ドクターMの回想録
4.怪しの美容外科 特に女性雑誌の後ろの方の広告は美容外科のが多いですよね。○○クリニック、△△美容外科、××スキンケアクリニックなんてのが目白押しです。全国紙(アンアンとか)の1ページの広告費いくらくらいか想像つきますか? 昔〜し、ちょとの期間友人に乞われて大手の美容外科でバイトをしたことがあります。全国に5店舗ほど持っている中堅どころのチェーンクリニックでしたが、雇っている医師が足りないため、地方支店の手伝いがいるという訳です。それで日曜にバイトに行っていたということです。 まず、最初に感じたのは、院長のあまりの形成外科の知識の無さでした。もちろん手術の結果は知識だけではなく経験とかいといろの要素があるので一概に悪いとは言えませんが、ちょっとねえと思うことが多かったのは事実です。日曜だけでしたので大きな手術は避けていましたが、今思うとちょっとした治療でもその場限りの私が行ったのは患者さんに対して申し訳なく思っています。皮膚移植が必要な患者さんがいて院長が自分は出来ないので(形成外科なら皮膚移植は基本中の基本)、本社まで来てやってくれないだろうかという申し出がありました。 新幹線で3時間かけて本店まで出張し、治療を行いました。治療自体はまったく問題なく終わり、その夜院長が私を食事に誘ってくれました。ホテルも取ってくれ、連れて行ってくれたのは某有名シェフの店、食事を堪能しました。その後何を気に入ってくれたのか私を自宅まで招待して自慢の車を見せたいと言うのです。 余談はさておき、このように当時美容外科というのはバカ儲けをしておったわけです。その状態を不思議とうらやましいとは思いませんでしたが、今になって思うと院長は賢者との訴訟とかいろいろ問題も抱えていたようです。ポルシェはそんなストレスを跳ね返すための道具だったのかも知れません。 我が社は零細企業ゆえ、儲けもあまりありません。そういうストレスを跳ね返すのは仕事が終わった後の1杯のビールです。 あ〜あ、つつましすぎ(泣)。 |