているように見えます。気のせいか日に日に毛など生え、心なしか背中の模様もハムスターに似てきているような気がします。
一体このイキモノはどこから来たナニモノなのでしょう?
8月23日(月)
ERシリーズ(その5)
いかにERと言えども休息の時もあります。ちょっと季節はずれではありますが、忘年会のお話です。その年の忘年会はもちろん新人の私が会の企画担当で、忙しい中、色々な企画を立てなければならず苦労していました。よくある企画はカラオケ、ビンゴ、わさび寿司のロシアンルーレットなどですが、いっこうに面白くなくマンネリでもありましたので病院の特徴を出すべくいくつかの企画を提案しました。もし可能ならあなたの職場でもやってみてください。結構受けますよ。
1.剃毛早剃り大会
新人看護師が医師の片方の「すね」の毛をカミソリで剃る早さを競います。ばかばかしいですが、新人看護師のかわいさに医師は文句も言わず「すね」を差し出します。もちろん新人看護師のこと、剃毛はうまくないですので、血まみれでつるつるの「すね」で2次会に行くことになります。
2.きき点滴大会
点滴には色々な種類があります。カロリーの高いもの低いもの、カリウムが入っているものいないもの、ナトリウムが多いもの、少ないものなど様々です。このような種類の違う点滴を少しづつお猪口に取り、味わってきき酒ならぬ「きき点滴」をする訳です。点滴の内容(成分)は医師なら頭に入っているはずですので、「ソリタT3」とか「ヴィーンD」とか判定する訳です。
3.マーゲンチューブ早飲み大会
健康状態が悪く、経口で摂取が出来ない方はマーゲンチューブ(Sチューブ)という管を鼻の穴から胃まで通し、流動食を流し込むようにするのですが、このチューブを自分で鼻から入れ早く胃まで到達した人の勝ち。勝敗はチューブから注射器で空気を注入し、聴診器で胃の音を聞いて本当に入っているかで判定。
4.点滴早打ち大会
またもや新人看護師の出番です。点滴するときには点滴瓶にチューブをつけたり針をつけたりチューブの中の空気を抜いたりして点滴セットを作らなければいけません。その上で患者さんの腕にぷすりと針を刺し、滴数を調節するのですが、大会ではヨーイドンでセットを作り、医師の腕に注射し、滴下は全開にして早く点滴が終了したチームの勝ちです。
おバカなことばかりやっていた時代ですが、日頃の昼夜に分かたぬ診療で貯まったストレスをちょっとでも解消させた一夜でした。
ちなみに私自身もマーゲンチューブ早飲みに出場しましたが決勝で敗れ惜しくも2位でした。世の中には鼻の穴のでかいヤツとか喉の反射の弱いヤツとかが結構いるものです。
8月26日(木)
カメラという機械があります。
昔はカメラは高級な趣味であり、機械自体も高価なものでした。中学校の修学旅行の時のことですが、自分のカメラなんてもちろん持ってなく、中学生にはちょっと高級なカメラを親から借りて持ってきていたのが印象に残っています。
今ならさしづめ使い捨てカメラやデジカメでしょうが、そのときはみんな大事そうにカメラを抱えていたのを思い出します。
私も物心ついた時から父親がカメラ好きだったため自然にカメラに親しみました。
この仕事をするようになって更にカメラは必需品となりました。症例の写真は必ず撮っておくことが重要だからです。研修医のころ使っていたカメラは父親のお下がりでしたが、何年間も使い何千枚もの写真を撮りました。その後初めて自分で購入したカメラも仕事用でしたが、初めてオートフォーカスの自動カメラでした。
カメラは次第に庶民的な値段になりお小遣いでも買えるようになりましたが、その分愛着のあるカメラというのがなくなってきました。
2004年8月
8月7日(土)
早いもので8月です。
台風がいくつか来日し、各地に甚大な被害を与えたようです。被災地の早期の復旧を心からお祈り致します。
日誌の更新は今しばらくお待ち下さい。
8月9日(月)
1週間ほど日誌も更新がなく、院長もついにくたばったかという噂も出ておる今日この頃ですが、急に書くことが無くなったと言うか観察眼が曇ったというような状態です。
毎週のように連載しているプロのエッセイを読むと、内容は大したことがないのに読者の心をつかむ文章力やウイットを句読点ごとに感じます。そういった文章を職業と言えども毎週書く才能には畏敬の念さえ覚えます。ましてや小説家などはその文才というのは常人には計り知れないものでしょう。
さて、私は文章のプロではなく形成外科のプロですので書くことより切ることの方が得意ですので締め切りのないだらだらした文章を書いても、まあお許しくださいませ。
人には出来ない特異な才能がある人はすばらしいと思います。スポーツでも音楽でも絵画でも、その道でご飯を食べている人は一様にすばらしい才能を持っているんですね。
私も手術のプロではありますが、学会にその人ありと知られている訳でも、日本一と言われている訳でもなくプロはプロでもレッスンプロくらいでしょうか。
まあ、そのくらいのレベルだと日本一もレッスンプロも手術内容によっては殆ど変わらない結果が出せるのでプロの世界(学会)をよく見ながら遅れを取らぬよう頑張っています。
さて話は変わりますが、当たり前ですが形成外科では傷を大切にします。抜糸した後も必ずテープで固定し、創部の安静を保ったり、テンションを緩和することによって傷跡のケアをし、なるべく目立たない傷跡にする努力をします。
他の人に聞いたことがないのでわからないんですが、形成外科医ならもしかしたら誰でも出来ることかも知れません。ちょっとした隠し芸的な才能に気が付きました。
お弁当屋さんなんかでご飯を目分量でもきっちり何百グラムとか盛り分けられる人がいますよねえ。あれと同じで絆創膏(ガーゼなどを固定するテープ)を目分量でまったく同じ長さに、何本でも切ることが出来ます。なんの役にも立たない芸ですが、知らない病院などで処置の時披露すると看護師さんにはうけます。
あ~あ、私の隠された才能っていうのはこの程度なんでしょうなあ。
8月12日(木)
ERシリーズ(その1)
暑い日が続くと、ある夏の日ことを思い出します。
私の所属していた大学では形成外科医は研修の一環として必ず一般外科の修行をしなければならず、私は198×年の春からある病院に外科の研修医として派遣されていました。東京近郊にあるこの病院は20以上の診療科と400床のベッドを持つ中堅病院で、24時間どのような急患でも受け入れるのが売り物のERのような所でした。事実若造の私でさえ執刀症例数は消化器の癌から虫垂炎まで年間約200例、助手として立ち会った手術も優に100例を超え、毎日が手術三昧の日々でした。医師として駆け出しの私によくここまで勉強させてくれたものです。
この日も朝からうだるような暑さでしたが夕方になってもいっこうに涼しくなる気配もなく、そのまま当直時間帯に突入しました。救急当直は外科系1名、内科系1名、小児科1名の3人体制ですが、緊急手術等に備えてそれぞれの科のドクターがオンコール(ポケベル)体制でスタンバっています。
当直の夜は病棟の仕事も一晩中出来るのでカルテの整備や注射の指示などを入念に行い、救急外来からの呼び出しがあれば1階に降りて処置をするという段取りです。遠くから救急車のサイレンが聞こえてくると「内科の患者さんであってくれい」とか思いつつ、しかしたいていはハズレて降りて行くはめになります。一晩に何台も救急車が来るとサイレンの音が耳について幻聴のように、鳴ってもいないサイレンが聞こえるようになります。
外科系の急患は急性虫垂炎、怪我、交通事故などが多いのですが、土地柄、段ボール生活者の皆様も多く来院いたしました。
午前2時、「あと5分で救急車到着しまーす」救急隊から事前に電話を受けた外来の当直ナースから明るく連絡がありました。「胸腔ドレインの入った患者さんだそうです」
はあ?ドレイン?・・胸腔ドレインというのは気胸などの際、肋骨の間から胸腔に管を差し込んで吸引し、肺が縮まないようにする管のことです。ドレインを入れていると言うことはどこかの病院で治療を受け入院している患者さんということになります。「それがなぜ救急車で?」なぞは深まるばかりです。
遠くから聞こえていた救急車のサイレンが大きくなり、やがて搬入されたようです。「では、一丁気合いを入れて行くか」書きかけのカルテを勢いよく閉じて病棟から階段を駆け下り救急処置室へと向かいました。
救急隊員の書類にサインして患者さんを診察しました。住所段ボール無職、年齢氏名も不詳のミスターXさんです。
横になった患者さんの脇腹から直径1センチくらいの見まごう事なき胸腔ドレインが5センチほど突き出しているではありませんか。さらにその先端にはご丁寧にティッシュペーパーが輪ゴムで留められています。
話を聞くと気胸どころではなく膿胸といって胸に膿が貯まる病気でどこかの病院に入院しドレインを入れ洗浄していたのですが、こともあろうかライターの火でドレインを焼き切って病院を脱走。そのまま、公園で寝泊まりしていたらまた膿が出てきたということです。
恐るべき人がいるものです。放っておけば死に到るかも知れない状況です。その場でもう一本ドレインを挿入し還流洗浄、即入院させて毎日洗浄を繰り返すことにしました。結局処置に時間もかかり朝まで眠れない当直でした。
翌日から毎日洗浄し、数週間たってようやく膿も出なくなったのでドレインを抜去し、抗生剤の点滴のみに変更しました。
翌朝、ベッドに点滴の注射だけを残して彼の姿は忽然と姿を消していました。今回はドレインを抜いてからに進歩しましたが、やはり彼は病院のベッドより段ボールのおうちを選んだようです。
うだるような暑い暑い夏の夜の出来事でした。
8月19日(木)
私などはれっきとした純正「オヤジ」なのですが、昔から言われてきた「オヤジ」の定義っていうのは「ださい」「くさい」「声がでかい」「油っぽい」「はげ」「でぶ」などいろいろありますが、最近のオヤジっていうのはこの定義に当てはまっているのでしょうか?いや、当てはまったからオヤジと言うのでしょうけど、オヤジよりオヤジっぽい人っていますよねえ。
昨日大衆うどん屋に行きました。まあ、この時点で1点先行なのですが、隣のテーブルに座っていた年の頃は19か20、綺麗な格好をした女性達4人組のお話です。家族連れ、年寄りなども多いこのお店では目立って異色の軍団でした。大衆うどん屋ゆえもちろん、しんとした雰囲気の場所ではありませんが、それでも大声で携帯電話をしたりタバコをふかしたり爆笑したりする姿は紛れもないオヤジそのものに見えました。「傍若無人」という言葉も浮かんできました。
こぎれいな格好は隣にいる本当のオヤジ(私)に見せるためではなく、ここにはいない彼氏のためかでしょうが、他人にオヤジ視される彼女を持つというのは私ならちょっと考えます。
てな具合にお小言を言うのもオヤジの特徴ですが、曲げてご理解頂きたく存じます
8月18日(水)
お盆、如何お過ごしでしたか?オリンピックでの日本選手の活躍、嬉しいですね。私の実家が柔道の道場をしており(あややみたいな娘がいるといいんですが)、また大学まで私自身も柔道をしておりました関係で格闘競技を見ると体が反応してしまいます。特に谷選手、野村選手、内柴選手の活躍は目を見張りましたね。
ERシリーズ(その2)
当時勤務していた病院は土地柄外国人就労者の方々も多く、頻繁に工場での事故で搬入されてきました。多くは東南アジア系の方々ですが、たいていは日本語、英語とも通じません。
その晩搬入されたのは中国系の方でした。猛烈な腹痛を訴えていましたが、仕事の関係で入院などはしたくないようでした。
触診すると腹部に筋性防御もあり、聴診では腸管の動きも止まっているようです。エコーを撮ると虫垂に腫れがあり、虫垂炎からの腹膜炎を強く示唆されます。
もちろん日本語は通じませんし私の中国語はニーハオくらいしか知りません。でもかの国は漢字がわかるので助かります。
「我思症状之汎腹膜炎也。保存的経口的治療奏功不能。為有死的可能性即手術不可避。」
訳のわからんでたらめ漢字の羅列ですが、手術には同意して頂きました。
ERシリーズ(その3)
その晩搬入された患者さんはインド系の方。近くの工場で仕事中右手を機械に挟まれての受傷です。
痛そうに顔をゆがめて来た患者さんの手を診察すると、痛いのももっとも、右手の示指、中指、環指がすべて引き抜き損傷となっています。引き抜き損傷というのは皮膚が大きな力で引っ張られると、骨や腱を残して手袋を脱ぐように(deglove)皮だけがはぎ取られたような損傷のことです。はぎ取られた3本の指は辛うじて手につながっているものの、挫滅(損傷)が著しく再接着は困難な状態でした。残った指の骨も覆う皮膚がなければ生かしておくことが出来ません。最悪の場合、手首から切断という可能性もあります。
こういったケースではまず再接着を試み、不可能な場合には遠隔皮弁や断端形成術を考慮します。というのは重要な指の機能をなるべく温存し、その後のQOLを少しでも高めようとするのが基本だからです。
再接着を試みた場合は入院は少なくても数ヶ月はかかるでしょう。
断端形成の場合は入院は短くて済みますが手の機能は温存出来ません。
この方の場合、少し事情が複雑でした。
右手は食事をする大事な手ですので、切らないでください。しかし、仕事もしないで何ヶ月も入院するなどはとても出来ないと言うわけです。
二律背反のこの条件に合う治療は。。。
もし私がそのときもう少し熟練の形成外科医であったなら、もしかしたらもっと良い治療があったのかも知れません。最小限の骨切除と遠隔皮弁による被覆で、示指は犠牲になりましたが中指、環指を多少短いながら温存しました。拇指は残っていますので対向機能はあり、とりあえず何とかご飯を掴めるようになりました。
最短の入院治療で国にお帰りになりましたが、後に風の噂に聞いたところによると日本の会社から貰った保険金(見舞金?)で本国に家を建てたそうです(真偽のほどは定かではありません)。
ERシリーズ(その4)
その晩内科に搬入された患者さんもミスターX、住所も名前もわからない(ニャンニャンニャニャーン)。あまりにもその後の印象が強かったので何の病気で搬入されたのかすっかり忘れました。救急隊に酔っぱらい声でわーわー言っていたような記憶がありますので、行き倒れだったのかも知れません(そのような系統の方がワンサカいらっしゃる病院なんです)。
外科当直だった私は隣の処置室で急患の処置をしていましたが、いきなり内科の処置室が騒がしくなったかと思うと医師、看護師が全員こちらの部屋に逃げ込んで来ました。
覗いてみると上半身裸になったミスターXの肌が妙にかすんでボヤケて見えます。目をこすってよく見ると何と皮膚表面にはノミかシラミか何かの節足動物系のイキモノがびっしり取り付いて蠢いているのでした。
あー、外科でなくて良かったあ。内科のお医者さんは困ってしまって半泣きで「ニャンニャンニャニャーン」と良いながら手袋、マスクをしてホースの水をかけて全身を洗うことから始めておりました。合掌。
8月21日(土)
あ~、井上康生、残念でした。まさかの一本負け、本人もさぞかし残念であったことでしょう。北京で必ずや雪辱を果たしてくれることを祈っております。
また、いつも康生の陰になっていた鈴木桂治の活躍はすばらしかったです。私も足技が好きだったのでつい体が動いてしまいました。
オリンピックのアーチェリーで41歳の山本選手が銀メダルを獲り、おじさんパワーと騒がれていますが、そのありがたい状況に乗じて昨日は合コン(!)に参加いたしました。
合コンと言っても若い女医さんたちと我々中年男性陣が一緒に飲んだというだけですが、対外的には合コンと称させていただいております。卒後2年目くらいの女医さん達で、まだまだ修行中の身ですのでどうしても医療に対する考え方が若い訳です。
それに対して早速おじさんたち(私を含む)は「医療とは何か」とか「患者さんのための医療とは」など小言、うんちくなどを少なからず得意げに語るあたりは正調、純正オヤジの真骨頂ではありました。
話はがらっと変わり、しかも長くなります。娘達の飼っている数々のイキモノの中にハムスターというモノがいます。
このハムスター、実は我が社の正社員でなく派遣社員なのです。娘がハムスターを飼いたいと上申してきたとき、私は「良いこと点数表」なるものを作成し、壁に貼ったのでした。私が見て「良いこと」をした時は100ある升目の一つに○をつけます。升目100が全部○で埋まったときはハムスターを買ってあげようと言うことに決めました。数ヶ月頑張って升目はようやく7割ほど埋った頃のことです。
ある晩私がある飲み屋で妙齢の女性と酒を酌み交わしながらお話をしているとき、ひょんなことから彼女の飼っているハムスターを娘達のために1週間ほど貸してくれるという話になりました。話は半分に聞いていたのですが早速翌日我が社までわざわざ届けてくれました。♂♀だとけんかすると言うことで♀2匹です。
私としても何ヶ月も頑張らせているので娘たちに1週間程度なら世話をさせても良いだろうと思いました。
当然予想通り娘達は活気づき、自分のお年玉を切り崩して餌を買ったりお世話に余念がありませんでした。
【この嬉しい出来事の顛末を学校の先生にも伝えたようですが、飲み屋のお姉さんから貸して貰っているというのを聞いた敬虔なクリスチャンの先生は一体どのように感じたか、までは報告がありませんでした】
1週間はあっという間に過ぎ、ハムスターの本当の飼い主に連絡を取ろうとしました。「おかけになった電話番号は現在使われておりません」はあ?
その後現在に至るまで何度かけても電話は通じません。ある晩例の飲み屋に行って、その娘の姿を探しましたが見つかりません。ママの話によると数日前急に辞めて行ったと言うことでした。彼女にいったい何があったのでしょうか。預けていたハムスターも置き去りにして急に姿を消した彼女。何か事件にでも巻き込まれたのでしょうか。
いやいや彼女の心配よりハムスターです。
直ちに正社員に昇格させるのも時期尚早ですし、親会社が倒産(失踪)した今、このまま派遣のままというのも中途半端です。そのような中途半端な日々が続きましたが、そのうちに既成事実的にハムスターは正社員となり半年が経った1週間ほど前、下の写真の正体不明のイキモノがネズミ小屋(こう呼んでいる)の中に突然出現しました。

