BMW R26
R26は1955年から1960年までの間に作られたバイクです。R25/3というバイクの後継車として生産された単気筒モデルです。フロントにはアールズフォークを装備し3万台も売れた人気モデルだったようです。ソロで最高速128キロは当時ではトップクラスです。エンジンはOHV単気筒、排気量245cc、出力15ps/6400rpm、乾燥重量158Kgです。 この後に発表されたR27は改良型ですが、高速タイプの性格に変わりました。R26はおとなしいお姉さんという位置づけです。 時代は大型で高速のバイクに移っていき、シングルエンジンは時代の中に取り残されました。同じ旧タイプでもLeicaに例えるとM型とバルナック型の違いような感じでしょうか。 さて、実車ですが、50年近く経っているとは思えないほどしっかりした作りです。がっちりしたフレームに鉄のかたまりみたいなエンジンが載っています。シリンダーヘッドはBMWを見慣れた人ならすぐにそれとわかるような特徴ある形状です。 私が子供の頃父親がライラックやメグロ(カワサキの前身)に乗っていたのですが、そのバイクが今あったとしてもこれほどしっかりした作り込みであったかどうかわかりません。 乗ってみると確かに振動はあります。R27と違ってエンジンがラバーマウントされていませんのでお尻には相当の振動が伝わってきます。しかし、わたし的にはあまり気にはなりません。 写真でもわかるようにウインカーはバーエンドに後付したものです。バックミラーもハンドルバーにクランプしています(振動であんまり見えんけど)。
車重は160キロ程度ですがスレンダーな体つきのせいで足つきもべったり、取り回しも楽ちんです。250ccですので車検がないのも◎ですね。 電装系も思ったよりしっかりしていました。整備がしっかりしていたのでしょう、ヘッドライトもウインカーも明るく点灯します。 スタートの加速が悪い点以外は本当にストレスなく乗れるバイクです。女性が乗っても様になるんじゃないでしょうか。長距離はきついかも知れませんが、街乗りにはちょうど良いです。近くのコンビニにでもちょこっと乗っていける気軽さがあります。水平対向エンジンではないため車幅が狭く車間のすり抜け性能もなかなかでした。 細部には50年来の歴史が貯まっています。これも味ではありますが、時間をかけてちょっとづつ綺麗にしてやりたいと思っています。
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