さといもか?
どこから入ってきたのかわかりませんが、ハムスターとは結構うまくやっているように見えます。気のせいか日に日に毛など生え、心なしか背中の模様もハムスターに似てきているような気がします。
一体このイキモノはどこから来たナニモノなのでしょう?
8月23日(月)
ERシリーズ(その5)
いかにERと言えども休息の時もあります。ちょっと季節はずれではありますが、忘年会のお話です。その年の忘年会はもちろん新人の私が会の企画担当で、忙しい中、色々な企画を立てなければならず苦労していました。よくある企画はカラオケ、ビンゴ、わさび寿司のロシアンルーレットなどですが、いっこうに面白くなくマンネリでもありましたので病院の特徴を出すべくいくつかの企画を提案しました。もし可能ならあなたの職場でもやってみてください。結構受けますよ。
1.剃毛早剃り大会
新人看護師が医師の片方の「すね」の毛をカミソリで剃る早さを競います。ばかばかしいですが、新人看護師のかわいさに医師は文句も言わず「すね」を差し出します。もちろん新人看護師のこと、剃毛はうまくないですので、血まみれでつるつるの「すね」で2次会に行くことになります。
2.きき点滴大会
点滴には色々な種類があります。カロリーの高いもの低いもの、カリウムが入っているものいないもの、ナトリウムが多いもの、少ないものなど様々です。このような種類の違う点滴を少しづつお猪口に取り、味わってきき酒ならぬ「きき点滴」をする訳です。点滴の内容(成分)は医師なら頭に入っているはずですので、「ソリタT3」とか「ヴィーンD」とか判定する訳です。
3.マーゲンチューブ早飲み大会
健康状態が悪く、経口で摂取が出来ない方はマーゲンチューブ(Sチューブ)という管を鼻の穴から胃まで通し、流動食を流し込むようにするのですが、このチューブを自分で鼻から入れ早く胃まで到達した人の勝ち。勝敗はチューブから注射器で空気を注入し、聴診器で胃の音を聞いて本当に入っているかで判定。
4.点滴早打ち大会
またもや新人看護師の出番です。点滴するときには点滴瓶にチューブをつけたり針をつけたりチューブの中の空気を抜いたりして点滴セットを作らなければいけません。その上で患者さんの腕にぷすりと針を刺し、滴数を調節するのですが、大会ではヨーイドンでセットを作り、医師の腕に注射し、滴下は全開にして早く点滴が終了したチームの勝ちです。
おバカなことばかりやっていた時代ですが、日頃の昼夜に分かたぬ診療で貯まったストレスをちょっとでも解消させた一夜でした。
ちなみに私自身もマーゲンチューブ早飲みに出場しましたが決勝で敗れ惜しくも2位でした。世の中には鼻の穴のでかいヤツとか喉の反射の弱いヤツとかが結構いるものです。
8月26日(木)
カメラという機械があります。
昔はカメラは高級な趣味であり、機械自体も高価なものでした。中学校の修学旅行の時のことですが、自分のカメラなんてもちろん持ってなく、中学生にはちょっと高級なカメラを親から借りて持ってきていたのが印象に残っています。
今ならさしづめ使い捨てカメラやデジカメでしょうが、そのときはみんな大事そうにカメラを抱えていたのを思い出します。
私も物心ついた時から父親がカメラ好きだったため自然にカメラに親しみました。
この仕事をするようになって更にカメラは必需品となりました。症例の写真は必ず撮っておくことが重要だからです。研修医のころ使っていたカメラは父親のお下がりでしたが、何年間も使い何千枚もの写真を撮りました。その後初めて自分で購入したカメラも仕事用でしたが、初めてオートフォーカスの自動カメラでした。
カメラは次第に庶民的な値段になりお小遣いでも買えるようになりましたが、その分愛着のあるカメラというのがなくなってきました。
2004年9月
9月3日(金)
9月に入ってからめっきり秋らしく涼しさが感じられるようになってきました。
私の大好きな夏が、また一回減ったかと思うと悲しくて仕方がありません。夏休みの喧噪も終了し、家の中もすっかり寂しくなりました。
さて、しかし秋です。読書やスポーツにも頑張らねばなりません。天も高いし馬も肥える。私も気をつけねばなりません。
夜も寝るときはクーラーもなしで窓を開けて眠れるようになりましたが、まだ蚊の被害は絶えません。
我が社で数年来使用している蚊対策グッズ,電撃ラケットをご紹介しましょう。「蚊取り君」ないし「ナイス蚊っち」など大抵ふざけたネーミングがされた小道具です。
小型のテニスラケットの形をしたものですが、ガットの代わりに針金が張ってあります。グリップの所にあるスイッチを押すとこの針金に高圧電流が流れるようになっており人が触ってもビックリするようなショックがありますので、相当高い電圧を発生しているようです。(子供などは危険です)
蚊やハエなどは叩くか何かしないといけなかったのですが、この装置を使用すると空中で殺傷することが可能です。両手で叩いてもたいてい逃げられて悔しい思いをしたことも多いと思いますが、この装置はスイートスポットが広く(ガット面全体だが)、飛んでいる蚊を確認できればまず百発百中で撃破可能です。蚊の飛び方はジグザグで、しかも手で叩くとその風によって逃げられてしまいます。この装置は広い面積の割にガット部分が網状のため風圧が生じず、かなりの確率で仕留めることが可能です。
最初買ってきたときは家族中(主に家内ですが)にバカにされ、私自身もそれほどの期待をしていた訳ではありませんが、今では我が家の必需品となっています。食卓の私の定位置右手後方に手を伸ばせば直ちに出撃可能な状態でスタンバっております。
何しろ安物なので何年も使用していると電池のふたが閉まらなくなったりしますが修理しつつ使用しております。
今では我が家は「蚊取り君、どこ?」の明るい声が響く家庭です。
(蚊が多いということですね)

こんなの
9月10日(金)
先日、久しぶりの大学の同級生と飲みました。3人来るはずだったのですが1人は急患で来れません(まったく医者ってやつは)た。残りの2人も遙か遠くから車で駆けつけてくれました。20年以上前の事が昨日のように思い出された夜でした(陳腐な表現ですねえ)。
勤務医や開業医など形態は違っても、それぞれ同じ医療を行っている者ではありますが、その時間だけは一瞬にして20年前の浜辺やテニスコート(勉強のことはなぜか思い出さない)に飛んでいきます。
夏真っ盛りのころ、昼間っから2時間ぶっ続けでテニスをして脱水症状寸前で生ビールを10杯も飲んだこと、ウインドサーフィンでは浜辺に泊まって夜中まで酒を飲みながらセーリングしたことなど思い出すこともなかったような想い出が次から次に出てきて、脳の古い記憶の領域を刺激されました(何だか酒浸りの毎日だったような誤解をされるといけませんが、記憶は定かではありませんが普段はまじめに勉強していたはずです)。
台風が続けざまに2つも上陸し、我が社は大変なことになりました。まず、クリニックの増築部分の継ぎ目から雨漏りがして(情けない)、もう少しでレーザー機器を濡らしてしまうところでした。大事には到りませんでしたが、早速屋根部分の補修を行いました。
自宅の庭の柿が全滅です。毎年お利口にたくさんの実をつけるのですが、今年は1個の収穫出来そうもありません。
数年前クリスマスに鉢植えで頂き庭に植えていたゴールドクレストが今では大木となってそびえ立っていたのですが、大風で倒れました。早速起こして補修しましたが、生き返ってくれるでしょうか。
子犬どもは風にも負けず吹き飛ばされないで生きています。
9月12日(月)
うちにはハムスターのつがいとその子が1匹いるんですが、餌は市販のヒマワリの種とかです。
先日娘が小屋の掃除をしていてえさ箱を庭にひっくり返してしまいました。運悪く小石が敷き詰められたところで綺麗に掃除することが出来なかったようです。
台風が来て雨が降り秋が来ました。数日前ふと気が付くとその場所に青々とした若い芽が出ているのに気づきました。
よく見ると双葉の先にヒマワリの種の殻が付いています。
すっかり乾燥してハムスターの餌として売っているヒマワリの種も実は生きていて花を咲かせるポテンシャルをしっかり維持しているんですね。驚きました。

けなげ

残暑は厳しいけど秋の空です。
9月16日(木)
雑誌の出稿の打ち合わせと称し、S先生と雑誌の担当者と飲みました。S先生と飲む時はたいてい居酒屋→ショットバーですが、雑誌の担当者(女性)がいるのでイタリアンとしました。通常おじさん2人ではイタリアンとかフレンチとか行きませんのでリクエストです。11月には対談記事を載せる予定です。前回のようにS先生=誠実そう、私=ただの飲み助に写らないように気を付けます。
10月には北九州や博多の形成外科の先生で集まって勉強会(飲み会)をしようという話が出ています。学会ではお会いすることも多い先生方ではありますが、なかなか日常ご一緒する機会が少なく(商売敵ですからね)、今回の企画は楽しみです。
切磋琢磨して良い医療を提供出来るようになれば嬉しいですね。
ある美容外科で二重の手術をして失敗したという方がお見えでした。手術自体に失敗はないように思えるのですが、本人にとっては大変な問題のようです。悪いことに埋没法ではなく切開法で行っていたため、二重を取ることが難しく、どこに行っても再手術を拒否されたようです。
この方の場合は手術してまだ日が浅く、もう少し様子を見て検討することにしましたが、手術をお受けになる際には慎重の上にも慎重に話を聞き、複数のクリニックを廻って決定することが大切です。
後悔先に立たずです。病気ではないのに手術をするんですから十分な検討が必要です。
9月18日(土)
台風、噴火、地震、雷、火事、オヤジといろいろな天災が続く今日この頃です。
ここ数日も不安定な天気が続き、一天にわかにかき曇ったかと思うと猛烈な夕立です。
でもこんな風にモノクロで撮ると結構風流だったりしますね。

雨

晴
その後すっかり晴れ渡った空には秋を思わせる雲がふわりとかかりました。大地は十分すぎるほど潤され、夏の終わりを惜しむ草花の最後の命をもう一日だけつないだのかも知れません。
9月21日(火)
連休続きです。19、20の連休明けの今日ですが、明日はクリニックの定休日、23日はまた休みです。今週は3日しか働かない訳ですが、我が社は大丈夫でしょうか。心配です。
土曜は子供達も栗拾いに行っていましたので、のんびりDVDでも観ました。天才マイクル・クライトンの「タイムライン」です。クライトンだけに期待していたのですが、やや期待はずれ。SF特有のドキドキ感が若干希薄です。昔、アメリカのテレビドラマで「タイムトンネル」というのがあっていましたが、思い出しました。プロットは違うのですが、中世に戻りがちな点は似ていましたね。
9月24日(金)
春分の日は朝から雨模様、子供達を連れて近くの温泉センターに行きました。「あじさいの湯」は河内の山の中に作られた温泉(1000メートルボーリングして29度のお湯が出る)ですが、周囲の環境は抜群です。車で20分くらいと近いので、コーナーの多いコースは私のバイクの散歩道になっています。
大人800円、子供400円でゆっくりお湯に浸かってのんびりしてきました。おじいさん、おばあさんの姿も多いですが若い人も結構多く、にぎわっておりました。昼ご飯を食べて帰りましたが、子供達はさっそく車の中でお昼寝モードに入ってしまいました。
9月25日(土)
午前中は娘の運動会に出場。土曜日は我が社といえども多少は忙しく、とても外出などしておる場合ではないのですが、5歳の娘をたった1人で運動会に出場させるわけにもいかず、付き添って行ったわけです。家内はといえば私以上に仕事をさばくのに忙しく、比較的暇な私に白羽に矢が立てられ、泣く泣く承知させられたということです。
運動会と言っても保育園の話なので、興奮さめやらぬといった大競技があるわけでもなく、私を含めたビデオカメラを手にした面々の顔を拝む会の様相ではあります。
私の年齢で5歳の子供がいるというのは奇跡に近く、親子競技などではダントツで年寄りであり、場合によっては「おじいちゃんといっしょ」なるコーナーにさえ出場可能かと思えるほどです。しかもそのコーナーでは今度は比較的若いと中途半端この上ない。
中には親子して茶髪、母親は白黒のジャージ、子供に到っては後ろ髪のみプロゴルファーの如く伸ばすという典型的なヤンママ(死後か?)家庭まで現存し、初老の私が父親でございと座っていること自体が不自然ではあります。
まあ、そのような事をブツブツ独り言を言っていても始まらないので、とりあえずは娘の準備体操の映像からビデオにおさめることにしました。次に徒競走2着とは我が子にしては上出来。
そうこうしているうちに親子競技「さるかに合戦レース」なる、寓話をモチーフとした競技の順番です。この広大な競技場に親1人子1人のわれわれ父娘が離ればなれにいることはできず、つまりは出場となりました。
このような状況下では敵がヤンママであろうが骨粗鬆症の老人であろうが情け容赦は無用です。落ちているおむすび、および柿の種の張りぼてをルールに従って拾いつつ、娘の走行可能速度の上限をはるかに凌駕した速度を以て(つまり子供を引きずり倒しながらも)一着でゴール。上がる息を人知れず整えつつ一等賞の席に着席したのでした。大人げないと言われようが知ったことではない、勝てる試合には勝つのが鉄則。
9月27日(月)
日曜はすっきりしない天気ではありましたが、気温は上がり蒸し暑い一日となりました。前日の午前3時までの飲み会の影響で寝坊を決め込もうとしていたにも関わらず、娘どもの執拗な攻撃で起床。朝っぱらからデカレンジャーなどを鑑賞。
このレンジャーシリーズはもう長いこと続いています。数名の色分けされた○○レンジャーと呼ばれる特殊部隊の地球を守る活躍を描くドラマですが、いかにも人数が少ない。怪獣等は主に基地の周辺に集中的に出現するから良いようなものの、数名で日本全土をカバーするのはかなり難しいのではないでしょうか。今あっているデカレンジャーはデカい訳ではなく警官(デカ)のようです。宇宙から来た犯罪者の検挙、処刑を一手に引き受けている組織なのですが、第一線で戦う職員は5名ほどです。上司は何と犬の顔をした人(?)なんですが、いったいナニモノなのでしょうか。その上司やメカニック他の職員が勤務する署は巨大な建物で職員の人数もかなり多そうです。全部裏方さんです。
今回のシリーズはまだ宇宙警察という組織なのでかなり大がかりな基地を持っていましたが、前回のアバレンジャーでは何と町のカレー屋の一室が秘密基地となっていました。
さて、宇宙から来た犯罪者はたいてい人間を同じ大きさで、最初はだいたい接近戦です。デカの携行する武器も刀が主というレトロモダンです。
犯罪者は分が悪くなると巨大なロボットに乗り込み反撃します。すかさずレンジャーも白鳥スワンさんの操作で巨大なデカマシーンに搭乗し戦います。ビルの谷間にはかなり広い空間があるようで街並みを破壊するようなことはありません。
相手にかなりのダメージを与えると宇宙最高裁判所という所に無線で連絡をとり相手の有罪無罪を決定、有罪なら有無を言わせずデリートなる処刑です。控訴や上告もなし、裁判の透明性は皆無、弁護士も不在、有罪無罪は○×のみという簡潔さです。このようなシステムなればこそ昨今の裁判と違い、約1分でスピード結審です。情状酌量とか執行猶予どころか禁固刑さえなく、有罪になればことごとく死刑です。特捜戦隊デカレンジャーなので、特別捜査専門かと思っていたら処刑まで担当しているようです。

9月30日(木)
またまた台風が上陸しましたが、今回は当地にはたいした被害はありませんでした。
しかし、全国的にみると人的被害の数もバカにはなりません。その中で圧倒的に多いのはいつもお年寄りです。屋根の具合を見に行って脚立から転落、繋留中の船を見に行って高潮にさらわれる、庭の木を心配しいぇ外に出て転倒。台風のときはわれわれでも怖いです。お年寄りは何卒おうちの中でじっとしていて頂きたく思います。
2004年10月
10月1日(金)
早すぎます。もう10月、朝夕は涼しいというより少し寒さが混じってきました。しかし今日は台風一過の抜けるような秋晴れの空が広がり、いかにも行楽シーズンといった天気になりました。
10月2日(土)
昨日、ちょっと大きな手術がありました。30年ほど前にオルガノーゲンを胸に注入された跡のシコリの除去です。現在はしてはいけない手術なんですが、いまでも結構これで悩んでいる患者さんが多いのに驚きます。
今日、患者さんが再来され傷を見ましたが、順調でしたのでそれは結構なんですが、今朝から私の腰の調子が変です。ぎくっとした訳ではないのですが何となくぎっくり腰のようなないような。。。
年を取ると体にがたが来ていけません。やれやれ。
10月4日(月)
日曜は天気が良かったので久しぶりにバイクに乗ろうとエンジンを始動しました。しかし、アイドリングが安定せず息つきをします。プラグもかぶってしまいます。やっぱり50年の歴史のある機械ですので、いたわってあげなくてはいけないですね。
で、キックを何回もしていたからかどうかはわかりませんが、腰の具合はそのままです。夕方近くの温泉センターに行って(オヤジと笑うでない)マッサージをしてもらいました。「硬いねえ」とか言われつつもんでもらいました(45分3800円)。
秋の代表的な味覚に松茸というのがあります。高価なため通常食卓に上ることはありませんが、何かの宴会などで「土瓶蒸し」というのが出ることがあります。
土瓶蒸しというのはご存じの通り、小さな土瓶の中に松茸の混入した吸い物入った汁物なのですが、私的にはしいて食べたいという種類のメニューではありません。
出しの利いた吸い物もうまく、松茸の香り、食感も良くてよろしいのですが、なにしろあの土瓶がいかん。もともと土瓶というのはお湯を沸かしたり薬を煎じたりするのに使用された機材ですが、これを食器に転用した発想はまあ評価しましょう。しかし、食べずらいことこの上ないと思いませんか。

こやつ
通常水を入れる、いわば裏口のドアを開けて(ふたを取って)つまみ食いでもするかのように松茸その他の食材を箸でチマチマと摘出します。口が狭いので食材の全貌を知ることができず、思わずかき回したりもします。縁のアンダーになった部分に重要な松茸がくっついて気が付かなかったりする恐れもあります。
また極めつけは汁を飲むときです。つぎ口からお猪口のような器にショボショボと汁を注ぎ、ちゅーっと吸うわけです。十中八九、三つ葉等が引っかかって茎の部分が垂れ下がります。お猪口一杯の容量は実に少なく、一度に数回は注ぐという行為を繰り返さねばなりません。食の文化とは言え、このようなおままごと的手続きを大の大人がやっていて良いのでしょうか。
風流、しゃれ、風情のわからぬ奴と思われようが、土瓶蒸しは吸い物椀にざーっとあけてワシワシと食べた方がおいしいにきまっとる。いやもっと言うなら土瓶蒸しより豪快に土鍋蒸しで喰わせてくれ。
10月5日(火)
昨日は某大学医学部4年のお嬢さんがクリニックの見学にみえました。4年生といえば私などは将来の希望の科など、まだまだ見えず授業をさぼっては海に行っていたような時代です。最近の若者は私と違って見所がありますねえ。
いろいろな科や病院を自分の目で見て将来を真剣に考えて頂きたいものです。
さてしかし美容外科、美容皮膚科、形成外科など美容関係といえども多岐にわたる選択肢があるわけです。
美容外科は美容を唯一の目的とする外科治療を専門とします。美容皮膚科は皮膚科の知識に基づき美容を唯一の目的とする治療を行います。多少カラーが違うとすれば美容外科がメスを中心とした治療であるのに対し、美容皮膚科はメスを用いることが少ないという傾向がはあるかも知れません。
形成外科というのは語れば長いのですが、先天異常、外傷、再建外科、美容外科の4つを柱とする学問体系のことです。ですから美容外科医はまず形成外科医であるべきなのです。美容皮膚科は皮膚科から派生した科ですので、これまた皮膚科の専門知識が必要です。
つまり巷で美容と名の付く医院、クリニックのその標榜科の責任者は必ず形成外科医または皮膚科の専門医であるべきだと考えています。
内情を知るわれわれとしては巷の美容外科に、ついこの前までは内科だったとか心臓外科だったとかいう先生の多いのも知っています。これらすべての先生方が不適切な治療をしている訳ではありませんし、症例を重ねて見事な治療をされる先生も数多くいらっしゃるのも事実です。しかし、一般的な患者さんの立場から見るとどのような経歴をもった先生なのかはわかるはずもありません。
医師は医師国家試験を合格すれば如何なる科を選択し治療をしても違法でありません。しかし、医師であることとその治療の専門家であるのは雲と泥の如く違います。たとえば私たち形成外科医は6年以上の形成外科研修の後、自分で手術した症例の写真などを規定の数提出し更にペーパーテスト、口頭試問を受けて合格すれば形成外科専門医となれます。また5年ごとに更新の制度があり、学会の参加や論文の提出など規定の点数をクリアし続けなければ資格を維持出来ません。2004年10月現在日本の形成外科専門医の数はわずか1441人に過ぎません。
言い換えれば形成外科学会が厳しい認定基準を設け、その関門をクリアした人間は一応一人前と認めるという制度なのです。
この専門医が必ずしも良い美容外科医であるというわけでもありませんが、基準として一応、基礎から応用までの知識と経験を積んだ先生であることに間違いはありません。
もし美容外科または美容皮膚科を志望するなら、まず決めなければいけないのはメスを持ちたいのか、そうでないのかです。また、いきなり美容の世界に入るというのはいかにも軽率で医師としての基礎的な常識知識を身につけなければならないのは当然の義務だと思いますよねえ。
10月7日(木)
子犬も大きくなりました。
昨日は3本買ったらいくらというDVDで「未知との遭遇」その他を買って久しぶりに観ました。言わずと知れた1977年のスピルバーグの作品です。最後のデビルズタワーの場面ばかりが印象に残っていましたが、今回は夫婦げんかの場面ばかりが目に付き、何か楽しめませんでした。UFOを目撃した人が潜在意識に刻まれたデビルズタワーのイメージを追って集合するというくだりは何か必要性があったのでしょうか。その後のスピルバーグの特長で、子供が必ず出てきて感動とか涙とかを(無理矢理)誘いますが、そのための布石なんでしょうか。
古い映画の話で申し訳ない。
10月8日(金)
ある貧しい夫婦がお互いに贈り物をしようと考えているのですがお金がありません。そこで、夫は妻に銀の髪飾りを贈るために、だいじな金時計を質に入れました。妻は夫に金時計につける銀のチェーンを贈るために、自分の大切な髪を切って売りお金を作りました。結局プレゼント自体はお互いに役に立たなかったけれど、愛情を確かめあうことができたのです。贈り物はシャディー。というTVCFがあります。
流れる曲とともに印象的なコマーシャルなのですが、ちょっと待てい。
金時計→銀の髪飾り
長い髪の毛→銀のチェーン
まず、この買い物に等価の価値があったのでしょうか。貧乏な夫婦のことですから、相当なレアものとは行かないまでも金時計というのは大切な財産だったに違いありません。誰かの形見か不正に入手したモノかも知れません。
一応夫のものとされていますが夫婦の共通の財産でもある金時計を妻に断りもなく売却してしまうのは如何なものでしょうか。あまつさえ買ったのが銀の髪飾りでは等価とは言えないような気もします。
ただ日常生活には無用の金時計を現金可して生活費に充て、一部で安価な銀のかんざしをプレゼント用に購入した場合、および金時計が偽ブランドのバッタモンと知りつつ質屋までも欺き、より高価な銀の髪飾りを入手した場合はこの男の勝利ですが、それほどの才覚のある男には見えません。
妻はどうでしょうか。もとでのかからない自分の髪の毛ですので良い買い物だったといえるでしょう。髪の毛はまた伸びてきますので気にすることはありません。今後シャンプー代なども節約でき一挙両得です。将来的にはもらった髪飾りも使用可能となってきます。
愛情を確かめるのは結構ですが、取り返しの付かないことをしてはいけません。妻はともかくとして夫は何をだまされたのか知りませんが価値の低い髪飾りなどと交換です。普通の夫婦ならしこたま怒られます。このような経済感覚のないことをやっているからいつまでたっても貧乏から抜け出せないのです。また愛情云々の前にコミュニケーションが足りないのも気になります。いや、もともとコミュニケーションが足りなかったのでお互い無謀なプレゼント作戦に出たのかも知れません。
髪の毛の分は損をしましたが勉強料と思って早く気持ちを切り替え、現在手元にある無用の銀の髪飾りと銀のチェーンを合わせて早急に金時計を質から出すことをお勧めします。そのあと出来れば妻はこの男とは別れたほうが良いでしょう。
10月12日(火)
秋は学会シーズンで、先週末も軽井沢で美容外科学会があってたんですが、遠いので欠席。そのかわり博多で美容皮膚科学会に出席してきました。美容皮膚科学会は初めての出席なんですが、美容外科学会に比較すると多少初心者向けというか、美容の分野に参入する気持ちのある皮膚科の先生方のためのセミナーという感じを受けました。もちろんこの感じは私がちょろっと聞いただけで思ったことですので、語弊がありましたら申し訳ございません。
さて、今美容の分野ではnon-abretiveと言って侵襲の少ない(切らない)治療が大流行です。それ結果(も大事ですが)より、切らないことのメリットを大切に考える患者さんが増えたということと、形成外科のようなメスを使うのが本業の医師でない医師の数が増えた(美容業界に)こともあるかも知れません。
今回の美容皮膚科学会では主にIPL(フォトフェイシャル)という光治療、RF(サーマクール、オーロラ)などの高周波治療が取り上げられ、実際の治療のライブも行われました。私のクリニックではどちらも稼働しているんですが、、いずれも良い結果を出しています。
今回来られた(皮膚科の)先生方は、どの機種を買おうかなどで迷っていたようです。なにしろ一機ん千万円の機械です。私も購入したときは清水の舞台から輪ゴムでバンジージャンプしたような気分でした。
夜はいろんな先生方と一緒にお食事をしたり飲みに行ったりしましたが、その間もダイエーのリーグ優勝のかかった試合の結果が気になってしかたありせんでした。結局は昨日の5戦目でおしくも優勝は逃しましたが、これぞ野球というようなホントに良い試合が観れました。いやすばらしかったですね。
10月22日(金)
従業員研修と銘打った韓国旅行から帰ってきました。日本では台風「TOKAGE」が大活躍で日本中に甚大な被害をもたらしたようですがソウルは3日間雲一つ無い秋晴れに恵まれ従業員の研修旅行にふさわしい旅となりました。女性ばかり10人と中年男1人の旅行です。
初日。朝5時半起床、台風の影響で雨の降りしきる中タクシーで集合場所に向かいました。6時半の高速バスに乗って空港へ。手続き等をして10時半の大韓航空機で韓国に旅立ちました。福岡空港からソウルまでは約50分と東京に行くより遙かに近く、機内での朝食は離陸直後に出ます。インチョン空港は気温23℃雲一つ無い秋晴れです。台風の気配におびえていましたが杞憂に終わりました。迎えに来ていたツアコンと合流し昼食へ。これからが食べまくりの3日間になりました。
さて先ほど朝食を食べたと思ったら、もう昼食です。石焼きビビンバやチジミなどを食した後はスタッフの要望の強かったヨン様ツアーです。観てない私などはまるで知らない高校とか実家とかに立ち寄り写真などを撮った後、ツアー恒例免税店巡りです。一応、フムフムと値段などを確認しつつも結局何も買わずにホテルに着きました。本当はツアーは今日の夕食もパックされていたのですが、キャンセルしてソウルで開業している友人のDr.Shinに夕食に連れて行ってもらいました。
Shin先生がわざわざホテルまで迎えに来てくださり明洞近くのお店に案内してもらいました。焼き肉は食べ飽きているだろうからと用意してくれたのは「ふぐ」の焼き肉風。辛いタレに漬けたフグを焼いて食べます。これが実においしく全員で恐ろしい量のフグを平らげました。もちろん最後のフグの鍋物や、それを使った焼きめし(雑炊ではない)などもおいしく頂きました。
仕事で見慣れたスタッフとはここで別れ(スタッフ連中も三々五々夜のソウルの街に消えた模様)、Shin先生と私は久々の再会の杯を交わすために出撃。韓国の妙齢の女性などともお近づきになりつつ、遅くまで杯を交わしました。
翌日は知り合いの韓国女性に一日ガイドを頼みました。今まで私が訪韓した時もたいていガイドを頼んでいた女性ですが、一日中右も左もわからないスタッフや私の面倒を見てもらいました。まずShin先生のオフィスに一同で押しかけ見学。昨日のお礼など述べた後、東大門市場、南大門、明洞などの案内してもらいましたが、観光客ではなかなか行かないコアな場所なども心得ていて、一同満足の一日でした。
明洞の繁華街で写真スタジオに案内されました。見るとみんなアイドル歌手のようなできあがりです。ひるむ私をスタッフ一同が有無を言わせず捕まえて撮されてしまいました。
着ているモノにはまったく注意を払わないのですが、恐ろしく気取ったポーズを、手取り足取りさせられ写ってきました。その写真をアップするかどうか、犯罪にならないかどうかを検討中です。20歳は若返っています(恐ろしい)。
夕食はKimさんご推薦のカルビ。一日中食べているにもかかわらず、まだ食べている自分に感動します。お腹はいっぱいなのに胃にもたれた感じがしないのは韓国料理の特徴なのでしょうか、カプサイシン効果なのでしょうか。
夕食後も夜の明洞をいろいろ案内してもらいました。私は10時ごろホテルに帰り寝てしまいましたが若いスタッフは元気いっぱい、また飛び出していったようです。
さていよいよ出発の朝です。ツアコン(ツアーに所属しているガイドです)の強引な勧めでキムチの店とかをまわらせられます。安ツアーの運命なのでしょうが、あまりに強引な商売につい買ってしまう私たちは弱気な人間です。

活気ある南大門市場

所狭しと並ぶ辛~い食材

夜の明洞を闊歩するスタッフ連中
帰りのインチョン空港でトラブルです。私とスタッフでの連絡用に携帯電話をレンタルしていたのですが、返却しなければならない充電器をスーツケースに入れたまま預けてしまい、再出してもらうのに1時間もかかりました。
無事出国し、ひとっ飛びに福岡空港です。私のスーツケースの中には昨日買ったちょっとヤバイ品が隠されています。空港では「麻薬、ワシントン条約に違反するもの、コピー商品などの特別取り締まりを実施中です」のアナウンスもあり、多少びびっていました。実は家内の土産に定価の97%OFFくらいで買った(なんちゃって)ブランドバッグを隠し持って入国しようとしていたのです。。
無事通関、あ~あ、「クリニック院長、コピー商品の持ち込みで没収」などの記事がでるところでした。悪いことはしてはいけません。
10月28日(木)
新潟中越地震は多くの死者、行方不明者を出しているようです。被災者の方々には心中よりお見舞い申し上げます。
昨日から土砂崩れ現場で生き埋めになった車からの救出の様子がたびたび放送されています。
1人のお子さんは奇跡的に生還したようですが、他の方は亡くなっていたようです。狭く暗い穴の中でママ、ママと泣きながら1人生き延びていた2歳の子。子供を持つ親の身になると心が痛む思いです。十分な心のケアも大事だと思います。
そして、イラクではまた日本人の人質事件です。この青年は何をしにイラクに入ったのでしょうか。ボランティアとかでもなさそうだし、旅行というのも変です。イラクの現状を見たかったと言うことなのでしょう。これまたテレビでは留守宅のご両親のご心配されている顔が写ります。同じ子を思う親の心ですが、自分で考えて行動できる人間は自分で安全も確保しなければなりません。自己責任という言葉も聞き飽きましたし、うんざりです。是非とも救出されて頂きたいものではありますが、またマスコミではいろいろと取りざたされることでしょう。
地震や台風が相次いでいます。その影響と言うわけではありませんが、遅ればせながら「Day after tomorrow」観ました。地球温暖化がかえって寒冷化をもたらすという学説に基づく映画です。地震や火山活動など同じように地球規模の自然現象を扱う映画は数々ありましたが、どれも人間の尺度でしか描いておらず(観る方も人間だから良いのだが)本当は数百年、数千年単位の現象が数日で起こるといった無理は置いておきましょう。
NYが巨大な津波に襲われますが、これはどうしたことでしょうか。温暖化によって南極の巨大な棚氷が崩落し、海水の塩分濃度が変化し対流が変わることによる気象異状なのですが、地震などは起こっていません。津波は潮位の上昇が原因なのでしょうか。それにしてはえらく激しいモノがきたものです。
あまりに寒くて燃料なんかが凍ってヘリコプターが墜落しますが、これは本当かどうかは資料がないので不明です。不凍液でもたしかマイナス50℃くらいで凍結しますが、動いている内燃機関に隣接する燃料タンクやオイルラインでも凍ってしまうのでしょうか。また、人は数秒で凍ってしまうものなのでしょうか。他人の子供を助けに父親はともかくもう2人が命がけでついてきます。自分の子供は大丈夫なのでしょうか。
嵐や寒波の中でのサバイバルなのですが、あまり寒さを感じないのはどうしたことでしょう。吐く息が白くないんですね、考えてみると。特に子供達のいる図書館の部屋は外がマイナス100℃というのに、何か暖かそうです。
まあそんなにケチをつけなくてもしっかり楽しめる作品でした。CGもなかなかの迫力だし親子愛も描かれています。面白い映画でした。
10月29日(金)
地震の被害は甚大のようです。過疎地を含む広範囲の被災地にあっては救援物資も行き渡らず、お困りの世帯も多いようです。今一番被災者が望んでいるのは食料、飲み水、毛布、医療などのようです。
ライフラインや輸送路も寸断され日常の生活に支障を来しています。またいつ襲ってくるともしれない余震の恐怖に加え、狭い車上生活による疲労、エコノミークラス症候群はお年を取った被災者を中心に直撃しています。
2004年11月
11月1日(月)
毎月書いているようですが、早いものでもう11月です。この前まで暑い暑いと言っていたような気がしますが、もう冬じゃないですか。
さて天高く馬肥ゆる秋、私も徐々に成長してきたため昨日からジムに通い始めました。博多時代は近くのホテルのジムに通ってマシントレーニングや水泳をしていたのですが、こちらに来てからは運動らしい運動からは遠ざかっていました。昨日は昼前から行って2時間ほどマシンをしてきました。まずランニングマシンで30分ほど走り込んで後はマシンです。今日は朝から大胸筋あたりが痛いのが情けないです。
11月の声を聞くと第三木曜のボジョレーの解禁日が待ち遠しくなってきます。18日は若松のレトロ地区でワイン会を催す事になりました。おまけと言っては何ですが、私の美容講座もついでに行う予定にしています。今から原稿書きです。
11月2日(火)
久しぶりに読み応えのある本を読みました。子供を寝かしつけながら読む本はエッセイなどの軽い読み物が主(それでも私が先に寝付いてしまうが)なのですが、本屋でふと目がとまった朔立木(さくたつき)著「死亡推定時刻」、面白かったです。冤罪をテーマにした法廷モノなのですが、いままでとはちょっと違った視点から描かれていて引き込まれました。
映画でも法廷モノとかが好きです。古くは12人の怒れる男とか何回も観ました。ヘンリーフォンダの演技が際だっていましたね。ほとんど一室の中だけで進行する映画なのですが息もつかせない展開は映画史に残る名作です。
今度は三谷幸喜の「12人の優しい日本人」を観てみようと思います。
11月8日(月)
土曜は博多でした。形成外科の同門会という仲良し会のようなモノがあり、その幹事会でした。何を隠そう私も幹事なものですから出席しなければなりません。まあ、大した話し合いではなかったのですが(あわわ、関係各位ごめんなさい)、近づく教授選の情報などは聞けて収穫でした。
「12人の優しい日本人」観ました。AMAZONで買ったのですが意外と早く来て早速観ました。監督は櫻の園の中原俊、脚本は言わずと知れた三谷幸喜です。もちろん「12人の怒れる男」を下敷きにしたドラマではありますが、展開としてはもう少しコミカルで日本的。もちろん意識してそのように作り込んでいるのですが、出てくるのがみんなどこかで見たような人物像で笑わせます。
まあ、舞台から来ている密室ドラマですので、多少演技過剰というか舞台くさい所はありますが、形式ということで観て行きましょう。
陪審員12号の加藤善博が友人のS医大のUドクターに酷似(性格じゃないですよ、ひげとかです)していて感情移入しました。
11月9日(火)
秋も深まって来ました。日中は層でもないですが、朝晩は冷え込んで参ります。新潟の被災者の方々も雪が降る前に何とかきちんとした住まいに入れると良いんですが。
我が社の庭の秋を撮してきました。

柿の葉が色づいて落葉します。庭の彩りが増してきました。

可憐な椿のつぼみがほころびました。

台風の猛攻の中、生き残った柿の実は小鳥たちのささやかなごちそうです。
11月12日(金)
明日から東京に行ってきます。数ヶ月前にも同じ勉強会に行ってすでに認定してもらってはいるのですが、もう一度オバジスキントランスフォメーションの勉強に行ってきます。
さて9月にネズミ小屋の掃除をしていて庭にえさ箱をひっくり返しました(9月12日の日誌参照)。そのときヒマワリの種がけなげにも芽を出したのでその何本かを鉢に植え替えておきました。
時は流れてちょうど2ヶ月後の今朝、何とヒマワリに花が咲きました。

何かちょっと見慣れたヒマワリとは違いますが、やっぱりヒマワリの種からはヒマワリが咲くんですねえ(当たり前だけど)。
11月15日(月)
Obagi Skin Transfomationの勉強会に再度行ってきました。
前回はDr.Obagi自身から教えて頂いたのですが、今回は国内の使用例の多い先生方のお話を聞くことが出来ました。オバジのシステムは薬局などで売っているオバジスキンサイクラーとはまったく異なり、医師の処方のもとに使用されるシステムです。最初の6週間がきつい(肌はぼろぼろ)ですが、それを乗り切ると肌が生まれ変わります。日曜の朝から夕方までみっちりお勉強してきました。
土曜の夕方上京して夜は西麻布のとあるレストランに食事に行きました。レストランからは六本木ヒルズなども見えロケーションはとてもすばらしい所です。
レストランは裏通りにひっそりとありちょっと隠れ家的な店なのですが、行く道すがらには小じゃれた店やおうちが点在しています。路上にはランボルギーニやSL600などが無造作に駐めています。
薄明かりの中を歩いていると向こうから犬を連れて散歩しているご婦人が通りかかりました。よくある光景ではありますが、何か違和感を感じました。
犬が太っているんです。徐々に近づいて全貌が明らかになり驚きました。
ブタだったんです。背高約50センチ、全長約1メートルほどのブタに首輪とリードを付けて散歩してらっしゃるわけです。ミニブタが成長したのか、大ブタの子供なのかは不明ですが、さすが西麻布。飼っている動物も違うのお。
11月18日(木)
この時期、早11月にして既に何度も「今年のことはすっかり忘るべし」という会が開催され、今年あった事をすべて忘れ去ってしまいました。
地球を何度も破壊できるだけの核兵器を保有しているのと同様、一年の出来事をそう何度も忘れる必要があるのでしょうか。来年の事とかもついでに忘れてしまったらえらいことです。
それでなくても記憶力は減退し、老人力のみで生きておる毎日なのに、この忘年会、酒飲みラッシュです。脳細胞の何割かは確実に変成もしくは壊死融解し、正常に働いているモノは数えるほどしかないかも知れません。ある朝起きてみると耳の穴から全部流れ出しているのに気づくかも知れません(気づかんだろ)。
それはそうと今日の午前0時にボジョレーヌーボーが解禁されました。今年の輸入量は過去最高と言うことですが、どうしたことでしょうか。日本人のお祭り好きの気質と日付変更線の関係から世界一早く飲めるというアドバンテージがこうさせているのでしょうか。猫も杓子もおやじもおやばもボジョレーがどうした、ヌーボーがこうしたと飲んでいます。対仏貿易黒字(なのか?)の解消には一役買っているのかも知れません。
という本人が今日はワイン会でボジョレーなので、大きな事は言えません。凄くおいしいワインでもないと思いますが、ワイン会では私もちょっぴりしたり顔で「草原を駆ける風のように爽やかでフルーティーな味わいですなあ」なんてフルーツを食べてフルーティですなあと言っているような恐ろしく当たりまえのコメントを爽やかさ少しもない馬鹿面下げて吐いてることかもしれません。
私のクリニックでは自費診療の場合、カウンセリング料は頂いておりません。それは患者さんへの啓蒙、サービスの一環、または行った治療費に含むと考えているからです。
しかし、通常弁護士でも相談料が発生するようにわれわれも長年勉強してきた知識などをご提供するのと、相応の時間を費やす訳ですのでカウンセリング料が発生するのは実はしごく当然の事だと思います。
「他院ではカウンセリング料まで取られたんだが、おたくはいくら」とか言われる患者さんがいらっしゃいますが、一体どういうお考えなのでしょうか。無形のモノには料金は払わない、話すだけでお金を取られてはかなわん的な考えなのでしょうか。
「うちは無料ですからいらっしゃい」と言うより「うひゃー、うちにも来ないでね」と引いてしまいます。
洋服を買いに行って「どんなのが似合いますかねえ」とご相談されても、それは無料でしょう。大根を買いに行って「どれがいいかなあ?」と聞いても大根代に相談料を上乗せされることはないでしょう。
保険診療では初診料というのが認められています。初診すなわち今後の治療方針のお話をしたり診察をしたりというのにかかる費用です。3割負担の患者さんで手出し820円ほどかかります。保険診療ですので2ヶ月後には国からこの件に対しクリニックに1920円支給され、合計2740円(274点)の入金となります。
これに文句をつける患者さんはあまりいません。
正当な免許をもって正当な仕事(カウンセリングという医療行為)をするのに無報酬はあり得ないと思いませんか。
でも自費診療の場合はいらっしゃるんです。「カウンセリング料を取られた」という方が。
先にも言いましたように私のところでは無料にしていますので、このような場合でも不快な思いはしなくて済む(不快な思いをしたくないために無料にしたというのもある)のですが、1時間も治療のお話をして結局治療はせず、その知識だけを持って帰られた方に言っては頂きたくない台詞です。世間話をしていたわけではないのですから。間違ってます?
無料にしたのは、無料だからといって来られる患者さんを増やしたいという理由からではありませんし、有料にしてもせいぜい数千円です。それで儲けるつもりもありません。つまりはクリニックの経済的な問題ではないんです。
手術もしてないのにあまりお金を使いたくない気持ちもわかりますが、カウンセリングも治療の第一歩であると言うことも知っておいてください。カウンセリングのお金を惜しむより、その分しっかり医者の真価を見極めていただきたいと思います。
11月19日(金)
ボジョレーヌーボー、飲んできました。今回のワイン会は若戸大橋のたもとにある旧古河鉱業若松支店で開催でした。この建物は大正7年に竣工した古いものですが市がお金を出してリニューアルされ現在では多目的のホールとして使用されています。なかなか味のある建物でした。
(隣の商工会議所跡は映画スパイ・ゾルゲでロケ地になったようです)
さてボジョレーですが、思っていたほど出来は悪くなくおいしかったと思います。私のしょうもない話を聞いていただいた出席者の方々、お礼申し上げます。
で、二次会と称してまたまた堺町あたりに出没し飲んできました(懲りんなあ)。

旧古河鉱業若松支店
11月22日(月)
サンダーバード観ました。
大昔NHKで放映されていた頃リアルタイムで観ていた世代なのですが、今になってリメイクされるのは感慨深いですねえ。
もと宇宙飛行士のジェフ・トレーシー、しかしお金持ちですよねえ。南海の孤島を所有しているだけならともかく、あれだけの施設を建設するのには果たしてどのくらいの経費がかかるのでしょうか。国産の使い捨てロケットH2でもたしか200億円くらい(ボディーのみ)はしたと思いますので、VTOLジェット機の1号、リフティングボディーの2号、宇宙ロケットのの3号、潜水艦の4号、ミールよりでかい宇宙ステーションの5号、各種装備(ジェットモグラなど)、施設、住居などを合わせると5兆円や10兆円はかるくかかるでしょう。
ちなみにビルゲイツの総資産は6兆円とも7兆円とも言われていますが、それ以上の大金持ちです。すごい。
しかしこのような施設が仮に出来たとしても、維持、運営にはさらに莫大な金がかかるはずです。壊れた装備は修理しなければならないし燃料費だってバカにならないでしょう。隊員はすべて身内だし、島にはメカニックと言えばブレインズ1人くらいしか居ないように見受けられますので人件費は相当切りつめているのがわかりますが、収入はどうやって得ているのでしょうか。NASAの予算は1兆円くらいと聞きますので、少なくとも1000億円くらいは欲しいところです。
年間1000億円ということは一日に3億円程度の収入が必要です。大変なことです。所得税などはどのようになっているのでしょうか。
ジェフトレーシーはこの島に居る他に何か仕事をしている風でもありませんが、昔巨万の富を築いた土木関係の企業をまだ所用しているのでしょうか。兄弟5人も事件事故の無いときは脳天気にプールなんかで泳いだりしていますが、彼らも島だけでの生活ではストレスも貯まるでしょう。時には都会に出かけて酒を飲んだり、女の子とデートしたりもしたいはずです。
実の子供だからといって人件費を削って賄い付きだけにしていると、そのうち都会に行ったまま帰らない兄弟が出て、出動不可能になる可能性もあります。
多少のお小遣いくらいは支給して頂きたいと思います。
(文中の数字についてはあくまで推測ですのであしからず)
11月30日(火)
わああ、11月も今日で終わり12月になってしまいます。
12月って言えばお歳暮、年賀状、結婚記念日、討ち入りなど面倒なコトが一杯です。その上忘年会は毎週2回ペースです。死ぬかなあ。
気を取り直して。
今の若者にはあまり縁がないというか興味がないというかどうでもよいのかもしれませんが、1702年(元禄15年)12月14日は赤穂浪士の討ち入りの日で有名です。私の結婚記念日が12月14日なのですが、毎年討ち入りのドラマがあるので薄々記憶に残っています。
京都からの勅使饗応の儀式の最中、江戸城「松の廊下」で接待担当の播州赤穂(兵庫県)の殿様、浅野内匠頭(あさのたくみのかみ)が、なんと儀式儀礼を教える先生役の吉良上野介(きらこうずけのすけ)に切りつけたのです。
この事件に、時の将軍綱吉(お犬様で有名な人)は大切な儀式を血で汚され激怒し、浅野は即日切腹、通常けんか両成敗の原則のはずが、吉良はお咎めなしという片手落ちの裁量が下されました。
なんでまた浅野は吉良に傷害致傷などという事件を起こしたのでしょうか。いろいろな説が言われていますが、一般には浅野が先生役の吉良に賄賂を持っていかなかったため吉良が浅野にいじわるをしたためと言われています。
そんなこんなで浅野家は断絶し、お城も没収、300人の家臣は全員突然のリストラに遭ってしまったわけです。そこで城代家老の大石内蔵助(おおいしくらのすけ)以下47名が1年9ヶ月後の12月14日に満を持して吉良上野介の屋敷に討ち入り、仇討ちを果たしたというお話です。
しかし浅野内匠頭という人は我慢がない人です。もう少し我慢すれば済んだものをいじわるされたくらいで傷害致傷はいけません。キレやすい性格だったのでしょうか。5万3千石というと年間5.3万石(132500俵、約800トン)の米の生産能力のある領地を持っていることを意味しますが、それ以上に播州赤穂では塩が名産で、その商品価値を考えると実質7万石程度の収入があったとされています。それもこれもすべて没収です。もう少し考えなきゃ。
浅野は当時「痞」(つかえ) という病気にかかっていて薬を飲んでいたことが記録に残っているようです。つかえというのは鬱状態も意味するようで、もしかしたら鬱病の治療中だったのかも知れません。事情はどうあれ、家臣がちゃんと賄賂を贈るなりして若殿がキレないように面倒見るべきでした。
出来てしまったことは仕方ありません。大石内蔵助も困ったことでしょう。城代家老という立場上、きちんとした体裁は付けなくてはなりません。世間の風当たりも厳しいようです。幸い奥方の実家はお金持ちで子供ともども離縁してここに行ってもらえば心配もありません。
いつも腑に落ちないことがあります。大石の生活と他の浪人の生活の水準が違いすぎることです。確かに城代家老ですから給料も良かった(1500石)かもしれませんが、1年9ヶ月もの間、何不自由なく生活しています。山科にも居を構え、あまつさえ遊郭で連日連夜の放蕩三昧です。毎日何人もの太夫を侍らせて飲めや歌えです。1日に少なく見積もって50万円(今の価値でね)使ったとして正味半年遊んだとしても1億近くは遊興費を使っています(今、京都で舞妓さんをあげて遊んだらこんなお金では済まないです)。いくら敵を欺くといっても使いすぎでしょ。
「どうせ仇討ちして死ぬんじゃ、今のうちに金もなんもかんもぜ~んぶ使い果たして女遊びでも派手にしたれ」と思ったんでしょうか。他の家臣は浪人生活できついバイトを続けていた中、大石だけは1年もの間、敵を欺くの名目で必要経費として公金を私用していたに違いありません。少しだけでも浪人達にお小遣いをあげられなかったのでしょうか。
それでサムライとして後世に名を残したとは、いやはや役得というか特権ですなあ。
11月29日(月)
土曜は忘年会で博多に行ってきました。久しぶりに石城町の新三浦で水炊きを食してまいりました。以前行ったのは国立病院にいた時に看護師さんの結婚式がここであったときですから、もう7~8年前にことになります。相変わらずの古式ゆかしい料亭でおいしい水炊きを堪能してきました。その日はなぜか定宿のホテルが満杯で取れず近くのホテルにしたのですが、値段はそれほど変わらないのに狭い部屋にちょっと不満でした(寝るだけなんですけどね)。
アップルシード観ました。
GHOST IN THE SHELLの士郎正宗原作、ピンポンの曽利文彦プロデュースです。全編3DCGではあるのですが、キャラクターは2D風に(しかしモーションキャプチャーというのが凄い)描かれていてファイナルファンタジーみたいに妙にリアルなキャラの不自然さがありません。
まあ、この点については多少の好き嫌いもあるでしょうが、作品の世界観、作り込みには圧倒されます。もちろん細かく観て行けばつっこみどころもたくさんありますが、この手の映画はその世界にはまりこんで観るのが正しい流儀ですね。
キャラの異様に大きな瞳に最初は違和感を感じますが、最後には「かわゆく」見えてくるのが不思議です。
日本のアニメも「千と千尋の神隠し」などが一躍世界の脚光を浴びましたが、このようなハード系もGHOST IN THE SHELLのように徐々に評価されてきました。ただ、あんまり子供向けではないですので、一般的ではないのかも知れませんね(実は膨大な数のサポーターがいるんですが)。
いやはや凄い作品でした。
11月26日(金)
昨日は同業のS先生と雑誌の対談取材でした。相も変わらずカメラの前では変な顔になってしまいます(普通でも変だと?)。
しゃべっている時は普通の顔なんですが、S先生と目を合わせてしゃべってくださいと言われると、もうまじめな話など出来ません。
で、見つめ合うシーンでは「さて、今日は何処に飲みに行きましょうかねえ」とか「早く山小屋作りましょうよ」とかの話題で切り抜けます。
雑誌を見た人は、その写真の中でまさかそんな会話がなされているとは思いもしないでしょう。
1時間ほど対談と撮影をした後、またもや出陣です。雑誌の編集の女性に飲み屋情報は聞いていたのですが、おぢさん2人は吸い込まれるようにいつもの居酒屋へ。
おぢさんというヤツはいつも保守的なんです。なんだかんだで2時前に帰還。
先日娘弐號に「パパ、目が黄色いよ」と言われたときには「ついに一人前に肝臓に来たか」と思いましたが、鏡を見ると単に老人特有の濁った目でした。
ジムで週2回汗を流してもトータル体に良くないコトの方が遙かに多いですね。
2004年12月
12月4日(土)
さて先日忠臣蔵の話を書きましたが、その後ちょっと調べましたので追記します。
浅野内匠頭の領地、播州赤穂は塩の産地で、その製塩技術はすばらしく塩は高値で売買されていたと言うことです。ですから書きましたように赤穂の石高は5万3千石だったのも関わらず7万石ほどの裕福な財政であったということです。
それに対し、恨みを買った吉良上野介の領地も塩が取れましたが製塩技術では赤穂に及ばず、少なからず悔しい思いもしていたふしがあります。
また、浅野は18年前に一度勅使供応役を務めたことがあり、指南役の吉良を多少軽く見ていたとの推測も出来ます。また記録によると接待予算を18年前を参考にして少し上乗せした700両を計上したのもいけなかったようです。18年前とは物価も違うし、そんな低予算を計上されても困ってしまう訳です。
吉良は指南役ですから浅野が接待をうまく勤めないと自分の恥にもなります。田舎サムライのズレた感覚でやってもらっても頭が痛いという訳です。
つまりお上から引き受けた接待役の指南という大役を果たそうと言うときに、身分は自分より下だが金だけは持っている小生意気な若造が名誉を得るために勅使供応という大役に応募し、ズレた感覚で何かやらかそうとしている訳です。年寄りの吉良としてはイライラもしたでしょう。
さて大石の放蕩についてです。吉原には幕府公認の遊郭があり、そこで働く女性を一般に遊女と言いました。遊女にはランクがあり、頂点が花魁(おいらん)、太夫(たゆう)と言うわけです。江戸の後期で吉原で遊ぶのにいくらくらいかかったのでしょうか。数千円というお手軽コースもあったけれど10万円(一両)が相場だったようです。しかし、実際は大石クラスになるとお座敷には太鼓持ちやら芸者さんなどたくさんのスタッフがつきます。ドラマなんかで観るとたくさんの女性の中で目隠し鬼さんなど、ちっとも面白そうでない遊びとかしていますよねえ。太夫クラスの女性と遊ぶには一晩に数百万もの金がかかったようです。
また大石は浮橋という太夫を身請けしています。身請けというのは遊女の遊郭への借金を肩代わりし自由にしてやることですが、これも太夫クラスでは数百両と言いますから千万円単位の金がかかったようです。先月大石は半年くらいで1億ほど使ったんではないかと書きましたが、とんでもない。
赤穂城を明け渡し、山科に居を構えたのが6月24日、江戸へ下向したのが翌年の10月7日ですから、その間約15ヶ月。
放蕩三昧ということですから週に5回も飲みに(遊郭に遊び)に行ったとして15ヶ月で300回。少なく見積もって200回行ったとしましょう。
映画などで観るかぎり少なくともお座敷には数十人のスタッフが出ていたように見受けられます。一晩の遊び代は500万円くらいかかったのではないでしょうか(志村けんでも毎晩100万くらい飲んだようです)。半分は静かに飲みたかったとして一晩100万円、合計6億円!。浮橋の身請け代などついでのようなモノです。
どこまで金銭感覚が麻痺してしまったんでしょう。
大石は城代家老のとき1500石の給料をもらっていましたので一石=一両=10万円と計算すると年収は約1億5千万円(一両=8万円の計算でも月収1千万円)。相当の高給取りではありますが、使用人も多く6億も貯金していたとは思えません。ですからやっぱり公金を横領というか私用していたに違いありません。
いくら何でも他の家臣がかわいそうすぎます。中には生活が苦しくて自殺した同士もいると言います。大石だけ良い目にあって仇討ちのリーダーとして後世に名を残すというのは如何なものでしょうか。
12月6日(月)
土曜は仕事をちょっと早く切り上げて博多に行きました。もと教授を囲む会です。
7時までの仕事をなんとか6時に切り上げ愛車マッハ号で雨の高速を飛ばして博多まで1時間半、ホテルにチェックインしてすぐタクシーで会場の中華飯店へ向かいました。ところが雨の中洲あたりは大渋滞で結局会場に着いたのは8時半です。
会費1万円也を払って30分間ビールと紹興酒をちょこっと飲んで終わってしまいました(哀)。仕方なく後輩数人を連れてワインでも飲んできました。
前の教授が退官してから現在教室は教授不在、助教授2人体制で運営されています。ただこの暮れに次期教授の選挙が行われる見込みがたち、少し教室が騒がしくなってきました。立候補者は現助教授のK先生、私の同級生でS医大のU先生、そして形成外科の分野では知らない人はいないほど有名なK大学のN先生です。
同門会としては現役助教授のK先生を推すのが筋なのですが、なにしろ同級生も立候補しています。といってもわれわれには投票権もないし、結局は観ているしかないのですが、対岸の火事とは言え、K先生対U先生の一騎打ちにK大のN先生の参戦で現役K助教授圧倒的有利の様相が若干変わり、俄然面白さを増してきました(不謹慎で済みません)。
教授選は大学の教授会での選挙です。基礎、臨床合わせて何十人かの教授だけで選挙が行われます。審査の材料は論文の数と質(インパクトファクター)、実績、人柄、プレゼンテーションに加え、どれだけの患者を呼べる実力、知名度を持っているかなども加味されるようです。
現役助教授のK先生はもと教授のもとで長年修行し、学内の知名度、実績は抜群ですが、教授会にはもと教授に対して確執のある教授連中も存在し、この点が不安材料です。
同級のU先生は母校に錦を飾る立候補です。若くして論文はも多く、今売り出し中なのですが、知名度はやや劣ります。
K大のN先生は全国的にも知名度は抜群で実績、論文も申し分ないのですが、年齢が58歳と教授任期があと7年しかなく、この点がネックです。
三者三様に利点欠点を備えた候補ですが、如何相成ることでしょうか。
白い巨塔のように賄賂とか教室員の工作とかあるのでしょうか。黒木瞳お姉さんとかの関与はないのでしょうか。
どうも立候補者を見ると、あんまりどろどろしたものがなさそうな「おぼっちゃま」ばかりなのですが、ちょっと派手にやって頂いてウキウキワクワクさせてもらいたいものです(再度、不謹慎で済みません)。
12月7日(火)
昨夜は3745(みなしご)会の忘年会でした。
3745会というのは車好き、バイク好き、F1好き、酒好きの集まりです。北九州一帯のエンスーが集まります。仕事抜きで趣味の話を肴にお酒を飲めるのは楽しいですね。ちなみに最初はいつものロシータです。北九州一のタコスとテキーラをつい食べ過ぎ飲み過ぎてしまいました。
あ~、また今日も博多です。
12月10日(金)
今週は休診日の水曜も仕事で博多でしたし、日曜も用があり、ジムに行けてません。ジムに行く代わりに飲み会では体に良くないナニモノカが二倍の速度で増殖して行きそうです。
12月13日(月)
今朝もお天気のせいか暖かい一日の始まりです。
土曜はジャズコンサートでした。小さな会場に満員の状態でしたが、ピアノ、ベースのデュオ、プラスヴォーカルでなかなか盛り上がりました。ただ、アルコールが多少少なかったので、そのあと飲めない後輩Mを無理矢理連れて夜の巷へ。何とか言いながらご帰還は午前4時。
なのに日曜は早く起こされ部屋の掃除の後、子供達の靴を買いに行きました。みるみるうちに足もでかくなるので次々に更新が必要になってきます。
久々に子(中)犬の話題です。
マロは順調に成長し、警備犬の3分の2くらいの大きさになっています。庭に放し飼っていたのですが、あまりの悪さに現在は小屋に幽閉状態です。毎朝警備犬と散歩に出る時には必ず私のご機嫌を取って口に綺麗な葉っぱとかをくわえて差し出してきます。
そんな少し可愛いところもあるのですが、散歩中も母犬の耳は噛むはマーキングの邪魔はするわで警備犬も辟易しています。
二匹放し飼うと庭がひどい状態になります。子犬の影響を受けてか警備犬までも一緒になって暴れます。
走り回って「こけ」などは壊滅、至る所に穴を掘り、庭草履も出しておれません。それで犬の訓練所にしつけでも頼もうかと聞いてみたのですが、1ヶ月の授業料が5万円、4ヶ月合計20万円もかかるようです。このボロ犬に20万円の出費は考えますねえ。
12月14日(火)
私の極めておぼろげな記憶をたどると今日はたしか結婚記念日だったような気がします。十数年も経つと何の感慨もなく、今夜も夫婦ともぜんぜん別の用事で別々にお出かけです。まあ、こんなものでしょう。
年賀状を書かなければいけませんが、先延ばしにしているうちに年賀はがきも買い忘れていました。数百枚の賀状に一つ一つコメントを書くのも面倒ですが、自分がもらった時には印刷より何か書いてあった方が嬉しいので書くことに致します。
去年の余った葉書と書き損じの葉書を郵便局に持って行くことにしました。残念ながら今年の年賀葉書には換えてもらえないようですね。切手もしくは通常葉書ですね。
そう言えば去年の年賀状のお年玉抽選の当たりを確認していませんでした。もしかしたら豪華賞品が当たっていたかもしれませんが、1年も遅れました。
12月16日(木)
遅ればせながら「半落ち」観ました。
原作本は持っているのですが、結局映画の方を早く(でもないが)観てしまいました。原作を離れて映画の部分だけの見方ですのでご了承下さい。
邦画は実はあまり観ないのですが、この手の事件モノ、法廷モノなどは好みです。推理というには多少物足りない内容ですが、移植ドナーとアルツハイマー病に絡めたのは新鮮でしたね。人間の命の尊厳と魂の重さをさらっと天秤にかけるのもなかなかです。
ただ、主人公がなぜ自殺しなかったのか、少年に会いに行くことの重要性、本当の苦悩がまだ描き切れてないような気もしました(あんまり書くとネタバレになってしまいます)。
作品中にもありましたが、人生というのはその人が生きてきた中で獲得した記憶だけで成り立っている極めて脆弱なものです。コンピュータのメモリみたいなもので、いったん消去してしまうと跡形もなく無くなってしまいます。何十年も生きてきて色々な足跡を残して来たように思えますが、死んで何十年もすれば人の記憶からは完全に忘れ去られてしまいます。人は重要なデータでないものはすぐに消去してしまいますから。
自分にとってもそうです。生きてきた証として何か形に残せるなら(日記とか作品とか)別ですが、例えば特記すべきことのなかった「今日」という日のデータは自分の中でもすぐに揮発してしまい、数日もすると思い出せなくなってしまいます。
今、思い出してみて下さい。子供の頃から順に思い出せる記憶というのがありますか?形として残してあったアルバムの写真の記憶とか古い匂いとかに触発される記憶ばかりが多いに違いありません。
このような少ないけれど大切な記憶が一つ、また一つと消えていったら。。
自分の人生というものが一体何であったのかという大きなことさえ無意味になってしまいます。
「妻が壊れて行く」と表現していましたが、こちら側の人間にとっては確かにそうでしょうが、徐々に記憶を失って行く人間にとっては、他の人たちが徐々に変わって行くように見えることでしょう。知った人が少しづついなくなり、見知らぬ人ばかりになってゆく不安、焦燥。あるいは自分の意志にかかわらず自分が違う世界に徐々に引き込まれて行くような気がするのかも知れません。
あなたのおじいちゃんもあなたが「物忘れがはげしいわねえ」と言っている間に寂しげな顔をしながら魂は少しづつ向こうの世界に旅立って行っているのかも知れません。
12月17日(金)
12月も半ばを過ぎると街にはクリスマスソングが流れ雰囲気を盛り上げます。
うちの娘どももサンタにお願いするとか言って何らかのプレゼントを期待しているようですが、よく観察するとどうもサンタの存在は信じてなくても、それにかこつけてプレゼントを合法的に要求しているふしがあります。
まあ、子供の特権として多少は甘く見ましょう。
世界中にサンタのプレゼントを期待している子供は一体どのくらい居るのでしょうか。調べてみると世界の5歳から14歳までの人口は約14億人。そのうちサンタを知らない人々の人数を差し引くと10億人くらいと見積もって良いのでしょうか。サンタは冬服を着ていますのであんまり南の国の子供には縁がないのかも知れませんし、またサンタを知らないからといってプレゼントをあげなくて良いかどうかもわかりません(サンタの方針を確認していないので)。ですから10億人はざっとの計算です。
10億人に平均1000円のプレゼントを配ったとして1兆円です。いや、確かこびとか何かが手作りしていると言うことなので友情でやってもらうとして人件費を省いて材料費のみ(大量購入で安く仕入れる)で計算しても軽く1000億円はかかるでしょう。大変な予算が必要です。サンタクロースという老人のどこにこんな財産があったのでしょうか。今ならさしずめ商標権とか肖像権だけでも年間1000億くらいは入るかも知れませんが、何しろ古い人(人なのか?)なので商標登録などしていない可能性もあります。
一晩に10億人の子供にプレゼントを配りきるのは実質的には不可能でしょうからサンタクロース財団とかのボランティア団体と考えましょう。地域担当のサンタ○○号がトナカイにバシバシむち打って恐ろしく効率よく1家庭に1分しかかけずに廻ったとしても夜明けまでの8時間の間にたった480戸、1家庭に平均2人の子供がいたとして960人です。10億人の子供に配送するには・・サンタ100万人かあ。ボランティアにしても100万人集めるのはちときつい。
やっぱそれぞれの親が自分の子供にプレゼントを買い与えるのがもっとも効率が良いですなあ。
ん?しかし年間1000億円の予算といえば11月22日の日誌で書いたサンダーバードの予算と同じだが。何か怪しい関わりのある団体なのかも知れません。
12月18日(土)
よくよく考えると地域担当のサンタ代理というのは親のことですよね。
サンタの黒魔術か何かで親は知らず知らずに自分の財布からプレゼントを購入して子供に届けるのでしょう。せっかく自分のお金で買ったプレゼントなのにサンタなる見ず知らずの何処の馬の骨とも知れない老人に花を持たせるなんて何の得もないのにです。
で、本物のサンタの役割は親のマインドコントロールと子供達にトナカイの馬車(トナ車?)に乗ったサンタが来て、ありもしない煙突から侵入したという幻想を与えるだけ。
確かにこのシステムなら無理がないです。資金は親持ちだし、一晩で長距離の配送をすることもないです。親のない子や貧しい家庭のみ直轄として管理すれば良いので相当手間は省けます。ついでに「悪い子」なども割愛致しましょう。
これでトナカイもあまり痛い目に遭わずにすみます。
昨日「白い巨塔」のアンコール版というのがあり、つい見てしまいました。しかし何度見てもあの里見先生はいただけませんねえ。なまじ同級だっただけにいろいろ言ってきますが忠告なのか、お願いなのか、脅しなのか、説教なのかわかりません。財前先生の迷惑顔がかわいそうです。そんなに財前がイヤなら手術頼むなっつーのっ。
大学医学部の教授の椅子というのはそんなに魅力のあるモノなのでしょうか。ちょうど今、古巣の大学で教授選の真っ最中で、私の友人もその戦いに参戦していますのでちょっぴり興味があります。たしかに勤務医にとっては頂上だろうと思います。
医者になると将来の進路というのが1.大学勤務 2.開業 3.市中病院勤務の3つしかありません。もちろん才能のあるひとは物書きになったりしますが、普通選択肢はこのくらいでしょう。最初大学を卒業するとどこかの大学の講座に入局するのが普通です。急に開業はできませんし、手中病院も経験のない医者など雇いません。ですから最初は大学病院で研修をして徐々に腕を磨いて医員、助手、講師、助教授と駒を進めて行くわけです。その過程の中で開業を決意したり大学を離れ市中病院に就職したりすることがあるわけです。
大学病院に勤める者には診療、研究、教育という3つの義務があります。今は少しは変わってきましたが、ちょっと前まではその3つに加え人事権や予算の配分などすべての実権を握っているのが「教授」でした。権力のすべては教授に一極集中で助教授以下には何の権利もありません。
つまり、教授になるというのはその講座の方針をすべて決定出来ると言うことで、あるいは大学の古い体制を打ち破って自分の思うままの医療が出来る可能性も含んでいるということかもしれません(だから財前先生はなりたかったんです)。
まあ、教授にもなると管理職ですから大学の体制側というのが普通でしょうけど。
12月20日(月)
今日は近くの動物園に行きました。歩いて3分の距離にある「いとうづの森公園」です。郊外でもあり、そんなに大きな動物園ではないため日曜にもかかわらず、それほどの人出ではないところがよろしい。
我が社では家族そろってここの動物サポーターになっており、入園は無料です。
そのような利便性もあってうちの娘どもは日頃から2人単独で侵入してはここの飼育係さんとか獣医さんと仲良くなったりして、かなり一般入園者より優遇措置を受けています。
それはともかく昨日は凧揚げをしました。最近の凧は良くできており簡単に揚げることが出来ます。昨日持っていったのは骨のないパワースレッドカイトというものです。

両翼の黒い部分に風をはらんで筒状になり骨組みの代わりをします。パラグライダーみたいな感じですね。ラインはシングルで単に揚がるだけのシロモノではありますが、かなり夢中になってしまいます。もうちょっと広くて凧揚げに適した場所を探して高く揚げたいと思います。
12月24日(金)
クリスマスイブですね。今夜は皆様のところにもサンタがやってきますように。セコムは解除しといたほうが良いかも知れません。
土曜、医局の忘年会がありました。普通は行かないのですが、今回は特別です。その日教授会があり、次期教授が決定しました。その合否を早く知りたいと思い、出席しました。
復習しておきますと立候補者は現助教授のK先生(私の同級生の夫でもある)、私の大学時代の同級生でS医大のU先生、形成外科学会では知らない者はないK大学のN先生の3人です。
同門会としては当然助教授のK先生を推すのが当然ですが、私としては同級生も応援したいし、医局に新風を入れるという点ではN先生の教授というのもナシではないというのが正直なスタンスです。
結局は教授会では他に大差をつけて現助教授のK先生が当選しました。ただ、教授会での決定は現時点では内定で来年2月の理事会で承認され正式に辞令が交付されてから晴れて教授就任となりますので、土曜の忘年会も祝賀会的なムードは抑え、助教授も出席を遠慮しておりました。
しかし会場に(私の頭の中だけではなく本当に)アメージンググレイスが流れたのは故意だったのか偶然だったのかはわかりませんが、タイミングの良さに驚きました。
まあしかし、教授選というのはいろいろな駆け引きや裏工作というのが実際存在するんでしょうねえ。はっきりとは知りませんが今回も多少の動きはあったようです。ただし、K先生の名誉にかけて裏金や賄賂といったモノだけはなかったと断言してよいでしょう(あんまりそんなことの出来る人ではないのです)。
ともあれ次期教授も決まり、医局の行く先がようやく決定しました。私たち同門としても新教授をバックアップし、本当に患者さんのためになる医療を目指して研究、教育をして頂きたいと願うものです。
12月25日(土)
雨のクリスマスとなりました。昨夜皆さんの所にはサンタはやってきましたか?
「あ~、サンタと申しますが、今晩お宅にプレゼントを届けるようにご主人から申し込みがあったんですが、○○銀行に○万円、振り込んで頂けませんか。商品は既に手配していますので取り消しが出来ません。もし振り込みがない場合には訴訟となる可能性もありますので、必ず3時までにお願いします」
てな電話なかったですか?
暖炉も煙突もなし、雪も降らない暖冬ですし、見知らぬサンタなどがセキュリティーを破って侵入してきたら間違いなく逮捕されるご時世です。プレゼントの代わりに大金を振り込むように言われても不思議ではありません。。サンタとしても今の日本には来づらいのではないでしょうか。
クリスマスも終わるといよいよ年末という感じになってきますね。洋風から急に和風に移り変わるのが面白いです。我が社もクリスマスツリーを片づけてしめ縄の準備をしなければ。
12月27日(月)
「米国イオンド大学名誉学位推薦委員会では、貴台様の社会的功績等を高く評価し、貴台様を国立ミンダナオ大学の名誉博士として、推薦したく存じております。ぜひ、この機会を逃されることなく、御受諾されますことを希望いたします」
ってな封書が来ました。
名誉博士号?ミンダナオ大学?なんじゃそれ?
ネットでちょっと調べてみるとミンダナオ大学名誉博士という称号を持った人、皆様どうみてもちょっとアチラ系の方々(失礼!)が多いように見受けられます。第一ミンダナオ大学やらイオンド大学(ハワイにあるそうな)なんて私にはぜ~んぜん関係のない学校だし、フィリピンにさえ行ったこともありません。
また私の社会的な貢献といえば子供会に結構出席しているというくらいしかありませんが、まさか子供会の出欠がはるばる海を越えてミンダナオ島(またはハワイ)まで鳴り響いているとは死んでも考えられません。
たしかに実在する学校でそれなりに権威ある大学なんでしょうけれど、このような制度で金で博士号を売るという大学ならあんまり信用が出来ませんよねえ。
でもちゃ~んとこの制度で博士号をもらった人がいるんでしょうねえ。100万円くらい払って。
私ならもしミンダナオ大学名誉博士になっても何となく名刺には書きたくない肩書きですね(すみませんミンダナオ~)。
(ミンダナオ大学にもイオンド大学にも一切の偏見やこだわりはありませんが、封書一本で博士号がもらえるシステムがあるということが今日の話題です。関係各位の皆様、失礼がありましたら深くお詫び申し上げます)
12月28日(火)
有史以前の話ですが、新婚旅行でモルディブという所に行きました。それはそれは南国の美しい島々でビーチでの休日を楽しみました。
その島々にも津波が押し寄せたらしいです。もともと海抜が数メートルしかない珊瑚礁の島ですので、大津波でも来ればたちまち水没して島自体がなくなってしまうことも考えられます。
津波のは地震などによる海底の地形の急激な変化が海水に上下運動を起こして生まれます。波浪は風などによって起こる海の表面の波ですが、津波は海水全体の動きであるゆえ台風による高波などより破壊力は比べようもなく強いのです。
また深海部分では津波のスピードは速にもかかわらず、うねりのような感じですが、浅くなるにつれ速度は落ち波高が高くなるという特徴があります。
津波の伝搬速度(秒速)は√(9.8×水深【m】)で示され水深に比例するのがわかります。
水深5000mなら√9.8×5000=221.4、時速になおすと797キロというジェット機なみのスピードで進むわけです。ところが陸地に近づき水深が浅くなると津波のスピードが落ち、後ろ側の波が重なって(追いついて)どんどん波高は高くなるというわけです。従って徐々に浅くなる地形の沿岸は大きな被害を受けます。また、津波の波長(波頭から波頭までの距離)は数十キロから数百キロにおよぶため第一波のあと時間をおいて第二波がやってきます。またその引き潮も長いため、引きずり込まれると何キロも沖まで流されると言うこともあるようです。
ちなみに津波は英語でtsunamiと言います。
12月29日(水)
今日は水曜ですが、今年最後の診療です。
短かった1年でしたが、世界ではいろいろなことがありました。
国内では新潟中越地震、台風の大量上陸、プロ野球問題、拉致問題、未成年者の事件関係、振り込め詐欺など。海外ではブッシュ再選、イラク問題、アラファト議長の死亡、アテネ五輪そして今回の環インド洋の津波などですか。
私自身に直接関係のあったのは台風の大量上陸だけですが、それでも相当の被害が出ました。サクランボの木の倒壊、秋の収穫時期の柿の実の壊滅、雨樋の破損など(小さいなあ)です。
今年は総じて良いことの少ない年ではありましたが(毎年言っているような)、来年こそは皆様にとっても後から後から津波の如く幸運が舞い込む「驚くほど」すばらしい年になるようにお祈りしております。
今年も私のつたない診療(外)日誌をご愛読いただき誠にありがとうございました。来年も思いっきり何かに「つっこみ」を入れつつ頑張って日誌を続けようと思います。年明け6日くらいまでは日誌もお休みになると思います。
では皆様、綺麗なお年をお取り下さい。
2005年1月
1月29日(土)
昨日は隣組会という近所の開業員の先生方との会の新年会でした。結構お年を召した先生方や若手もおられてバラエティーに富んでいます。
その中で私が一番お会いするのを楽しみにしているのが内科のM先生。72歳の今も現役バリバリ、かくしゃくとして診療にあたっておられます。おじいちゃん先生ということでクリニックは患者さんも(失礼ながら)少なく、こじんまりと診療をしておられます。
この先生の趣味というのが勉強です。いまだ暇に飽かせて(またまた失礼)ランセット(権威ある英文ジャーナル)を購読して原文で読み、それは知識の深い先生です。
昨日は精神科の先生(この先生も3ヶ月クリニックを休んでアラスカにバイクで行ったという強者)もいらっしゃっていたのですが、その先生とも対等に精神科用語を駆使してお話ししていたのにはあらためて感心いたしました。こう書くと堅苦しい難しい先生のようですが、実にウイットに富んだお話を毎回聞かせて頂きます。
実にマイペースで診療もこなします。ある時クリニックのすぐ近所のおばさんが熱を出して往診を頼んだところ「ことわるっ」と言われたという伝説も残っています。よっぽど勉強に熱が入っていたのか話の様子で往診しなくても良いと判断したのかはわかりませんが、「ことわるっ」だそうです。
でもクリニックにちっとも悪い評判などがないところがすてきですね。
マイペースで余裕綽々な人生を過ごしたいものですね。
さて今日も夕方から中洲です。今日は1年ぶりの同門会があります。同門会というのは我が医局のOBやらが集まって親睦を深めようと言う会なのですが今回は新教授も決まって、ちょっと特別な会になるかも知れません。
私が式次第など作っているのですが昨年と違い、教授挨拶のところに新しい教授の名前が、また一番最後に名誉教授の挨拶など持ってきたりして粗相のないように作っています。
1月22日(土)
電車の中や公共の場所での携帯電話の使用はマナー違反とされていますが、一体なぜなんでしょうか。病院とかでは医療機器に影響を及ぼす可能性がある(見たことないけどね)とか飛行機の中では航行に支障を及ぼす恐れがある(携帯電話の電波くらいでジャンボは落ちるのか?)とか言われていますが、それ以外の場所ではどうでしょう。
混雑した電車の中では携帯電話の電波がペースメーカーに影響する恐れはあります(1センチくらいの至近距離にあれば)。映画館やコンサートの会場では完全にマナー違反です。
大声、だみ声で携帯されるのはイヤですけど、それって携帯での会話でなくってもイヤですよねえ。昔は携帯電話を持っているのが自慢でこれ見よがしに携帯を使っているのが不快といった理由もあったかも知れませんが、今は全員持ってます。小声で隣の人と会話しているのが許せるなら携帯だって同じですよねえ。それとも電車の中では話をするのもマナー違反なんでしょうか。
駅の公衆電話で話しているのは別に許せるでしょ?なぜに携帯?
携帯電話が普及してきた歴史に問題があったのかも知れません。最初はたいがいダミ声のオヤジなどがこれ見よがしに大声を張り上げて使用していた→最近はオヤジ化した女子高生などが所構わず使用しているという図式と、公衆の面前で化粧をなおしているのと同じような見られ方をする傾向があり一般にマナー違反となったのではないでしょうか。
どこかで読んだ話のパクリです。
電車の中で知らない男が携帯電話を受けました。
「はい吉田です、・・お世話になっております。・・・いえいえ銀河系だっただと思いますが。・・・はい、ドイツ製ですのでのりしろの分だけは1センチほどずれているとは思います。・・・公民館には納入しています。・・・裏地は赤がよろしいんですね。・・・オプションで500ギガバイト追加可能です。・・・いえ、木工用ボンドで十分です。では早急に100本追加発注しておきます。はい、恐れ入ります。」
って何の会話なんでしょうねえ。

昔の携帯電話
1月20日(木)
久々にうちの警備犬ジュニアの話です。7月中旬に生まれましたので丁度6ヶ月になります。母犬より一回り小さいくらいの大きさになりました。
延び延びになっていたのですが、登録と予防注射に行きました。体重は警備犬は11.5キロ、麻呂(ジュニアの名前です)は8.5キロほどでした。
さすが獣医さん、二匹にさっと注射しておやつをあげると犬どもはすぐになついておりました(こら警備犬はもっとキリッとしろ)。小さい注射2本で1万6千円とは痛かったのは私の財布でした。
獣医さんの所には犬慣れした猫がいました。警備犬が「遊ぼ」と寄って行くと猫パンチをパンパンパーンと3発食らわされて呆然としていました(こらっ、警備犬しっかりせんかい)。

葉っぱをくわえて来てご機嫌を取る麻呂
1月18日(火)
下世話な話で恐縮ですが、最近ワイドショーで石田純一をよく見かけます。朝食時間と昼休みの間はワイドショー花盛りでつい見てしまうのですが石田純一、私と年も近いので気にかかります。
数年前まだ長谷川理恵とお付き合いしていた頃、顔中レーザーのシミ取り跡だらけでテレビに出ていたのを思い出します。50もなればシミの一つや二つは出来ますが、若い女優さんとお付き合いするために頑張っているなあという印象を受けたものです。
トレンディードラマ(だっけ?)の顔だった石田ですが、最近はどちらかというとバラエティー系で売っていますね。多少貧弱な感じが如何かと思う(意見は分かれると思うが)のですが、もてるんですねえ。確かに50歳にしては若々しく、そこらへんのオヤジとはひと味違います。
男盛りっていうのは何時の事なんでしょうか。私が20歳くらいの頃は同い年くらいのタレントがたくさんテレビで活躍しているのを見て「今が旬だよなあ」などと思ったものです。30代でも40代でも多少の違いこそあれ大体同じようなことを感じてきました。つまり人間というのは自分の尺度でしかモノを見ることが出来ないのでしょうね。ただ、50歳を過ぎ、60歳代になってみるとまた違った感触なのかも知れません。
人間80年。完全に復路に入った人生です。若さがうらやましいという感じより今からが男盛りと思って頑張ります。ダイエットしようっと。
1月17日(月)
阪神淡路大震災からちょうど10年、当地では朝から雷鳴がとどろき雹の降る震災の犠牲者を弔うような荒れた一日の幕開けでした。
10年前の地震の直後大阪大学を訪れました。大阪の街はそれほどの被害を被ってはいませんでしたが、電車から見る景色のそこここには爪痕の多少を見て取ることが出来ました。
あらためて阪神淡路大震災、新潟中越地震、スマトラ沖地震の被災者の方々にお見舞いを申し上げます。
さて、今日は防災グッズについて考えてみました。
一般にはフラッシュライト、ラジオ、乾電池、食料、水などが考えられますが最近の状況を考えてみると、いわゆるサバイバルグッズではなく、避難所での暮らしを支える品のほうがクローズアップされているようです。
今朝の番組ではよくあるカンパンなどは硬くてお年寄りなどには不向きなので柔らかい缶詰のパンが開発された、とかトイレの水が不足したのでバケツが役に立ったとかの報道でした。
確かにその通りです。よりおいしいもの、便利なものがあったに越したことはないでしょう。
しかし、本当の意味の緊急防災グッズとはちょっと違いような気がしました。
つまり、災害直後に生き残るためのグッズと生き残ったあとしばらくの間不便がないようにするためのグッズかどうかで内容は少し違うと言うことです。
1.生き残るためには
がれきの下に埋まってしまって救助を待つと言った状況が考えられます。この場合必要なのは数日間命を繋ぐための緊急食料、水、外部に知らせるための道具などになるでしょう。生き延びるためにはうまいまずいはありません。高カロリーの携行食と水がもっとも重要ですし、ホイッスルやナイフだって重要です。
2.かろうじて生き残った場合
ようやく避難し避難所での生活が始まります。親類の生死もわからないし途方に暮れます。こんな時には暖かい食事や毛布、お薬、携帯電話の電源、トイレの確保なども重要になってきます。
ですからまずは防災の意識を高め、常備しておくべきモノを考えておくというのが大切でしょうね。
九州は地震や津波などの天災は比較的少ない地方です。数百年に1回の天変地異に備えるより小学生の娘の安全登校を考える方が現実的かもしれません。しかし、天災は忘れた頃にやってきます。
阪神淡路大震災10年の今日、少しだけ防災について考えてみては如何でしょうか。
1月15日(土)
青色発光ダイオードの発明に対し、8億円ほどで和解となるようです。青色が発明されたからと言って何が画期的なんでしょうか。青が綺麗と言うだけのことなら大したことはなさそうです
人間が光として見えている可視光は、赤・緑・青の三原色の光でできています。従来から商品化されている赤と緑の発光ダイオード(LED)の他に、青色の発光ダイオードが加われば、LEDディスプレーがフルカラー表示することが出来るようになるのです。
今まで欠けていた一色が加わってようやく全部がそろったと言う意義があるわけです。
さて当初はこの発明で企業があげた収益は1200億円に達し、発明の貢献度はその半分の600億円にあたるとされました。職務発明と言いますが、企業の一員として働いている間の発明の個人の立場についての問題です。
私たちが医局にいる時、発表する論文などは普通複数の名前での投稿となります。ファーストネームは論文を書いた本人、セカンドネームに共同研究者や指導教授などの名前が入ります。つまりその論文は何人かの共同の研究、あるいは医局の業績として評価されます。もちろんファーストネームの人が一番評価されるし、その人本人の論文という実績になります。世界で初めてという画期的な手術の論文であっても特許でも申請しない限りは誰が同じような手術をしようが一向に構いませんし、そもそも誰もが同じような治療を出来るために発表するのが論文の本意なのです。
企業の場合は画期的発明は特許制度で守ってもらって自社で独占的に製造販売するのが一番良いのは当然です。会社の社員が家で画期的な洗濯ばさみを発明したとしても、これは問題なくこの人の発明ですが、会社で会社の施設、資金、人員などを使って研究し発明したモノについては当然会社に権利が発生するでしょう。
つまりは契約なんですね。発明に対してどのくらい会社の設備や資金を使ったかなんて算出しようもありません。またその発明でどのくらいの利益が出るのかも最初は予想はつきません。発明の会社に対する貢献度(収益)などで最初からきちんと契約がなされてないことがすべての元凶ではなんでしょうね。
1月14日(金)
さてあっという間に1月も半ば、朝の犬の散歩も寒いけれど多少明るくなってきました。大災害や天候異変にもかかわらず地球は着実に時を刻んでいるのですね。
っと思ったら、この前のスマトラ沖地震で地球の自転速度がちょっぴり速くなっているようです。
海底のプレートが潜り込む際に大きな質量が地球の中心部分に向かって移動したためフィギャースケートで腕を縮めると回転が速くなるように地球の自転速度も若干速くなったと言うことです。その差1日に100万分の2.68秒。まあそれが測定出来たというのも驚きですが、自転に変化を及ぼすほどの地震だったというのも凄いです。
地球の自転は月との潮汐力によって起こる潮の満ち引きと海底との摩擦によって徐々にブレーキがかけられていますのでしばらくすると元にもどるのでしょうか。
1月13日(木)
今朝のテレビで北朝鮮産のアサリの話が出ていました。日本で食べられているアサリのうちの4分の1が北朝鮮産ということです。日本からの輸出は約100億円、輸入は約200億円になると言います。
経済制裁という言葉をよく耳にします。政府はまだ慎重に構えていますが民間レベルでの不買運動という措置も最近はよく聞こえてくる言葉です。
北朝鮮産のアサリを食べないようにしましょうって言ってもどのアサリが北朝鮮で獲れたものでどれが国産かなんてわかりません。輸入業者もわざわざ北朝鮮産なんて表示しないのでしょう。原産国表示の義務なんてあってなきがごとしのようです。私自身アサリのみそ汁やらアサリバターやらが大変好きなのですが、今まで北朝鮮産のアサリというのを見た事がありません。せいぜい国産か中国産かの表示を見たくらいです。
素朴な疑問なんですが、そのアサリやカニって北朝鮮国内では流通しないのでしょうか。
北朝鮮の拉致問題への不誠実な対応、腹立たしいですね。加えて最近は核ミサイルの開発にも余念がなく我が国にも撃ち込む可能性がないではありません。開発技術がないなんて悠長なことを言っている場合ではありません。不正確に飛んでくるミサイルの方がもっと危険です。
さて経済制裁や不買運動という手段を行使すると一体何が起こるでしょうか。
相手側はかなりの窮地に陥っているため、かえって窮鼠猫を噛むのことわざどおり大変な事をしでかさないか。
かなりの取引量であるため、我が国の業者も相当な打撃を受けるのではないか。
経済制裁が首脳部より罪もない民衆への圧迫にならないか。
はたしてそのくらいのことでかの国の政治が変わるのか。
等々の疑問も湧いてきます。
今の状況が打開できるのならアサリやカニなど喰わなくても何ともありませんが、システムとしてきちんと国民が理解しなければ効果的な事は出来ないような気もします。
1月11日(月)
成人の日ですね。昔は1月15日に固定されていましたので何かピンと来ません。さて、恒例の全国の成人式のバカ成人の暴れぶり、見ました?
日本は今やアジアの中で見習うべきモノのない最低の3流の国家に落ちてしまったようです。未来を担う新成人があれでは我が国もおしまいですねえ。自由の国日本とはいえ、これだけ若者が堕落している国があるでしょうか。
オリンピックを目指す若者やボランティアで戦地に赴く若者も居る中で、このような「ほかにも何かすることあるんじゃない?」という態度を見て腹立たしい以前に恥ずかしい思いをしている人は少なくないでしょう。
善し悪しは別としても北朝鮮の二十歳の兵士の方が、金色のバカ殿風羽織袴の新成人より少なくとも私は共感します。北朝鮮の政策や上層部の考え方には断固反対ですが、どのような形であれ国家を想う若者というのは純粋です。けっして軍国主義や国家主義を良いと言うのではなく平和ぼけした日本の目立ちたいばっかりの根性なしよりは良いかも知れんと言っているのです。
万が一北朝鮮が攻めてきたら(物騒ではあるが)、このような若い兵士で日本は守れるのでしょうか。多分強大な敵にへらへらと作り笑をした1秒後には蜂の巣になっているでしょう。
(一部最近の「若者は」的な発言や軍隊制度の是非を云々するような内容ともとれる部分がございますが、すべて気のせいです)
土曜は今年初の新年会でした。近所の形成のS先生、皮膚科のS先生と3人です。皮膚科のS先生、日頃から患者さんをご紹介いただいたりして懇意にさせて頂いている先生なのですが、なかなかにユニークな人です。
年末からあるロシアンパブの踊り子嬢にはまっていて大変です。独身なので何をしようが勝手なのですが、何だか怪しげですよねえ。何週間か通い詰めてメル友から食事をする仲になったようですが、今日の彼は元気がありません。聞くとナターシャ(その名前からしてそれっぽいが)とは別れたそうです。彼女は遠くベラルーシに彼を置いて帰って行ったようです。
それだけかと思って慰めていると、後にどこかのハゲオヤジがナターシャの写真を持っていて、不思議に思って尋ねると一晩いくらの女性だったというのが判明し、そのことが痛くショックだったようです。今どき純と言いますか、そんなに思い詰めるなら一晩でも共にすればよかった(お金でも解決可能であった)のにと思ったのは私だけでしょうか。
(一部非合法な職業のお話が含まれており、またそれを推奨するような内容ともとれる部分がございますが、すべて気のせいです)
1月7日(金)
さあて、正月気分からは早めにおさらばして仕事モードに入ります。
昨日から表の HPをリニューアルしようといじくっていましたら何か変な具合になってしまいました。
裏と違って大勢の患者さんが訪問し、見られるページですので大変です。ページ数も長年の間に膨大なものになりリニューアルするのも一苦労で、ついくじけてしまいます。
この日記も黒の背景色が不評だったのでこんな風にしてみましたが、基本は黒が好きで、表のページも黒にしてしまいそうです。クリニックのHPが黒基調というのは何だかいけない気もしますねえ。
明けましておめでとうございます。
本年も当ホームページをご愛顧頂きますよう、お願い申し上げます。
1月6日(木)
今日から新しい一年の始まりです。この一年地域医療に微力なりとも貢献できるよう研鑽を積みたいと存じます。
さてお正月の休み中、熊本に行ってきました。と言っても2泊3日の短い旅行ですが、毒ヒヨコあこがれの宮沢アニマルトレーナーに会う旅です。
天気が心配でしたが、雨にたたられることもなく、また雪で車が通れないなどのトラブルもなく快晴の阿蘇を楽しんできました。
阿蘇のカドリードミニオンでは宮沢トレーナーと有名チンパンジーの「パン」君のショーを見、サインをもらって(パン君と宮沢さん)ご機嫌でした。
しかし、チンパンジーの才能はうちの猛毒ヒヨコより間違いなく上を行っているのを確信しました。

宮沢トレーナーと天才チンパンジー「パン君」
阿蘇の牧草地で思いっきりカイトを揚げました。家の近くでは電線などがあったりして思い切り揚げられませんが、この通り阿蘇では遮るもの一つない空間で糸があるだけ揚げることができました。

300mくらいは揚がりました
2005年2月
2月28日(月)
土曜はワイン会でした。ホント飲んでばっかりのように見えますが、すべて気のせいですので誤解なきよう。
さて、今回は高校の同窓生が10人ばかり集まって時にはちょっと粋に、ということで企画しました。友人のソムリエにチョイスしてもらったワインを7種類7本を創作フレンチに合わせて頂きました。いつもは居酒屋でわいわい飲むのが常のわれわれですが、今回は多少大人の気分です。
ワインは女性に合わせてミディアムボディーくらいのものばかりでしたが、すっきりとした味わいの、アロマがゆっくり開いてくるようなタイプをそろえて頂きました。
食事も女性好みの懐石風フレンチでしたが、ヒラメのバルサミコ仕立てのカルパッチョから始まって肉料理までワインの流れにきちんとマッチした料理を用意してもらいました。
同窓生もみんな満足げで開いた甲斐がありました。
昨日、娘が庭でハムスターの小屋の掃除をしていると、不用意にハムスターを浅い箱に入れていたので、警備犬が噛みつきました。
警備犬としては「変なイキモノがおるさかい、一応噛んどこか」と言う感じだったんでしょうが、ハムスターとしては青天の霹靂です。ボロ雑巾のようになって仰向けでピクともしません。
見た瞬間「もうだめだなあ、こりゃ」というと毒ヒヨコどもは大泣き大合唱です。
「まだ、生きてるよ」毒ヒヨコ壱号がすぐに手のひらに抱き上げて言うので見てみると、確かに目を開けて息をしています。
死んだふりだったようです。ハムスターは恐怖の絶頂に達すると仮死状態となってしまうようです。もっと悪い場合はショック死ということにもなるようです。
今朝もハムどもは元気に動いておりましたが、警備犬は昔、我が社に侵入したモグラを見事に退治した経歴の持ち主ですのでさすがに今回は毒ヒヨコどもも学習したでしょう(確かそのときも泣きながらモグラを土に埋めていたような気もしますが)。
2月26日(土)
株などは「株大根」くらいしか買ったことがなく全然わかりませんが、日本放送はどうして4700万株もの新株を発行することが出来るのでしょうか?
紙幣を勝手に印刷するような感じに見えるんですが。
40%もの株を買い占められたら、全体の株そのものを増やせば買い占められた割合が下がるのは小学生もわかります。そんなに単純なことをpoison pillなんて大げさな名前で呼んでいるのでしょうか。
2800億円もの資金が要るようですが、こうすれば今度はフジテレビが日本放送の親会社になれるようです。わけわからん。
素人考えで実は単純な話なのかも知れませんが、わかる人教えてください。
2月24日(木)
ジムに行くと、いろいろな方がおられます。毎週水曜に行くことが多いのですが、さすがに平日だけあって先日書いたように「おばさま」達が多いです。
その中にあって必ずお会いする会社員の方がいます。会社員かどうか確かめてはいないのですが、地味めのスーツを必ず着用している雰囲気からして判断しました。スーツ姿に小さいデイパックを担いで来る、一見どこにでもいる感じの小柄なサラリーマンです。
しかしです。それは世を忍ぶ仮の姿で、いったんスーツを脱ぎ捨てると、そこにはスーパーマンじゃなくてスーパーサラリーマンが出現します。筋肉がモリモリと言うわけではないのですが、無駄のないアスリート体型で、ぴっちりしたタンクトップが素敵です。
私などは命からがら自転車を漕いだり、息も絶え絶えに走っているのに彼は顔色一つ変えずに1時間以上。時速8キロくらいで走っています。
そのあとは直ちにウエイトトレーニングに入ります。彼は100キロ以上のバーベルを難なく上げ下ろしして鍛えております。
目を転じると、60歳くらいのおじさんがバーベルをしています。年寄りの冷や水だと思って見ていると腰に革のベルトを巻き、本格的な出で立ちで取り組んでいます。懸垂などもすいすいこなす恐ろしくパワフルな60歳でした(恐れ入ります)。
さて私はというと、その甲斐あってか若干のウエイトダウンの傾向が見え始めました。2キロ減程度なので、未だ体制には影響のない範囲ですが、良しとしましょう。しかしウエイトトレーニングの影響で腹直筋などは、かなり鍛えられているはずです。
「はずです」というのは、現時点では体脂肪率はそのままでも、多分体内では恐ろしいデビルマン的な変化が起こっているに違いないと思っているという話です。ただ、現時点では体表を覆う脂肪層のためかCTなどを使用しなければ現象としては捕らえられないのが残念です。
2月22日(火)
見栄えの良いホームページを作るのは容易ではありません。ずーっと作業しているのですが、なかなか出来ません。
一つはコンテンツを充実させるため、コツコツと書き直し、書き足しをしていること、IEだけではなく他のブラウザでの動作確認をしながら作業していることなども時間がかかっている原因です。めんどくさい。
作り始めると凝ってしまうのが行けないんですが、ついあーでもない、こーでもないといじってしまいます。で、そのうちどこかでリンクが切れてたりします。ああ。
2月19日(土)
いつもいつも飲みに出ているように思われるかも知れませんが、そうではなく気のせいです。
昨日は30医会という会に行ってきました。昭和30年代生まれの医師の会です。30年から39年までの方々がいらっしゃるわけですのでまあ、幅が広いと言えば広いです。家内と小学校が一緒だった先生や私の大学時代の同級生が偶然居たりして楽しく過ごしました。
皆さんと別れた後は悪友S先生といつものバーへ。
ポールジロー50年を痛飲してから帰りました。
2月18日(金)
先日、北九州角打ち文化研究会(角文研)の会合に行って参りました。
研究会と言えば聞こえも良いですが、北九州のどこぞの酒屋のカウンターで立ち飲みましょうという会です。
異業種の方々と飲むのは楽しいですね。
実を言うと私の母の実家は昔からの酒屋で、小さいとき母に連れられて行った時のお酒の匂いは今でも覚えています。今、酒屋さんというのはコンビニやディスカウントの店に駆逐され、どんどん無くなって行っています。昔は酒屋さんがお酒を配達してくれたりする光景はよく目にしていましたが今では見ることもありません。
角文研のように昔からの酒屋を大事にして飲むというのは意義のあるコトだと思います。
2月15日(火)
バレンタインデーも何事もなく(泣)過ぎ、雨の火曜です。
ジムに行くとバイク、ランニング、マシンのメニューをこなし風呂に入って帰るのを常としておるのですが、ちらちら横からはスタジオではエアロビの軽快な曲などが聞こえて参ります。水分補給の折りなどにちらっと覗くとおばさま(大多数)、おじさま(ごく少数)、おねえさん(ごくごく少数)、おにいさん(まずいない)などがが若いインストラクターの指導に従ってナニヤラ踊っておられます。
観察するにここに参加しているおばさまのうちの70%くらいはフリークと言いましょうか、相当に気合いの入った服装で毎日のようにお出での方々のようです。60歳を超えるようなおばさまもかなりな引き締まった体つきをして、あまつさえ「へそ」さえ出そうかという勢いのレオタード姿の面々がそろっております。
その方々が一汗かいてマシントレーニングの場所にお出でになることがあります。私も息絶え絶えになりつつ大胸筋だの広背筋などを鍛えておりますと臍を出しだし歩いてくる訳です、おばさまが。
あ~、その「へそ」等につい目が行った私が情けない。
2月12日(土)
昨日は寒くはありましたが天気は良く、長いこと洗ってなかった車を洗いました。この前縁石で擦ってアルミホイールを傷つけてしまったのですが、あえて目をやっておりませんでした。
まあ、ホイールなど下駄みたいなものですから多少傷ついても当たり前なんですけど。
さて、洗車のあと生まれて初めての経験をしました。生まれて初めての経験など、ここのところしたことがなかったのですが昨日致しました。
大したことではないんですが、娘をバイクに乗せました。いやあ、自分の娘をバイクに乗っけるなんて今まで考えたこともなかったので多少の感慨がございました。
昔々、私が小学校の時初めて父親のバイクにタンデムしてツーリングに出かけました。ツーリングといっても往復5時間程度のバイク行でしたが、父親の背中に何時間も密着して過ごすなんて経験はそうはないので今でもオヤジの革ジャンの背中の感触を覚えています。彼女ももしかしたら初めての経験を覚えていてくれるかも知れません。
2月10日(木)
朝、「額をパックリ切ってしまいました。そちらで処置ができますか?」という電話が受付にありました。受付嬢も急患扱いで「じゃあ、今すぐ来られて下さい」ご予約の患者さんがいましたが臨機応変受け答えしたようです。すると「いや、仕事があるので夕方来ます」
な~んだ大したことない傷なんだ、と少々拍子向けしました。しばらくしてまた電話が・・「仕事が抜けられそうなので1時半ごろ行って良いですか」「2時半までは昼休みですが、2時半からはご予約の患者様がいらっしゃいますので3時ごろに来て頂けますでしょうか」先ほどの話から受付嬢も優先順位を見極めたようです。
ここらから態度が変わって参ります。「1時半ごろ行けると言っているのに昼休みだというなら2時半からの診察は私を一番に診るべきだろ!」
はあ???
結局、貴重な昼休みの間に来ていただいて縫合処置をいたしました。
これって私のクリニックのサービス不足なんでしょうか。
感性というか、考え方というか、少なくとも私には理解不能なご意見ではございました。
2月8日(火)
風邪が抜けきれずに鼻水は続いています。
暇に飽かせて「おしゃれ小物講座」を更新しましたので奇特な方は見てやって下さい。
2月7日(月)
立春も過ぎ、多少暖かくなってきたような気もします。昨日の日曜はヒヨコどもを連れてトイザらスに行ってきました。お年玉で(昔流行った)たまごっちを購入した模様です。さっそく家に帰って育てておりました。
私はというとトイザらスのラジコン売り場を見ていてふと思い出しました。
ラジコンの戦車か何かにテレビカメラを搭載すれば搭乗している気分が味わえるのではないか。プラモデル作りに夢中になっていた小学生くらいの頃、そのような現実離れした夢を描いておりました。だってラジコンはあったものの、それに搭載できるような小型の、しかも無線のカメラなんて絶対入手出来ませんでした。ところが今ではラジコンはもとより、このようなカメラも非常に安価に入手可能です。
実際ネットで検索すると、そのような改造をして楽しんでおるヒトビトがかなりの数いるのがわかります。あまり凝った作りにしなければ全部で2~3万円もあれば出来るようです。出来たらまた報告しましょう。
2月4日(金)
鼻が痛あ~~い。
数日前から喉も痛かったのですが、微熱と筋肉痛と鼻水、鼻づまりが著明です。鼻翼基部というのは軟骨が入っており皮膚も硬いので、このようなティッシューの連続的な擦過刺激には弱いのでしょうか。それとも鼻水の中には何らかのエイリアンっぽい溶解成分でも混じっているのでしょうか。あるいは相乗効果か。
もともとそれほど繊細ではないので花粉症やアレルギー関係の病には無関係のヒトですが、今回は鼻が痛い。
花粉症ではないと思いますが、気持ちはわかるような気が致します。
カウンセリングをしていても途中から明らかに声が違ってきて油断すると鼻水などが滴下してきそうな勢いです。
こんな医者には手術してもらいたくないですよねえ。
Goliveのコピー、ペーストが変です。もう一つの表版にこの日記をペーストすると不意に終了してしまいます。このバグ、どなたか対処法教えて下さい。
2月1日(火)
朝から小雪の舞う寒い2月の始まりです。
今月は28日しかないので油断していると知らないうちに3月になってしまいそうです。
同門会の翌日の日曜、博多から少し足を伸ばして日田に行ってきました。日田は以前勤務したことのある病院があり、多少の土地勘のある所ですが、もう10年以上来てないのでマッハ号のナビに頼りました。
博多から約1時間の高速ドライブで昼過ぎに目的地に到着。
実は日田には有名な(知る人ぞ知る、知らない人はぜんぜん知らない)バイク屋さんがあり一度行ってみたかったんです。Nモータースというこじんまりした店舗は最初はうっかり通りすぎてしまうほどの地味さでした。しかしいったん中に入って宝の山に目を見張りました。
この店はずーっとBMWのミュンヘナー(後述)を中心に取り扱っており、古いバイクのレストア、修理などを行っている店です。ご存じのように私もしばらく前にR26というBMWのバイクを入手し、可愛がってきたのですが、このバイクの古い親類達がどのように活躍しているのかをこの目で見たかったんです。
BMWというと高級外車のイメージが強いですが、もともとミュンヘンに1917年に航空機エンジンの作成を目的に作られたBFWが前身で、その後BMW(Bayerische Motoren werke)となりました。ただ、すぐに第一次世界大戦で敗戦し、ご存じ1919望月ベルサイユのベルサイユ条約でドイツは航空機の製造を禁止されたため船やバイクのエンジンの制作に移行したのが始まりです。ですから礼のBMWのマークは青空を飛ぶ飛行機のプロペラのイメージでしょ。
1969年のR69Sがミュンヘン工場で作られて以降は今のバイクの姿に近い、セルモーターを搭載した近代的バイクがベルリンの工場で作り始められました。それゆえR69S以後のモデルをベルリナー、R69S以前の低く長い、クラシカルなスタイルのバイクをミュンヘナー、旧タイプ、アールズモデルなどと呼ぶことがあります。
またそれより前の戦前から1955年くらいのモデルは旧旧タイプとかテレスコモデル、プランジャーモデルと言います。

私のR26(ミュンヘナー、旧タイプ、アールズモデル)
さてNモータースには各種ミュンヘナーがありましたが、どれも売り物ではありません。このようなバイクは店頭に陳列して売られているようなものではなく、たいがいは修理やレストアの依頼で店頭に置いてあるだけです。この日も旧旧タイプのR51やR67、R68(多分日本に数台しかない)旧タイプのR50、R60、、R69Sなどがいました。通常こんなにたくさんのバイクが店頭にあることは少なくラッキーだったようです。
私は最新のベルリナーにはまったく興味がないのですが、ミュンヘナーにはカメラのライカと同様の愛着を感じます。
旧ドイツの工業製品に対する信仰心ではありませんが、どう見てもこの頃の製品は美しい。半世紀を経過してなお、実用どころか地球を半周した人(Kモータースの親父さん)もいます。それでいて官能的とも言えるその姿に何時間か我を忘れて見入っていました。
2005年3月
3月31日(木)
いよいよ3月も終わりです。明日から新年度の始まりですね。
昨日今日の春らしい陽気で隣家のしだれ桜も開花しました。桜の見頃はたった一日くらいしかありません。見逃さないようにいたしましょう。
しだれ桜(一分咲き)
庭では馬酔木(あせび、あしび)の花も咲いています。
枝葉に「アセボチン」という有毒成分を含んでいて馬が食べると酔って足がなえることから名がついています。
馬酔木
先日惑星直列の話を書きましたが、読者よりご指摘を頂きました。
ご指摘その1
惑星の会合周期の最小公倍数と言いながら単にかけ算しているのはおかしい。
言い訳その1
その通りです。大きな数の最小公倍数を求めるのは結構たいへんです。
ですからかけ算で代用しました。確信犯です。済みません。
ご指摘その2
冥王星の公転軌道は黄道面から17°ほどずれているので一直線に並ぶのにはもっと時間がかかるんではないか。
言い訳その2
言い訳のしようもありません。その通りです。単純に会合周期から求めても各惑星の軌道を黄道面に投影した二次元的な位置を示しているに過ぎません。従って冥王星のように公転面が黄道面とずれていれば黄道面と交わるのは1公転に2回(124年に1回)しかないので、実際はずっと長い期間がかかるに違いありません。
ご指摘その3
公転軌道の離心率を考慮していない。
言い訳その3
その通りだと思います。特に冥王星などは離心率が大きく、すごく細長い楕円軌道を回っています。と言うことは公転速度も一定ではなく、考慮しなければならない要素になるのかも知れません。
高校でも大学でも物理が大の苦手だった私は1対1の作用反作用を考えるのも不自由な頭です。ちょっと知ったかぶりをして書いたのがいけませんでした。もう少し、勉強しま~す。
3月29日(火)
宿便という言葉をよく耳にしますね。
水道管の内側にこびりついたヘドロのように腸のヒダにこびりついた便みたいなイメージでしょうか。こんなモノが体の中に徐々に貯まってくると悪玉細菌が繁殖し、ひいては全身に毒が回ってしまうようです。怖い。
でもちょっと待ってください。私も今までたくさんの腸の手術をしましたが(形成外科で食道を再建するときには腸を使うことが多い)、うんこがこびりついた腸を見たことがありません。もちろん腸の手術をする前には浣腸をかけて便を綺麗に出してしまうのですが、宿便のようなイメージのモノを見たことがありません。
腸の表面は粘膜で覆われています。口の中と同じですね。口の中に食べ物のカスなどがこびりついて取れないなんて経験ありますか?
そう、粘膜という組織はいつも湿っていて何かがくっつかないように出来ています。まして腸の粘膜は蠕動という微小な運動をしており、ヒダに何かがこびりつくようなことはありません。もしあったとすれば粘膜の機能不全であり、腸自体が壊死していたりする可能性があります。腸洗浄どころの話ではありません。
今、このような疑似科学(一見科学的なもっともらしい理由を付けた俗説)を元にした商品が出回っています。宿便を取るお薬だったり、マイナスイオンだったり、やせ薬だったりする訳です。
その商品自体の効果に文句を言うつもりはありませんし、すごく良い製品かも知れないのに疑似科学の説明を付けた時点で信憑性がゼロになるっつーのがわからんかなあ。
3月28日(月)
土曜の夕方から東京に行ってきました。新型のレーザーを見学です。1600万円ですって!フェラーリだって買えます。まあ、フェラーリを欲しいとも思いませんが、レーザーは患者さんの治療に、フェラーリは自分の心の癒しに使用する道具なんでしょうねえ。
日曜の午前中少し時間があったので銀座界隈をぶらつきました。
銀座には中古カメラ店がたくさんありますので、数店パトロール。ちょっと足を伸ばして新宿の中古カメラ店もついでにパトロール。ちょっと欲しかったローライ35もあったけど、ぐっと我慢(泣)。
この日はお天気も良く、春らしい陽気で銀ブラ(古いか?)をする人も多かったです。気が付いたのは歩いている人にカラス天狗の多いことでした。三角っぽい紙製のマスクを着用した人が多いのがものすごく目立ちます。この陽気のせいで花粉も良く飛散しているのでしょうか。周りを見渡せば必ず何人かのカラス天狗にお目にかかりました。
天賞堂角の天使
天賞堂は有名な鉄道模型の老舗です。銀座に行ったときはいつもついでにちょっと覗きます。
前々から気になっていたんですが、通販とかの健康食品やグッズなどに推薦人として登場する人物のことです。
多くは知らない人です。中には医学博士やどこそこ大学の名誉教授なんて人もいます。
(時には有名なミンダナオ大学名誉教授も登場致します)
下の写真はひげ抑制クリームという商品なんですが、「私がお薦めします」という推薦人がやはり登場しています。拡大してみると白衣を着ているようにも見えますが、よくはわかりません。また名前のみで肩書き等も見あたりません。っていうか誰?
この商品の効果は知りませんが、この見ず知らずのおじさんに勧められてもねえ。安全とか言われても何か信憑性も説得力もなくないですか?
このおじさんを起用したのはどうしてなんでしょうか。顔がお医者さんらしいとか(お医者さんかも知れません)、編集部の人間だったとか(本物の研究者かも知れません)だからなんでしょうか。
この商品を買おうとしたとき、このおじさんの一言が決め手になることがあるでしょうか。逆に売り手の方はそれを期待しているのでしょうか。
さっぱりわからん。
3月26日(土)
海洋深層水というのをよく耳にしますね。
冷やされた海水は密度が大きくなって(重くなって)海底に沈んで行きます。海の表層数十メートルは波風の影響や対流によってかき回されていますが、いったん深い所に沈み込んだ水は低い温度を保たれ表面には上昇してこれず、一年を通じてじーっとしています。
またそのような深い所には太陽光が届かないので海草や植物性プランクトンの光合成が行われず、そのため、植物の生育に必要な窒素やリンなどの無機栄養塩がそのまま残っています。また、環境汚染の影響を受けることが少なく大腸菌などの細菌や化学物質に汚染されておらず、きれいな水だと言われています。
こんなに綺麗でミネラルの多い水ならミネラルウオーターにして販売すれば良いというのは誰でも思いますよねえ。
でも塩からいですよ、とても飲めたものではありません。
ですから塩、塩化ナトリウムを何とか取り除かなくてはなりません。
逆浸透膜などで濾過すれば取り除けますが、他のミネラルも一緒に抜けちゃいます。じゃあ、後で入れれば良いんだ。
でもそれって、海洋深層水なの???
3月25日(金)
地震のことから惑星や衛星の潮汐力のことを思い出しました。
惑星直列って知っていますか?
水星から冥王星まで一直線に並ぶことがあり、その合計した引力(潮汐力)によって太陽に影響を及ぼし、地球では天変地異が起こって壊滅的な打撃を受けるであろう、なんて言う話です。
そもそも惑星全部が一直線に並ぶことってあるんでしょうか?
まず太陽と地球を結ぶ線上に、ある惑星が来る周期の最小公倍数を取れば全部の惑星が一直線に並ぶ周期を見つけることが出来そうです。幸い太陽-地球-惑星が一直線に並ぶ周期というのは惑星ごとに会合周期と言ってわかっています。
惑星
水星
金星
火星
木星
土星
天王星
海王星
冥王星
会合周期(日)
115.6
583.9
779.9
398.9
378.1
369.7
367.5
366.7